引っ越し会社に荷物の運搬を依頼していたにもかかわらず、急な事情により引っ越し会社との契約をキャンセルするケースも少なくありません。ダンボールなどの資材を受け取った後でも引っ越し会社との契約のキャンセルは可能なのか、ダンボールなどの資材はどう扱ったら良いのか迷う方も多いでしょう。
そこで本記事では、引っ越し会社への依頼のキャンセルについて、キャンセル料がかかる条件やダンボールなどの梱包資材の返却についてご紹介します。引っ越しの予定がキャンセルになった方や、別の引っ越し会社への変更を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
引っ越し会社と契約後のキャンセルは3日前まで無料でできる
引っ越し会社と契約したプランのキャンセルは、国土交通省が定める「標準引越運送約款」により、引っ越しの「3日前」までであればキャンセル料が発生しないことが定められています。キャンセルの理由も問われないため、引っ越しの予定がなくなった場合や、より安く依頼できる引っ越し会社が見つかった場合、引っ越し当日が悪天候になりそうな場合などでも、引っ越しのキャンセルが可能です。
ただし契約後のキャンセルは引っ越し会社に迷惑をかけてしまうため、キャンセルの理由が発生した際には、3日前を待たずに早めに連絡することが望ましいでしょう。引っ越し会社へのキャンセルの連絡は電話で行う必要があるので、お互いに気持ち良く契約のキャンセルをするためにも、なるべく早めの対応を心がけましょう。
キャンセル料は前々日・前日・当日のキャンセルで3種類がある
引っ越しの3日前以降になってからキャンセルした場合、連絡するタイミングによって「キャンセル料」が発生します。発生するキャンセル料も国土交通省の「標準引越運送約款」に定められており、3つのパターンでそれぞれ下記の通りとなっています。
なお、平成30年5月以前のキャンセル料は「運賃の20%以内(当日)」または「運賃の10%以内(前日)」とされていましたが、平成30年6月の標準引越運送約款の改正により、下記のように金額が変更されていることにご留意ください。
- 引っ越し日の前々日にキャンセルした場合:見積もり金額の20%以内
- 引っ越し日の前日にキャンセルした場合:見積もり金額の30%以内
- 引っ越し日の当日にキャンセルした場合:見積もり金額の50%以内
参照元:標準引越運送約款
いずれのキャンセル料の上限を定めたルールなので、引っ越し会社によっては上記よりも安いキャンセル料が提示される可能性もあります。一方で、万が一引っ越し会社から上記の制限を超えるキャンセル料が請求されたとしても、支払う義務はありません。
また、キャンセル料が発生するのは、依頼した利用者側の都合でキャンセルする場合に限られます。台風・地震などの災害によって引っ越しが困難となった場合や、引っ越し会社から日程変更・キャンセルの依頼があった場合には、キャンセル料が請求されることはありません。
ただし、ペットの輸送やピアノの運搬、庭木の移植・伐採といった専門輸送のために引っ越し会社の提携会社にも依頼していた場合には、上記のルールとは別にキャンセル料が発生する可能性があります。この場合は引っ越し日の3日以上前にキャンセルの連絡をしていたとしても、契約内容や規約によってはキャンセル料が求められることがあるため、事前にキャンセルする場合の料金について調べておくと良いでしょう。
引っ越し会社と契約後にキャンセルする場合の梱包資材の扱い
引っ越し会社との契約後にキャンセルする場合、気になるのが営業マンが残していったダンボールなどの梱包資材の扱いでしょう。引っ越しプランを決めて営業マンが費用の見積もりを行った際に、梱包資材を置いていくケースは少なくありません。こうした梱包資材は、キャンセル後どのように処分したら良いのかをご紹介します。
梱包資材は返送または買取が必要
原則として引っ越し会社から受け取った梱包資材は、その料金が引っ越しプランにも含まれているため、キャンセルした場合は返送または買取が必要になります。引っ越し会社によっては、梱包資材は無料のサービスとして返却・買取を求めないケースもありますが、非常に特殊な例と考えた方が良いでしょう。なお、引っ越し会社を変更せずに日程だけ変更する場合には、そのまま梱包資材を使うことが可能です。
別の引っ越し会社に変更する場合は返却を
引っ越し自体がなくなりダンボールが不要になった場合には、キャンセル後に梱包資材を引っ越し会社へ返送すると良いでしょう。返送にかかる料金については、利用者側が負担するケースが多いので注意しましょう。また、すでにダンボールの一部または全部を利用していた場合にも、返却を受け付けてもらえないためご注意ください。
別の引っ越し会社で梱包資材の値引き交渉も可能
別の引っ越し会社に変更するために引っ越しプランのキャンセルをした場合には、受け取った梱包資材は返送せずに買い取り、新たな引っ越し会社で梱包資材分の値引きができないか交渉してみると良いでしょう。ダンボールは古い引っ越し会社のものを使い、引っ越しサービスは新しい引っ越し会社のものを使うイメージです。または新たに申し込んだ引っ越し会社に、古い梱包資材を引き取ってもらえるケースもあります。
引っ越し会社との契約後のキャンセルを防ぐには一括見積もりの活用を
すでに契約した引っ越し会社のキャンセルは、3日前以前であればキャンセル料は発生しませんが、キャンセルのために電話連絡が必要になり、梱包資材の返送または買い取りが求められるなど、余分な手間やコストも発生してしまいます。そのため引っ越し会社を決める際には、できるだけ契約後のキャンセルにならないよう、複数の引っ越し会社を比較・検討しながら選ぶことが大切です。
その際には、複数の引っ越し会社の見積もりを一括で取り寄せられるサービスを利用すると、同じ条件での引っ越し費用を比較しやすくなり、ご自身にとって最適な引っ越し会社選びに役立ちます。引っ越し会社の一括見積もりは無料で利用できるので、キャンセルを防ぐためにも積極的に活用してみましょう。
国内最大級の規模を誇る「引越し侍」では、60社以上の提携引っ越し業者から最適なプランを一括で比較検討することができます。利用者は簡単に概算の見積もり金額をネット上で確認でき、気になる業者があればそのままオンラインで予約手続きも可能です。個人情報の入力は必須ではありません。一方で、正確な荷物の量などを入力すれば、専門スタッフから的確なアドバイスを受けられるなど、きめ細かいサポートも用意されています。国内最大級の一括見積もりサイトで無料見積りをしてみてください。
引っ越し会社と契約後のキャンセルについてよくある質問
最後に、引っ越し会社との契約後のキャンセルについて、多く寄せられる質問と回答についてまとめてご紹介します。
Q.台風や地震で延期したい場合もキャンセル料が発生する?
台風・地震などの自然災害によって引っ越し作業が困難となる場合には、キャンセル料が請求されることはないと標準引越運送約款で定められています。しかし引っ越し作業に問題がない程度の悪天候で利用者側がキャンセルを申し出ると、キャンセルするタイミングによってキャンセル料が発生します。引っ越しの直前で大雨の予報または台風が接近する予報が出ている場合には、キャンセル料がかからない3日前までに引っ越し会社に連絡して、どのように対応するか確認しておくと安心です。
Q.引っ越し会社のキャンセル料以外に料金がかかることはある?
引っ越し会社による引っ越しプラン以外にも、専門輸送やオプションサービスを申し込んでいた場合には、別途キャンセル料が発生することがあります。例えば、ペット輸送やピアノの運搬、エアコンの取り外しサービスなどが挙げられます。すでにエアコンの取り外し作業が完了しているなど、サービスを受けた後である場合や引っ越し会社の提携会社が作業を行う場合には、キャンセルするタイミングにかかわらず料金が発生する可能性が高いです。
Q.契約後のキャンセルはどこに連絡すれば良い?
契約後のキャンセル連絡は、確実にキャンセルの意志を伝えるためにも、引っ越し会社の問い合わせ窓口や営業マンに電話連絡することをおすすめします。見積書に担当者や営業所の電話番号が記載されている場合には、その連絡先に連絡すると良いでしょう。
Q.おすすめの引っ越し一括見積もりサイトはどこ?
最大手のサイトである「引越し侍」がおすすめです。提携会社数や成約実績、口コミ件数では業界トップの規模を誇ります。60分程度の時間をかけてじっくり見積もりを依頼する「一括見積もり依頼サービス」と、個人情報の入力なしで手軽に見積もりをチェックできる「ネット見積もり比較&予約サービス」の2種類があることも特徴です。
特に「ネット見積もり比較&予約サービス」であれば、電話番号やメールアドレスを入力せずに見積もりを確認できるため、費用相場を調べたい時にも便利です。運営しているのは東証プライム市場上場のグループ会社なので安心ですが、「一括見積もり依頼サービス」を利用する時には正確な荷物量の入力が必要なのでご注意ください。
おわりに
引っ越し会社との契約後のキャンセルは、原則として引っ越し日の3日前までであればキャンセル料は発生しません。キャンセル理由も問われないため、ご自身の都合に合わせて柔軟にキャンセルが可能です。ただし引っ越し会社への迷惑がかかってしまうため、キャンセルの理由が発生したらすぐに電話連絡するのが望ましいです。
引っ越しの訪問見積もりの際などに営業マンが置いていった梱包資材は、キャンセル後に返送または買い取りをする必要があります。未使用で梱包資材が必要なくなった場合には返送、別の引っ越し会社に変更する場合には買い取りを選ぶのがおすすめです。今後はキャンセルをせずに確実にお得なプランを選びたい方は、「引越し侍」などを利用して複数の引っ越し会社の見積もりを一括で取り寄せるようにしましょう。