自身の配偶者のことを人の前で紹介する際、なんと呼んだらいいのか迷った経験のある人も多いのではないでしょうか。「妻」「奥さん」「嫁」など、人それぞれ呼び方が違い、統一されていないので、他者に伝われば呼び方に決まりはないと考える方も少なくありません。
しかし、実際に自身の配偶者の呼び方には正解があり、間違った使い方をしてしまうと誤解を招く可能性があるので注意が必要です。このコラムでは、配偶者を呼ぶときの正しい呼称や、似ている言葉の正しい意味について解説します。
パートナーの正しい呼び方はあるの?
パートナーの呼び方は人によって様々ですが、身の回りでもよく聞くのが「奥さん」「妻」「嫁」の3種類です。では、一体どの呼び方が正しい呼び方なのでしょうか。
結論からいうと、正しいとされている呼び方は「妻」です。「奥さん」や「嫁」は、ご自身の配偶者のことを指す呼称としては正しくありません。ここでは、それぞれの言葉の意味を考えながら、呼称の意味を解説します。
また、世の中の既婚男性は自身の配偶者をどのように呼んでいるでしょうか。アンケート結果をもとに、世の中の男性の配偶者の呼び方をご紹介します。
「奥さん」「妻」「嫁」の呼び方の違い
似ているように思える3つの言葉ですが、その意味合いが異なります。
「妻」は、婚姻関係にある女性のことを呼ぶときに使います。婚姻制度がない時代から、生活をともにする女性のことを「妻」と呼んでいたことからも、パートナーの呼び方として正しいのです。
次に「奥さん」ですが、他人の妻のことを呼ぶ際に使われるのが正しい使い方です。敬った呼称である「奥様」のくだけた言い方として、定着しました。
そして、「嫁」は息子の配偶者の呼び方として使われるのが正しい使い方です。しかし古くから、結婚したばかりの女性のことを「嫁」と呼ぶこともあったことから、好ましい呼び方ではありませんが、間違いではないとされています。
【調査結果】配偶者のことを話す時に呼ぶ名称
既婚男性を対象にした「配偶者のことを人に話す時になんと呼びますか?」というマイナビニュースが実施したアンケート結果は、以下のとおりでした。
- 1位 嫁 24.6%
- 2位 妻 22.0%
- 3位 奥さん 12.4%
- 4位 家内 10.0%
- 5位 かみさん 9.6%
先ほど挙げた3種類の呼び方で呼んでいる方の割合が合計59.0%と過半数を占める結果になっていますが、少ないながらも他の呼び方も見受けられます。家内と呼んでいる方が10.0%、かみさんと呼ぶ方の割合は9.6%と、どちらも全体の1割ほどを占める結果となっています。
さらに、上位3つの呼び方を用いている既婚男性に対し、それぞれ「なぜそのように呼ぶのか」について聞いた意見は、以下の通りです。
嫁
「嫁」と呼んでいる方の意見には以下のようなものがあります。
「嫁」と呼んでいる男性の意見として、「家の中では名前で呼び合うが、人前では恥ずかしいので、嫁さんと呼んでいる」「他人に話す時に名前は照れる」など、恥ずかしいからという理由が多く挙げられました。
さらに、「地域で呼び方として一般的だから」「周りにその呼び方をする人が多かったから」など、特に呼び方にこだわりはないものの、当たり前のものとして意識せずに使用しているという方も一定数いるようです。
妻
「妻」と呼んでいる方の意見は次の通りです。
「妻」と呼んでいる男性の意見には、「妻と夫は平等だと考えているから」「夫婦の呼び方で、対等に感じるのが妻だから」など、夫婦が平等であるということに焦点を置いている意見が多くありました。
奥さん
「奥さん」と呼んでいる方の意見は以下のようなものがありました。
「奥さん」と呼んでいる男性の意見には、「敬意を払って『さん』をつける」「自分の妻を尊敬しているので、敬意を持って呼ぶようにしている」など、妻のことを尊重しているから、あえてそう呼んでいるという意見が多数寄せられました。
参照元:マイナビニュース|既婚男性300人に聞いた、配偶者のことを人に話すときなんて呼ぶ?
奥さんの様々な呼び方のそれぞれの意味
奥さんの呼び方には、様々な種類がありますが、実はそれぞれ意味があります。なんとなく使っている呼称でも、使い方を間違えれば相手に誤解を招いてしまうこともあるかもしれません。
ここでは、女性配偶者を表すときによく使われる呼称の正式な意味と使い方について解説します。
「嫁」の意味
「嫁」の意味は、「結婚して夫の家族に加わった女性」のこと、あるいは「息子の妻になった女性」のことです。夫の家族に加わった女性のことを指す言葉なので、「次男の嫁」や「嫁姑」などで使われます。
そのため、自分の配偶者のことを指して「嫁」というよりは、夫の両親が息子の配偶者に対して「嫁」と使う方が意味的には正しいのです。
「奥さん」の意味
「奥さん」は、他人の妻を呼ぶ際に使われる表現です。他人の配偶者を敬って使う呼称なので、自身の配偶者に対して使うことは間違いなので注意しなければなりません。
昔は「奥方」「奥方様」のように特定の身分層に対して使われている言葉でしたが、現代では一般的な意味として幅広く使われるようになりました。
「家内」の意味
「家内」は、「家の中」や「家族」という意味で使われることもありますが、「妻」と同様の意味で使われることもある言葉です。
「妻」と異なる点は、客観的な表現として使うことができないため、自身の配偶者を呼ぶ時にのみ使うことができます。
「女房」の意味
「女房」は、自身または話し相手、あるいは第三者の配偶者(女性)を呼ぶ際に使われる言葉です。この呼び方はかなりくだけた表現であり、ごく親しい相手か遠慮のいらない間柄で用いられるのが一般的。「姉さん女房」など、第三者にも使うことができる点で「妻」とは異なります。
「かみさん」の意味
「かみさん」とは、自身あるいは他人の配偶者を呼ぶ際に使われます。かなり砕けた表現であるため、親しい間柄でないと使うことができない表現です。
「奥さん」とは異なり、上司などの目上の配偶者に対して使うことはできません。
【調査結果】夫に何て呼ばれたいのか?
男性が自身の配偶者を呼ぶ際に呼び方に違いがあるように、呼ばれる側の女性も理想の呼び方は様々です。「妻」「嫁」「奥さん」「家内」など様々な呼び方がある中、自身の夫に人前で呼ばれる時にはなんと呼ばれたいのでしょうか。
女子SPA!総研が未既婚女性119人にアンケートした結果は、次の通りです。
夫からの呼ばれる際に人気な名称
夫に人前で呼ばれたい呼び方の第1位は、「妻」です。様々な呼び方が挙げられている中でも過半数を占めています。正しい使い方であることからも、これは当然の結果といえるでしょう。
第2位は「奥さん」で、約4割もの方が支持しています。昔ながらの呼び方が定着しているため、違和感がある方が少ないのかもしれません。
第3位は「下の名前+ちゃん」がランクインしました。「下の名前の呼び捨て」も第5位にランクインしており、名前を尊重した呼び方に好感を抱く方が多いようです。
一方で、下の名前で呼ぶことは人によっては違和感があり恥ずかしいと感じる方も少なくありません。会社の上司など目上の方の前では、「妻」「奥さん」「嫁」などの呼び方を使うのが無難です。
夫からの呼ばれ方ワースト5
続いて、もっとも不快な呼ばれ方ワースト5を紹介します。
第1位は「うちのやつ」。まるで夫の所有物かのような呼び方に、不快感を示す女性が多いようです。「人として認めてもらえていないようにも感じる」と人気がありません。
第2位は「ママ」がランクイン。まるで配偶者のことを「子どもの母親」としか見ていないようなこの呼び方にも、不快に感じるとの意見が多くありました。一人の女性として見られていないとも感じられるため、マイナスのイメージが強いようです。
第3位は「相方(あいかた)」という結果になりました。「お笑い芸人みたい」と不快に感じる女性が多いようです。
第4位は「嫁」がランクインしました。「嫁」という呼び方は、一見当たり障りのない呼び方のように感じますが、「芸人が自分の妻のことを呼ぶときに使っていそう」「大切にされている感じがしない」などのマイナスの意見が多くありました。
最後に、第5位には「家内」がランクイン。「家の中にいる人と言うイメージがある」という意見など、女性は家にいるものという昔ながらの考えを映す「家内」という呼称に、不快感を示す声が多く上がりました。
参照元:SPA|夫になんて呼ばれたい?妻、嫁、そして一番ムカつくのは…
おわりに
自身の配偶者を人前で紹介するときには、「妻」という呼称が一般的に望ましいでしょう。また、他の呼称で呼んでしまうと相手に誤解を招いたり、意味が異なってしまう場合もあるので充分注意してください。
例えば、既婚男性が自分の配偶者を紹介する際に使っている呼称第2位の「嫁」は、女性が求める夫からの呼ばれ方のワースト4位にランクインしています。なんとなく使っている呼称でも、相手に不快な思いをさせている可能性もあるので、注意したほうが良いでしょう。
ご自身の配偶者に対して、人前でも正しい呼称を使うことで、誤解やトラブルを未然に防ぎましょう。