このコラムでは、これから留学に興味のある方やそのご家族に向けて、年代別に留学の種類や費用について解説します。思い立ったときに行動するのがベスト!50代からでもチャレンジできます。まずは、ご自身が行ってみたい国の情報収集を行いましょう。留学費用は、国や期間によってさまざまです。留学費用を貯めるコツや、滞在先でお金を稼ぐワーキングホリデーなどもご紹介します。
高校生の留学と費用の目安
まずは、高校の留学費用などについて解説します。
高校生の留学の種類
高校生の留学の種類には、夏休みや春休みなどを利用して行く短期留学や、高校同士で協定を結んでいる海外の高校に長期間通う交換留学などがあります。
滞在形態は、海外で現地のホストファミリーと生活を共にするホームステイや、学生同士で交流ができる寮滞在などがあります。どこの国に行こうか迷ったときや学校探しに困ったときには、留学の手続き全般を代行してくれる留学エージェントを利用すると良いでしょう。
留学エージェントでは、高校生向けの特別プログラムもあり、国や滞在形態に加え、期間や入校日も選べます。日本での塾や部活動のスケジュールと合わせやすいのも魅力です。留学中には、語学のレッスンの他、スポーツや市内観光などのアクティビティもあります。授業やアクティビティを通して、英語の表現力やリスニング力の向上が期待できるでしょう。
高校生の留学費用の目安
ここでは、高校生の留学先で人気のアメリカ、カナダ、オーストラリアの留学費用の目安をご紹介します。
アメリカ | カナダ | オーストラリア | |
グループツアータイプの短期留学(半月前後の場合) | 約56万円~60万円 | 約53万円~約55万円 | 約41万円~約50万円 |
現地発着ツアータイプの短期留学(2週間前後の場合) | 約44万円 | 約35万円 | 約34万円 |
高校生私費留学(3カ月前後の場合) | 約120万円~160万円+諸経費 | 約100万円~130万円+諸経費 | 約100万円~130万円+諸経費 |
高校生交換留学(約1年間の場合) | 約190万円 | 約230万円 | 約178万円 |
グループツアータイプの短期留学では、添乗員や引率者が同行し、往復航空券代も費用に含まれます。現地発着ツアータイプの短期留学の場合、現地まではご自身で行くことになり、往復航空券代は含まれていません。
実施している留学エージェントのプログラムによっても、含まれる費用は異なるので、いくつかの会社を比較し、ご自身にぴったりの留学タイプを選びましょう。
参照元:ISA(高校生の留学費用 出発前から帰国までに必要な費用について)
大学生の留学と費用の目安
大学時代も留学におすすめの時期です。ここでは、大学生の留学費用を見ていきましょう。
大学生の留学の種類
大学生の留学にも、夏休みや春休みを利用して行く短期留学や、海外の提携校に半年から1年間ほど通う交換留学があります。また、学位修得を目的とした正規留学をするのもおすすめです。正規留学は、語学力が充分にあることが入学時の条件になります。興味のある分野が海外の大学にある場合には、日本の大学ではなく海外の大学も視野に入れて受験すると良いでしょう。
自分探しの時間にもなる大学時代を海外で過ごすと、さまざまな刺激を受け、今後の進路の幅も広がるはずです。日本の大学に在籍中に休学をしてワーキングホリデーに行くのも良いでしょう。ワーキングホリデーとは、海外で働きながら学べるおすすめの制度です。語学学校などの教育機関での就学と、現地での就労の両方が認められています。大学時の滞在形態には、ホームステイや寮滞在の他、アパートなどを借りることも可能です。ご自身のスタイルに合った留学形態や滞在スタイルを選びましょう。
大学生の留学費用の目安
ここでは、1年間大学留学をした場合の費用の目安を、アメリカ、カナダ、オーストラリアの国別にご紹介します。
アメリカ | カナダ | オーストラリア | |
語学留学 | 約450万円 | 約330万円 | 約330万円 |
正規留学 | 約380万円~600万円 | 約320万円~660万円 | 約350万円~550万円 |
ワーキングホリデー | (制度無し) | 約110万円(200万円-90万円) | 約95万円(230万円-135万円) |
正規留学は、通う学校が公立や州立か、私立、専攻が文系か理系かなどでも、費用の相場が大きく異なります。ワーキングホリデーなら、働きながら生活費を確保できるので、留学費用を100万円程度に抑えることができるでしょう。
参照元:留学ワールド(留学費用を徹底解説!国別・目的別費用の比較と効果的な節約法10選)
社会人の留学と費用の目安
社会人になってから、留学をしようと考える方もいるでしょう。ここでは、社会人の留学の種類や費用を解説します。
社会人の留学の種類
社会人の留学には、短期留学やワーキングホリデーの他、専門留学があります。短期留学では語学が中心ですが、専門留学では専門性の高いスキルを身に付けたり、興味のある分野を本場で学び知識を深めたりすることが可能です。また、日本で看護師として働いている場合、正看護師の資格を活かして海外で収入を得ながら留学できるナース留学などもあります。海外でスキルアップしたいというときには、一度留学してみるのもおすすめです。
また、専門留学は、就職に役立つ技術が習得できるため、転職を考えている方にも人気です。学校やコースにより、修了証や資格取得も可能です。専門留学の費用は、学ぶ分野によって大きく異なります。海外で学べる分野は多種多様で、マーケティングや会計、財務、人事管理などを学ぶビジネス系や、サービス業に興味がある方にぴったりのホスピタリティ分野、高いレベルの語学力を身に付ける英語教授法などさまざまです。
社会人の留学費用の目安
社会人の方は留学できる期間が限られるでしょう。ここでは、語学留学の期間別の授業料と滞在費、生活費の費用目安をアメリカ、カナダ、オーストラリアの国別にまとめました。
アメリカ | カナダ | オーストラリア | |
1ヵ月 | 約30万~50万円 | 約30万~50万円 | 約30万~50万円 |
3ヵ月 | 約70万~120万円 | 約60万~100万円 | 約60万~120万円 |
半年 | 約120万~200万円 | 約110万~140万円 | 約140万~200万円 |
1年 | 約250万~400万円 | 約180万~300万円 | 約180万~400万円 |
1ヵ月の語学留学であれば、30万円前後でも留学が可能。長期になると、国によって掛かる費用に差が出てきます。
参照元:留学くらべーる(英語圏の語学留学にかかる費用の目安)
50代からの留学と費用の目安
早期退職の募集が増える現在、50代から留学する方も増えています。ここでは、50代からの留学の種類や費用などについて解説します。
50代からの留学の種類
50代からの留学には、同年代と共に学ぶ短期留学や専門分野を極める長期留学があります。退職して、憧れだった国へ長期留学したり、子育てが一段落して、興味のある国へ1ヵ月間短期留学したりするのも良いでしょう。
一人で行くのは心配という方は、短期語学研修ツアーに参加するのもおすすめです。日本人スタッフが同行、または日本語が話せる現地スタッフがサポートしてくれるでしょう。欧米の語学学校には、シニア層の受け入れに積極的な学校も多くあります。シニア層向けに構成されたプログラムでは、世界各国から集まる同世代と一緒に学べるのがうれしいポイントです。大人向けアクティビティも豊富で、充実した留学生活を送れるでしょう。また、語学教師の家でのホームステイや個人レッスンなどもあります。
50代からの留学費用の目安
ここでは、50代からの留学費用の目安をプログラム別にご紹介します。
プログラム | 費用目安 |
---|---|
短期留学(1週間) | 約10万~40万円 |
語学留学(1ヵ月) | 約30万~60万円 |
長期留学(1年) | 約200万~500万円 |
習い事・おけいこ留学 | 約30万~60万円 |
上記は、授業料、食費、滞在費を含めた費用の目安です。シニア留学に必要な費用は、目的によってさまざまでしょう。通常の短期留学であれば1週間、10万円前後で参加可能です。アクティビティが充実したプログラムでは、1週間で20~30万円掛かるものもあります。
留学費用の貯め方のコツとは?
留学費用をどうやって準備すれば良いか分からないという方もいるでしょう。ここまでご紹介してきたとおり、留学にはそれなりのコストが掛かります。ここでは、留学費用の貯め方のコツについてご紹介します。
時間を掛けて貯金する
留学を考えているけど、予定はまだ先という方は、時間を掛けてコツコツ資金を貯めましょう。
必要資金と月々の目標を決める
留学費用には、授業料や教材費の他、航空券代やビザ取得に掛かる費用、海外留学保険料、食費や居住費などの現地での生活費などがあり、留学先によってその費用はさまざまです。ホームステイをするのか、寮に入るのか、アパートを借りるのかなどによっても、掛かる費用は変わるでしょう。留学先で、どのような暮らしをするかイメージしてから費用を算出する必要があります。いくら貯める必要があるか計算したら、それを留学するまでの月数で割り、月々の貯金目標額を定めましょう。
給与の一部を先取り貯金する
現地での生活費なども含め、貯めるべき金額が明確になったら、どのように貯めるのかを考えていきましょう。留学を検討しているけど、予定はまだ先という方は、銀行や信用金庫などの定期積立や積立定期預金を利用してコツコツ貯めるのがおすすめです。例えば、毎月5万円貯金すれば、2年間で120万円貯めることができます。社会人の場合は、財形積立を利用すれば給与天引きになるため、効率良く貯めることができるでしょう。
少額投資をスタートする
大きな金額を貯金するのは大変です。この留学資金の準備を機会に、少額投資をスタートさせるのもおすすめです。
投資信託なら価格変動の振れ幅を抑えることも可能
投資信託は、価格変動の幅を抑えることができるので、初めて投資をするという方にもおすすめの方法です。毎日100円や毎月1,000円など少額から始められるのも嬉しいポイントです。口座開設もオンラインで簡単にでき、アプリで簡単に管理できるのも魅力です。投資を行う際には、手数料の安いところを選びましょう。クレジットカード払いで簡単に積み立て投資できるところもおすすめです。
留学先の通貨で運用してみる
留学前に、留学先の通貨で運用してみるのも良いでしょう。現地の通貨で運用する場合には、日本で運用した外貨預金を、海外でその国の通貨で引き出すことが可能な商品を選びましょう。留学したい国の通貨が商品の対象となっていれば、現地の口座の開設を検討するのもおすすめです。
ワーキングホリデーを選ぶ
初期資金が少ない方には、ワーキングホリデーがおすすめです。通常の留学では、現地で働くことはできませんが、ワーキングホリデーなら就労可能です。渡航後に働きながら生活することができます。
ワーキングホリデーの対象は、基本的に18歳から30歳です。多くの国では、滞在期間を1年以内としていますが、イギリスは2年間の滞在が可能です。また、オーストラリアでは条件を満たせば最長3年間滞在できます。海外で長く暮らしたいけど、金銭面が心配という方はワーキングホリデーを検討してみるのもおすすめです。
奨学金の有無について調べておく
留学を検討している場合に、まずチェックしたいのは奨学金です。奨学金の対象となるのは主に大学と大学院留学ですが、語学留学で申し込める場合もあります。奨学金には、給付型と貸与型があり、給付型は返済不要です。文部科学省主催の「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」は、英語力や成績が不問なので、語学力に自信がない方にもおすすめです。
おわりに
各年代の留学の種類や費用の目安、お金の貯め方のコツをご紹介しました。留学は、行きたいと思ったときに行動するのがベストです。学生はもちろん、社会人や50代からでもチャレンジすることもできます。まずは、行きたい国や学校の情報をしっかり調べ、必要資金を把握し計画を立てましょう。今回ご紹介した方法の中から、ご自身にぴったりの方法で準備してみてください。