経済ニュースやメディアを見ていると「株価チャート」や「為替チャート」といった言葉を耳にしたり、目にすることはありませんか?
『チャートとは一体何なのか・・・』
正しく理解しているようでできていない方も多くいるかもしれません。また、投資を始めてみようと思っても、情報が溢れすぎて何から手を付けていいのか分からなくなってしまう方もいるかと思います。
投資を始める前に知識として必ず押さえていただきたいのが、今回のテーマの『チャート』です。これを理解せず投資は始められないといっても過言ではありません。
今回のコラムでは、そんなチャートの基礎の基礎を解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
1. チャートとは?
チャートとはグラフや図式のことを意味し、「過去の相場の動きを表したグラフ」のことを指します。一定期間の相場価格の推移をグラフ化し、数値だけではイメージしにくいものを一目で分かりやすいように視覚的にしたものです。
チャートの縦軸は「価格」を表し、横軸は「時間」を表しており、現在の価格が高いのか安いのかの判断や、今後の値動きを予想する際に使います。
2. チャートを形成するものとは?
一見、棒グラフや折れ線グラフのようにも見えるチャートですが、実はそれぞれ多くの情報を表しています。
チャートを形成する基本的なものに「ローソク足」と「移動平均線」があります。この2つだけでも初めに覚えておけば、相場の流れを視覚的に読み取ることができるようになります。
2-1. ローソク足
ローソク足とは、その名の通り「ローソク」に形状が似ていることから名付けられました。1つのローソク足で、「○分」「○時間」「1日」「1週間」など一定期間の価格の動きをそれぞれ表します。その期間における取引がいくらで始まり、いくらで終わったのか、また、1番高い価格と1番安い価格はいくらを更新したのか、という情報が分かります。
ローソク足は「値動きを表すもの」と「価格を表すもの」の以下で形成されています。
⬛︎陽線
一定期間の終わりの価格(終値)が始まりの価格(始値)よりも高く終わったときのローソク足を「陽線」といいます。基本的に白抜きや赤色で表されることが多いです。
⬛︎陰線
一定期間の終わりの価格(終値)が始まりの価格(始値)よりも安く終わったときのローソク足を「陰線」といいます。基本的に黒塗りや青色で表されることが多いです。
※この陽線と陰線の四角い胴体から上下に伸びている線を「ヒゲ」といいます。
⬛︎始値(はじめね)
一定期間内で、1番始めに取引された価格を表します。取引開始時のことは「寄り付き」ともいわれます。
⬛︎終値(おわりね)
一定期間内で、1番最後に取引された価格を表します。取引終了時のことは「大引け」ともいわれます。
⬛︎高値(たかね)
一定期間内で、最も高く取引された価格を表します。
⬛︎安値(やすね)
一定期間内で、最も安く取引された価格を表します。
このように、たったひとつのローソク足でも価格変動の流れを確認することができます。しかし、ひとつだけでは正確に相場の流れを読み取ることは難しいため、チャート上の複数のローソク足から形状や組み合わせパターンによって価格変動を予測していきます。
詳しくは、ローソク足の基礎を取り上げたこちらのコラムをご覧ください。ローソク足の基礎と種類をご紹介しています。
2-2. 移動平均線(MA)
移動平均線は、多くの投資家たちから人気があり、ローソク足とともにチャート上で表示されていることが多い指標です。
移動平均を意味する「Moving Average」の頭文字を取って、MAとも呼ばれます。
ある一定期間の価格の終値で平均をとり、それを線で結んで表したものを指します。短期・中期・長期などの株価の推移を確認することで、各期間の価格変動の傾向(上昇傾向なのか・下降傾向なのかなど)や、売買のタイミングなどを把握することができます。
多くの投資家は、移動平均線とローソク足を比較したり、期間の異なる移動平均線を比較するなどして価格の上昇傾向と下降傾向の判断を行います。
価格が上昇すると、短期線・中期線・長期線の順で移動平均線も上昇に向かう傾向があります。期間の違う移動平均線を用いた際に、短期線が中・長期線を下から上に突き抜けたとき「ゴールデンクロス(上昇傾向)」といい、中・長期線が短期線を上から下に突き抜けたとき「デットクロス(下降傾向)」といいます。
この2つの指標は、期間の異なる移動平均線の特性から売買タイミングを判断する際に用いられます。
2-3. 出来高(できだか)
株式投資では、この「出来高(できだか)」という指標が株価チャートを形成する基本的なものに含まれます。
出来高は『売上高』とも呼ばれ、一定期間内に売買された株数を確認することができます。売買の傾向や、銘柄に対する人気度や注目度の把握、株価の予測を行うことができます。
3. トレンドとは?
価格変動の大まかな流れの動きを「トレンド」と呼びます。また、トレンドを把握する際には「トレンドライン」という補助線を使う場合があります。
3-1. 上昇トレンド
上昇トレンドとは、相場が上昇傾向にある場合をいいます。多少の下落はあっても、すぐに回復し上昇が再開します。
また、トレンドラインを引く際には、安値と安値を結んで引きます。右肩上がりのトレンドラインに支えられる形で株価が上昇していくため、下値支持線(この線の近くまで価格が下がると急に上昇に変わる線)になります。
3-2. 下降トレンド
反対に、下降トレンドとは、相場が下落傾向にある場合をいいます。多少の上昇はあっても、すぐに上昇分をうめて下落が再開します。
また、下降トレンドのトレンドラインを引く際には、上昇トレンドとは反対に高値と高値を結んだ線を引きます。右肩下がりのトレンドラインに押し戻される形で株価が下落していくため、上値抵抗線(この線の近くまで株価が上がると急に下落に変わる線)になります。
3-3. もみあい
相場の値動きが小幅で方向感がなく、相場のレンジ(売買の中心となっている価格帯)があまり変わらない場合をいいます。小さい上昇と小さい下落は起きますが、結局元のレンジに戻ってしまいます。
相場に与える大きな影響の材料が見当たらないときには、もみあいになりやすいです。
4. テクニカル指標
チャートを用いて今後の値動きを分析する方法を「テクニカル分析」といいます。
テクニカル分析を用いる時に必要になるのが、先ほどご紹介した「ローソク足」「移動平均線」といった『テクニカル指標』です。このテクニカル指標には他にも種類があり、ローソク足や移動平均線だけではなく、組み合わせて分析することで有効に使うことができます。
4-1. テクニカル指標の種類
テクニカル指表には、相場の方向性を分析する『トレンド系』の指標と、相場の強弱の勢いを分析する『オシレーター系』と呼ばれる指標があります。※ちなみに、「移動平均線」はトレンド系の指標に分類されます。
ここでは、テクニカル指標で代表的なものを4つご紹介します。
4-2. MACD(マックディ)
MACDは移動平均線から派生、発展させた比較的新しいテクニカル指標で、移動平均線を平滑化したものをグラフ化し、相場の流れやトレンドを見ます。「Moving Average Convergence/Divergence Trading Method」の略で、直訳すると「移動平均・収束拡散トレード法」となり、トレンド系の指標に分けられます。
MACDをさらに単純移動平均化したものを「シグナル」といい、MACDとシグナルの2本のラインを併せて使用します。
最も基本的な売買ポイントはこの2本線のクロス(交差)となるのですが、MACDがシグナルを上抜けることをゴールデンクロスといい、株価が下落から上昇に転換する買いシグナルとなります。
また、MACDがシグナルを下抜けることをデットクロスといい、株価が上昇から下降に転換する売りシグナルとなります。
4-3. RSI(アールエスアイ)
RSIはオシレーター系の指標ではもっとも有名です。対象となる期間の上昇幅と下落幅の合計のうち、上昇幅の比率は何%かを計算することで、相場の強弱を表す指標です。数値は0%〜100%となり、一般的には20〜30%以下で売られ過ぎ、70〜80%以上で買われ過ぎと判断します。しかし、相場の勢いが強い場合には、20%や80%を突破することもあります。
買われ過ぎ、売られ過ぎを見るのには有効ですが、上昇トレンドや下降トレンドが長く続いているときはあまり参考にはならない場合があるため注意が必要です。
4-4. ストキャスティクス
ストキャスティクスは、RSIと同じオシレーター系の指標で、対象期間の高値、安値に対して、現在の終値がどの位置にあるのかを数値化したものです。一定期間の価格の変動幅と終値の関係から、相場の相対的な勢い、「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」を示す指標です。0〜100%の範囲で推移し、構造上RSIよりも値動きに敏感に反応しやすいとされています。
おわりに
一見難しそうなチャートですが、基本的な見方を覚えてしまえばある程度の相場の流れを把握できるようになりますので、ぜひこの機会に覚えておきましょう。
さらに詳しく相場の流れを読み解くために知っておくべきローソク足の「チャートパターン」は、また別のコラムで取り上げていますのでぜひそちらも合わせてご覧ください。
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