あなたの資産、大丈夫ですか?(その1)

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あなたの資産、大丈夫ですか?(その1)

資産形成というと、「どうやって貯めたら良いのか」、「何に投資するのが良いのか」という話になってしまいがちです。実際、私のところにもそのような相談が寄せられることがしばしばあります。これまでの私のコラムをお読みいただいていれば、この話をする前にすべきことがあることはお分かりいただけると思います。今回のコラムではもう少し踏み込んで、資産形成を考えるに当たって、私が大事だと考えることについてお伝えしていきます。  

1.人生の三大お悩み事項 

生きている限り悩みは尽きませんが、中でもお金に関する悩み・不安を抱えている人は多いのではないでしょうか。「お金 悩み(または不安) アンケート」とキーワードを入力して検索すると、実に多くの結果が表示されます。それらを見ていくと、悩みまたは不安があると回答された割合が圧倒的多数を占めており、このことからお金に関する悩み・不安を抱えている方が多いといえるでしょう。  

ところで、人生の三大お悩み事項というのをご存知でしょうか。人が悩むことは、大きくは3つに分けられるといわれています。その3つとは、「健康」「お金」「人間関係」です。生きている以上、病気やケガと無縁でいることはできないでしょうから、健康というのは理解できますよね。この健康には、ダイエットや美容も含まれます。 

また生きている以上、人里離れた山や離れ小島などで一人で生活するということをしない限りは、人との付き合いから避けては通れませんから、人間関係で困りごとができて悩んでしまうのは当然といえば当然でしょう。人間関係には、家族、友人、仕事上のつきあいの他、恋愛も含まれます。 

さらにお金ですが、現在の社会経済の世界に生きている以上、お金は切っても切り離せない存在であり、だからこそ悩み(または不安)はつきまとうのでしょう。「お金はあればあるほど良い」といったこともいわれ、また信じられているため、どれだけお金があっても足りないと思い不安を感じてしまう人が出てきてしまうということもあるでしょう。上を目指すというのは良いことではありますが、「足りない」という意識をもってしまうとゴールはなく満たされることがありません。 

人生における悩み(または不安)、ということで検索して結果を見れば、この三大お悩み事項が上位10位のほとんどを占めていることがお分かりいただけると思います。 

2.受け止め方の違い 

さて、私のコラムをお読みいただいている方で、この三大お悩み事項のうち、お金に関する悩み・不安を抱えている方がどのくらいいるのかは分かりませんが、本コラムのタイトルをご覧になられて、ドキッとされた方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。 

ではなぜ「ドキッとされた」のでしょう。一言に「ドキッとした」といっても、その原因・理由は、その方の状況等によっても異なるでしょうが、大きくは3つに分けられると思います。 

まず、資産形成の必要性を感じていながら実際何もしていない方。「老後資金2000万円問題」が一番良い例だと思います。老後のお金に不安がある人が多いからこそ、これだけクローズアップされたのでしょう。出生率の低下で年金受給額は減額されており、長く続く低金利により、昭和の時代のように年金と銀行預金で生活するのは難しい時代になっています。そのような時代において資産を形成する必要があるとは分かっていながら、何をすれば良いのか分からず何もしないで今に至っている方は、痛いところを突かれた、と思われドキッとされることでしょう。つまりこれらの方々は、「大丈夫ですか?」と質問されたことによって「(将来に向けての)資産が形成できていない」ことに目を向け、「大丈夫ではない」ためとドキッとされたということになります。  

それから、現在資産形成の途上にいる方。「老後資金2000万円問題」やFIRE(「FIRE」とは「Financial Independence, Retire Early」の略で、「経済的自立と早期退職(リタイア)」を指します。詳細は拙著コラム「そのFIRE、ちょっと待った!(Part1):資産形成を目指す前にすべきこと」をご参照ください。)の盛り上がりなどで刺激を受けて、実際に資産形成に励んでいる方もいると思います。本や動画を見たり、マネーセミナーに通ったり、専門家のアドバイスを受けたりしながら実践されている方にとっては、いかに早くかつ確実に形成していくかが大事なことになっていると思います。そして「今のままのやり方で大丈夫なのか」、「資産形成の仕方に問題はないのか」という不安に駆られながら進めているのではないでしょうか。そのような方が本コラムのタイトルをご覧になられると、まさにその不安にささる言葉と受け取られドキッとされたということになるでしょう。 

最後は、ある程度資産形成ができている方。形成された資産をさらに増やしたり守ったりすることをお考えのことと思います。「今の管理方法で自身の資産は維持できるのか」、「資産を守れているか」と思われるのではないかと思います。例えば、保険を見直そう、配当や家賃収入はこのままで大丈夫か、などが頭に浮かんできたのではないでしょうか。 

3.悩みや不安の裏側 

悩みや不安の裏側

ここまで見てくると、その方がどのような状態にいるかによって、同じ質問をされ同じようにドキッとしても、その内容は異なるということがお分かりいただけると思います。  

さて、ドキッとされた方、つまりお金に関する悩みや不安を抱えていらっしゃる方にお伺いします。なぜその悩みや不安を抱えたままにしているのでしょうか。 

さまざまな答えがあるでしょうが、それらの理由の裏側にあるのは、「楽観バイアス」、「現在バイアス」、「セルフハンディキャッピング」という見えない領域が関わってきます。 

「楽観バイアス」とは、読んで字のごとく、なんでも自身に都合良く(楽観的に)捉える傾向があることをいいます。危険な物事などを目にしても自身には同じことは起こらない、自身の能力は平均以上、目標は簡単に達成できる、などと思ってしまうことがこれに当たります。つまり、悩みや不安を抱えていても、どこかで「なんとかなる」と思っているため何もしないということなのです。人は将来の予測については、特に楽観的に考えてしまう傾向があります。過去の失敗などネガティブな情報というのは将来を予測する際に反映されにくいのです。 

「現在バイアス」とは、将来の利益より現在の利益を優先(重視)して行動を先延ばしにしてしまうことをいいます。ダイエットが失敗するのは、まさにこの「現在バイアス」によるものだと考えられるのではないかと思います。ダイエットの結果痩せた自分という将来の利益よりも、目の前にある美味しそうなものを食べるという現在の利益を優先してしまうため、ダイエットに失敗してしまうのです。ダイエットに失敗した経験がある人には耳が痛い話かもしれませんね。  

「セルフハンディキャップ」とは、失敗したときの言い訳を作っているということです。分かり易い例でいうと、テストの前になると部屋の掃除をしたくなることがこれに当たります。本当にすべきことを放棄し、比較的どうでもよいことをして敢えて自身に(負の)ハンディを与えることにより、結果に対して自己評価を上げるのです。部屋の掃除をして勉強する時間が少なかったにもかかわらず、この点数が取れたと考える。これは、実は自尊心を守るための合理的な行動と解釈されています。心が強い人であればこのようなことをする必要はないのでしょうが、強い人というのは多くはありませんので、仕方のない行動かもしれません。 

4.行動しなければ現実は変わらない 

何もしないことについて、心理的にさまざまなことが働くことはお分かりいただけたと思います。 

さて、ドキッとされたところで、その先はどうされますか?相変わらず不安・悩みを抱えたまま過ごされるのでしょうか?不安や悩みを抱え何もしないままで、それが解消され、解決されるということはありません。何もしないことに働く要因を知ったところで、不安は不安を呼ぶだけです。  

解決、解消するためには行動に移すことが必要です。見えない領域の話として「引き寄せの法則」といわれるものがあります。「何かを考えたり、話したり、強く信じ、感じたりすると、それは実現する」というものですが、これだけでは実際の現実に変化を起こすには弱いと考えています。なぜなら現実というのは実際に行動することで変化するものだからです。例えば、結婚したいと思っている女性がいたとします。結婚したいと思っているだけで、家に引きこもって念じているだけで、果たして実際に結婚ができるでしょうか。もちろん無理ですよね。結婚したいと思っているのであれば、実際に男性と出会える場に行くことが必要です。「出会いの場に行く」という行動に移すからこそ、願望は実現に近付いていくのです。  

では、資産形成における不安や悩みを解消、解決させるためには、どのように行動すれば良いのでしょうか。それにつきましては、次回以降にご説明していきます。 

おわりに 

お読みいただきありがとうございます。生きている限りお金とは付き合っていかなければならず、それ故、悩み、不安になることも起こりえることです。不安に思うことは悪いことではありません。不安を抱くことで、危機を回避できるのです。大事なのは、悩み・不安をそのまま抱えるのではなく、解決、解消させるよう何らかの行動をとることです。行動しなければ変わりません。まずはそこをご理解いただけたらと思います。 

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