夫婦ふたりで年金生活はいくら必要なのか?気になる年金受給額は

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夫婦ふたりで年金生活はいくら必要なのか?気になる年金受給額は

老後は子どもの手が離れ、夫婦ふたりの生活を堪能するようになります。そこで気になるのがお金の問題ではないでしょうか。このコラムでは夫婦ふたりで生活していくためは、いくら貯金が必要なのかをご紹介します。年金受給額と合わせて見ていきましょう。

1.夫婦ふたりでもらえる年金額はいくら?

日本の年金保険制度は、被保険者は「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」の3つに分類されます。ここでは、それぞれの特徴ともらえる保険料について見ていきましょう。

1-1.第1号被保険者(国民年金)

第1号被保険者に該当するのは、自営業者や学生、パート、アルバイトの方などです。納付期間は20歳以上から60歳未満まで最大40年間(480ヵ月)となっており、毎月保険料を納めます。

令和3年度(令和3年4月~令和4年3月まで)に適用されている保険料は月16,610円です。

この保険料は毎年見直しが行われており、昨年度は16,540円であり負担が微増しています。

年 度国民年金保険料
H27(平成27年4月~平成28年3月)15,590円
H28(平成28年4月~平成29年3月)16,260円
H29(平成29年4月~平成30年3月)16,490円
H30(平成30年4月~平成31年3月)16,340円
H元(令和元年(2019)4月~令和2年3月)16,410円
R2(令和2年4月~令和3年3月)16,540円
R3(令和3年4月~令和4年3月)16,610円

参照元:日本年金機構

学生や転職などにより納付が難しいときなどは、申請により納付免除や猶予されることもあります。払えないからといって未納にしておくと、将来受け取れる年金額が減ってしまうため、支払いが難しい場合は免除や猶予などの申請をするようにしましょう。

また、年金を通常通り65歳から受け取る場合の受給額は、月額約56,000円です。受け取る年金のことを「老齢基礎年金」と呼びます。

この老齢基礎年金について、合計でどのくらい保険料を納付することで、年金としていくら受給できるのか、簡易に計算したのが下記になります。実際の保険料および年金受給額は毎年見直しが行われているため、あくまで参考値としてご確認ください。

例)20歳から60歳まで保険料を納付し、65歳から81歳まで年金を受給した場合

  1. ・保険料納付:16,610円×480ヵ月= 7,972,800円
  2. ・年金受給額:56,049円×192ヵ月=10,761,408円(差+2,788,608円)
  3. ※あくまで保険料納付、年金受給額は、令和3年度の金額で計算しています。

1-2.第2号被保険者(厚生年金)

第2号被保険者は、国民年金の加入者のうち、民間会社員や公務員など厚生年金、共済の加入している方が該当します。納付期間は就職時から退職までが対象となるため、年齢による要件がない点が第1号被保険者との大きな違いです。

また負担額は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に共通の保険料率(18.3%)を掛け合わせて算出します。算出された保険料は会社と被保険者が半分ずつ負担して支払います。

第2号被保険者は第1号区分である基礎年金に加えて、第2号区分である厚生年金が受け取れます。65歳から受け取る場合の受給額は、平均して月額約146,000円になります。

1-3.第3号被保険者(国民年金)

第3号被保険者に該当する方は、第2号被保険者の被扶養配偶者です。第1号被保険者の被扶養配偶者は、第3号に分類されず第1号になります。第3号保険者は、保険料の負担をすることなく65歳から年金が受け取れます

また、第2号被保険者の納付には年齢要件がないのに対し、第3号被保険者は20歳から60歳までが対象となっているため注意が必要です。受け取れる年金は基礎年金のみで、第1号被保険者と同じく月額約56,000円となっています。

3つの年金被保険者の種類による月額保険料と月額年金受給額をまとめると以下のようになります。

被保険者第1号被保険者 (国民年金)第2号被保険者 (厚生年金)第3号被保険者 (国民年金)
保険料負担要件20歳から60歳就職から退職20歳から60歳
保険料(月額)月額:16,610円収入の18.3%を会社と折半負担なし
年金受給額(月額)月額:約56,000円月額:約146,000円月額:約56,000円

国民年金は、受け取るために受給資格期間(保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した期間)が10年必要なのに対し、厚生年金は1ヵ月でも加入期間があれば支給対象です。

2.年金を多くもらうためには?

基礎年金も厚生年金も、受け取る基本額は決まっています。しかし、受け取る年金額を増やすことは可能です。ここでは、年金額を多くもらう手段を4つ紹介します。

2-1.年金の繰り下げ受給

国民年金、厚生年金ともに現在の受給開始年齢は65歳です。そのため何も手続きをしない限り、65歳になると年金生活がスタートします。しかし、受給年齢を遅くすることで、受け取れる年金額を増やすことが可能です。このことを「繰り下げ受給」といいます。

繰り下げ受給のメリットは、月額0.7%受給額が増加することです。現在は最高70歳まで繰り下げることができます。その場合の計算式は、0.7%×60ヵ月(5年繰り下げ)=42%となり、最高で42%増額されます

また、この制度は2022年4月から最高75歳まで繰り下げ受給が可能になることが決定しています。通常65歳でスタートする年金生活を最大75歳まで遅らせた場合、受け取れる年金額は84%増額されます。

また、繰り下げ受給では、基礎年金と厚生年金を別々に行うことができます。そのため、基礎年金は65歳から受給し、厚生年金は繰り下げて多くもらうこともできるのです。

2-2.付加年金や国民年金基金(第1号被保険者)、iDeCo(個人型確定拠出年金)

前章でお伝えしたとおり、第2号被保険者は基礎年金と厚生年金のどちらも受け取れるのに対し、第1号被保険者は基礎年金のみしか受け取ることができません。不足分を補うために、「付加年金」や「国民年金基金」に加入することができます。それぞれの特徴と注意点を見ていきましょう。

①付加年金とは

付加年金とは、第1号被保険者のみ加入できる追加年金保険のことです。月額400円を国民年金保険料に上乗せして支払うことで、200円×付加保険料納付月数が年金として支給されます。

支払額と支給額の具体的な例は以下のとおりです。

  1. 【払い込み期間1年の場合】
  2. 払い込み総額:400円×12ヵ月=4,800円
  3. 年金加算額:200円×12ヵ月=2,400円/年
  4. 【払い込み期間10年の場合】
  5. 払い込み総額:400円×120ヵ月=48,000円
  6. 年金加算額:200円×120ヵ月=24,000円/年

例を見てわかるとおり、払い込んだ総額に対して半額が一年間の加算支給額になります。そのため受給から2年で払い込み総額と年金加算額が同じになり、3年目からは年金加算額の方が多くなります。

日本人の平均寿命が伸びている昨今、65歳より長生きする可能性は大いにあります。そのため、年金額に不安がある第1号被保険者(国民年金)は、付加年金を検討しても良いでしょう。

②国民年金基金とは

国民年金基金とは、付加年金と同様に基礎年金にプラスして払い込みをし、年金受給額を増やすというものです。掛金は年齢や性別、加入した国民年金基金の種類などにより異なります。掛金の上限は68,000円と決まっていますが、一度加入すると1口目は途中で解約できないため注意が必要です。

また前述した付加年金との併用はできないため、加入前に慎重に検討する必要があるでしょう。

③iDeCoとは

iDeCo(イデコ)とは「個人型確定拠出年金」のことで、企業型拠出年金と違い個人で運用していきます。そのため、第1号被保険者の人も第3号被保険者の人も加入可能です。

また、企業型確定拠出年金とは異なり、ご自身で掛金を捻出、運用先を選定、受け取りを行うため、ご自身のライフスタイルに合わせたバランスが作れます。iDeCoの掛金は全額所得控除となるほか、利息や運用益は非課税(通常、運用益には20.315%課税)になるため、老後資金を用意する目的として優れているのが特徴です。

また年金受け取り時も公的年金等控除、または退職控除の税制優遇を受けられます。一方、iDeCoは加入後、原則60歳まで途中で止めることができません。無理のない掛金で始めてみるのも良いでしょう。

3.夫婦ふたりでかかってくる生活費

老後の資金を計算するためには、かかってくる生活費の算出を忘れてはいけません。以下では、夫婦ふたりで生活すると仮定し、かかってくる費用について見ていきましょう。

3-1.ふたり以上世帯の支出

ふたり以上の世帯のうち高齢無職世帯の支出は、243,260円です。(2019年総務省統計局調べ)

また持ち家率は92.7%となっており、持ち家住まいの方が多いのがわかります。老後の生活のなかでも、住まいにかかるお金をどうすべきか検討しておきましょう。

3-2.夫婦ふたりの生活費として算出しておきたい品目

老後の生活費は、現役時代と内訳が変わってくるものです。例えば、通勤に使っていた電車やバスなどの交通費は不要になるほか、子どもの学費などもかからなくなるでしょう。では一体、どのような品目を算出しておけば良いのか紹介します。

<老後の夫婦ふたり暮らしで算出しておきたい品目>

  • 住居費(住宅ローン、家賃、固定資産税など)
  • 食費
  • 日用品費
  • 通信費
  • 保険料
  • 医療費
  • 交通費
  • 娯楽費
  • 交際費
  • 旅費
  • 孫にかかるお金

以上の費用は最低限計算しておきたい品目です。また、地域によっては車が必要なこともあります。その場合は車にかかる費用も算出しておきましょう。

現役時代も老後も同じく必要になる医療費ですが、老後の方が体の不調を覚える機会が増えます。余裕を持って準備しておきたい品目といえるでしょう。また時間の有効活用として、旅行なども計画されていると思います。そういった楽しむための費用も事前に見積もっておきましょう。

4.年金でも足りない場合の備え

2021年4月分からの年金支給月額は、国民年金(老齢基礎年金)が65,075円、厚生年金(夫婦ふたり分)が220,496円となっています。

厚生年金受給者で生活費ギリギリくらいとなる見込みであり、国民年金だけでは、到底足りそうにない金額だということがわかるでしょう。以下では、年金だけでは生活費が賄えなくなる前に、今後の備えとして、3種類の方法を紹介します。

4-1.投資信託

投資信託とは、投資家から集めたお金をプロが運用し、得られた利益を投資家に配るというものです。投資信託の数は多数あり、投資対象の地域のほか、業種などから選ぶことができます。投資した元本が保証されているわけではないので、マイナスとなるリスクがあることも知っておく必要があるでしょう。

最近ではスマートフォンで口座開設ができるほか、買付も完了する証券会社が増えてきていますので、手軽に資産運用を始めることができます。また、投資信託だけでなく1株から株式を購入することが可能です。少ない資金でも資産運用ができます。

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4-2.iDeCo

iDeCoは前述したとおり、老後の年金を作ることを目的として生まれた制度です。一時金として年金額を受け取ることもできますが、年金として受け取ることもできるため、老後の資産構築にぴったりでしょう。

税制優遇も手厚いため、老後の資産形成を悩む方は1度シミュレーションしてみるのもおすすめです。

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4-3.個人年金保険

個人年金保険とは、民間企業が取り扱う保険商品の種類のうちの1つで、老後の年金を現役時代に作っておくというものです。個人年金保険の特徴は、遺族が受け取れるものや年金受け取り期間が決まっているものなど、年金の受け取り期間に応じて「確定年金」、「有期年金」、「終身年金」3種類に分類されています。

また生命保険料控除を受けることができるため、節税効果を期待できます。一方、運用実績により変額することもあるほか、保険料を払えなくなって解約したときに損をすることもあるため、商品や金額は慎重に選択しましょう。

4-4.企業型DC(第2号)

企業型DCとは「企業型確定拠出年金」のことで、掛金は勤め先が拠出し、運用は従業員が行います。企業型DCを導入している企業に勤めていることが前提であるため、第1号被保険者と第3号被保険者は対象外です。

加入対象者は60歳未満の厚生年金被保険者で、公務員は私学教職のみ[5] に限られます。また、掛金は最大月額55,000円まで可能。厚生年金基金や確定給付企業年金などに加入している場合は、27,500円までとなります。

事業主掛金が全額非課税になるほか、また、追加でマッチング拠出した場合は、その加入者掛金も全額所得控除できるのが魅力 です。その他に、年金資産を受け取るときは、退職所得控除か公的年金等控除の対象にもなります。積み立ててお金を運用するだけでなく、税制優遇が大きいのがメリットです。

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おわりに

夫婦ふたりで年金生活をする場合に費用は足りるのか、老後も収入を得られる仕組みはあるのか、など気になることも多いでしょう。まずはかかる費用はいくらなのかを算出しておく必要があります。また、できるだけ生活費を小さくしておくことも大事でしょう。

「人生100年時代」といわれる現在。今後も平均寿命は延び、少子高齢化は加速していくでしょう。そうなったとき、年金だけでは生活費が心もとなくなる可能性も少なくありません。

年金以外に投資信託やiDeCoなど、老後の収入を作っておくのも大事ですね。ぜひ、一度ご自身の生活費を洗い出し、老後の生活費に備えてみませんか?