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ライフイベントとは何がある?年代ごとに訪れるライフイベントとかかる費用を解説

セゾンのくらし大研究 編集部

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人は生まれてから亡くなるまで、就職や結婚、子育てなどさまざまな出来事を経験します。そのような出来事をライフイベントといいますが、人によって経験するタイミングや数はそれぞれでしょう。多くのライフイベントはお金がかかるため、今後予想されるライフイベントを意識しながら生活することが大切です。このコラムでは、年代別のライフイベントやそれぞれにかかる費用について紹介していきます

記事のポイント

テレビや新聞などで「人生100年時代」といわれる現代。単純に寿命が伸びて喜ばしいだけでなく、その分将来への備えがより必要になります。将来への備えをするためには、ライフイベントを通していつ、どのくらいの出費があるのかを明確にしておくことが大切です。

1.ライフイベントとは

ライフイベントとは、就学・就職・結婚・出産・子育て・教育・退職など、生涯経験すると予想される出来事です。また、家や車の購入、旅行なども含まれるため、ライフイベントには多くの出費がつきものであることが分かります。

このようにライフイベントについて考えることで、三大支出とされている「教育資金」・「住宅資金」・「老後資金」などに備えることができ、ご自身やご家族に合った人生設計を立てられるでしょう。

2.ライフイベントについて考える大切さ

ライフイベントについて考えることが、人生にとってどのような意味やメリットを持つのでしょうか。以下で説明していきましょう。

2-1.これからの出費に備えられる

ライフイベントについて考えることで、これからの出費に備えられるというメリットがあります。これから経験すると予想されるライフイベントの一つひとつで、どれくらいの費用がかかるのか見当がつけられるからです。

特に、三大支出と呼ばれている教育資金・住宅資金・老後資金は高くなる傾向にあり、それらを含めたすべての出費を明確にすることで、少しずつでも資金計画ができる点が大きなメリットといえるでしょう。

2-2.貯蓄のモチベーションになる

ライフイベントを考えることは、貯蓄のモチベーションにもつながります。貯蓄をする際は、明確な目的や目標がないと継続させるのは困難になりがちです。ライフイベントについて考え、どのタイミングでいくらかかるのかが明確になることで、そのイベントに備えた貯蓄が可能になります。

貯蓄のモチベーションを維持し、継続して貯金や節約ができれば、将来必要になるお金をきちんと準備することができるでしょう。

3.20代~30代のライフイベント一覧

ここからは、実際にどのタイミングでどのようなライフイベントがあるのかを解説します。まずは結婚や住宅購入、出産などのライフイベントが予想される20代〜30代を見ていきましょう。

3-1.就職活動

高校や大学などを卒業すると、就職活動を行なう方も多いでしょう。就職活動にもお金がかかります。内訳として、リクルートスーツ代や交通費、宿泊費、飲食費などが挙げられます。

大手転職エージェントが調査した「就職活動のお金事情」によると、「セミナーや説明会が多い金融業界では、飲食費や交通費がかさんで大変だった」など苦労した経験を持つ方も多いようです。

さらに「1日5社をまわったときは、タクシー代がかなりかかってしまった」「就活用のスーツや靴を持っておらず、一式そろえた」という就活生の声もあります。遠出する際の宿泊費や交通費の出費もかかります。

3-2.結婚

人生において大きなイベントである結婚にも、多くの費用が必要になります。結婚準備の情報誌が行なった読者アンケートによると、結婚にかかる平均の費用は469万円です。内訳としては、結納式・両家の顔合わせで29万円、婚約・結婚指輪で61万円、挙式・披露宴で362万円、新婚旅行で77万円となっています。

大きな金額で驚く方も多いでしょう。しかし、費用のおよそ3分の2はご祝儀でカバーできるとされているため、実質負担は150万円ほどですが、その他の経費も考えて200万円はかかると想定しておくと余裕が持てるでしょう。

参考:ゼクシィ結婚トレンド調査 2020

3-3.住宅購入

三大支出の1つで「人生最大の買い物」といわれる住宅購入に際しても大きなお金が必要です。

マイホーム購入といっても「新築or中古」「マンションor戸建て」「注文住宅or建売住宅」などによってかかる費用が異なります。

生命保険文化センターが算出した費用の平均値で見ていくと、土地付き注文住宅で4,397万円、中古戸建てで2,480万円、新築マンションで4,545万円、中古マンションで2,971万円です。また、住宅購入の際には、マイホーム代とは別に不動産の登記費用や仲介手数料、火災保険料などさまざまな諸経費が必要になることも頭に入れておかなければなりません。

参照元:生命保険文化センター|住宅の平均購入価格はいくらくらい?

3-4.出産・育児

20代~30代になると友人の出産報告などが増え、出産や育児を意識し始める方が多いでしょう。厚生労働省の集計によると出産費用の平均は、公的病院で443,776円、私的病院で481,766円です。

ただし、出産育児一時金によって、出産にかかる費用の大部分はまかなうことができます。さらに、妊婦健診における検査費用の一部負担や、出産手当金の支給などさまざまな補助が出る場合もあるため、調べておくのがおすすめです。

参照元:厚生労働省|出産育児一時金について

3-5.教育費(幼稚園・小学校)

子どもが大きくなり幼稚園や小学校に通うようになると、教育費がかかってきます。教育費は公立・私立によって金額に大きな差が生まれるため、今後を見据えたうえでどちらにするのかを決めなければいけません。

文部科学省の調査によると、1年あたり、公立の幼稚園の場合は223,647円/年、私立の幼稚園の場合は527,916円/年、公立の小学校の場合は321,281円/年、私立の小学校の場合は1,598,691円/年がかかるとされており、私立と公立によってかかる費用の差が大きいことが分かるでしょう。

参照元:文部科学省|平成30年度子供の学習費調査の結果について

4.40代~50代のライフイベント一覧

次に、一般的に予想される40代〜50代のライフイベントの種類を紹介していきましょう。40代〜50代になると、子どもがいる家庭では教育費のピークを迎え、習い事やお小遣いなどでもお金がかかる場合があります。

4-1.教育費(中学校・高等学校)

40代〜50代頃になると子どもの年齢も上がり、幼稚園や小学校に通わせるよりも多くの教育費が必要になる傾向にあります。

学費以外にも、塾代や部活動の活動費などがかかってくるからです。文部科学省の調査によると、1年あたり、公立の中学校の場合は488,397円、私立の場合は1,406,433円、公立の高校の場合は457,380円、私立の場合は969,911円がかかるとされています。

参照元:文部科学省|平成30年度子供の学習費調査の結果について

4-2.教育費(大学)

子どもが大きくなり大学に通うようになれば、さらに多くの費用が必要です。文部科学省の調査に基づくと、国立大学の授業料は約50万円/年、私立大学の授業料は約80万円/年がかかってきます。大きな金額が必要になるため、子どもが高校を卒業するまでにある程度の金額が貯蓄できているのが理想です。

参照元:国立大学と私立大学の授業料等の推移|文部科学省

4-3.子どもの習い事

子どもの高校受験や大学受験と重なる時期には、塾などの習い事に関する費用がかかる場合があります。特に子どもが複数人いる場合はより多くの費用が必要になるため、家計を圧迫しないような資金計画が大切です。塾代を例に挙げて、相場を以下の表で見ていきましょう。

学年集団指導塾個別指導塾
中学1・2年生30~50万円/年間40~60万円/年間
中学3年生40~60万円/年間50~80万円/年間
高校1・2年生40~50万円/年間50~80万円/年間
高校3年生50~70万円/年間60~100万円/年間

4-4.子どもの留学

留学には、渡航費・滞在費・食費・授業料・現地でのお小遣い・手続き費用・保険料などさまざまな費用がかかります。語学留学の場合で、留学先と留学期間別に、かかると予想される目安の費用は以下のとおりです。

12週間24週間48週間
アメリカ65~111万円129~230万円255~446万円
イギリス57~132万円103~252万円205~503万円
カナダ59~87万円109~173万円206~343万円
オーストラリア59~80万円115~171万円227~311万円
ニュージーランド52~82万円101~159万円198~315万円

参照元:留学の費用|留学ジャーナル

4-5.住宅ローン

40代〜50代は、子どもの教育費などでお金がかかってくる時期です。さらに、老後のために資金を貯めたい時期でもあります。しかし、例えば20代〜30代でマイホームを購入した方は、多くの場合ローン残高があるでしょう。

マイホームを購入した当時と置かれている状況が違う方もいるため、ローン残高を1度確認し、必要であれば見直ししてみることもおすすめです。

4-6.親の葬儀

別れは突然やってきます。そのときに焦らないよう、資金に関する準備が必要です。終活関連のサイト運営などをしている企業の調査によると、お葬式にかかった平均費用は約120万円といわれています。ただし、お葬式の形式や参列してもらう人数によってかかる費用が変動するため、事前に調べておくのがおすすめです。

4-7.親からの相続

40代〜50代になると、親からの相続を受け取る方も出てくるでしょう。例えば不動産を相続した場合、さまざまな場面で税金がかかります。

さらに、相続関係の手続きで司法書士や税理士などに相談を依頼するような事態になれば、よりお金もかかるでしょう。それらを頭に入れたうえで、親が生きているうちに相続について話し合っておくことが大切です。

5.60代~ライフイベント一覧

最後に60代から想定されるライフイベント一覧を見ていきましょう。具体的な費用も解説していくので、ぜひ参考にしてください。

5-1.子どもの結婚・出産・住宅購入

60代を超えると、子どもの結婚や出産、住宅購入などに際し、資金援助をする場合もあるでしょう。しかし、無計画な資金援助は老後破産につながる可能性があるため、しっかりと計画を立てたうえで資金援助をすることが大切です。

5-2.定年退職

働いている方は定年退職を迎え、退職金を受け取る方もいるでしょう。多くの場合、退職金とこれまでの貯蓄を合わせればそれなりの額になりますが、豊かな老後の生活を送るために、資産運用を検討してみるのもおすすめです。

5-3.セカンドライフ

子どもが巣立ち定年退職を迎え自由な時間が増える60代以降は、海外旅行などをしてセカンドライフを楽しみたいと考える方も多いでしょう。保険会社が2020年に行なった「シニア層の楽しみ・生きがい」の調査において第1位は、旅行でした。

旅行会社の調査によると、国内旅行の平均費用は50,000円、海外旅行の平均費用は210,000円とされています。老後のセカンドライフを楽しみたい方は、これらの平均費用を参考に、早い時期からの資金計画が大切です。

5-4.自宅のリフォーム

60代以降になると、家のリフォームが必要になる場合があります。その理由として挙げられるのが、ライフスタイルの変化や家の老朽化・バリアフリー化です。

例えば、子どもが独立して部屋が余っている場合、部屋の仕切りをなくして空間を広くしたり、老朽化が進んだ場所を補強したりします。さらに家の中の段差をなくす、階段に手すりをつけるなどのバリアフリー化が必要になる場合もあるでしょう。

マンションか戸建てか、工事内容によって異なりますが、必要なリフォーム費用は見ておいたほうが良いでしょう。

5-5.通院・介護

老後の生活においては、通院や介護の費用もかさむ場合があるでしょう。介護については、生命保険文化センターの調査によると、初期費用は平均234万円、介護のために必要になる月額費用は平均158,000円と算出されています。

公益財団法人 生命保険文化センター|生命保険に関する 全国実態調査

5-6.終活 

終活とは、余生のための準備や亡くなった後のための準備などを指します。具体的には、終末期の医療・介護への備え・不要品の整理・財産の整理・葬儀やお墓の準備・遺言書の作成、生前の相続対策などです。

おわりに

今後予想されるライフイベントを考えることは、将来を見据え、より豊かな生活をするために必要です。今回紹介したライフイベントやかかる出費を参考に、ぜひ家族構成や年齢を入れたライフイベントの表を作ってみてください。

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