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【初級編】株式投資の購入銘柄はどうやって選べば良いの?

【初級編】株式投資の購入銘柄はどうやって選べば良いの?
セゾンのくらし大研究 編集部

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株式投資を始める際に悩むことは、どのような銘柄を買えば良いかということでしょうか。このコラムでは優良銘柄を探すポイントをご紹介します。

1.優良株を安く買うこと

始めに利益を出すためには「価格が上がる見込みのある株」(以下、見込み株という)を安く買うことがポイントです。つまり良い株かどうか、割安かどうかの2つの観点から銘柄を見つける必要があります。まずは、見込み株の見つけ方からご紹介していきます。

1-1.価格が上がる見込みのある株を探す

簡単に言えば儲かる株を見つけるということです。

仮に今後数年で利益が10倍になるような企業を見つけることができれば、大きく利益を享受することができます。株価が上昇する前に見込み株を買うことで大儲けできる可能性があるでしょう。

そのような「大化け株」は、プロだから見つけることができるわけではありません。あなたの日常生活や仕事など、自分の身の回りのなかから見つけることも可能です。その方法は至ってシンプルです。例えば「この店はすごく伸びそうだ」、「この商品は大ヒットしそうだな」、「この会社のサービスは画期的だな」と感じたら、その企業の業績を調べてみましょう。

消費者目線で「これいいな」と感じる、時代のニーズにマッチした「新しいサービス」や、「革新的な技術が使われた商品」など「継続的に需要がある商品」を提供できそうな企業であれば、なお良いでしょう。投資するためには、企業が上場している必要があります。企業が上場しているかどうかは、日本取引所グループのWEBサイトで検索することができます。

1-2.株の神様ピーター・リンチも日常生活の中から優良株を見つけていた

前述のとおり、日常生活の身近なところに、優良株を見つけるヒントがあります。1980年代のアメリカで最も活躍したファンドマネージャーであり、株の神様と尊敬されているピーター・リンチが自著の中で何度も訴えていることでもあります。ピーター・リンチ自身も、株式分析の専門家のレポートなどより、身近なところから銘柄を見つけることによって、株の売買を行うことが多かったといわれているほどです。

専門家の分析や情報はもちろん役に立ちますが、それ以上に普段の生活から得られる情報の方が役に立つとピーター・リンチは言っています。まだ投資家が目をつけていない企業であっても、伸びしろのある企業に早期に投資を開始することで、大きなリターンを得ていました。

例えばピーター・リンチは娘や妻とよく街に出かけて、食事や買物を楽しんでいたようです。その際に娘や妻が夢中になっているものなどを観察したり、話を聞いたりするなかで得た情報を、株の運用に役立てていたようです。

一見、ファンドマネージャーという株式投資のプロならば、統計などの情報から選び抜いた銘柄に資金を投じているように思われますが、このような話を知ると、株式投資が身近なものに感じられるのではないでしょうか。

このような観点で日常生活や世の中を見るようになると、さまざまなことに関心が持てるようになりますし、外出が楽しくなるかもしれません。

2.見極めるポイントは企業の業績

前章で日常生活のなかから優良銘柄を見つけるヒントがあるとお伝えしましたが、実際に投資を検討するには客観的な視点で判断をすることが重要になってきます。

日常生活のなかにも良い株を見つけるヒントがたくさんあります。例えば商品A(スマホで楽しむゲームアプリ)の人気がある→アプリ開発企業は儲かりそう→株を買おう、という安易な発想での判断では不十分です。商品A(スマホで楽しむゲームアプリ)がスマホユーザーの間で流行っているということは、ブームが去った後は急激に株価が下落する恐れもあることも考慮するようにしてください。

2-1.良い企業を見つけたら業績をチェック

日常生活のなかから見つけられるのはあくまでも良い企業の候補であって、実際に投資するかどうかは企業データを確認してから判断をするようにしましょう。

まず企業が発表している業績や資産に関するデータを確認します。『会社四季報』(東洋経済新報社)や『日経会社情報』(日本経済新聞出版社)などの本に最低限必要なデータが載っています。また、ネット証券によっては口座開設者に無料で、「会社四季報」のデータを提供しているところがあります。まずは興味をもった企業から、データを探してみてください。

3.決算情報の入手方法

ではどのように投資検討銘柄の数字を確認すれば良いのでしょうか。始めは、企業の決算情報を参考にすることがおすすめです。

企業の決算情報は単期(1年)だけで発表されるわけではありません。大事なのは予想も含めた今後の推移です。そういった情報は、証券会社のWEBサイトやトレードツールでも大方見ることができますが、より詳しい情報や最新の情報を入手したい場合は、企業のWEBサイトで決算短信などの決算情報をチェックします。

決算短信とは、上場企業が3カ月ごとに出している決算報告書のことです。企業のWEBサイトの投資家情報かIR情報というページで見ることができます。ちなみにこの決算短信は、東京証券取引所など取引所のWEBサイトでも見ることができます。適時開示情報閲覧サービス(TDネット)などのページには、決算短信をはじめ上場企業が重要な情報を発表するたびに、その発表と同時に資料が掲載されるようになっています。無料で利用できますのでおすすめです。

また決算関連のニュースが発表されたかどうかを知るには、証券会社のWEBサイトや日経新聞などで、決算記事をチェックするのもひとつの方法です。注目銘柄にニュースが出たことを確認したら、企業のWEBサイトや適時開示情報閲覧サービスで詳細を見て確認すると良いでしょう。

4.利益が伸びるかどうかを判断する4つのポイント

4-1.株価は実際の業績より先に動く

基本となる業績チェックのあとは、企業が出している今期の業績の予想は達成できるか、また来年以降も好調が継続できるかチェックする必要があります。株価は過去や現在だけでなく将来性を見据えて変動するため、今後の業績見通しが重要です。特に業績予想の発表は、多くの投資家が注目しています。

当然ですが業績予想の数字が良いほど、株価に良い影響を与えます。一方でこの業績予想が、市場動向に対して高すぎないか、低すぎないか、達成可否を見極めることも大切です。予想の下方修正が発表された場合、失望した投資家たちが一斉に株を売りに出し、株価が暴落する可能性があるからです。

正確な判断をするために、最低限の企業情報、事業の将来性を知ることが重要です。手がかりになるポイントを次にご紹介します。

4-2.その企業の提供している商品やサービスは魅力的か?

対象企業の提供商品、サービスに魅力があるか、独自の強み(競合が簡単には真似できない技術など)があるか確認しましょう。

4-3.事業の将来性はあるか?

対象企業の事業の将来性について確認しましょう。例えば現在流行していたとしても、一過性のもので将来的に伸びる余地が無い場合、業績や株価の伸びが大きく見込めません。時代のニーズにマッチしたサービスかどうか、感度高くアンテナを張ることが大切です。

有望だと思った新製品や新サービスが、その企業の業績を大きく変貌させるほどのインパクトがあるのかも同時に考えることが大切です。このポイントは結構見逃しがちですので確認しておくと良いでしょう。

おわりに

今回は購入すべき銘柄選定のポイントについてご紹介いたしました。前述した方法は株式の本質的価値(ファンダメンタル)を重視した、長期投資における銘柄選定の基本的な部分です。ご興味を持たれた方の参考になれば幸いです。

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