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退職手続きって何をするの?手続きの流れや必要書類などを徹底解説

退職手続きって何をするの?手続きの流れや必要書類などを徹底解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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キャリアアップや環境を変化させるために40代・50代で退職を考えている方も増えている一方で、いざ退職となった際に、手続きの流れや詳しい内容については知らないという方も多いのではないでしょうか。

今回のコラムでは、退職手続きの流れや手続きに必要な書類について解説します。書類によっては、勤務先に返却したり、受け取ったりするものなどもあります。この記事を参考に書類の準備を進めると、スムーズに退職手続きを進められるでしょう。

退職手続きの流れを確認

退職手続きの大まかな流れは、以下のとおりです。それぞれの項目の詳細と押さえておきたいポイントについてまとめていきます。

【退職手続きの流れ】

  1. 退職する旨を勤務先に伝える
  2. 退職願を作成、提出する
  3. 引き継ぎ、挨拶まわりを行う
  4. 有給休暇の取得申請や貸与品の返却などを行う
  5. 最終出社をする
  6. 保険などの手続きを行う

1.退職する旨を勤務先に伝える

退職する際は、まず退職の意思を勤務先に伝える必要があります。正社員など、期間が定められていない雇用契約の場合、民法上は2週間前までの申告で良いとされています。しかし、急に退職すると業務に支障が出ることもあるため、1〜3ヵ月前までに退職の意思を伝えるケースが一般的です。

ただし会社によっては、退職の申告期限が就業規則で決められていることもあります。

後任者への業務の引き継ぎを行いトラブルなく退社するためにも、事前に就業規則を確認して、早めに退職の意思を伝えておくとよいでしょう。

また、退職の意思を伝える相手の順番にも注意が必要です。退職する際には、同僚や先輩に退職について相談しておきたい方も多いと思います。しかし本人以外から上司に退職の意志が伝わった場合にトラブルが起きる恐れがあるため、まずは直属の上司に退職の意向を伝えましょう

一方で、退職の意思を尊重してもらえず、引き止められる場合があります。そのような場合でも、労働者には退職の自由があり、原則として申告から2週間で雇用契約が終了すると民法627条で定められているため、意思を押し通して問題ありません。

2.退職願を作成、提出する

退職する際は、退職の2週間〜1ヵ月前までに退職願を提出するのが一般的ですが、法的には提出しなくても問題はありません。

ただし、勤務先によっては就業規則で退職願の提出が定められているケースがあるため、事前に上司などに確認しておくと安心です。

退職願には、退職理由や退職希望日、提出年月日などを記載して提出します。すべて手書きで記載する方法もありますが、WEBサイトでテンプレートをダウンロードして活用すると簡単に作成できるのでおすすめです

退職願と混同されやすいものとして辞表が挙げられます。辞表は、社長や取締役といった雇用関係にない方が役職を辞するために届け出るものですが、退職願は雇用されている従業員が会社に対して退職を願い出るためのものです。

退職したい意志を示す場合は、退職願を提出しましょう

3.引継ぎ、挨拶まわりを行う

退職願が受理されたら、退職までに後任者へ業務内容や顧客リストなどを引き継ぎます。

引き継ぎをスムーズに行うためには、最終出社日から逆算してスケジュールを立てることが大切です。退職前から、後任者へ向けた引き継ぎ資料をまとめておくと良いでしょう。後任者がなかなか決まらない場合もあるので、引継ぎ資料は、誰が見てもわかりやすい資料を作っておくと安心です

取引先との関わりがある場合には、退職前の挨拶まわりも欠かせません。挨拶まわりの際には、後任者と一緒に挨拶に行き、取引先に紹介すると良いでしょう。

ただし、退職することを社外に伝えるのを良しとしない企業もあるため、勤務先の意向に沿って行いましょう。

4.有給休暇の取得申請や貸与品の返却などを行う

退職前に有給休暇を取得する場合、できるだけ早めに取得申請を出しましょう。退職日が近づいてから申請を出すと、職場に迷惑をかける可能性があります。早めに申請して、業務に支障がでないように配慮することが大切です。

また、会社からの貸与品返却や私物の持ち帰りも、早めに済ませておきましょう。退職日までに貸与品の返却等ができなかった場合、退職後に返却を求められることがあります。

退職後の手続きをスムーズに進めるためにも、有給休暇の申請や貸与品の返却を早めに済ませておくとよいでしょう。

5.最終出社をする

最終出社日は、メールや対面で退職の挨拶をするほか、備品の返却や必要書類の受け取りなどを行いましょう。退職時に受け取る書類の中には、事前に勤務先へ申請しなければいけないものもあるため、注意が必要です。返却するものや受け取る書類などは後ほど詳しく説明します。

退職時の手続きをスムーズに進めるためにも、会社へ返却する貸与品や会社から持ち帰る私物などのチェックリストを作成しておくと分かりやすいでしょう。

6.保険などの手続きを行う

退職後には、勤務先から受け取った書類をもとに、保険や年金、税金などの各種手続きを行う必要があります。各種手続きには、それぞれ期限があるため、早めに対応しましょう。手続きの詳しい内容に関しても、後ほどお伝えします。なお、次の就職先次第で手続きの内容が異なるため注意しましょう。

退職時に勤務先に返すもの

退職時に勤務先に返却するものは、大まかに分けると以下の4つです。それぞれ具体例を挙げながら詳しくご紹介します。

【勤務先に返却するもの】

  • 健康保険被保険者証
  • 身分証明書
  • 会社支給のもの
  • 資料、データなど

健康保険被保険者証(保険証)

勤務先から支給された保険証は、退社とともに無効になるため、配偶者や子どもなどの扶養家族分も含めて返却する必要があります。

次の保険証が発行されるまでは、医療機関を受診した際の窓口負担が全額負担になるため、できるだけ現金を多めに持っておくと安心です。

身分証明書

退職する企業の社員であることが証明できるようなものはすべて返却する必要があります。返却を忘れてしまうと、退職後のトラブルに発展してしまう場合もあるため、必ず返却しましょう。

【例】

  • 社員証
  • 名刺
  • カードキー
  • 社章

会社支給のもの

会社支給の備品や経費で購入したものは、筆記用具など細かいものも含めて、すべて返却します。

また、会社から支給されたものではありませんが、取引先や営業先などで受け取った名刺も顧客情報になるため返却しなければなりません。

【例】

  • パソコン、タブレット
  • 携帯電話
  • 顧客情報(取引先の名刺を含む)
  • 通勤定期券(費用が会社負担のもの)
  • 筆記用具(費用が会社負担のもの)
  • 書籍等(費用が会社負担のもの)
  • ロッカーのカギ
  • 制服や作業着

資料、マニュアルなど

勤務期間中に作成した書類やデータなど業務に関わるものは、すべて返却します。とくに機密情報が記載された書類などは、情報漏洩などのトラブルになりかねないため、必ず返却しましょう。

【例】

  • 資料、書類
  • 契約書
  • マニュアル
  • データ、パスワード

退職時に勤務先から受け取るもの

退職時に勤務先から受け取るものは、主に以下の5つです。退職日に受け取れるものばかりではなく、後日交付される書類もあるので注意しましょう。詳細について見ていきましょう。

【受け取るもの】

  • 雇用保険被保険者離職票(離職票)
  • 雇用保険被保険者証
  • 退職証明書
  • 源泉徴収票
  • 年金手帳

雇用保険被保険者離職票(離職票)

離職票とは、離職したことを証明するためにハローワークで発行してもらう書類です。ハローワークでの求職の申し込みや失業給付の受給申請を行うために欠かせません

前職の退職からすぐに次の企業に入社するため失業給付を受給しない場合には、離職票は不要です。

離職票は、退職日から10日以内に郵送されます。2週間以上経っても離職票が届かない際には、失業手当の申請に影響が出る可能性があるため、受け取れる期日を確認するとよいでしょう。

お住まいの地域によって、管轄のハローワークが異なります。東京都にお住まいの方であれば、下記のWebページより管轄のハローワークをご確認いただけます。

東京ハローワーク|ハローワーク一覧

雇用保険被保険者証

雇用保険加入時に発行される書類である雇用保険被保険者証は、失業給付・教育訓練給付金の受給や再就職の際に必要です。

紛失を避けるために企業が保管していることも多いため、忘れずに受け取りましょう。

企業から返却されていて、紛失してしまっている場合は、雇用保険被保険者番号が分かればハローワークで再発行できます。

雇用保険被保険者番号を知りたい場合は、勤務先に教えてもらったり、離職票に記載された番号を確認したりすることで確認できます。

退職証明書

退職証明書とは、勤めていた企業から退職した事実を証明するために、企業に申請して発行してもらう書類です。

保険や年金、失業給付の手続きに使えるほか、退職の事実確認のために転職先の企業が退職証明書の提出を求めるケースもあります

退職証明書の内容は企業によって異なるため、転職先から記載項目に指定がある場合は、勤務先に記載が必要な項目を伝えて記入してもらいましょう。

離職票と内容が似ていますが、退職証明書は離職票よりも早く発行されるため、手続きの際に代わりの書類として使用されることも多いようです。

また、離職票は公的文書であり、発行が義務付けられていますが、退職証明書は私的文書なので発行義務はありません

源泉徴収票

源泉徴収票は、年間の給与額と支払った税額が記載された書類で、退職後1ヵ月以内の交付が義務付けられています

転職先で年末調整をしない場合や、年内に再就職しない場合には、翌年の確定申告で必要になります。発行後に紛失してしまった場合には、元の勤務先に再発行してもらいましょう。

年金手帳

厚生年金の加入者である旨を証明する年金手帳は、紛失防止のため企業で保管していることもあります。

普段あまり使うことがないことから、企業から返却してもらうのを忘れてしまいがちです。退職した際に手元にあるか確認しておきましょう。

年金手帳は転職先への提出が必要ですが、2022年4月に廃止されたため、紛失した場合には再発行できません

紛失した場合は、代わりに日本年金機構から基礎年金番号通知書を発行してもらえるほか、マイナンバーでも基礎年金番号と同様に手続きできます。

健康保険の資格喪失証明書

健康保険の資格喪失証明書は、退職時に健康保険の資格を失ったことを証明する書類です。

特に、退職後に個人事業主として独立する場合は、国民健康保険の加入手続きに必須の書類なので、忘れずに受け取りましょう。

一方、退職後すぐに次の会社へ就職して新たな健康保険に加入する場合や、配偶者や親族の扶養に入る場合には、この証明書は必要ありません。

退職後の手続きに必要な方は、健康保険の資格喪失証明書の発行を事前に依頼しておきましょう。

退職後に行う各種手続き

退職後に行う手続きは以下のとおりです。なお、退職したら全員がすべての手続きを行う必要があるわけではなく、対象者のみが行う手続きもあります。

【退職後の各種手続き】

  • 失業給付
  • 健康保険
  • 年金
  • 住民税
  • 所得税

失業給付

失業給付とは、失業後の求職活動中の生活をサポートするための制度です。離職票などを用意してハローワークで手続きを行い、説明会への参加やハローワークに通うなどの条件を満たしたうえで、失業給付が受け取れます。受け取り条件は以下の2点です。

  • 就職する積極的な意思があり、就職できる能力を持っているものの、職業に就くことができない「失業の状態」であること
  • 自己都合による一般の離職者で、離職以前の2年間で被保険者期間が合計12ヵ月以上あること

ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月以上ある場合でも受け取れます。

失業給付は、次の就職先が決まらずに求職活動を行っている方のみが対象となるため、退職時に次の就職先が決まっている方は手続き不要です。

参照元:ハローワークインターネットサービス – 基本手当について

健康保険

退職時に次の就職先が決まっていない場合は、国民健康保険へ加入する、健康保険の任意継続被保険者となる、勤務している家族の扶養に入るという3つの選択肢の中から、いずれかの方法を選ぶ必要があります

国民健康保険は、在住する市町村で加入する健康保険です。協会けんぽなどの健康保険よりも保険料が高くなる傾向がありますが、倒産や解雇による離職の方などは負担額が軽減される場合もあります。

健康保険の任意継続とは、退職後も引き続き企業の保険を最長2年間利用できる制度です。退職日までの間に継続して2ヵ月以上被保険者期間があり、退職の翌日から20日以内に規定の申出書を提出した方が対象です。

退職後に家族の被扶養者になる場合、扶養の手続きは会社が行ってくれるため、扶養者となる家族の勤務先へ申請しましょう。

一方、すぐ次の企業に就職する方は、就職先に「健康保険資格喪失証明書」を提出すれば1週間ほどで新しい保険証が発行されます。

年金

次の就職までに1ヵ月以上期間が空く方や、退職後に就職しない方は、厚生年金ではなく国民年金に加入しなければなりません。退職日の翌日から14日以内に、市区町村の役場で切り替え手続きをしましょう

退職後すぐ次の企業に就職する方は、就職先に年金手帳や基礎年金番号通知書を提出すれば企業が手続きしてくれるため、窓口での手続きは不要です。

住民税

住民税は、前年の所得に応じて金額が決定するため、退職した月によって手続きの方法が異なります。

1〜5月に退職した場合は、給与から一括で天引きされるため、手取り額が通常よりも少なくなるでしょう。

6〜12月に退職した場合は普通徴収となるため、一括または分割の2つの納付方法から選んで自分で納めなければいけません。普通徴収への切り替えは退職する企業で行ってもらいましょう。

転職先の企業が決まっている場合には、転職先の企業が普通徴収から給与天引きの特別徴収への切り替え手続きをしてくれます。

所得税

給与からさまざまな控除をした金額に課せられる所得税は給与額を予測して天引きされ、年末調整で過不足分を調整しています。

すぐに転職する場合は、新たな勤務先に源泉徴収票を提出して年末調整を行えます。ただし、11月下旬以降の入社の場合は年末調整に間に合わない可能性があるため、転職先への事前確認が必要です

すぐに転職しない場合や年末調整に間に合わなかった場合、ご自身で確定申告する必要があります。またすぐ転職する場合でも、年収が2,000万円を超える方や雑所得などで年20万円を超える収入がある方も、ご自身で確定申告を行う必要があるため注意しましょう。期限までに確定申告していない場合、無申告加算税や延滞税がかかるため、期限にも気をつけましょう。

参照元:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁

退職手続きの注意点

次の就職先や退職後の計画によって、退職手続きに必要な書類が異なります。個別のケースに応じて、事前に準備すべき書類や必要な手続きを確認しておくことが大切です。ここでは、退職時に注意すべきことについて詳しく解説します。

会社のルールを確認しておく

会社によっては、退職手続きに独自のルールが存在する場合もあります。特に、就業規則に退職規定が記載されていることが多いため、事前に確認しておきましょう。

退職規定を確認する際に、特にチェックしておくべき事項は以下のとおりです。

  • 退職を希望する際の予告期間
  • 退職願の提出方法
  • 退職金制度の有無
  • 退職時の有給休暇について

また、会社によっては、就業規則に記載されていない暗黙のルールが存在することもあります。可能であれば、事前に職場の上司や同僚に相談しておくことをおすすめします。

事前に計画を立てておく

できるだけ早い段階で、退職後の生活について計画を立てておきましょう。なぜなら、退職後の就職先が決まっている場合とそうでない場合では、準備する内容が異なるからです。

例えば就職先が決まっていない場合、退職後の生活資金を確保するため、失業手当の申請が必要になります。逆に、就職先が決まっている場合には、退職日と入社日の調整を行わなければいけません。

また、退職のタイミングによっては賞与や年末調整に影響が出る恐れがあるため、注意しましょう。

例えば、多くの会社では、賞与を支給するための基準日や条件を定めています。退職日がこれに該当しない場合、賞与の対象から外れるケースがあります。

また入社してから確定申告までの期間が短すぎる場合、会社が年末調整を行ってくれないため、自分で確定申告をしなければいけません。

こうした状況を防ぐためにも、退職前から計画を立てて、制度上有利な条件で退職できるようにするとよいでしょう。

事前に必要書類をチェックしておく

退職時に必要な書類が揃っていない場合、退職後の手続きが滞ってしまう可能性があります。そのため、退職前に必要な書類を確認し、事前に準備しておくことが重要です。特に、以下の書類をチェックしておくとよいでしょう。

  • 離職票
  • 年金手帳
  • 健康保険被保険者証

離職票は、失業手当の申請に必要なので、早めに受け取っておくべき書類です。また、年金手帳や健康保険証の返却などを事前に準備しておくことで、退職後の手続きがスムーズになります。

退職手続きのよくある悩みと対策

退職手続きについて基本的な方法は理解していても、実際には会社の状況によって対応方法が異なる場合もあります。そのため、自分の置かれた環境でどう手続きを進めるべきか悩む方も多いでしょう。ここでは、退職手続きに関するよくある悩みと、その対策について詳しく解説します。

退職の意思を伝えづらい場合は?

退職する際に、上司との関係性や担当プロジェクトへの影響を考えて、退職の意思を伝えづらく感じる方も多いでしょう。まずは自分の退職理由を明確にすることが大切です。

自分自身で退職理由が明確になっていない場合、周囲に退職理由を理解されにくくなり、納得してもらえない可能性もあります。

上司に面と向かって退職の意思を伝えづらい場合は、メールや文書を活用する方法もよいでしょう。ただし、退職願などの正式な書類は直接提出が求められるケースも多いため、メールでの通知はあくまで補助的な手段と考えるべきです。

また、どうしても個別に伝えるのが難しい場合は、人事部や信頼できる第三者に相談し、仲介してもらうことも有効です。

近年では、退職代行サービスの利用も選択肢のひとつとして挙げられます。ただし、利用する際には費用がかかることや、会社との関係性が断たれることへのデメリットも理解しておく必要があります。

どの方法を選ぶにしても、ビジネスマナーを守り、冷静かつ誠実に対応することが大切です。

次の勤務先の入社日に間に合わない場合は?

退職予定日が遅れてしまうと、次の就職先の入社日に間に合わない可能性があります。この場合、まずは新しい勤務先に連絡し、入社日の調整が可能か確認しましょう。早めに連絡することで、柔軟に対応してもらえる可能性があります。

どうしても入社日の調整が難しい場合は、現在の会社に事情を説明し、退職日を再調整できるか交渉するのもひとつの手段です。

民法上では、少なくとも退職の2週間前に退職の意思を通知する義務があります。つまり、2週間前までに退職の意思を伝えているのであれば、いつ退職したとしても法律上は問題ありません。

しかし、無理に退職期間を早めると、退職した会社との関係性が悪くなる恐れがあるため、注意しましょう。こうした状況を招かないためにも、余裕を持って計画を立てることが大切です。

退職後に働かない場合はどんな手続きが必要?

退職後、すぐに次の勤務先に就職しない場合には、健康保険や年金の切り替えなどさまざまな手続きをする必要があります。退職後すぐに働かない場合に必要な手続きは、以下の4つです。

  • 国民健康保険へ切り替え
  • 国民年金へ切り替え
  • 失業保険の申請
  • 住民税の支払い方法切り替え

新たに就職しない場合、社会保険における扱いが第2号被保険者から第1号被保険者に変わります。

そのため、加入する保険が健康保険から国民健康保険へ切り替わり、厚生年金への加入資格を失います。この変更によって、国民健康保険への切り替えや国民年金への切り替え手続きが必要です。

また、ハローワークでの失業保険の申請も必要です。失業手当は、申請後7日間の待機期間後に支給されます。自己都合退職の場合は、さらに2〜3ヵ月の給付制限期間がある点は理解しておきましょう。

さらに、在職中は給料から天引きで支払っていた住民税を、退職後は全額自分で支払わなければいけません。そのため、住民税の支払い方法を普通徴収へ切り替える手続きも必要です。

退職後に必要な手続きには、それぞれ期限が設けられている場合もあるため、退職前に計画を立ててスムーズに手続きを進めましょう。

トラブルなく有給消化するためにはどうすればいい?

退職時に多くの方が悩む問題が、有給休暇の消化についてです。退職時に残った有給休暇をすべて消化できるかは、会社の方針や時期によって異なります。

有給休暇を消化したい場合は、早めに上司や人事部に相談し、会社の規定に従って申請を行いましょう。

有給消化の方法は、退職日を遅らせて全て消化する方法や、退職日の前にまとめて消化する方法があります。

特に、希望どおりの有給を消化するためには、業務の引き継ぎを円滑に進めることも大切です。後任への引き継ぎがスムーズであれば、有給の消化についても協力的な対応を得られる可能性が高くなるでしょう。

おわりに

退職する際は、さまざまな書類や手続きが必要になります。面倒に感じてつい後回しにしてしまう方も多いでしょう。しかし、面倒だからと放置していると、受け取れるはずのお金を受け取れなかったり、期限が過ぎて手続きができなくなったりと、さらに面倒な事態になってしまうかもしれません。

退職に関する知識を確認しながら、分からないことは専門家にサポートしてもらいながら適切に手続きを行いましょう。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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