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投資で失敗しないためのアセットアロケーションについて解説!

投資で失敗しないためのアセットアロケーションについて解説!
セゾンのくらし大研究 編集部

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世界中で猛威を奮っているCOVID-19の影響による給料減により副業としての投資に注目が集まっています。投資といえば、株式、債券、為替、不動産などがありますが投資を始めて資産がある程度できてくると、必ずといっていいほど「もっと利回りの高いものに投資したい」、「もっと資金を増やしたい」という欲が出てきます。

しかしながら、投資の原理原則として大きなリターンを狙うということはそれだけ大きなリスクもあるということです。長期的な資産運用において重要なことは、目先の損得に惑わされず守るべき投資のルールに忠実に淡々と実行していくことです。このコラムでは投資で守るべきルールについて解説していきます。

1.投資で守るべきルール

1-1.アセットアロケーション(資産配分)と分散投資

アセットアロケーションとは、ご自身のリスク許容、目標、時間に応じて、ポートフォリオ(資産構成)内の各資産割合を定期的に調整し、資産全体のリスクとリターンのリバランスを行うことです。金融資産の中には現金を始めとして、株、債券、為替、不動産などがありますが、それぞれの特徴、またリスクとリターンをよく理解し、最適な資産分散の配分を考えていきます。

例えば、低リスクの商品を全体の5割、中程度リスクのものは3割、残りの2割を高リスク商品といったリスク許容度のバランスを決めておくことが大切です。この配分を決めるうえでもそれぞれの金融商品の特性を理解しておくことから始めましょう。

それぞれ金融商品には特性があり個々の資産状況によっても配分を考える必要があります。金融資産の特徴と、ご自身の収入・資産さらにライフステージを踏まえてアセットアロケーションを決めましょう。そして、一度決めたルールは、定期的に見直しを行いご自身に合ったアセットアロケーションを見つけましょう。

アセットアロケーションにおいて重要といわれるものに、「分散投資」という考え方があります。分散投資を行うことで、何かが失敗してマイナスを抱えても他の資産でマイナス分を補うことで、全体ではプラスになっていることが理想です。分散投資をうまく取り入れることで資産全体へのリスクを抑制することができます。

仮に、1つの銘柄に全財産を投入して万が一失敗した場合、全財産を失うことにもなりかねません。全財産を失ってから、またゼロから始めようというのは、あまりにも現実離れしたことになってしまいますので、そのような一極集中投資による破産リスクを未然に防ぐためにも、投資銘柄の分散、投資タイミングの分散など、常に分散投資を心がけていきましょう。

1-2.リスクコントロール

2つ目はリスクコントロールについてです。仮にあなたが働き盛りの30代や40代で定期収入のある方ならば、リスクの高い投資を行っても、ある程度の範囲なら損してもカバーができ、大きな問題ではありません。一方で退職金をリスクの高い投資に預け、失敗すれば取り返しがつかないことになってしまいます。

現在のご自身の状況を踏まえたうえで、何万円、何十万円、何百万円のマイナスなら許容できるのか、このリスク許容度を持っていることが大切になってきます。例えば、株式投資だけのポートフォリオで、株価の上がり下がりを気にして、毎日ハラハラドキドキする。そんな状態でいたら、仕事にも、私生活にも手が付かず、精神的にも良くないでしょう。日常を安定的な精神で過ごせると思えるほどのリスク許容度を見つけていきましょう。

1-3.出口戦略

3つ目は、出口戦略です。売るタイミングはどうするのか、いつになったら売るのか、どこまで資産形成を行い、どこから資産運用のステージに入るのか、具体的な戦略を決めておくことで投資判断が明確になっていきます。

ここでいう「資産形成」とは、資産を1から築いていくことで、ある程度まとまった資産を貯めていくことを指します。一方で、「資産運用」とは、今ある資産を使って、資産をさらに殖やしていくことを指します。例えば、預金、投資信託、株式投資、つみたてNISA、不動産投資などが挙げられます。

仮に、個別株を購入する場合、1株何円になったら買うか、1株何円になったら売るか、何円損したら売ってロスカットするかなどを最初からルールを決めておき、そのとおりに行動することが大切です。また、途中でご自身の都合の良いようにルールを変更しないことも重要です。

もう少し保有していれば、株価は戻り、マイナスは解消されプラスに転じるであろう、逆に株価が伸び続けているので、このまま持ち続けてもう少し利益が取れるであろうと、ご自身の良い方へルールを解釈・変更し、結果、想定とは逆の方向へ市場が動き、結局はマイナスになってしまった、当初よりリターンが減ってしまった、などは、日常茶飯事で起きるものです。

投資のプロは、ルールを徹底、リスクとリターンのバランスを常に考えて行動しているといわれています。いったん決めたルールは、ある程度の資産が貯まるまで、資産運用に慣れるまでは変更せず、そのルールに沿って淡々と行動していく方が望ましいでしょう。ルールの変更は、資産運用を広げていく段階になったときに行ってみるのも良いでしょう。

ここで投資の分析方法について紹介します。より投資の知識を深めていきたいという方は知っておくと良いでしょう。大きく2つの分析方法が存在します。それは、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析です。

ファンダメンタルズ分析は主に長期投資向けで、企業の財務状況や業績をもとに、その企業の本質的な価値と、株価とのギャップを分析していく分析方法です。株価が上がっていっても、実際にそんな実力がある企業なのか、といったことを見極めて長期的視点に立って投資を行うための分析方法です。

一方で短期投資の場合にはテクニカル分析が有効です。原則、チャートの動きから相場の動く方向を分析するトレンド分析や、株価に対して売られすぎなのか買われすぎなのかを判断するオシレーター分析などです。

もちろんこのような分析方法を知ることは必ずしも必要なわけではありませんので、一般の方が投資をする場合には、難しいことをしすぎず、分散投資効果が高い投資信託から始めていき、徐々に知識を増やしていくという方法がおすすめです。

2.長期投資と短期投資について

投資について勉強を始めると、いろいろな手法があることに驚くかもしれません。もちろん、ご自身で株を売買する方法もありますし、投資信託のような金融商品もあれば、債券、為替、不動産さらには仮想通貨までさまざまな商品があります。

ですが、まずはこのような金融商品を考える前に、投資の方法について理解しておくことが重要です。投資には大きく2種類、長期投資と短期投資があります。投資のプロたちが初心者におすすめするのは、前者の「長期投資」です。長期投資は、貯蓄するように投資をしていき、時間をかけて複利効果で元手を増やしていく運用方法です。短期間で大成功することはありませんが、その性格から資産形成に向いています。

長期的な投資において、投資信託がおすすめといわれています。投資信託とは、金融機関が投資家から預かった資金を元手に株や債券などで運用を行い、利益を投資家へ配当する金融商品です。投資先は運用する金融機関で選定され、投資先については「目論見書」に記載されています。

金融機関は、投資家の代わりに運用を行うので、当然、運用や管理などを行うために一定の費用がかかります。金融機関は、この費用を「信託報酬等」という名目で、投資信託の残高から差し引いて運用費として収受しています。どのくらい差し引かれるかは、個々の投資信託の目論見書に明示されており、投資信託によって異なります。投資信託を保有している間、投資信託の残高に信託報酬率を掛けた金額が信託報酬等として支出になり、この信託報酬等は、投資信託のパフォーマンスを比較するうえでも重要になってきます。同じような投資先に投資している投資信託もあり、同じようなパフォーマンスを上げていても、信託報酬等の手数料の違いで、最終的なパフォーマンス(手残りの収益)が変わってくることを覚えておきましょう。

運用自体は金融機関が行うので、ご自身の判断で何の株を買おう、売ろうとする判断は不要ですが、投資信託で運用はおまかせといっても、その投資信託が何に投資されているのかはしっかり把握しておくことは必要です。

もう一方の短期投資についてですが、手段としては株式、為替、仮想通貨などが挙げられます。短期投資は、そのとき一瞬が勝負の投資のため、すぐに元手を増やせるのがメリットではありますが、その分リスクも非常に高い傾向にあります。短期投資はメンタルがものをいう世界ともいわれており、運用には高度な知識と経験、プレッシャーに負けない強いハートが必要になる、投資のプロの領域でもあります。

すぐにお金が増やせるからと素人がギャンブル感覚で行うと、多くの場合はリスクを抱えることになります。そのため短期投資は、投資に慣れてからチャレンジする投資手法と位置付けても良いと思います。

インターネット上には投資でうまくいっている方がたくさんいるように思うかもしれませんが、すべての方が等しく成功するわけではないので注意が必要です。何より、マーケットは日中に開いています。本業のある方が売買を始めてしまうと、気になって仕方なくなります。特にFXのようなハイリスクな投資を始めると仕事が手につかなくなってしまうかもしれません。

投資で挫折する方には、やっぱりよくわからない、損したからやめたと、途中で勉強も運用も投げ出してしまい、すぐにあきらめてしまう方もいますが、一方で、しっかりと正しい知識と運用を知れば、リスクを抑えながら、コツコツと続けられるでしょう。

おわりに

このコラムでは、投資で失敗しないためのルールについてご紹介しました。どんな投資にもリスクはつきものですので、正しい知識を学び金融リテラシーを磨き、長期的な視野に立って堅実な資産運用を続けていただければと思います。

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