身近なレジャーとして、「競馬」を楽しむ人が増えています。競馬というと、「勝馬投票券(馬券)購入(賭けごと)」をイメージするかもしれません。しかし、近年の競馬場では、通常のレースはもちろん、好きな騎手や馬の応援、競馬場(ご当地)グルメ、イルミネーション鑑賞、イベント参加など、競馬の楽しみ方は多様化。競馬ゲームやアニメの人気も手伝って、競馬場には、友人同士、家族連れなど、性別を問わず幅広い世代が足を運んでいます。
「大井競馬場(「東京シティ競馬(TOKYO CITY KEIBA)東京都品川区)」は、そのような競馬場の先駆け的存在で、1986年、「日本初のナイター競馬・トゥインクルレース」を開催。夜空の下、照明やムービングライトほか、イルミネーションが演出する白熱のレースに加え、グルメやイベント、多彩なアトラクションで「馬券以外の楽しみも魅力」と評判です。
一方で、さまざまなデータをもとに馬券を購入、自分の選んだ馬がゴールを駆け抜ける瞬間は、やはり競馬の醍醐味といえます。予想には馬の能力、戦績や調教タイム、その日のコース状態ほか、数多のデータが必要。そのため「記憶と推理のスポーツ」ともいわれ、最近は「脳トレ」として競馬を始めるシニアも少なくないようです。
そこで今回のコラムでは、「大井競馬場」の見どころを紹介すると同時に、競馬の基本についても説明していきたいと思います。
1.競馬とは、どのような競技?
競馬とは、それぞれの馬に騎手が騎乗し、コース所定の距離をいっしょに走らせて、速さ(着順)を競う競技です。競馬主催者によって、地方自治体や、地方自治体から構成される一部事務組合が主催者となって開催している「地方競馬」と日本中央競馬会(以下JRA)が主催者となって開催している「中央競馬」があり、「大井競馬場」は地方競馬に含まれます。コースには芝・ダート(砂が敷かれたコース。競馬場によって、砂の種類や深さなどが異なっている)があり、これらのコースを普通に走る「平地競馬」の他、生垣や水濠、土塁といったコース中にある障害物を越えて、勝敗を競う「障害」、日本輓系種(体重800~1200kg前後にもなる大型馬)と呼ばれる馬が、鉄製のそりに重りと騎手を乗せて走る「ばんえい競馬」、これら以外のコースを走る「平地競走」が行われています。よく目にするのは平地競走で、さまざまな条件(距離・馬齢・賞金(クラス)ほか)のレースがあります。
さらにレースには、特に賞金が高く、能力の高い馬の出走する競走が、重要度に応じて設けられています。大井競馬場では、「重賞」「準重賞」「特別」「普通」の4種類に区分されます。
重賞競走
各競馬場において、特に重要な位置付けとされるレース。高額賞金が設定され、多くの有力馬が出走。
準重賞競走
重賞競走に準ずる位置付けとして実施されるレース。
特別競走
普通競走に比較すると賞金が高く設定され、出走馬のレベルの高いレース。
普通競走
大半のレースが該当する、いわゆる平場の競走です。
芝コースは中央競馬が行われる競馬場です。地方競馬場はほぼダート(盛岡競馬場のみ芝コースがあります)
また、地方・中央、各競馬場の枠組みを超え、ダートのトップホースが日本最強を競う、全国的な競走体系「ダートグレード競走」も整備されています。該当するレースは、国際格付けを持つ競走をGⅠ、GⅡ、GⅢ、それ以外の競走はJpnⅠ、JpnⅡ、JpnⅢと表記します。特に格の高い有名なレースは次の通りです。
GⅠ
フェブラリーステークス(JRA東京競馬場)、チャンピオンズカップ(JRA中京競馬場)、東京大賞典(大井競馬場)
JpnⅠ
川崎記念(川崎競馬場)、かしわ記念(船橋競馬場)、帝王賞(大井競馬場)、ジャパンダートダービー(大井競馬場)、マイルチャンピオンシップ南部杯(盛岡競馬場)、JBCクラシック・JBCスプリント・JBCレディスクラシック(持ち回り)、全日本2歳優駿(川崎競馬場)
夏の帝王賞、暮れの東京大賞典は、大井競馬場を代表するレースで、全国からダートの猛者が集結。手に汗握る攻防が見られるため、当日は多くのファンが詰めかけます。
レースは「8枠制」を採用。出走馬は抽選により、馬番号の小さい順に1枠~8枠に振り分けられます。枠はそれぞれ、1枠:白、2枠:黒、3枠:赤、4枠:青、5枠:黄、6枠:緑、7枠:橙、8枠:桃に色分けされ、騎手の帽子の色も枠と同じ色になっています。出走頭数が9頭以上の場合、8枠から順にひとつの枠に2頭ずつ入ります。なお、勝馬投票券(馬券)は、この枠や馬番号や枠を組み合わせて購入します。
騎手がレースで着用しているのは騎手服(勝負服とも)といい、地方競馬では騎手自身が、あらかじめ用意された色とデザインを選んで決めます。大井競馬場では、赤、桃、橙、黄、緑、水、青、紫、茶、ねずみ、黒、白の12色の中から3色までを使用。色々なデザインと組み合わせ、自分の騎手服を決定しています。レースや騎乗する馬が変わっても、騎手服は変わりません。そのため競馬ファンは好きな騎手を容易に識別できるわけです。ちなみに中央競馬の勝負服は、馬主が決定しています。そのため「馬主服」とも呼ばれ、JRA馬主の地方所有馬は、指定レース(新馬戦、重賞競走など)において、馬主服で走ることがあります。
2.日本初がたくさん? 大井競馬場はこんなところ
2-1.競馬に欠かせない技術や施設をいち早く導入した「大井競馬場」
「東京シティ競馬」「TCK(TOKYO CITY KEIBAの略)」の愛称で有名な「大井競馬場」は、1950年に開場した地方競馬の競馬場です。1周1600m、地方競馬最大の規模で、レースはダートのみ。世界で唯一の左右両回りコース(2022年9月現在)となっており、また地方競馬最長を誇る直線では、毎回熱い戦いが繰り広げられています。
大井競馬場は開場以来、競馬に関する新しいシステムやルールなどを他に先駆けて導入し、施設の充実を図ってきました。「日本初」の事例も多く、1950年の「ゴール写真判定装置の導入」を皮切りに、1953年に「騎手服・枠別の帽色の採用」「スターティングゲート(発馬機)採用」、1955年には「パトロールフィルム制度の採用」を開始。1986年7月には、ナイター競馬「トゥインクルレース」がスタートし、1999年には「ワイド(拡大馬番号連勝複式勝馬投票券)」の発売が始まります。現在、全国の競馬場で当たり前に行われていること、なくてはならない技術や機材、ファン層を拡大する試みは、すべて大井競馬場から始まったといっても過言ではありません。
また、出走前には、競馬ファンお馴染みの「ファンファーレ」が流れます。大井競馬場では、1989年に生演奏がスタート。2011年には、女性5人組の楽隊「東京トゥインクルファンファーレ」が登場しました。可愛さの中にも凛としたユニフォームに身を包んだメンバーたちの演奏は、レースに華を添え、大いに盛り上げます。なお、大井競馬場の場合、後半の3~4レースで、東京トゥインクルファンファーレの生演奏を聞くことができます。
2-2.元祖アイドル「ハイセイコー」、天皇賞馬「イナリワン」のルーツ
大井競馬場からは、数多くの名馬が誕生しています。大井でデビューし、破竹の6連勝。中央競馬移籍後も「弥生賞」、クラシックレースの「皐月賞」を無敗で連勝、「日本ダービー」は3着に終わったものの、古馬になってもGⅠレースで活躍し、「宝塚記念」を制したハイセイコー。「怪物」と呼ばれ、元祖アイドルホースとして、年齢性別に関係なく、多くのファンに愛されました。また、「笠松の怪物」オグリキャップを筆頭に、スーパークリーク、ヤエノムテキ、サクラチヨノオーといった、多くのライバルを退け、「天皇賞(春)」「宝塚記念」「有馬記念」を勝ったイナリワンも、地方出身馬の底力を見せつけた記憶に残る名馬です。
もちろん、大井競馬場でデビューし、地方馬として活躍する競走馬も見逃せません。大井生え抜き馬として「JBCスプリント競走(JpnⅠ)」優勝を果たしたサブノジュニアは、地方競馬を代表する一頭だといえます。大井競馬場では、日々稽古を積み、GⅠ・JpnⅠウィナーを目指す馬たちが、今日も勝利をつかむために走り続けています。パドックやコースで、明日のスターを探してみてはいかがでしょう。
2-3. 地方競馬、JRA(日本中央競馬会)の最年長騎乗記録を塗り替えた「「大井の帝王」
大井競馬には、見応えたっぷりのレースを繰り広げる個性豊かなジョッキーが数多く所属しています。その中でも、「大井の帝王」と呼ばれ、前人未到の記録を塗り替えてきた的場文男騎手は、地方はもとより、日本を代表するジョッキー。1956年生まれ、1973年のデビュー以来、「帝王賞」「東京大賞典」ほか、数々の重賞タイトルを獲得。さらに、地方競馬全国リーディングを2回(2002年、2003年)、大井競馬リーディングを21回(1983年、1985年-2004年)手にしています。
また、2018年、的場騎手は地方競馬通算7152勝をあげ、7151勝だった地方競馬通算最多勝記録を更新。同年、JRAの最年長騎乗記録(62歳1ヶ月29日)も塗り替えました。さらに2021年7月には、地方競馬における最年長勝利記録(64歳10ヶ月7日)、最年長騎乗記録(64歳10ヶ月5日)を手中にしています。
素晴らしい記録を打ち立て、今も現役を続ける的場騎手ですが、2着は10回あるものの、南関東公営競馬(大井・川崎・浦和・船橋)の3歳クラシック重賞「東京ダービー」は勝っていません。名ジョッキーでもダービー優勝は至難の業。それでも競馬ファンは、ダービーを制覇する的場騎手の姿を待ち望んでいます。
騎手詳細データ 的場文男騎手
的場文男騎手 地方競馬通算最多勝利記録7152勝 特設サイト
2-4.大井競馬場は「夜のアミューズメントパーク」
大井競馬場の醍醐味は、薄暮から始まり、夜空を背景にイルミネーションの中をサラブレッドが疾駆する「トゥインクルレース(2022年度は4月〜12月の平日開催)」です。幻想的なオーラも手伝って、昼間見るレースにはない独特の雰囲気が幅広いファンを惹きつけています。
また、都心からのアクセス至便で、東京モノレール「大井競馬場前駅」からは徒歩約2分。最終レースは20時50分発走ですから、仕事帰りに立ち寄れることも魅力です。さらに競馬場とは思えないほどグルメも充実。本格的なブッフェレストランから、和洋中の軽食、クラフトビール、スイーツまで、さまざまなメニューを味わうことができます。競馬にプラスアルファも楽しめる大井競馬場は、まさに「夜のアミューズメントパーク」といえるでしょう。
3.観戦しながらゴージャスな雰囲気が味わえる~大井競馬場の各種施設
大井競馬場にはレースはもちろん、グルメやレジャーを楽しめる施設がたくさんあります。
3-1.それぞれ違った角度からレースが楽しめる観戦スタンド
G-FRONT
最新の設備を採用した、ゴール前での観戦に最適なスタンド。1階にフードコート、馬とジョッキーの熱気が直接伝わる屋外の「エキサイティングシート」、2階には、快適な環境で観戦できる屋内指定席「ヴィクトリーシート」ほか、白熱のレースが楽しめます。
L-WING
レストランやグルメコーナーも充実した、コースを一望できる観戦席。3・4階の指定席エリアには、各席またはペア席に6インチモニター、「ウイングルーム(個室)」には、40インチモニターを設置。オッズ情報の確認やレース映像など、観戦をサポートする真心のこもったサービスを提供しています。
4号スタンド
競馬観戦型レストラン「ダイアモンドターン」が人気のスタンド。ほかには「ミリオンシート」、冷暖房完備の「ゴンドラシート」など、グループやカップル向けの多彩な設備が揃う観戦席です。
3-2.競馬場へ行ったら、ぜひ足を運びたいおすすめスポット
Champions TCK
観戦記念やお土産購入におすすめの各種グッズを販売。マスコットやストラップから、Tシャツといったアパレル、お菓子まで、TCKのジョッキーや競走馬、TCKキャラクター「うまたせ!」関連のアイテムがたくさん並んでいます。店内はポップで可愛いレイアウトで、子どもや女性中心に人気スポットとなっています。
アクセス情報:東京シティ競馬 L-WING1階グッズショップ
競馬観戦型レストラン「ダイアモンドターン」
季節に合わせた、バラエティあふれるメニュー。本格的ブッフェ料理を味わいながら、レース観戦のできるレストランです。二人用席やグループ席から、VIPルームやパーティールームまで、利用人数やニーズに応じた各種シート(車椅子対応席あり)を用意。落ち着いた雰囲気、洗練された空間で競馬観戦を堪能できます。当日発売のチケットもありますが、確実に席を確保する場合は予約がおすすめです。
アクセス情報:競馬観戦型レストラン「ダイアモンドターン」
ウマイルスクエア(UMILE SQUARE)
「馬が居る」「スマイル」「旨い」という意味の「ウマイル(UMILE)」と、広場「スクエア(SQUARE)」をかけ合わせ、TCKを競馬だけではなく、アミューズメントパークとして多くのお客様に楽しんでいただけるよう願いを込め命名されたイベントスペース。10,000㎡に及ぶ敷地内には、大井出身の元祖国民的アイドルホース「ハイセイコー馬像(夜はライトアップ)」、記念撮影にぴったりの「うまたせ!銅像」をはじめ、ステージやグルメスポットが集まっています。
場内のグルメスポット
STAR LIGHT(スターライト)
職人が作り上げた「STAR LIGHT CRAFT BEER(エール酵母使用の上面発酵ビール)」で有名なレストラン。華やかな香り、麦芽の甘さを感じる味わいが魅力の各種クラフトビールは、「スターライト ウィナードッグ」「スターライト チーズドッグ」といった料理との相性も抜群です。
スイーツステーブル
さまざまなスイーツが揃う、きゅう舎(馬が暮らす場所)風店舗が立ち並ぶエリア。「八雲だんご」など和風スイーツの「甘味処 まつ庵」は子どもや女性におすすめです。
※新型コロナウイルス感染症の状況により、休業中の店舗があるため、最新情報は公式サイトやSNSを確認ください。(2023年1月現在)
4.最初は単勝・複勝がおすすめ。勝馬投票券(馬券)の種類
大井競馬の勝馬投票券(馬券)は、競馬場・場外発売、またはインターネット(事前に口座開設が必要)で購入することができます。今回は競馬場内にある「自動発払機」を利用し、現金で購入する方法を説明します。
まず勝馬投票券(以下馬券)の種類ですが、地方競馬は9種類(重勝式~複数のレースを的中させる馬券を除く)、JRA(日本中央競馬会)に8種類あります。
4-1.地方競馬で購入できる馬券
単勝
1着になる馬を当てる
複勝
3着以内に入る馬を当てる(出走頭数が7頭以下の場合は2着以内が的中)
枠複
着順に関係なく、1・2着馬の枠番号の組合せを当てる
普通馬複
着順に関係なく、2着以内に入る馬の組合せを当てる
ワイド
3着までに入る2頭の組合せ(「1・2着」「1・3着」「2・3着」)を馬番号で当てる(3着同着の場合、3着同士の組合せは不的中)
馬単
1・2着馬の馬番号を着順通りに当てる
枠単
1・2着馬の枠番号を着順通りに当てる
3連複
着順に関係なく、3着以内に入る3頭の馬の組合せを当てる
3連単
1・2・3着馬の馬番号を着順通りに当てる
最初は比較的に的中しやすい「複勝」「枠複」「ワイド」を購入するのがおすすめです。慣れてきたら「単勝」「普通馬複」にチャレンジしてもいいでしょう。
4-2.レース予想に必要な情報を手に入れて、馬券を楽しもう
馬券購入には、レースを予想するための情報が必要です。当日のレース内容(発走時間・距離・枠順・出走馬など)、各種情報を知る主な媒体には、競馬場で配布している出走表(出馬表)、コンビニエンスストアなどで手に入る競馬専門紙やスポーツ紙、インターネットの競馬情報サイトなどがあります。
競馬専門紙
競馬予想に特化した新聞。所属の記者らの予想を掲載。
スポーツ紙
専門紙と同じく、評論家や社の競馬担当記者らの予想を掲載。競馬関係の読み物も多い。
競馬情報サイト
スポーツ紙のサイトや馬券購入サイトなどさまざまあるが、閲覧しやすい「地方競馬情報サイト(地方競馬全国協会)」や「TCK公式サイトのレース情報(レース情報をクリック)」がおすすめ。専門紙やスポーツ紙と違い、基本的に専門家らの予想はなく、出走馬の情報に特化。
出走表
一般的にレース番号、レース名、発走時間、枠順、出走馬名など、最低限の情報を掲載。
競馬専門紙や競馬予想のあるスポーツ紙は情報が見やすく便利なので、手に入れておくといいでしょう。
4-3.レース予想のポイントとは
先述の各種媒体を含め、初歩的なレース予想の仕方を説明します。
まず、競馬専門紙・スポーツ紙・競馬サイトを利用する場合ですが、どの媒体も1~8枠に入る馬が列記され、それぞれの情報が柱のように書かれています。これは「馬柱」と呼ばれ、レース名・内容をはじめ、騎乗する騎手、出走馬のプロフィール(血統~父親と母親・脚質・成績・性齢・毛色ほか)などを記載したものです。主に縦型・横型の2種類あり、媒体によって紙面の構成は異なりますが、基本的内容はそれほど変わりません。なお、競馬専門紙・スポーツ紙には、予想家や競馬記者の印(本命・対抗・穴など)が入っています。
一本の柱には、かなりの情報が詰まっているため、「どこを見れば良いのか分からない」という初心者の方も少なくありません。そこで、最低限押さえておきたいファクターを説明していきます。
距離適性
馬がどの距離で活躍しているかを記したデータ。短距離が得意なのか、長い距離が向いているのかを知ることができます。
過去の成績
馬柱の多くを占めるデータで、過去の数レースの成績を記載。特に注目したいのはコース・着順・距離・レース展開(位置取り・ペース)・走破タイム。どのような条件、展開で勝っていたかを調べていくと、その馬の勝ちパターンが分かってきます。これを予想するレースに照らし合わせれば、走りそうな馬が見えてくるでしょう。
脚質
競走馬には、得意とする走り方、レースの進め方があり、次の5種類が基本です。レース展開を読む参考になるほか、これらも予想のファクターになります。
逃げ
スタートから先頭に立ち、ゴールまで押し切るタイプ。
先行:逃げ馬の後ろから、4、5番手。前の馬を見ながら、レースを運ぶタイプ。馬群をさばきやすく、また交わしやすい。
差し
先行集団よりやや後ろ、馬群の中団に位置しているタイプ。チャンスが来たら、末脚(ゴール手前で鋭く伸びること)を使って、他馬を抜き去る。
追い込み
馬群の後方に待機して、スタミナを温存。後半に勝負にかけるタイプ。4コーナーから直線にかけて、前を走る馬たちを末脚で交わす。
自在
どの位置からでもレースのできる万能タイプ。
コース適性
出走馬が、どの競馬場で勝利をあげているかが分かるデータです。全国の競馬場は、右回り・左回り、直線の長さ、坂の有無など、それぞれ形態が異なります。馬にも個性があり、中には「坂が苦手」「サウスポーで左しか走らない」というケース、逆に得意とするコースがあるため、この情報はチェックしておきましょう。
出走馬の戦績をコンパクトに表記した「馬柱」
ある程度、買いたい馬が絞れたら、当日の馬体重、パドック(レース前、出走馬の状態を観察できる施設で「下見所」とも呼ばれる。また、本馬場入場前に騎手が騎乗する)で出走馬のコンディションをチェック。レース直前の状態を見ることで、予想にも厚みが増します。なお、直感も大切とのことで、「パドックで目が合った」「可愛いから」と感じた馬を買ったら的中した……という話もあるといいます。大井競馬場のパドックは、馬を間近に見られるように設計されていますから、ビギナーズラックが期待できるかもしれません。
ただし、パドック周辺での迷惑行為は厳禁です。もともと馬は敏感な動物なので、大声を出したり、フラッシュを使って写真撮影すると驚いてしまうことがあります。これはレース観戦中も同様で、厩舎関係者はもちろん、周囲にも迷惑がかかりますから、マナーは必ず守るようにしてください。
4-4.買いたい馬や馬券が決まったら、マークシートで購入
競馬場では、「投票カード(マークシート)」と自動発払機を利用し、現金で馬券購入ができます。買いたい馬券が決まったら、投票カードに必要事項を記入します。自動発払機の近くには、数種類のマークシートが用意されていますが、ここでは基本カードを使って、単勝または複勝を100円で買う方法を説明します。
まず、開催競馬場を選択、購入したいレース番号を塗りつぶします。次に馬券の種類(式別)「単勝」または「複勝」を選び、一番左にある「1着・1頭目」に買いたい馬の番号をひとつだけマーク。右から2・3番目の金額欄の「1」、単位欄の「百円」を塗ります。
すべての記入が完了したら、自動発払機で馬券を購入。先にお金を入れて、マークシートを挿入します。マークシート入れると、画面に購入内容と金額が表示されるので、間違いがあったら修正します(シートを返却、または画面での修正が可能)。おつりのある場合は「精算」ボタンを押しましょう。
馬券は自動的に発券されます。この時、初心者にありがちなミスが「馬券やお釣りの取り忘れ」です。自動発払機を離れる際は忘れ物がないか、確認するようにしてください。
レースで自分の選んだ馬が、1着(単勝)、1~3着(複勝)に入ったら、見事的中です!レース確定後、自動発払機に馬券を投入すれば、オッズ(的中した場合の配当を賭け金に対する倍率で表した数字。たとえばオッズが3倍の馬券を100円買って的中すると、払戻金は300円)に応じた払戻金が支払われます。
なお、馬券の払戻期間は60日間です。当日払い戻しができなかったら、期間内の開催日、または非開催日の払戻日(原則として大井競馬開催の翌週月曜日。営業時間/10:00~16:00)に行ってください。
※購入・払い戻し時にトラブルが生じた場合は、係員呼出ボタンを押して問いあわせてください。
参照元:Let’s地方競馬「馬券を買う」
6.ナイター競馬をはじめるなら大井競馬場へ
イルミネーションに彩られたナイター競馬「トゥインクルレース」のみならず、グルメやイベントなども楽しめる大井競馬場は、初めての競馬体験には最適なスポットだといえます。家族、カップル、また友人同士で、年齢性別に関係なく、気軽に遊びに行けるのも大きな魅力。また、冬季には「東京メガイルミ」の会場にもなっており、レースのない日もアミューズメント満載です。
また、都心からのアクセスも良く、夜までレースがあるので仕事帰りに競馬を楽しむことも可能。地方競馬最大級のスタンド内にある指定席での観戦は、ゴール前の熱戦を贅沢な空間で満喫できます。
「競馬っておもしろそうだな」と感じているのであれば、ぜひ一度、大井競馬場へ出掛けてみてはいかがでしょうか。たくさんの娯楽に加え、自分ならではの楽しみ方が見つかるかもしれませんよ。
イルミネーションオブジェ
大井競馬場「東京シティ競馬(TCK)」
住所 | 〒140-0012 東京都品川区勝島2-1-2 |
開門時刻 | 開催により異なる(詳細は、開催時の開門予定時刻表を参照) |
入場料 | 100円(15歳未満は無料。ただし、20歳未満だけでの入場は不可) |
アクセス/公共交通 | 東京モノレール「大井競馬場前」駅下車徒歩約2分 京浜急行「立会川」駅」下車徒歩約12分 都営バス「目黒駅前」から約35分、「大井競馬場前」下車 都営バス「品川駅高輪口」から約18分「大井競馬場前」下車 |
無料バス | 往路/JR大井町駅(7番停留所)、復路/大井競馬場正門2番乗り場より運行。※運行はTCK開催中。満員になり次第出発することがある。なお、目黒線(都営バス。大井競馬場1番乗り場より運行)は復路のみ無料(運行時間は、サイトの基本運行時刻表で確認) |
駐車場 | 1,471台。駐車時間:開門時刻の30分前~。料金:1日1台につき、自動車1,000円、オートバイ200円、観光バス一律5,000円(要予約) |