家電の中でも「冷蔵庫」は、引っ越しの際に細心の配慮と充分な準備が必要なアイテムです。何も用意せずに冷蔵庫を運ぼうとしてしまうと、運搬中に水が漏れたり、故障のリスクが高まったりする可能性があります。そのため引っ越しの際には、取扱説明書の指示に従って冷蔵庫を運ぶことが大切です。
しかし長年使っている冷蔵庫では、取扱説明書を紛失してしまっていることも多いでしょう。そこで今回のコラムでは、引っ越しで冷蔵庫を運ぶための事前準備や霜取り・水抜きの方法、自力で運搬する場合の注意点などについて解説します。
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引っ越しで冷蔵庫を運ぶ時の事前準備
引っ越しで冷蔵庫を新居に運びたいと考えている方は、引っ越しが決まった直後から冷蔵庫の運搬準備を始めることが大切です。まずは引っ越し1週間前〜引っ越し当日までの段階ごとに、冷蔵庫を運ぶための準備についてご紹介します。
引っ越し1週間前までの準備
引っ越しが決まり次第始めておきたい準備として、冷蔵庫の中身の整理が挙げられます。引っ越しでは冷蔵庫の電源をオフにするため、傷みやすい食材などは使い切るか処分しておく必要があります。引っ越し会社の多くは、調味料などの常温保存ができるものを除いて、食品類の運搬に非対応となっています。
そのため引っ越しの1週間前までには冷蔵庫の中身を隅々までチェックして、食材を使い切るための献立を考えたり、早めに処分したりすることをおすすめします。もし引っ越し当日までに冷蔵庫の中身が使い切れなかった場合には、保冷剤と一緒にクーラーボックスなどに入れ、自家用車などで新居に運ぶと良いでしょう。
また、冷蔵庫を安全かつ確実に輸送するために、取扱説明書が残っていないかを探すことも重要です。冷蔵庫のメーカーによっては、過去の製品の取扱説明書をWEBで検索して閲覧できることもあります。以下に代表的なメーカーの取扱説明書検索ページをリストアップしましたので、冷蔵庫の型番をメモして検索してみてください。
パナソニック(Panasonic):取扱説明書 | Panasonic
シャープ(SHARP):取扱説明書ダウンロード│サポート・お問い合わせ:シャープ
東芝(TOSHIBA):取扱説明書
日立(HITACHI):取扱説明書:日立の家電品
アクア(AQUA):製品取扱説明書ダウンロード | AQUA(アクア)|アクア株式会社
引っ越し前日の準備
引っ越し前日には、運搬中の冷蔵庫の故障を防ぐために「霜取り」「水抜き」と呼ばれる準備を済ませておきます。詳しい手順は後述しますが、冷蔵庫は電源を抜いたらすぐに運べるわけではないことを覚えておきましょう。
冷蔵庫の電源を切って霜取り・水抜きを行い、冷蔵庫の内側の掃除を済ませたら準備は完了です。引っ越し後は食材を入れるため冷蔵庫が空になるタイミングがなかなかないので、この際に冷蔵庫の内部をきれいに掃除しておくことをおすすめします。
引っ越し当日の準備
冷蔵庫の中身を空にして、霜取り・水抜きを済ませてあれば、あとは引っ越し会社のスタッフに運んでもらいましょう。ご自身で運搬する場合には、冷蔵庫本体や壁・床に傷をつけないよう充分に梱包し、故障を防ぐために冷蔵庫を横に倒してしまわないよう注意しながら運ぶことが大切です。
冷蔵庫を新居に運び入れる時には、事前に設置場所を充分に確認しておくと良いでしょう。食材を入れた冷蔵庫はあとから移動することが難しいため、生活動線や家事のしやすさを考えながら置き場所を決めることをおすすめします。具体的な設置場所選びのポイントも、後ほど詳しくご紹介します。
冷蔵庫の故障を防ぐための引っ越し準備と掃除のコツ
続いて、引っ越し前日までに済ませておきたい、霜取り・水抜き、庫内清掃などの具体的な手順についてご紹介しましょう。ご自身で運ぶ場合の、冷蔵庫の梱包・運搬方法についても解説しているので、安全かつ確実に運びたい方はぜひ参考にしてください。
「霜取り」「水抜き」の方法
冷蔵庫の「霜取り」は、冷凍庫の中でできた氷の塊を溶かして、運搬中に水が漏れないよう対策することをいいます。旧型の冷蔵庫や冷凍スペースの狭い冷蔵庫では霜が発生しやすく、引っ越し前に溶かして乾燥させておく必要があります。
夏は10時間、冬は15時間程度、電源を切って冷凍庫を開けっぱなしにして溶かすのが基本ですが、大きな塊になってしまった霜は溶けるまでに時間がかかります。場合によっては、冷風に設定したドライヤーやぬるま湯、プラスチック製のヘラなどを使って霜取りを行いましょう。
続いて、冷蔵庫の「水抜き」は、冷蔵庫の外側にある蒸発皿にたまった水を捨てることをいいます。蒸発皿は冷蔵庫の背面にあることが多いですが、機種によっては蒸発皿が取り外せないものもあります。水抜きを忘れると運搬中に水がこぼれてしまうため、霜取りをしたあとは忘れずに捨てておきましょう。
冷蔵庫掃除のコツ
冷蔵庫の内部の掃除では、「食器洗い用洗剤」と「消毒用アルコールスプレー」の2つを用意しましょう。棚板やポケットなどの取り外せるパーツはすべて外して、キッチンシンクでスポンジ・洗剤を使って洗いましょう。庫内は消毒用アルコールスプレーを吹き付けてから布巾で拭いて汚れを落とします。その際には、ゴムパッキンの汚れや異物も丁寧にチェックするのがコツです。
最後に、冷蔵庫の外側や天板の汚れも拭き取り、コードにたまったホコリも取り除けば完了です。取り外したパーツはよく乾燥させてから庫内に戻し、運搬の衝撃に備えて養生テープで固定しておくと安心です。
冷蔵庫の梱包・運搬方法
冷蔵庫を自力で運ぶ場合には、不要な毛布や布団を使って冷蔵庫全体を包むのがおすすめです。運搬中にドアが開いたり蒸発皿が紛失したりしないよう、養生テープでしっかり固定しておきましょう。床や壁を傷つけないよう、通路には布団や段ボールなどを敷いて保護しておくのもおすすめです。
引っ越し先で冷蔵庫を設置する際のポイント
冷蔵庫は引っ越し前の準備も重要ですが、引っ越し直後の使い方に関しても気を付けたいポイントがあります。特に新居に運んでからすぐに電源を入れたりすると、故障の原因にもなるためご注意ください。
新居で電源を入れるのは1時間後が目安
冷蔵庫を新居に運び入れたあと、すぐに電源を入れるのではなく、30分〜1時間ほど電源オフのまま放置しておきましょう。というのも、運搬中の衝撃や傾きによって、冷蔵庫内部の冷却液などが不安定になっており、すぐに通電すると故障のリスクを高めてしまうからです。引っ越し作業では最初に冷蔵庫を運び入れて設置場所を決め、引っ越し作業が完了した頃に電源を入れるのがおすすめです。
食材を入れるのは庫内が冷えてから
新居に運び入れた冷蔵庫に食材を入れるのは、庫内が充分に冷えてからにしましょう。庫内が冷えるまでの目安は、4〜24時間です。冷蔵室や野菜室は設置後すぐに食材を入れても大きな影響はありませんが、冷凍庫は充分に冷えていることを確認してから使うようにしてください。
設置場所選びのチェックリスト
冷蔵庫を設置する場所としては、次の条件を満たすところを選ぶのが大切です。
- ガス・オーブンレンジなどの熱源から離れた場所
- 熱や湿気がたまりにくい風通しの良い場所
- 専用のコンセントを用意できる場所
- 床が傾いておらず水平な場所
- 直射日光が当たらない場所
直射日光やガスコンロ、オーブンなどの熱で冷蔵庫が温まってしまうと、電気代が上昇する原因となるのでご注意ください。
自力で冷蔵庫を運搬する際の注意点
引っ越し費用を節約したい時や、市内などの近距離で引っ越す時には、ご自身でレンタカーを借りたりして自力で運搬することもあるでしょう。個人事業主が引っ越し作業を行う「赤帽」サービスや、単身引っ越しパックなどを利用する際にも、冷蔵庫を自力で梱包することがあります。このように自力で梱包・運搬する際の注意点についても解説します。
冷蔵庫は複数人で縦にして運ぶ
冷蔵庫を運搬する際には、思わぬ事故やケガを防ぐためにも、必ず二人以上で作業するようにしてください。一人暮らし向けの小型の冷蔵庫であっても、一人で運ぶことは避けましょう。
また、冷蔵庫を横に傾けてしまうと冷却液が逆流してしまい、故障の原因になることがあります。階段の上り下りのために少し傾ける程度であれば問題ありませんが、真横にして保管したり運搬したりしないように注意してください。
緩衝材やテープで充分に保護する
冷蔵庫を運ぶ前には、庫内の棚板やトレーを養生テープなどで固定し、運搬中に衝撃で割れてしまわないように対策しましょう。運搬中にドアが開かないように固定しておくのも大切です。電源コードもまとめておかないと作業のジャマになるので、冷蔵庫本体にテープで固定しておくのがおすすめです。冷蔵庫全体は毛布・布団などで包み、床や壁を傷つけないように保護しておきましょう。
冷蔵庫のみサービス会社に依頼する方法も
冷蔵庫などの大型家電は、梱包や運搬に手間がかかるため、冷蔵庫だけでも引っ越し会社に依頼するのもおすすめです。引っ越し会社の中には、コンテナボックスに詰められる量だけを運ぶ単身引っ越しパックや、大型家具だけを運ぶプランを用意しているところもあります。通常の引っ越しプランは他のパックを含めた価格のため、冷蔵庫のみサービス会社に依頼するとやや割高になることが多いですが、保険に加入したプロの引っ越しスタッフが作業を担当するため安心です。
なお、引っ越し費用を抑えるためには「引っ越し一括見積もりサイト」を利用して、相場よりも安い引っ越し会社を探すのも効果的です。価格競争が激しく値引き交渉もしやすくなるメリットがあるので、ぜひ利用してみてください。おすすめの一括見積もりサイトは、下記の記事でもご紹介しています。
引っ越しで古い冷蔵庫を処分する方法
最後に、古い冷蔵庫の処分方法についても解説しましょう。冷蔵庫は「家電リサイクル法」で処分方法が指定されている家電のため、原則として自治体の粗大ゴミ回収に出すことはできません。では、どのように冷蔵庫を処分したら良いのでしょうか。
買い替える店舗で回収してもらう
古い冷蔵庫を処分する最も簡単な方法は、新たな冷蔵庫を購入する店舗で回収してもらうことです。多くの家電量販店では、有料で古い家電の回収サービスを提供しています。リサイクル料金や運搬費用が必要になるため、購入時に問い合わせてみると良いでしょう。
自治体の指定会社に回収を依頼する
原則として自治体では冷蔵庫の処分に対応していませんが、自治体が指定する許可会社に収集を依頼することは可能です。お住まいの市区町村のホームページで指定会社の連絡先が紹介されていることが多いため、一度チェックしてみることをおすすめします。
フリマアプリやリサイクルショップで売る
家族構成の変化などで買ったばかりの冷蔵庫を手放したい場合には、フリマアプリやリサイクルショップを利用して買い取ってもらうことも可能です。不用品買取会社などに依頼する場合、家電は製造年月が3〜5年以内など比較的新しいものしか対応していないケースも少なくありません。そのため引き取りを依頼する前に、買取に対応しているかを問い合わせておくと安心です。
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おわりに
引っ越しで冷蔵庫を運ぶ際には、故障や水漏れを防ぐために「霜取り」「水抜き」といった事前準備を済ませておくことが大切です。引っ越し予定が決まったタイミングで、残った食材を使い切れるように献立を考えたり、取扱説明書を探したりして用意すると、スムーズに引っ越しの準備ができるでしょう。冷蔵庫を新居に運び入れた際にも、1時間程度待ってから電源を入れ、庫内が充分に冷えてから食材を入れるようにしましょう。
なお、引っ越し費用を抑えるために冷蔵庫を自力で運搬する場合は、作業中の事故やケガを防ぐために充分に梱包し、二人以上で作業することを心掛けてください。引っ越し費用の節約には、引っ越し一括見積もりサイトを利用するのも効果的なので、ぜひ一度利用してみてください。