結婚や出産、マイホーム購入のようなタイミングで保険の見直しを考える夫婦は多いでしょう。しかし、自分たちに本当に必要な保障や適切な保険金額がわからなくて悩むかもしれません。
この記事では、夫婦世帯の年代別のリスクや、検討すべき保険種類、保険選びのポイントなどを詳しく解説します。これから保険に加入するご夫婦、保険の見直しを考えているご夫婦はぜひ参考にしてください。
- 多くの世帯で夫婦ともに生命保険に加入している備えるべき
- リスクは年代によって変化するので、タイミングを見て保険の見直しが必要
- 夫婦世帯でも働き方や子どもの有無によって必要な保障は異なる
生命保険の加入状況について
夫婦世帯の生命保険の加入率や支払う保険料は、どのくらいでしょうか。最初に夫婦世帯の生命保険の加入状況を紹介します。
夫婦の生命保険加入率
生命保険文化センターの「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、夫婦世帯で夫婦ともに生命保険に加入している割合は78.3%です。
以下は、世帯主の年齢別の夫婦ともに生命保険に加入している世帯の割合です。
【世帯主の年齢別 夫婦ともに生命保険に加入している世帯の割合】
世帯主年齢 | 夫婦ともに加入 |
---|---|
29歳以下 | 54.5% |
30~34歳 | 76.3% |
35~39歳 | 72.8% |
40~44歳 | 80.5% |
45~49歳 | 82.5% |
50~54歳 | 82.2% |
55~59歳 | 86.7% |
60~64歳 | 84.3% |
65~69歳 | 85.1% |
出典:生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査 〈図表Ⅰ−13〉」
夫婦世帯の生命保険加入率は30代以降に年齢とともに上昇し、60歳前後でピークを迎えます。現役世代の生命保険の加入への意欲の高さがうかがえます。
次に、世帯年収別の夫婦ともに生命保険に加入している世帯の割合を見ていきましょう。
【世帯年収別 夫婦ともに生命保険に加入している世帯の割合】
世帯年収 | 夫婦ともに加入 |
---|---|
200万円未満 | 67.9% |
200~300万円未満 | 70.3% |
300~400万円未満 | 74.2% |
400~500万円未満 | 77.3% |
500~600万円未満 | 81.8% |
600~700万円未満 | 78.0% |
700~1,000万円未満 | 85.5% |
1,000万円以上 | 81.0% |
出典:生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査 〈図表Ⅰ−14〉」
世帯年収による加入率の違いは明確です。700万~1,000万円未満の世帯では85.5%と最も高い加入率を示し、年収が低くなるにつれて段階的に低下する傾向にあります。ただし、200万円未満の世帯でも67.9%が加入しており、収入に関わらず保険への関心は高いとわかります。
続いて、世帯主と配偶者の就労形態別・世帯主の年齢別の、夫婦ともに生命保険に加入している世帯の割合を紹介します。
【世帯主と配偶者の就労形態別・世帯主の年齢別 夫婦ともに生命保険に加入している世帯の割合】
世帯主年齢 | 専業主婦(夫) | 共働き(配偶者はパート・派遣) | 共働き(配偶者はフルタイム) |
---|---|---|---|
30歳代以下 | 74.5% | 67.0% | 73.7% |
40歳代 | 83.2% | 78.0% | 87.2% |
50歳代 | 79.3% | 85.0% | 86.4% |
60歳代 | 88.4% | 87.0% | 81.4% |
出典:生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査 〈図表Ⅲ−17〉」
上記から、専業主婦(夫)世帯と共働き(パート)世帯は30歳代・40歳代の加入率が低めで、60歳代以降に高くなる傾向が見られます。一方、フルタイムの共働き世帯は60歳代の加入率が減少しています。
ただし、上記いずれのケースでも生命保険の加入率は高く、どのような状況でも保険の必要性は意識されていると推測できるでしょう。
夫婦の生命保険料平均
同じ生命保険文化センターのデータから、世帯主と配偶者の就労形態別・世帯主の年齢別の年間生命保険料の平均額も紹介します。
年代 | 専業主婦(夫) | 共働き(配偶者はパート・派遣) | 共働き(配偶者はフルタイム) |
---|---|---|---|
30歳代以下 | 32.2万円 | 32.3万円 | 40.9万円 |
40歳代 | 33.5万円 | 32.8万円 | 42.9万円 |
50歳代 | 35.9万円 | 42.4万円 | 60.6万円 |
60歳代 | 41.5万円 | 37.8万円 | 63.5万円 |
出典:生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査 〈図表Ⅲ−28〉」
支払う保険料が多いのは、夫婦ともにフルタイムの共働き世帯であるとわかります。30代、40代でのフルタイムの共働き世帯の場合、月あたり3万円以上の保険料負担です。生命保険の加入率に大きな差はなくても、加入する保障内容に違いがあると考えられます。
夫婦で生命保険に加入するのはお得?
夫婦で加入できる保険として、夫婦型保険や家族型保険があります。夫婦型や家族型は医療保険やがん保険に家族の保障の特約を付けて、1本の保険で夫婦の保障を確保するタイプです。夫婦別々に加入するより保険料が割安ですが、現在、このタイプはほとんど販売されていません。
夫婦型保険・家族型保険には以下のようなデメリットがあり、すでに加入している場合は見直しをおすすめします。
- 主契約者が死亡すると保障が継続できなくなる場合が多い
- 離婚時に配偶者の保障が消滅する
- 個別の保障内容の見直しが困難
- 配偶者の保障額は主契約の6割程度に制限される
すでに主契約の被保険者が保険の見直しができないような健康状態であれば、継続したほうが良いでしょう。しかし、見直しが可能であれば、夫婦それぞれのニーズに合った保険に加入したほうが安心です。
【年代別】夫婦が備えるべきリスクを紹介
夫婦で保険を見直す場合、備えるべきリスクは年齢とともに変化します。ここでは、年代別の夫婦で備えるべきリスクについて解説します。
20代は長期間働けなくなった場合に備える
20代夫婦の場合、死亡リスクは低いものの、事故や病気で長期間働けなくなるリスクには注意が必要です。特に共働き夫婦の場合、どちらか一方の収入が途絶えると、住宅ローンの返済や生活費の支払いに支障をきたす可能性があります。
健康保険だけでは入院時の医療費や収入減少を十分にカバーできないケースが多いため、以下の保障を検討しましょう。
【20代夫婦の保障内容の目安】
- 医療保険:入院給付金日額 5,000円~10,000円
- 就業不能保険:月収の50~70%程度
20代は保険料が割安で審査も通りやすい時期です。特に就業不能保険は長期の入院や治療が必要になった場合の収入減少を補う保障となります。そのため、医療保険と組み合わせて加入することをおすすめします。
30代は子どもや家族の将来に備える
30代は子どもの誕生、住宅購入など、家族構成や生活環境が大きく変化する時期です。文部科学省の「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果」によると、子どもひとりあたりの大学4年間の学費の目安は、 以下のとおりです。
- 私立文系:約410万円
- 私立理系:約542万円
子どもが誕生したら、学資保険などで教育費の準備を始めましょう。
また、病気やケガのリスクも考慮し、医療保険やがん保険にも加入しておくと安心です。
住宅ローンを組む場合は、団体信用生命保険への加入が必須となります。そのため、世帯主に万が一があっても住居費はかからなくなるため、死亡保険金はその分少なく見積もることができます。
【30代夫婦の保障内容の目安】
- 死亡保障:男性2,000万円、女性800万円
- 医療保険:入院給付金日額 5,000円~10,000円
- がん保険:診断給付金100万円
- 学資保険:満期保険金300万円~500万円(子どもひとりあたり)
40代は生活習慣病に備える
40代になるとがんや高血圧、糖尿病といった生活習慣病のリスクが高まります。生命保険文化センターの「生活保障に関する調査(2022年度)」によると、入院時の1日あたりの自己負担費用の平均は20,700円です。生活習慣病は長期的な治療が必要となる場合が多く、医療費の負担も大きくなってしまいます。また、入院や手術が必要になれば、収入が減ってしまう可能性もあります。
また、がんのリスクも高まる年代です。がん治療は長期化しやすく、高額な治療費がかかることも少なくありません。さらに、治療による就労不能で収入が減少する可能性もあります。がんに備えるためには、がん保険への加入がおすすめです。がん保険は、がんの治療にかかる費用だけでなく、治療中の生活費を補う使い道や自由な一時金を受け取れる商品もあります。
【40代夫婦の保障内容の目安】
- 医療保険:入院給付金日額 5,000円~10,000円
- がん保険:診断給付金 100万円~300万円
50代は老後に備える
50代になると、老後生活を意識するようになります。公的年金だけでは不足する資金を、なるべく早いうちから準備しましょう。
一般社団法人全国銀行協会によると、夫婦ふたりの老後資金のひとつの目安は2,500万円とされています。実際の必要額は世帯の状況によってさまざまなので、おおよその金額を見積もっておきましょう。
公的年金だけでは不足する分を補うには、個人年金保険への加入が有効です。近年では「老後破産」の増加が社会問題化しており、老後資金をしっかり準備しておきましょう。
また、50代以上になると病気のリスクがさらに高まるため、健康なうちに終身タイプの医療保険に加入しておくと安心です。
【50代夫婦の保障内容の目安】
- 個人年金保険:月々の年金受取額5万円~ 10万円
- 医療保険:入院給付金日額 5,000円~10,000円
夫婦が検討したい保険の種類は?
夫婦で保険の見直しをする場合、何かあったときの配偶者や子どもへの影響を考える必要があります。ここでは、夫婦が検討するべき保険の種類を紹介します。
保険の種類 | 保障内容 | メリット | デメリット | 加入時の注意点 |
---|---|---|---|---|
医療保険 | 入院・手術・通院にかかる費用を保障 | ・公的医療保険ではカバーできない費用を補填できる | ・保険料が割高になる場合がある | ・保障内容(入院給付金日額、手術給付金など)をよく確認する |
死亡保険 | 死亡時に保険金が支払われる | ・遺族の生活費や教育費を確保できる | ・保険料が高い場合がある ・解約すると損をする場合がある | ・保障額(死亡保険金)を過不足なく設定する ・定期保険か終身保険かを適切に選択する |
がん保険 | がんの診断・治療にかかる費用を保障 | ・がん治療費の高額化に対応できる ・最新の治療に合う保障を選べる | ・がん以外の病気はカバーしない | ・保障範囲(診断給付金、入院給付金、手術給付金など)を確認する ・上皮内がんが保障対象に含まれているか確認する |
学資保険 | 子どもが18歳など一定の年齢に達したときに満期保険金が支払われる | ・計画的に教育資金を準備できる | ・途中で解約すると元本割れする場合がある ・返戻率が低い | ・満期時(子どもが18歳など)に受け取る金額を確認する ・途中解約時の条件を確認する |
就業不能保険 | 病気やケガで働けなくなった場合に、毎月一定額の保険金が支払われる | ・収入が途絶えても生活費を確保できる | ・保障範囲が限定的(精神疾患は対象外など)な場合がある | ・給付の対象になる条件をよく確認する |
医療保険
医療保険は、病気やケガによる入院・手術の費用に備える保険です。若いうちは保険料が比較的安く抑えられますが、年齢とともに保険料が上昇するため、早めの加入がおすすめです。
特に終身型の医療保険なら、契約時の保険料が変わらず一生涯保障が継続します。入院給付金や手術給付金に加え、三大疾病特約や先進医療特約などを組み合わせると、より手厚い保障を確保できます
死亡保険
死亡保険には、主に終身保険と定期保険があります。子育て期のように大きな保障が必要な時期には、保険料が割安な定期保険で必要な期間だけカバーするのがおすすめです。
一方、終身保険の保険料は高めですが、一生涯の保障が続き解約返戻金もあるため、死亡時の整理資金の準備として活用できます。ライフステージに応じて両方を組み合わせると、必要な保障を無理のない保険料で準備できます。
がん保険
がん保険は、がんに特化した保障を提供する保険です。契約後90日間は免責期間となり、この期間中にがんと診断された場合は保障を受けられない点に注意が必要です。医療保険と異なり、入院給付金の支払い日数に制限がなく、がん診断時の一時金も手厚くなっています。また、抗がん剤治療や通院治療への保障も充実しており、長期化する可能性のあるがん治療に対して、より手厚い経済的サポートを得られます。
学資保険
学資保険は、教育資金を計画的に準備できる保険です。契約者である親が保険料を支払い、被保険者である子どもが一定の年齢に達したときに教育資金を受け取れる仕組みとなっています。大きな特徴は、貯蓄機能と保障機能を併せ持つ点です。
契約者が万が一死亡または高度障害状態になった場合に以降の保険料支払いが免除され、予定していた教育資金を受け取れます。ただし、途中解約すると払い込んだ保険料を下回るリスクがあるため、無理なく保険料を支払える金額を設定する必要があります。
就業不能保険
就業不能保険は、病気やケガで長期間働けなくなった際の収入減少をカバーする保険です。入院や医師の指示による在宅療養、障害等級認定などの条件を満たした場合に、毎月の給付金を受け取れます。
保険会社によって保障対象となる疾病の範囲や給付条件が異なり、精神疾患を保障に含むものや給付金の支払期間に制限があるものといった、さまざまなタイプがあります。また、給付開始までの待機期間(支払対象外期間)も商品ごとに設定が異なるため、加入前に確認しましょう。
夫婦で保険を選ぶ際のポイント
最後に、夫婦で保険を選ぶ際に注意すべきポイントを解説します。
働き方に合った保障内容を選ぶ
夫婦の働き方によって、必要な保障内容は大きく異なります。片働きの場合、収入を得ている配偶者に不測の事態が起きると家計への影響が甚大なため、家計の担い手の死亡保障や医療保障を特に手厚くする必要があります。
一方、共働きの場合は、夫婦どちらかが病気やケガで働けなくなった際の収入減少への備えが必要です。また、夫婦間で収入差が大きい場合は主たる家計の担い手の保障を厚くしつつ、もう一方の保障も適度に確保すると、バランスの取れた保障を実現できます。
家族構成の変化を考慮する
家族構成によって必要な保障は大きく変わってきます。子育て期間中は教育費用も考慮して保障を手厚くする必要がありますが、住宅ローンがある場合は団体信用生命保険でカバーされる分を考慮して死亡保障を調整できます。
一方、子どものいない夫婦の場合は遺族基礎年金が支給されない点を考慮して、死亡保障を充実させることをおすすめします。家族構成の変化に応じて、保障内容を見直すようにしましょう。
夫婦の老後に備える
40代、50代は老後への準備を本格的に始めるべきタイミングです。iDeCoやNISAは税制優遇を受けられる制度ですが、リスクのある運用では元本割れの可能性もあるため、個人年金保険との併用が有効です。
また、医療保険は若いうちの加入で保険料を抑えられ、一生涯の保障が継続するメリットがあるため、早めの加入を検討しましょう。
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おわりに
夫婦の保険選びでは、年代やライフステージに応じた必要な保障の変化を理解することが重要です。20代では就業不能保障、30代では教育費用、40代では医療保障、50代では老後資金と、それぞれの時期に必要な備えが異なります。また、共働きか片働きか、子どもの有無など、家族構成によっても最適な保障は変わってきます。定期的に保険の見直しを行い、その時々の状況に合った保障を確保すると、より安心して生活できるでしょう。
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