同棲を開始する際には、家を借りるための費用や家具・家電を揃えるための費用など、何かと出費が生じます。また、同棲を始めた後も、生活費がかかるためどのようにお互いが負担するか入念に話し合わなくてはいけません。曖昧にしたまま進めたり、どちらか一方に過度な負担がかかったりした場合、トラブルの原因になるため特に注意が必要です。
この記事では、同棲を始めるときにかかる費用について、抑えるコツとともに解説します。
- 同棲を開始する際にアパート・マンションなどの家を借りる場合、初期費用として家賃の半年分程度がかかる
- 同棲を開始したあとも、住居費や水道光熱費などの生活費がかかる
- これらの費用をどうやって折半するかは個々の状況により異なるが「総額の半分ずつを出し合う」を希望するカップルが多い
- 費用の負担を曖昧にしたのが原因でトラブルが起きるのは珍しくないため、適宜話し合い、それぞれに適した形を探るのが重要である


同棲で必要な初期費用とは?

同棲を開始するにはさまざまな費用がかかります。ここでは、具体的にどのような費用がかかるのか、注意点にも触れながら詳しく解説するので参考にしてください。
同棲先の住居にかかる初期費用は家賃の半年分以上!
どちらか一方が住んでいる家をそのまま使うなどの事情がない限りは、新たにマンションやアパートなどを借りて住むのが現実的です。そして、同棲先となる住居を新たに借りる場合、初期費用として家賃の半年分程度がかかると考えられます。
内訳は以下のとおりです。
初期費用 | 目的 | 費用相場 |
---|---|---|
敷金 | 退去時の原状回復費用 | 家賃の1~2ヵ月分 |
礼金 | 家主へのお礼 | 家賃の1~2ヵ月分 |
前払い賃料 | 入居翌月の賃料を前払い | 家賃の1ヵ月分+日割り |
仲介手数料 | 不動産会社への手数料 | 家賃の1ヵ月分 |
火災保険料 | 2年分の火災保険料 | 1.5~2万円 |
保証料 | 保証会社に支払う | 家賃の1~2ヵ月分 |
参考:不動産あんしん相談室「賃貸物件を借りるときの初期費用はいくら?安くする方法を伝授!」
例えば、家賃が10万円のマンションに住む予定であれば、大体60万円程度が初期費用としてかかります。
同棲に必要なものを準備する費用は20~40万円程度
家を借りただけでは生活できるようにはならないため、家具や家電、生活雑貨などを揃える必要も出てきます。何にどれだけお金を使うかは個々の状況によって異なるため一概には言えませんが、20~40万円程度は見積もっておいたほうがよいでしょう。生活していくためには最低限、以下のものが必要になります。
- 寝具
- カーテン
- 照明
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- エアコン(または、扇風機やヒーター等)
- 調理用品一式
- 食器
- キッチン用のスポンジ
- キッチン用の洗剤
- トイレットペーパー
- 歯ブラシ
- 歯磨き粉
- シャンプー、リンス
- ボディソープ
- タオル類
お互い、もしくはどちらかが一人暮らしだった場合は、しばらくはその時に使っていた家具・家電・雑貨を流用しても構いません。結婚を前提に同棲を始める場合は、指輪の購入や結婚式など何かと出費がかさみます。優先順位を付けて、何を買い足すかを決めましょう。
同棲のための引っ越し費用も必要
同棲生活を始めるためには、それぞれが元々住んでいた家から引っ越すことになります。当然、引っ越しにも費用がかかる点に注意が必要です。遠方からの転居になったり、繁忙期に引っ越し作業をすることになったりする場合は費用がかさみがちになります。
同棲にかかる生活費とは?

引っ越した後も、同棲を続けていくには生活費を払わなくてはいけません。なお、家賃や水道光熱費、食費は二人暮らしだと意外と大きくなりますが、工夫次第では十分に節約できます。
ここでは具体的にどのような費用がかかるかを解説します。
住居費
住居費とは、簡単にいうとアパートやマンション、一戸建てを借りる際の家賃のことです。一般的には2人の合計手取り収入の25%~30%程度に抑えるのが望ましいとされています。例えば、2人の合計手取り収入が40万円であれば10~12万円が妥当といったところです。
ただし、実際の家賃は地域や借りる家の状態によっても大きく異なります。まずは、自分たちが家に求める条件を洗い出したうえで、候補になる街や駅の家賃相場を調べてみましょう。
水道・光熱費
水道・光熱費とは分かりやすく言うと、水道代や電気代、ガス代のことです。総務省統計局「家計調査報告」によれば、2025年2月における二人以上世帯の水道光熱費の平均額は3万1,877円でした。大体3万円程度ですが、住んでいる地域や生活スタイル、季節によっても変動の大きい項目と言えます。お風呂に入るときは立て続けに入る、なるべく家では一緒の部屋で過ごすなど、上手に節約しましょう。
また、日中はほとんど家にいないなら、夜間の利用が安くなる電力会社のプランを選ぶのも効果的です。ただし、使い方次第ではかえって高くなる可能性もあるため、事前に入念に下調べをしましょう。
食品・日用品費
食費とは、自炊のために買う食材・調味料代や外食などにかかる費用のことです。総務省統計局「家計調査報告」によれば、2025年2月における二人以上世帯の食費の平均額は8万4,388円でした。
ただし、これには子どもがいるなど三人以上の世帯も考慮されているため、二人暮らしの場合はやや少な目になります。一般的に、食費は手取りに対して10~15%程度が目安とされているので、まずはこれを目標にしてやりくりしてみましょう。
食費を節約するためには以下の方法が考えられるので、無理のない程度に取り入れてみてください。
- 買い物の頻度を減らす
- 特売の食材から献立を決める
- 直売所とスーパーを上手に使い分ける
- 食材の保存方法を考える
- 食材の在庫を整理整頓する
- 外食、フードデリバリーはルールを決めて使う
通信費
通信費とは、電話やインターネットの利用料のことです。総務省統計局「家計調査報告」によれば、2025年2月における二人以上世帯の通信費の平均額は1万1,520円でした。通信費を節約する方法として、以下のものが考えられるため無理のない程度に取り入れましょう。
- あえて固定電話は設置しない
- スマホは格安SIMや格安プランで使う
- インターネット回線使用料が無料の物件を選ぶ
- 電気・ガス・インターネットのセット割引を検討する
交通費
交通費とは、電車・バスなどの公共交通機関の利用にかかる費用や、自動車を持つことで生じる維持費(保険料、駐車場代、ガソリン代、税金など)を指します。
公共交通機関の利用にかかる費用ですが、勤務先から交通費が出ていて定期券を持っているなら、その範囲内で出かけることを心掛けると良いかもしれません。また、車については都心に住んでいて、公共交通機関が豊富に利用できるならあえて持たないのも選択肢です。
どうしても車を使いたい場合は、カーシェアやレンタカーを検討しましょう。もちろん、公共交通機関があまり豊富でなく、車がないと生活が難しい地域である場合はこの限りではありません。
このような地域は家賃が安いものの、自動車の維持費がかかりがちであるともいえるので、両者のバランスを考えましょう。なお、総務省統計局「家計調査報告」によれば、2025年2月における二人以上世帯の交通費の平均額は3,938円、自動車等関係費の平均額は2万7,838円でした。
医療費・保険料
保険・医療費は病気・けがなどにより医療機関を受診する際の費用やや、医薬品・サプリなどの費用が含まれます。総務省統計局「家計調査報告」によれば、2025年2月における二人以上世帯の保険・医療費の平均額は1万4,076円でした。
個々人の事情によっても金額は大きく分かれますが、いつ病気・けがで治療が必要になるかはわからない以上、すぐに払えるだけの資金は確保しておきましょう。
交際費
人によって差が大きいのが交際費=人付き合いにかかる費用です。友人や勤務先の同僚との会食が多い場合、それだけ費用がかかります。1回5,000円~7,000円程度と考えた場合、毎月2回行けば1~1.4万円程度かかる計算です。人付き合いは重要ですが、頻度が多すぎると出費も増える点に注意しなくてはいけません。
また、交際費とは異なりますが、趣味にかける費用=娯楽費も考慮する必要があります。お互いの趣味が異なる場合、自分の趣味に優先して時間やお金をつぎ込むと、パートナーに不満を抱かせる結果になりかねません。迷惑を掛けないよう、常識の範囲内で楽しみましょう。
なお、総務省統計局「家計調査報告」によれば、2025年2月におけるその他の消費支出の平均額は、4万3,559円でした。この中には交際費や娯楽費も含まれますが、個々人によって差が大きい費用でもあるため、金額は参考程度に考えてください。
同棲生活の費用を折半する方法とは

同棲を始める際は、生活費をどのように負担するかを決めておきましょう。曖昧にしたまま進めてしまうと、後々トラブルの原因になります。また、出産・育児などでどちらか一方が仕事を辞めた、時短勤務を始めたなど収入に変動があった場合は、折半する方法を見直すのも重要です。
ここでは同棲生活の費用を折半する方法について、以下の3パターンを想定し解説します。
総額の半分ずつを出し合う
1つ目の方法は「総額の半分ずつを出し合う」方法です。つまり、初期費用や生活費用など、同棲生活にかかる費用をお互いが2分の1ずつ負担することになります。システムとして分かりやすいのが長所ですが、お互いの収入額に差がある場合、収入が少ない方が不満を抱きがちになるため注意が必要です。
項目ごとに担当を決める
2つ目の方法は「項目ごとに担当を決める」ことです。家賃、水道光熱費を本人、食費や日用品はパートナーなど、項目ごとに担当を決めて支払いをします。役割分担が明確にできるというメリットがある反面、一方に負担が偏りがちになるため注意しなくてはいけません。
一方の負担があまりに大きい場合は、もう一方が金銭を渡して調整するなど、不満を抱かせない配慮が必要になります。
割合を決めて金額を出し合う
3つ目の方法は「割合を決めて金額を出し合う」ことです。お互いの収入に差がある場合に適した方法で、一方が7割、もう一方が3割など収入に見合った割合で生活費を負担し、やりくりします。
理論上最もトラブルが起きにくい方法ではあるものの、それでも折半(つまり収入にかかわりなく半分ずつにする)を望むカップルが一定数いるのも事実です。一度折半でスタートしてみて、結婚・出産などで収入が減った場合はこの方法に切り替えるという形で進めてみても良いでしょう。
同棲生活にかかる費用を節約するコツを解説

同棲生活にかかる費用は決して安くはない以上、上手に節約するのが重要です。ここでは、同棲生活にかかる費用を節約するコツを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
初期費用が安い物件を契約する
まず、初期費用が安い物件を契約しましょう。その分出て行くお金を抑えられるため、結果として節約につながります。初期費用の安い物件の特徴として以下の点が挙げられるため、探す際の参考にしてください。
- 敷金・礼金がない
- 仲介手数料が無料もしくは半額など廉価に抑えられている
- 入居希望者がないなどの理由で初期費用が安くなっている
ただし、これらの物件には「立地条件が悪い」「建築年が古い」など事情があるケースも考えられます。費用は抑えられるものの、通勤に不便などその後の生活に影響が及ぶ可能性もあるため、慎重に検討しましょう。
また、以下の方法でも初期費用を安く抑えられる可能性はあるため、無理のない程度に試してみてください。
- 仲介手数料が安い不動産会社を通す
- 特に希望がなければ閑散期(6〜8月あたり)に入居する
- 値下げ交渉をしてみる
どちらかの住んでいる家に引っ越す
カップルの片方が既に一人暮らしをしていたなら、もう一方がその家に引っ越してくるのも節約という意味では効果的です。この場合、物件を契約するための初期費用が不要であるため、出て行くお金も減らせます。ただし、一人暮らしをしていた家がワンルームなど、二人以上で暮らすのが現実的な間取りでなかった場合は、この方法は適していません。
引っ越しシーズンを避ける
いわゆる年度末など、引っ越しが重なるシーズンは可能であれば避けましょう。引っ越しが重なるシーズン=繁忙期は引っ越し費用もかかるうえに、家を借りる際の値引き交渉もしづらくなります。引っ越し費用や家を借りる初期費用を抑えたいなら、可能な限りは6~8月の閑散期に引っ越すのが効果的です。
家具・家電は元の家で使用していたものを持ち寄る
家具・家電は元の家で使用していたものを持ち寄りましょう。いきなり必要なものをすべてそろえようとすると、どうしても出費は増えてしまいます。特に、結婚を前提に同棲する場合は、結婚式や指輪の購入などで何かとお金がかかりがちです。まずは元の家で使っていた家具や家電で二人暮らしをスタートさせ、落ち着いたころに優先順位をつけて必要なものを揃えていきましょう。
同棲生活の費用を準備するときはセゾンのカードローン「MONEY CARD GOLD」が便利

同棲を始める際の費用をすべて自分たちで準備できるならそれに越したことはありません。しかし、それが難しい場合は他の手段で準備する必要が出てきます。お互いの家族・親族からのご祝儀などで後々お金が入ってくる予定があるなら、一時的に必要なお金を借りて調達するのも選択肢のひとつです。
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まとまった出費がありそうなときの非常手段として、「MONEY CARD GOLD」をご検討ください。


おわりに
同棲をスタートさせる際は、相応のまとまった費用が必要になります。また、同棲をスタートさせたあとも、生活費を負担しなくてはいけません。お金のことでトラブルにならないよう、負担割合を決めるとともに、状況が変わったら適宜話し合いをしましょう。
また、同棲をスタートさせる際に大きな負担となるのが、一緒に住む家を借りるための初期費用です。閑散期を狙う、妥協できるところは妥協するなどの工夫で安くできる余地はあるため、無理のない範囲で取り入れてみてください。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。