現在多くの証券会社においてインターネット経由で株式売買ができるようになっています。みなさまのなかには証券会社の窓口で株式購入・売却の経験のある方もいるかもしれませんが現在はネット証券が主流になっており、またサービス面でも断然お得です。窓口に行く必要がなく、手数料が安く、自由に豊富な情報ソースの利用も可能です。このコラムではネット証券の利用方法から証券会社の選び方まで解説していきます。
ネット証券に口座を開設する!
株式を購入する方法は、大きく分けると①証券会社の店頭で買う、②電話で買う、③インターネットで買う、の3つの方法がありますが、インターネット経由での購入がおすすめです。
ただ一概にネット証券がおすすめです、と言われても分かりづらいと思いますので、ネット証券での購入をイメージしてみましょう。ポイントは下記3点です。
わざわざ窓口に行かなくていい
自宅にいながら、株式の新規購入や売却が行えます。窓口にいくための時間や交通費もかかりません。
購入や売却がすぐにできる
所有している株式をいますぐ売却したい(または購入したい)場合も、ネット証券ならスマートフォンやPCで取引ができるため、売買したいタイミングを逃しません。
手数料が安い
ネット証券では人を介さない方法で売買が実現できるため、手数料が安く抑えられます。例えば一日に何度も取引したい場合は大きなメリットになります。
ここまでで少しイメージできましたでしょうか?ネット証券は手数料が安く、豊富な情報も事前に得ることもでき、すばやく手軽に注文を出すことが可能です。株で利益を出すためには、コストを安く抑え、良い情報を仕入れ、スピード感をもって売買することが重要な要素となりますが、ネット証券を利用すれば、そのすべてが可能になります。
それでは早速、ネット証券の利用の仕方をご案内いたします。
ネット証券での口座開設は簡単!(ステップ1)
まずネット証券を検索して、開設したい証券会社のページを開いてください。ネット証券会社を選ぶポイントについては後述します。次に該当企業のホームページ内に、「口座開設はこちら」などと書かれていますのでそれをクリックして、ホームページの誘導に沿って必要な情報を入力すると「口座開設申込書」が郵送されてきます。
ホームページ上で入力が難しい場合は、ネット証券のホームページにあるコールセンターに電話することで「口座開設申込書」を入手することが可能です。口座開設申込書が郵送されたら必要事項を記入して、運転免許証やマイナンバーカードの写しなどの本人確認書類のコピーを同封して返送しましょう。2週間ほどで口座開設の完了通知を受領できます。取引に必要なIDやパスワード、入金する際に使う銀行口座が記載された用紙もあわせて送られてきます。
株を買う前に口座にお金を入金する(ステップ2)
ネット証券を選ぶ際のポイントとしては、①手数料、 ②情報の充実度、 ③取扱商品の数、 ④経営の安定性の4つを見ておくとよいでしょう。
口座にお金を入れて、その資金で株を売買することになりますが、口座へ入金するにはネット証券側に指定された銀行口座を使います。指定の銀行口座にお金を振り込むと、そのお金が自分の口座に入金される仕組みです。指定の銀行に振り込んでから自分の口座に入金されるまでには、時間がかかることもあります。なるべく時間に余裕を持って、入金することをおすすめします。
また入金や出金する際の手数料は、証券会社側が負担する場合と、顧客が負担する場合があるので、事前にチェックしておきましょう。
源泉徴収について考えておく(ステップ3)
申込用紙に記入する時に、投資スタンスについて記入する欄があります。「余裕資金」もしくは「日常生活に必要な資金」の選択があるので2,3年運用しても問題のない「余裕資金」を選択すると良いでしょう。
あなたが会社員の場合、悩むポイントとしては「特定口座」の欄だと思います。株式で利益が出たら20%税金を支払いますが、確定申告をしたくないなら、利益が出る都度、源泉される「特定ロ座源泉あり」を選びます。確定申告をしてもいいなら、「特定口座源泉なし」でも良いでしょう。まとめて取引明細が送られてくるのでご自身で確定申告を行うことになります。更に補足すると、あなたが会社員の場合、年間20万円以下の利益には税金がかからないため、「源泉徴収なし」を選択しておきましょう。「源泉徴収なし」なら自動的に税金が引かれることもないからです。一方、複数のネット証券などで投資をしている場合、どこか一部の運用でマイナスなどになっていたりする場合は確定申告をすることで税金が戻ってくる場合もあるため確定申告にもメリットがあることを覚えておきしょう。
ネット証券の口座開設は無料でとても簡単にできます。口座を開いたからといって、必ずその口座で取引しなければならないというわけではないので、まずは開設してみることをおすすめします。
証券会社の選び方
ネット証券会社の選び方についてご紹介します。ネット証券会社を選ぶポイントとしては、前述のとおり①手数料、②情報の量と質、③取扱商品数、④経営の安定性の4つです。
手数料
株取引で必要となる費用は株の代金(株価×株数)+売買手数料です。株の代金はどの証券会社で買っても原則同じですので、ここで差が出るのは売買手数料です。これは、売買注文が約定した時に証券会社に支払う代金です。
金額はネット証券会社毎に違っており、料金体系も1約定ごとに支払うものものから、1日定額制の場合、1カ月の金額の場合などがあります。さまざまな料金プランが用意されています。比較サイトなどにネット証券の手数料一覧がありますので、できるだけ最新版を探して、ご自身にあった証券会社を選ぶと良いでしょうまた証券会社によっては、口座管理料を取るところもあります。これは株を買った瞬間からかかるもので (口座開設だけでは取られない)、たいてい年間の費用が決められています。ネット証券で口座管理料を取るところはあまりありませんが、注意が必要です。
情報の量と質
本格的に株取引を始めるようでしたら、銘柄選びに欠かせないのが情報の充実度です。どのような情報が見られるかは、各社のホームページで紹介されていますので調べておきましょう。
基本的には、株価や株価チャート、銘柄の概要や業績などは、ほとんど無料で提供されています。はじめは、これらの無料情報だけで十分かもしれません。
まず無料でどんな情報が得られるのかを確認し、さらに有料ならどんな情報が得られるのかについても確認しておくとよいでしょう。
またおすすめの有料情報に「リアルタイム株価情報」があります。これは、市場で今、この瞬間に、いくらで何株売買されたのか、どんな銘柄が人気なのかなどを自動更新でリアルタイムに見ることができるのでおすすめです。
リアルタイム株価情報を申し込むことで、 業績情報やニュースも有料レベルのものを利用できるネット証券が多いようです。 サービス内容や料金は各社で違ってきますが、本格的に取引を考えているなら、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
取扱商品数
次に取扱商品で注意したいのは、IPOの公募株(新規公開株)の公募についてです。残念ながらネット証券でIPO株を取り扱っている会社が少ないのが現状です。IPO株狙いで株取引を始めるのであれば、ネット証券ではなくて大手証券会社での口座開設を検討することをおすすめします。
経営の安全性
仮に証券会社が倒産しても、顧客の資産は守られますが、一時的に資金の出し入れができなくなり、株の売買ができなくなることがあります。この点、大手証券会社であれば比較的安心でしょう。ただし大手のデメリットとしては、ネット証券と比較すると手数料が高い傾向にある点です。
おすすめの口座開設方法
口座開設したから、必ずその口座を使って取引しなければならないわけではありません。口座開設はどの証券会社でも無料でできるので、まずは気になる数社に口座を開いてみることがおすすめです。
それぞれの会社に優れたメリットが用意されています。投資は証券会社との長いお付き合いですので、例えばA社の画面レイアウトが見やすいから利用してみるとか、B社の手数料が安いから利用してみる、はたまたコールセンターのオペレーターの知識が豊富なのでC社で運用してみるなど、ご自身の運用しやすいスタイルを探すのも良いでしょう。
おわりに
このコラムではネット証券会社を利用して株式購入する場合の注意事項や口座開設についてご紹介いたしました。上場している会社4,000社以上のなかから、はじめはどの株を購入すればよいのか迷ってしまうと思いますが、各証券会社がおすすめする銘柄を少額でスタートしてみて、慣れてきたらネット証券から発信されている情報を元にご自身でいろいろ調べながら運用してみると、奥深い証券の世界を楽しめるかもしれません。まずはネット証券の口座開設から始めてみましょう。