【用語解説】「TOB・MBO」「株式分割」「自社株買い・増資」「特定口座」とは?

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【用語解説】「TOB・MBO」「株式分割」「自社株買い・増資」「特定口座」とは?

株式投資の世界ではさまざまな専門用語が出てきます。略語で意味を理解しづらい用語も多いでしょう。このコラムではTOB、MOB、株式分割、自社株買い、増資、特定口座について用語解説していきます。

1.TOB(株式公開買い付け)とMOB(経営陣買収)とは?

TOB(株式公開買い付け)とMOB(経営陣買収)とは?

経済/株式関連の報道を見ていると、TOB(株式公開買い付け)という言葉がよく出てきます。TOBとはTake Over Bitの略で、ある特定の上場企業の株を大量に購入したい時に、買取希望価格を提示して、株主から売却希望を募ることをいいます。

株を大量に買い付ける時は通常の株式市場で注文を出すのではなく希望価格、②株数、③目的、などを明確に表明してからTOBを表明することが義務付けられています。

TOBでは一般的に通常よりも高い価格が提示されるため、保有者は売却を検討しやすく、買主は目標とした株数を集めやすくなります。

また経営者がTOBをかけるケースもまれにあります。経営者もしくは経営陣によるTOBのことをMBO(Management Buyout)といいます。これは通常、経営者が株の過半数を握り、上場廃止にしてしまうことを狙う場合に行われます。株価が極端に安くなってしまった場合などは買収されるリスクが高まるため、先手を打って経営者自らが買収して非上場にし、会社が別の会社に吸収されるのを防いだりします。また経営に意見できる株主を減らし、迅速な意思決定をするためにMBOが行われることもあります。

2.株式分割とは?

株式分割とは?

企業業績と株価を著しく伸ばしている成長株には、株式分割というイベントがあります。これは株を分割することで、1株を2株に分割したり3株に分割したりすることです。

仮に、保有している株が1対2の株式分割を行ったとしましょう。この場合は価値が半分になった株が、2株手元にある状態になります。株式分割は株を発行している会社の判断で行うものですが、最低売買単位の株の金額を多くの人が買いやすい少額にすることが目的です。このようにすることで、株の取引が活性化するためです。

成長している企業の場合、株価も上昇します。そうなると最低売買金額が、一般の投資家ではなかなか手が出せないような高額になってしまうことがあります。そこで証券取引所は「上場企業に最低取引単位を50万円以下にするように」と要請しています。

検索エンジンで有名な大手企業を例に挙げると、1997月11月に株式を上場した時は約200万円で買えましたが、そこからグングン上昇し続け、2000年2月には1億円を突破しました。これでは、いくらなんでも売買しづらい。高級マンション並みの価格となり、個人投資家では気軽に買えるような価格ではなくなってしまいました。こうした状況を解消するために、大手企業は株式分割を盛んに行うようになっています。

3.自社株買い・増資とは?

自社株買い・増資とは?

自社株買いとは、上場企業が自らの資金を使って、株式市場から自社の株式を買い戻すことです。買い戻した自社株については、会社で保管しておく場合と消却してしまう場合がありますが、実際には、いずれも発行済み株式数を減らすことになります。

さて自社株を買うことによって、どのような影響があるのでしょうか。市場に出回る株数が減るわけですから需要と供給の関係から株価は上昇しやすくなります。その目的の1つは単純に株価を押し上げることです。

また発行済み株式数が減るので、1株あたりの利益がアップすることになるでしょう。加えて、企業のことを一番よく知っているのは企業自身であり、その企業自身が自社の株を買うということは、今の水準であれば、この株はお買い得だと宣言していることにもなるでしょう。1980年代前半から1990年代後半にかけての米国株は歴史的な上昇相場となりましたが、その原動力のひとつは企業が自社株買いを活発に行ったことも要因のひとつに挙げられます。

逆の作用をもつもので、増資があります。増資とは、企業が新しく株を発行して、資金を調達すること指しています。それにより、発行済み株式数は増えることになります。

増資が株価に与える影響はそれほどシンプルではありませんが、株価が下がる要因になることが多いです。まず市場に出回る株数が増えるわけですから、需要と供給の関係から株価は下がりやすいです。また発行済み株式数が増えるので、1株あたりの利益が薄まることになります。

ただしそこで調達した資金を企業が上手く活用して利益を伸ばせば、長い目で見た時に株価が上昇する要因になることもあります。

4.特定口座とは?

特定口座とは?

最後に特定口座について解説しています。特定口座とは、証券会社などに開設する口座のことです。特定口座は確定申告が不要となり、確定申告が必要な場合でも証券会社等が作成してくれる「年間取引報告書」を利用すると確定申告が簡単に済ませられる便利な制度です。なお特定口座は証券会社ごとに1人につき1口座しか作れません。

さて、株の売買で得た利益に対しては当然ながら税金がかかります。税率は、かつては利益の10%でしたが、2014年からは20%になっています。

税金の支払い方は、証券会社に源泉徴収してもらう方法と、確定申告する方法があります。確定申告が面倒な場合は、源泉徴収してもらう形にすると良いでしょう。その場合には、証券会社に特定口座(源泉徴収あり)の申し込みをします。そうすれば、株で譲渡益が出るたびにその20%が源泉徴収され、譲渡損が発生した場合は、源泉徴収した税金から損失分の税金が返還されます。年末まで何度売買を繰り返しても、証券会社が1年分の損益を取りまとめた年間取引報告書を作成してくれ、税金の納付と還付をしてくれます。

ただし、口座内の損益が年間トータルで損失だった場合や、他の口座で損失が出ている場合は、確定申告したほうが良い場合もあります。

他に特定口座(源泉徴収なし)を選ぶこともできますし、もしくは一般口座ということになります。それらの場合には原則として確定申告が必要になります。なお、一般口座の場合は自分で年間の収支計算をしなければならないのに対して、特定口座(源泉徴収なし)の場合、証券会社が代わりに年間取引報告書を作成してくれます。

その他の用語解説についてはこちらを参考ください。関連記事:【初級編】「PBR」「PER」「EPS」とは?株式における専門用語を徹底解説

5.株で損失を出した場合の節税方法(損益通算)とは?

株で損失を出した場合の節税方法(損益通算)とは?

損益通算という用語を覚えておきましょう。税金が戻ってくる損益通算とは、株取引などで出た損失を、ほかの所得の金額から控除することです。

株の取引では、当然ながら常に利益を出せるとは限りません。株の取引で損失を出した場合には、利益と損失を合わせて計算することで、利益から機械的に引かれてしまう税金を取り戻すことが可能です。 特定口座で源泉徴収ありを選ぶと、同じ証券会社内であればその手続きを自動的にしてもらえます。ただし、配当金の受けとり方を権利確定日までに株式数比例配分方式にする必要があります。その他の受け取り方次第では、確定申告が必要となります。

5-1.株取引の損失は3年繰り越しが可能

仮に株取引で大きく損失を出してしまい、その年の配当金の利益と合わせて計算してもまだ損失が残る場合、その損失を最高3年間繰り越すことができます。今年出た損失と、翌年、翌々年の配当金や値上がり益と相殺することができるという仕組みです。

これを行うためには、特定口座の源泉徴収あり・源泉徴収なし、一般口座のどの口座であっても、面倒ですがご自身で確定申告を行うことが必要です。損失を繰り越しているあいだは、毎年申告しなければならないので忘れることのないようにしてください。

確定申告の際には、通常の書類に、所得税の確定申告書付表(上場株式に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)を添付します。

5-2.税金に関する情報は毎年のように変更がある

景気の動向や政権交代など、その時々の社会情勢によって、税金に関する法令は毎年のように変わっています。株にかかわる税金のしくみも、もちろん例外ではありません。

証券会社のWEBサイトなどを利用して、新しい情報へアップデートしていきましょう。不明な点があれば、税務署に問い合わせをして詳細を聞きましょう。

おわりに

このコラムでは株式投資における用語解説をいたしました。経済情報番組などで耳にする用語もあったと思いますが、ぜひ株式投資を実施する際の参考にしていただけますと幸いです。

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