日本人の銀行神話が崩れる時

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日本人の銀行神話が崩れる時

日本人のなかには、銀行に対してとても良いイメージを持っている方が多いでしょう。銀行破綻という噂を信じる方は少なく、大切なお金を全て銀行任せにしている方が多いのが現実です。だんだんと変わりつつある銀行の現状とこれから私たちがすべき対策について考えてみたいと思います。

1.  銀行は本当に安全か

1-1.日本人が持つ銀行のイメージ

最近、ネットで「日本の銀行破綻」についての記事を見かけることがあります。どれだけネット上でそんな情報が飛び交おうが、9割以上の日本人は銀行が破綻することを信じないでしょう。それは、私たちにとって銀行というのは、絶対的に安全で信頼できる企業だという思いこみが強いからです。では、なぜ、そんなイメージが定着しているのでしょうか。考えられる原因の一つは、ペイオフの存在です。

「ペイオフ」について、分かりやすく説明するために昭和46年に制定された「預金保険法」という法律についてお話していきます。この法律はお金を預ける預金者とお金を預かる金融機関の両方を守るために作られました。

具体的には銀行が破綻した際に銀行の合併の資金援助をしたり事業承継のサポートをしたりする役割と、預金者の預金を守る役割があります。その業務は預金保険機構という認可法人が遂行するのですが、政府や日銀が出資している機関なので、ほぼ国の機関といっても良いでしょう。

金融機関が破綻した場合の処理方式は、(1)破綻した金融機関の事業を救済金融機関に引き継ぎ移管し、その際に救済金融機関に資金援助を行う方式(資金援助方式)と、(2)預金者に直接保険金を支払う方式(保険金支払方式)の2つがあります。

預金保険制度に加入している金融機関が破綻した場合、1預金者あたり元本1,000万円までとその利息が保護されます。(外貨預金などは預金保護の対象ではありません)

この制度があるために、私達は銀行が安心な金融機関だと信じられるのでしょう。このように日本は国自体が銀行の破綻を守る仕組みができあがっていますから、銀行破綻というのは考えにくいのではないでしょうか。

1-2.地方銀行が危ない

最近、にわかに地方銀行の動きが変わってきました。先日、取引銀行から手紙が届きましたが、それは閉鎖と合併のお知らせでした。銀行破綻の情報が少なからず私たちの周りに存在するのは、このような動きが地方で加速しているからかもしれません。

これから地方銀行がどうなっていくのか。それは金融庁の匙加減で変わってくるともいわれていますが、国の方針一つで、経営の維持が難しくなることは間違いないでしょう。私の地元でも、銀行や信金、信用組合の統廃合が進み、支店の数が減ってきました。

こうしたなかで、今後は地銀や信金、信用組合の再編が始まっていくのでしょう。システムの統廃合は一番コスト効果が大きいので、経営難の銀行を救うには1番の方法です。そして統廃合の結果、地方銀行はこれからどうなってくるか注目されます。

1-3.銀行が扱う商品が変わってきた

30年前、私が大学卒業と同時に就職した先は地方の銀行でした。1年間勤務して転職しましたが、銀行の業務といえば、貸付を行ったり、預金を預かったりすることだと思っていました。

預金の額を行員間で競い合い、支店から表彰を受けたこともあります。銀行の利益といえば、預金や貸付の利息、払い出しや振り込み等の手数料、そして、預かった預金を運用することで得られる配当もあるでしょう。当時に比べると銀行の業態はかなり変わりましたが、最近では、預金ではなく投資信託等の商品をすすめられることも多いです。

もっと面白いのは、サブスクリプション型の経営者向けサービスを全国の銀行と提携して取り扱っていることです。これは今後、全国で会員が増えていくという話なので、どこかで話を聞く機会があると思います。

2. 預金は本当に安全か

2-1.年利6%の時代

1990年代の初め、銀行預金の金利が6%だった時代があります。あっという間にバブルが崩壊して、金利はどんどん下がっていきましたが、当時は銀行に預けているだけでお金が増える時代でした。

当時の日本では、銀行を信用して、ボーナスを全部預けていたとしても問題はなかったでしょう。でも、それを今の時代にするとどうなるのか。

金利0.001%では何年預けていてもお金は増えないし、インフレが進むことを考慮すると銀行のお金はどんどん減っていくといっても過言ではないでしょう。年利6%の時代の銀行と現在の銀行では役割も商品も大きく変わっていることを認識する必要があります。

2-2.預金をしてもお金が増えない

今の時代は、どこの銀行を選んでも預金でほとんどお金が増えることはありません。タンス預金と何ら変わないかもしれません。

高齢者が銀行にお金を預けた場合、今後引き出すことが難しくなります。特に認知症と認定されると介護費用などの引き出しも困難になったり、銀行口座が凍結されたりするといわれています。認知症高齢者の銀行利用については難しい問題を抱えていて、成年後見制度という制度もありますが、上手く機能せずに口座凍結に至るケースも多いようです。

銀行にお金を置いていても利息は増えず、引き出し等が困難になるとしたら、そもそも銀行の役割自体に疑問を持つ人が増えてもおかしくありません。何のための銀行なのかと考えた時、高齢者ほど不要な存在になっていくような気がします。

2-3.貯蓄と投資はどう違う?

日本における銀行預金がどれだけ無意味なものになっていったとしても、すぐに投資を始めるかというとそうではないでしょう。日本の投資人口については、まだまだ諸外国に比べると雲泥の差があるはずです。では、貯蓄と投資の違いはなんでしょう。

貯蓄とは、お金を貯めて蓄えること。貯蓄とは、銀行やゆうちょなどの預貯金のことです。貯蓄に対して投資は、将来が有望な投資先に、長期的に資金を投じることです。そして、貯蓄も投資もどちらも資産運用です。資産運用とは、目的に合わせて適切な金融商品を選び、計画的にお金を貯めたり、増やしたりしていくことです。つまり、蓄えのための預貯金も長期的にお金を増やしていく投資商品もどちらも資産運用といえるでしょう。

老後2,000万円問題を考えると、銀行預金だけではなかなか資産を増やせないため、上手に投資を扱っていく必要がありますが、日本人は資産運用の知識やスキルがないので、金融商品を上手に選ぶのは難しいかもしれません。

3. 銀行に頼らない生き方

3-1.銀行よりも安心なもの

銀行に預けていたら安心という「銀行神話」は今後間違いなく崩れていくでしょう。銀行が信じられなくなったら、私たちは今後、どうしたら良いのでしょうか。

それは、「知識をつけること」です。銀行や国の年金に頼ることなく、ご自身の資産を増やす知識を学ぶことが何より大切です。知らないから不安になるのは当然ですが、そこで考えることをやめると、結局、銀行に頼るしかなくなります。ご自身の知識が増し、お金を増やす方法を考えることができるようになると安心感は増し、銀行よりも自分の判断を信じるようになるでしょう。

3-2.賢いお金の増やし方

投資の三原則といわれているのは、「長期」「分散」「積立」です。銀行じゃないと不安という銀行神話を信じる方々におすすめしたいのは、まずは、少額の投資信託などの積み立てをすることです。

今は気軽に口座開設できるネット証券はたくさんあります。米国の代表的な株価指数であるS&P500指数に連動する投資成果をめざしたインデックスファンドなどは、取り組みやすい商品だと思います。

アメリカの主要企業500社へ投資しているのと同じ効果が期待できますし、長期的に考えれば大きく損をする可能性も低いと思われています。そして、このような銀行預金以外の金融商品を持つことで、「分散」「長期」「積み立て」という3つの要素を満たすこともできるのです。リスクが怖い方でも小さな一歩を踏み出すことでさらに興味が湧き、資産運用に自信がついてくるのではないでしょうか。

3-3.あなたの未来は自身で作る

私個人的には銀行神話が崩れるのは、時間の問題だと思っています。遅かれ早かれ、銀行は私達がお金を増やす場所ではなくなるでしょう。

そうなった時、私たちはどこに自身のお金を預け、どんな風に資産を増やしていけば良いのでしょうか。それを考える力をつけるにはやはりお金の勉強をしていくしかありません。投機にお金を使ったり、詐欺商品に騙されてしまわないためにも、知識と経験、そして人脈も大切にしましょう。

あなたの未来は自分次第でいかようにも変わります。あなたらしく幸せな未来を作っていくためには、今までの常識を疑い、ご自身の頭で考える習慣をつけていくことが必要です。まずは銀行に預けているお金を含め、ご自身の資産についてしっかり把握することから始めてみてください。