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知っておくべき!生活にも悪影響を及ぼす「スタグフレーション」

知っておくべき!生活にも悪影響を及ぼす「スタグフレーション」
投資総合スクール The Gavel

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投資総合スクール The Gavel

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皆さんは、「スタグフレーション」という言葉をご存知でしょうか?

2022年に入ってからは更に生活必需品の値上がりが相次ぎ、スタグフレーションという現象を無視できない状況です。

今回のコラムでは、私たちの生活にも悪影響を及ぼす「スタグフレーション」について詳しく解説していきます。ご自身の資産を守るためにも大事な知識となりますので、ぜひこの機会に理解を深めていただければと思います。

1. スタグフレーションとは?

スタグフレーションとは、インフレーション(インフレ)とリセッション(景気後退)が同時に起きている状況のことです。不況にもかかわらず、世の中のモノやサービスの価格(物価)が全体的に継続して上昇する現象のことをいいます。

スタグフレーション(Stagflation)は景気停滞を意味するスタグネーション(Stangnation)と物価上昇を意味するインフレーション(Inflation)を組み合わせた造語です。通常、不況時は需要が落ち込むことからデフレ(物価下落)となりますが、原油価格の高騰など、原材料の価格上昇などによって不景気の中でも物価が上昇することがあり、こうした状態が「スタグフレーション」となります。

景気後退で賃金が上がらないにもかかわらず物価が上昇する状況は、私たちの生活に悪影響を及ぼす最悪の状態といえます。

2. スタグフレーションが起きる要因とは?

スタグフレーションが起きる要因とは?

まず、スタグフレーションを知るために、「インフレーション」と「デフレーション」について詳しく知る必要があるのですが、この2つについて詳しくまとめたコラムがありますので、ぜひこちらも合わせてご覧下さい。

この章では、スタグフレーションが起きる要因について解説していきます。

2-1. オイルショック

日本も過去にスタグフレーションを経験したことがあります。

1970年代の第4次中東戦争の影響による石油価格の引き上げと供給制限が原因でオイルショック(石油危機)となりました。石油はガソリンなどの原料だけでなく、プラスチック製品などに使われますが、経済が停滞しているなかで、輸送費の高騰や生活必需品の品薄などにより物価が上昇して、スタグフレーションが起きたのです。

オイルショックというと、トイレットペーパーが買い占められ、社会が混乱に陥ったことが有名です。物価が急上昇して「狂乱物価」とも呼ばれ、日経平均株価も1年間で20%以上も下落しました。

2-2. 円安による輸入価格の上昇

日本では円安ドル高になると、輸入する食糧や生活必需品の価格が上昇するのですが、モノやサービスの供給を輸入に頼っていると、円安の影響を強く受けて物価が上がります。

国内の景気が停滞しているときに円安による物価上昇が起きると、スタグフレーションの状況となります。2022年に入ってからアメリカの利上げに伴う円安の影響で物価が上昇しているので、スタグフレーションに陥る可能性が高まる要因となっています。

2-3. イギリスのEU離脱

また、諸外国でスタグフレーションが起きたのは、2016年のイギリスでした。

EU離脱が決定した時点からポンドの価値が下がり、ポンド安となって輸入品などの物価が上昇したのです。さらにイギリス国内での所得が減少していき、物価の上昇と景気停滞が同時に起きてスタグフレーションとなりました。

3. スタグフレーションが私たちに与える影響とは

スタグフレーションは景気と密接に関係しており、株式市場を変動させる要因でもあります。そして、消費者である私たちの生活や家計にも影響を与えます。

まず、スタグフレーションによって物価が上がっても賃金が上がらなければ消費者のほとんどは買い控えをするようになります。

商品が売れず業績が悪化した企業では、働く従業員の給料を上げることができなくなります。さらには、給料を上げることができず、ボーナスをカットするなどの選択をしなければならない企業も出てくるでしょう。

賃金が据え置かれて消費が冷え込んだとしても、ガソリンや小麦などの穀物価格や輸入品の価格が上昇すれば企業のコストは上がり続けることになります。

消費者である私たちにとっては、日常的に購入する商品やサービスの値段が引き上げられ、生活のコストが増加することにより家計は圧迫されていきます。

私たちの日常生活で、家計への影響を認識しやすいのがガソリン価格ではないでしょうか?

現在は、一時期に急激に値上がりした全国平均175.5円からは下がったものの、まだまだガソリン代が高い状態は続いています。

さらに、食料品の値上げも避けられません。大手メーカーの食パンや菓子パン、さらにはビールまでもが値上げを行っています。

近年、世界的に流行している感染症の影響で失業者が増える状況で、生活必需品の高騰は、生活が困窮している家庭にとって大きな打撃です。

スタグフレーションが私たちに与える影響とは

また、スタグフレーションが起きた要因によりますが、「その状況がいつまで続くのか」という将来の見通しが立てにくくなります。

世界的に流行している感染症の拡大による経済の停滞や、ロシアとウクライナの情勢などは、将来の動向が見通しにくい事例です。要因となっていることがいつまで続くか見通しがつかないと、スタグフレーションから抜け出せる時期が不透明になる可能性が高いことを知っておくべきです。

4. スタグフレーションに備えるために

スタグフレーションは世界的な流れであるので、個人ではどうしようもできないと感じる人もいるかもしれません。

しかし、何の対策もしないままだと、ただただ家計が苦しくなるばかりです。

できるところから少しずつ始めてみるのをお勧めします。

4-1. 株式投資

2022年現在、金融緩和から金融引き締めに進み、金利は上昇傾向にあります。

一般的には、金利が上がる時には株価が下がり、逆に金利が下がれば株価は上昇しますが、金利と株価の両方が上がることも少なくありません。

株式市場の状況が悪いと、優良な銘柄でも下落してしまうこともあります。

投資にとっては悪い環境と捉えられがちではありますが、逆に優良株や高配当株を割安で購入しやすい環境です。

株価をどのように読み解き、判断すればいいのかを正しく身につけることができれば、どんな相場でも勝てる投資家になることは可能です。

4-2. 分散投資をしよう

スタグフレーションの状況では物価が上昇しお金の価値が下がるため、現金以外に資産を分散することが効果的になってきます。例えば、金や銀、プラチナなどは不況下でも価格変動が少なく効果的な選択の1つとなります。

4-3. 日本円以外の通貨で資産を持つ

日本円だけでなく米ドルなどの外貨で資産を持つことが、スタグフレーションの対策として効果的です。資産を日本円のみで持っていると、円安ドル高などの状況で価値が下がってしまいますので、「日本円だけを貯金していれば安心」ということはありません。

例えば、日本円と米ドルで資産がある場合、どちらかの価値が下がっても一方の価値は上がるため、リスクが分散されるのです。

おわりに

言うなれば、スタグフレーションとは「悪いインフレ」です。

今回のコラムでご紹介した通り、私たちの生活にも悪影響を及ぼす大変危険な状態となります。

ご自身の資産を守るためにも、まずは知ること・・・、そして、経済的なショックや不景気が来たとしても「耐えられる」ようにしておくことが重要です。

ぜひこの機会に、お金の使い方や資産のつくり方・守り方を考えるきっかけになれば幸いです。

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