年末の大掃除シーズンが近づくと、「今年は業者に頼もうか、それとも自分でやろうか」と迷われる方も多いのではないでしょうか。一見するとプロの業者への依頼は高額に思えますが、時間や労力、仕上がりの質まで含めて考えると、意外とコスパが高い場合もあります。
この記事では、エアコン、換気扇、浴室の3か所について、プロの業者と自力清掃の費用対効果を詳しく比較します。コスパの良い選択ができるように、具体的な数字とともに解説しているのでぜひ参考にしてください。
場所別の業者費用と自力清掃のコスト・労力比較

大掃除で特に手間がかかる3つの場所、エアコン、換気扇、浴室について、業者への依頼と自力清掃のコストと労力を詳しく比較してみましょう。
単純な費用だけでなく、作業時間や仕上がりの質も含めて検討することで、本当にお得な選択が見えてきます。
エアコン:業者12,000円vs自力2時間+スプレー代800円

エアコンクリーニングは、業者に依頼した場合の相場が1台あたり8,000円~12,000円前後です。お掃除機能付きの場合はこれより割高になります。一方、自力で行う場合は市販のエアコンクリーニングスプレー(800円程度)で対応できますが、作業時間は約2時間かかります。
仮に時給1,300円(3大都市の平均時給)で計算すると、自力清掃の実質コストは3,400円で、業者との差額は約5,000円~8,000円となります。
ただし、業者の場合は専用の高圧洗浄機で内部まで徹底清掃するため、電気代の節約効果も期待できます。仕上がりの質や安全性を考えると、特にエアコンを長時間使う家庭では、業者依頼の価値がより高まります。
換気扇:業者10,000円vs自力2.5時間+洗剤代400円

キッチンの換気扇清掃は、業者依頼の場合プロペラタイプで約7,000円~15,000円前後、レンジフードタイプで約15,000円~22,000円前後が相場です。自力で行う場合は専用洗剤(400円程度)と約2.5時間の作業時間が必要になります。
時給1,300円で計算すると、自力清掃の実質コストは3,650円。業者との差額は約11,000円です。ただし、換気扇の分解・組み立ては意外と複雑で、部品の順番を間違えると元に戻せなくなるリスクもあります。年に1回の大掃除であることを考えると、多少費用がかかっても、労力を減らせる点は大きなメリットといえます。
浴室:業者16,000円vs自力3時間+カビ取り剤1,200円

浴室の本格清掃は、業者依頼で約12,000円~19,000円前後が相場となります。自力で行う場合は、強力なカビ取り剤や専用ブラシなどで約1,200円、作業時間は3時間程度が必要です。
こちらも時給1,300円換算で計算した場合、自力清掃の実質コストは5,000円。業者との差額は約10,000~17,000円です。
浴室清掃の最大の難点は、カビや水垢の完全除去で、市販の洗剤では限界があります。特にアレルギー体質の家族がいる場合は、衛生面を考えて業者への依頼を検討するのがおすすめです。
自力清掃で節約する人のための実践ガイド

ここからは、自力清掃を選択する場合に「専門業者並みの仕上がり」を目指す実践ガイドをお伝えします。
適切な道具選び・効率的な作業手順・安全対策の3つのポイントで、30,000円相当の節約とプロ級の清掃効果を目指しましょう。
【場所別】自力清掃に必要な道具と費用の内訳
自力清掃でプロ並みの仕上がりを目指すには、まず道具選びが重要です 。
6,000円程度の初期投資で必要な道具を一度に揃えておけば、何年にもわたって繰り返し使用できるため、長期的な節約効果を期待できます。
エアコン
| 道具名 | 価格 |
|---|---|
| エアコンクリーニングスプレー | 800円 |
| マイクロファイバークロス5枚セット | 1,000円 |
| 保護用ゴム手袋 | 300円 |
| マスク・ゴーグル | 500円 |
| 小計 | 2,600円 |
換気扇
| 道具名 | 価格 |
|---|---|
| 強力油汚れ用洗剤 | 1,000円 |
| 柄付きブラシセット | 600円 |
| 保護用ゴム手袋 | 300円 |
| マスク・ゴーグル | 500円 |
| 養生用ビニールシート | 500円 |
| 小計 | 2,900円 |
浴室
| 道具名 | 価格 |
|---|---|
| カビ取り専用剤 | 500円 |
| 水垢除去剤 | 1,000円 |
| バスブラシ | 600円 |
| マスク・ゴーグル | 500円 |
| 養生用ビニールシート | 500円 |
| 小計 | 2,400円 |
年間で見ても、消耗品の補充費は約1,000円前後。業者依頼の年間費用(3か所合計38,000円)と比べると、継続的な節約につながります。
自力清掃にかかる道具代はおおよその金額です(マスクと手袋は共通)。100円ショップなどで購入できる道具があればもう少し安くできるでしょう。
効率的な作業手順で時間を半分に短縮する方法
自力清掃の最大の課題は作業時間の長さです。洗剤の「つけ置き時間」を有効活用することで、作業時間を大幅に短縮できます。
作業時間を短縮する手順
①エアコンフィルターを洗剤浸漬(10分)→②その間に換気扇分解作業→③換気扇部品を洗剤浸漬(15分)→④その間に浴室カビ取り剤塗布→⑤各箇所の仕上げ作業を順次実行。
この並行作業により、全体の作業時間を約40%短縮できます。通常7.5時間かかる作業も、手順を工夫すれば約4.5時間で終わるでしょう。
自力では危険・困難な箇所の見極めポイント

費用を抑えるために自分で掃除をする場合でも、「ここは危険かも」と感じる箇所は無理をしないことが大切です。
危険・困難な箇所
- エアコンの配電部
- 換気扇の配線部
- 浴室天井掃除
エアコンなら室外機周りや電気が通っている配電部、高い場所の作業には要注意です。換気扇では配線が複雑な配線部や「分解したけど元に戻せるかな?」と不安になるような作業は避けましょう。お風呂の天井掃除も、足場が不安定で危険です。
こうした危険な部分だけは、プロに任せる「部分依頼」という選択肢もあります。
例えば、浴室の天井清掃だけなら3,000円から5,000円程度で済むので、全部を業者に頼むよりも経済的に、しかも安全に大掃除を完了できます。
大掃除の業者依頼と自力清掃の選択は、単純な費用比較だけでなく、時間、労力、仕上がりの質、安全性を総合的に判断することが大切です。
ご自身のライフスタイルや価値観に合わせて、最適な方法を選択しましょう。自力と業者の利用を上手に組み合わせることで、費用と仕上がりのバランスを取りながら、無理のない大掃除が実現できます。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。