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ライフプランとはどんなもの?50代の方が立てる際のポイントも解説

ライフプランとはどんなもの?50代の方が立てる際のポイントも解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

これから先に起こり得るイベントや必要なお金について、具体的に考えたいと思っている方も多いのではないでしょうか。ライフプランは、漠然とした不安を解消するためだけでなく、目標を定めて行動していくためにも重要です。

今回は、ライフプランとはどのようなものでどう作るのかについて説明していきます。50代の方がプランニングする際のポイントや、資産形成術などについてもご紹介していますので、将来に備えたい方は参考にしてください。

ライフプランを立てる意味

「ライフプランを立てても意味ないのでは」と考える方もいるでしょう。しかし、ライフプランは将来の軸となる考え方です。ライフプランとはどのようなものなのか見ていきましょう。

ライフプランとは

ライフプランとは、今後の生き方を可視化し、実現するために必要なお金のことまで考えた計画を指します。あなたらしく生きるための生活設計といっても良いでしょう。長い人生の間にはさまざまなライフイベントがあります。そのときに「お金が足りない」ということがないように、将来どのようなタイミングでいくらお金が必要なのかを考えておくことが重要です。

ライフプランは、1度立てたらそのままで良いわけではありません。収入が増えたり減ったりすることや、想定外の出費が必要になることもありますし、ご自身の考え方が変化する可能性もあるでしょう。そのため、絶対的な目標としてとらえるのではなく、その都度見直しながら柔軟に調整していくことが重要です。

プランニングしないとどうなる?

ライフプランがないと、どのタイミングでいくら必要になるのかが見えません

将来に対する考え方の軸が定まらないため、漠然とした不安を抱え続けることになったり、将来に向けて必要なことを実践できなかったりすることも考えられます。将来あるべき姿がイメージできないことで、無駄な浪費を続けてしまうこともあるかもしれません。このような事態を避けるためにも、ライフプランニングは重要です。

ライフプランを立てるメリット

ライフプランニングの必要性はどこにあるのでしょうか。

ライフプランを立てるメリットのひとつは、将来の家計を可視化できることです将来何にいくら必要なのかということは、少し考えただけでは分かりにくいものです。しかし、ライフプランを立てることで、起こり得るイベントのタイミングや必要なお金を表などで可視化し把握できるため、家計の問題点に気付けるでしょう。問題点が見えれば、今やるべきこと、貯めるべき金額が分かります。

現在の生活を軌道修正しながら、余裕を持ってお金の準備ができることもメリットです。さらに、状況が変わったときに調整していくことで、より意味のあるものになるでしょう。

ライフプランを立てるデメリット

デメリットは、必要な情報を整理するのに時間がかかることですライフプランを立てるときに必要なのは、大きなイベントの際にかかるお金だけではありません。家計の収支をはじめ、どのような生活をしていきたいかなどを考えることも必要です。

これらの情報整理に時間や手間がかかることは間違いないでしょう。お金の知識を持たない方がライフプランを立てようとする場合は、情報をどう整理すれば良いのか分からずに途方に暮れてしまう場合もあります。

ライフプランの作り方

ツールを用いたライフプランニングの流れを以下にまとめました。なお、ご説明している「ライフイベント表」「家計の収支確認表」「家計のバランスシート」「家計のキャッシュフロー表」は、日本FP協会のWEBサイトでダウンロードできます。

便利ツールで家計をチェック | 日本FP協会

【ステップ1】目標や将来起こり得るイベントを考える

最初に、起こり得るイベントや実現したい夢を「ライフイベント表」に書き込みましょう。「ライフイベント表」とは、ご自身・家族の今後の予定、必要なお金を記載する表のことをいいます。1年ごとに家族全員の年齢・ライフイベント・かかるお金を記載する欄があるため、ご自身にかかるお金以外や老後に必要な資金なども把握しやすいでしょう。

ライフプランニングでは、次の【ステップ2】を先に行う方法もあります。家計の収支などの現状を把握してから、将来のことを考える方法です。しかし、この順序でライフプランを立てると「夢を実現するのが難しい」と感じて諦めてしまうこともあるかもしれません。本心を抑えないようにするためには、先に夢について考えるのがおすすめです。

【ステップ2】現状を把握する

次に「家計の収支確認表」と「家計のバランスシート」を用いて現状を把握します。

「家計の収支確認表」は、現在の収入・支出を記載する表です。夫婦それぞれの収入や税金・社会保険料などを書き出すことで、年間の手取り収入が分かるでしょう。年間の支出については、基本生活費・住居関連費・車両費・教育費・保険料などの項目があります。収入・支出の合計を出すことで、家計が黒字なのか赤字なのかだけでなく、1年間で貯金できる金額も把握することが可能です。

「家計のバランスシート」には、現在の資産と負債の状況を記載します。資産の項目は普通預金の他、貯蓄型保険・株式・債権・投資信託・住宅などです。負債の欄にある項目は、住宅ローン・自動車ローン・カードローンなどです。資産の合計から負債の合計を引くことで、純資産(本当の意味での資産)を知ることができます。

【ステップ3】分析・評価する

【ステップ1】【ステップ2】で分かった将来の予定と現在の家計をもとに「家計のキャッシュフロー表」を作ります。キャッシュフローとはお金の流れ、つまり「家計のキャッシュフロー表」とは、家計における年間のお金の流れをまとめた表です。

1年ごとに家族の年齢・ライフイベント・収入・支出・貯金残高などが一覧で確認できるため、現在だけでなく将来の家計がどうなっていくのかを把握できます。

【ステップ4】対策と計画を立てる

現在や将来の家計を分析すると、イベントにかかるお金をそのときの貯蓄で賄えるかを判断できます。お金が足りなさそうな場合は、資産運用をしたり、副業やパートを行ったりといった対策を立てることも可能です。家計を可視化するとやるべきことが分かるため、漠然とした不安が和らぐでしょう。

なお、夢や目標は時間の経過とともに形が変わっていくこともあります。ライフプランはあくまでもその時点での計画ですから、見直しをしながら柔軟に調整していくことが大切です。

50代の方がライフプランを立てるときのポイント

備えておきたいお金は、年代により異なります。例えば、20代では結婚や住宅購入、40代では子どもが進学するためのお金が必要になるでしょう。また50〜60代では、老後資金を準備したり病気などのリスクに備えたりすることが重要になってきます。

50代の特徴は、およそ10年後に退職というライフイベントがあることです。また、子どもの教育費の有無で家計の状況が大きく変わることも、特徴であるといえるでしょう。30〜35歳で子どもが生まれた場合、ご自身が50代前半のときに子どもは大学生です。つまり、教育費が家計費の多くを占めます。そして、50代後半になると子どもが独立し、家計が楽になる家庭もあるでしょう。

これらの特徴を踏まえたうえで、50代の方がライフプランニングする際のポイントを見ていきます。

退職の前と後で切り分けてシミュレーションする

50代の方は、退職後のことまで具体的にイメージしておくことが重要です。しかし、退職の前と後では収入が大きく変わるため、退職後の生活をイメージしにくいという方も多いかもしれません。その場合は、退職前・退職後に切り分けて考えると把握しやすいでしょう。

・退職前の収入・支出

退職前の収入については、現在の収入をベースにそれが何歳まで続くのかを予想しておきましょう。退職金がある場合は、その金額も把握する必要があります。

退職後の支出も、現在の状況をもとに考えましょう。生活費・住宅ローン・家賃・保険などにいくらかかるのか、いつまで続くのかの予想が必要です。

・退職後の収入・支出

退職後の収入のベースは公的年金です。老齢年金の見込み額は、毎年日本年金機構から届く「ねんきん定期便」で確認できます。あくまでも見込みではありますが、その金額をベースにその他の収入や退職時の資産残高を考慮しましょう。

支出に関しては、退職後、収入に合わせる形で生活水準を引き下げることを検討している方もいるかもしれません。しかし、生活水準を下げるのは現実的に難しいため、少なくとも退職前と同程度の支出はあると想定しておく必要があります。退職後は自由な時間も増えるため、余暇を充実させるため少し多めに見積もっておくと良いでしょう。

60歳以降にどのような働き方をするか考える

60歳以降の働き方について考えることも重要なポイントです。2021年の高齢者雇用安定法改正では、70歳まで働ける環境を整えることが企業側に義務付けられました。退職後、年金を受給できるまでの間に働けるようになったことから不安は解消されたように感じますが、現役のときと同じ収入がもらえるわけではありません。「老後資金のために70歳まで働きたい」と考えている場合は、60歳以降の収入がどうなるのか確認しましょう。

職場の定年が65歳の場合、その歳まで働いてから転身・転職するのは容易ではありません。ある程度の収入を維持したいと考える方は、転身・転職も選択肢のひとつです。60歳、あるいは早期退職制度で早めに転身・転職することも考えておくと良いでしょう。

参照元:厚生労働省|高年齢者雇用安定法 改正の概要

住宅ローンなどの管理について考える

住宅ローンが残っているかどうかもポイントです。「退職後の生活が心配だから早く支払い終えたい」と思う方もいると思います。金銭的に余裕がある場合は、繰り上げ返済を検討するのも良いでしょう。

お金の運用についても検討を

教育費などの負担が一段落する50代はお金を貯めやすい年代といわれています。現在の暮らしに余裕がある場合は、資産運用についても検討してみましょう。その際は、前述の住宅ローンの管理との兼ね合いも検討が必要です。繰り上げ返済分を運用に回すことで、結果的に家計の負担が減らせる可能性もあるため、慎重に検討してみましょう。

50代におすすめの資産形成術

最後に、50代の方が老後に備えたいときにおすすめの資産形成術についてご説明します。メリット・デメリット、それぞれを知った上でご自身に合ったものを選びましょう。

NISA・つみたてNISA

NISAやつみたてNISAは、投資で得られた利益が非課税になるため節税につながります。特徴を見てみましょう。

【NISA】

  • 投資可能期間は最長5年
  • 非課税投資額は年間120万円(累計600万円)
  • ロールオーバーを利用して非課税期間を延長できる
  • 幅広い商品のなかから運用したいものを選べる
  • つみたてNISAに比べて運用期間が短い
  • 成果を出すには投資に関する基礎知識が必要
  • まとまったお金を投資できる方や短期間でお金を増やしたい方におすすめ

ロールオーバー(非課税期間終了後の資産を翌年の非課税枠に移せるしくみ)を利用すれば、最大で10年間非課税で運用可能です。

なお、NISAの非課税投資額は2024年から2階建てになります。額も変更され、1階部分は年間20万円、2階部分は年間102万円が上限となる予定です。

【つみたてNISA】

  • 投資可能期間は最長20年
  • 非課税投資額は年間40万円(累計800万円)
  • ロールオーバーできない
  • 長期間継続すればまとまったお金を準備しやすい
  • NISAと比べて商品が少ない
  • 投資初心者でも始めやすい
  • お金を無理なくコツコツと準備したい方におすすめ

なお、開設できるNISA口座は一人1口座のみ、そしてNISAとつみたてNISAの併用は不可です。どちらか一方を選ぶ必要があります。

参照元:NISA特設ウェブサイト : 金融庁

不動産投資

マンションやアパート、戸建て住宅などを購入して貸し出す資産形成の方法です。

【メリット】

  • 団信加入で死亡・高度障害状態となった場合は、ローン残債分の保険金を収受できる
  • 不動産のほうが、現金で持っているよりも相続税評価額を抑えられる
  • 物件が空室にならなければ家賃収入が得られる
  • 資金計画が立てやすい

【デメリット】

  • 空室や家賃滞納のリスクがある
  • ローンの金利が変動する可能性がある
  • 売却時に物件価格が大幅に下がっている場合も

空室を避けるためには、需要の高いエリアや設備が整った物件を選ぶことが大切です。

iDeCo(イデコ)

公的年金にプラスして給付される私的年金制度のひとつです。原則として65歳未満の国民年金被保険者であれば加入でき、ご自身が決めた掛金を積み立てて運用して60〜75歳になるまでの間に受け取ります。

【メリット】

  • 掛金が全額所得控除になる
  • 運用益が非課税となる
  • 受け取りの際にも控除あり

【デメリット】

  • 資産が減るリスクもある
  • 受け取るためには10年の加入期間が必要

加入期間は短くなりますが、税金の優遇を受けられるため今からでも加入するメリットはあります。

参照元:iDeCo公式サイト

個人年金保険

個人年金保険とは、老後に備える私的年金のことをいいます。あらかじめ年金額が決定している定額タイプと、運用実績により年金額が変わる変額タイプがあります。

【定額個人年金保険】

  • 契約時に年金額が分かる
  • 一定条件を満たした契約は生命保険料控除の対象になる
  • いつでも途中解約が可能だが、解約返戻金が支払った保険料の総額を下回ることも

【変額個人年金保険】

  • 運用実績が良ければ年金額を増やせる
  • 一定条件を満たした契約は生命保険料控除の対象になる
  • 運用がうまくいかなければ年金が保険料の総額を下回ることも

それぞれのリスクを知ったうえで利用しましょう。

おわりに

ライフプランとはどのようなものか、どう立てるのか、おすすめの資産形成術についてご説明しました。ご紹介した資産形成術は、いずれも元本保証のあるものではありません。初めて資産運用をする方は、プロのアドバイスを受けるのもおすすめです。

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例えば、退職金を運用するにあたり、老後資金がいくら不足しているのかもわからない方もいるでしょう。漠然とした将来の不安を抱えている方もいるかもしれません。

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