忙しい毎日でも、温かいお味噌汁を手軽に楽しめたら嬉しいですよね。そんなときに便利なのが「味噌玉」です。味噌と具材をあらかじめ丸めておけば、お湯を注ぐだけで簡単にお味噌汁が完成。時間がない朝やお弁当のお供、ちょっと小腹が空いたときにも大活躍します。
この記事では、ひかり味噌株式会社 コーポレートマーケティング本部 マーケティング課課長の安井なぎささんにお話をおうかがいし、味噌の基本の作り方やおすすめの具材、アレンジレシピまで詳しく紹介します。作り置きしておけば、毎日の食事がもっとラクに、もっとおいしくなるはず。さっそく味噌玉の魅力をチェックしてみましょう。
味噌玉とは?忙しい人にこそおすすめの理由

味噌玉とは、味噌と出汁、お好みの具材を混ぜ合わせて丸めたもので、お湯を注ぐだけで手軽に本格的な味噌汁が楽しめる、忙しい現代人にぴったりの食品です。味噌玉の起源は古く、戦国時代の武士が携帯食として利用していたと言われています。手軽に栄養補給ができる味噌玉は、戦場での貴重なエネルギー源でした。味噌玉は、日本の伝統的な知恵と味が詰まった、手軽でおいしい保存食です。
味噌玉は、味噌と出汁、お好みの具材を混ぜて丸めた、いわば「自家製インスタント味噌汁」です。お湯を注ぐだけで本格的な味噌汁が楽しめるため、忙しい現代人にとって非常に便利な一品といえるでしょう。
味噌玉の歴史は古く、戦国時代の武将たちの陣中食としても重宝されていました。当時は、味噌を干したり焼いたりして丸めたものだったり、芋の茎やかんぴょうに味噌を染み込ませて縄として使いながら、戦場に持っていったそうです。味噌が古くから日本人の生活に深く根付いていたことがわかります。
知っておきたい!味噌玉のメリット・デメリット
「あと5分で家を出ないと!でも、何かお腹に入れたい…」そんな慌ただしい朝、あなたの救世主となるのが「味噌玉」です。お湯を注ぐだけで、ホッと温まる本格的な味噌汁が完成します。
この章ではそんな味噌玉のメリット・デメリットを詳しく解説します。
メリット:お湯を注ぐだけで簡単&時短
味噌玉の最大の魅力は、何と言ってもその手軽さです。あらかじめ味噌や具材を玉状にまとめておくことで、毎回の味噌汁作りの手間を大幅に省くことができます。
お湯を注ぐだけで、あっという間においしい味噌汁が完成するので、忙しい朝や夕食時に大変便利です。食材を煮る手間が省けるため、時間がない時でも手軽に栄養満点の味噌汁を楽しめます。冷凍保存した味噌玉を使用する場合には、味噌汁がぬるくならないよう、食べる30分ほど前に常温に戻しておくのがおすすめです。
メリット:作り置きできて長期保存できる
味噌玉は作り置きができるため、忙しくて時間がない朝やお弁当のお供にも便利です。週末にまとめて作り置きしておけば、毎日の味噌汁作りが格段に楽になります。
保存方法を工夫すれば、1週間から1ヵ月間程度保存でき、毎回作り立てのような新鮮さを感じられます。特にお弁当用に持ち運びやすい味噌玉を作っておくと、外出先でも手軽に味噌汁を楽しむことができます。
メリット:好きな具材でアレンジ可能
味噌玉は、基本の味噌に加えて、自分の好みに合わせた具材や出汁を自由に入れることができるのも大きなメリットです。
定番のわかめや野菜を入れることも可能です。出汁は顆粒出汁だけでなく、かつお節やとろろ昆布を入れてもおいしく仕上がります。また、中華出汁を加えれば中華風にアレンジが可能。具材や出汁の組み合わせで、栄養価がアップし、バリエーション豊かな味噌汁が楽しめます。自分の好みに合わせたアレンジができるので、毎日の食事が飽きることなく楽しめます。
メリット: 健康的&減塩調整もできる
味噌玉は、使う味噌や出汁を変えることで一人分を手軽に減塩調整もしやすいのもメリットです。また、ビタミンやミネラルが豊富な食材を具としていれることで、ヘルシーな一杯を楽しむことできます。忙しい日でも、手軽に栄養バランスの取れた味噌汁を摂取できるため、健康面にも配慮した食事ができます。
デメリット:具材が限られる
味噌玉は手軽に作り置きできますが、すべての具材が保存に適しているわけではありません。
特に、じゃがいも等の加熱しないと食べられないものは、熱湯を注ぐだけでは調理することができず、使用できません。そして、水分が多い野菜や傷みやすい食材は、時間が経つと水気が出てきてしまうので不向きです。また、冷凍保存を基本としているので、冷凍できない食材は避けましょう。
たとえば、生の葉物野菜は時間が経つと傷みやすく、風味が落ちやすいため注意が必要です。乾燥野菜やフリーズドライの具材を活用すると、手軽に作ることができ、おいしさもキープできます。
デメリット:作りすぎると風味が落ちることも
味噌玉は作り置きが便利な反面、保存期間が長すぎると風味が落ちることがあります。冷凍保存でも長期保存すれば、冷凍焼けなどが生じます。味噌玉は冷蔵なら1週間程度、冷凍なら1ヵ月程度を目安に消費すると、作り立ての風味を楽しめます。
無理に大量に作り置きするのではなく、計画的に消費できる量を意識して作ることが、おいしさをキープするコツです。
味噌玉の最大のメリットは、手軽に本格的な味噌汁が楽しめることです。近年は単身世帯が増えたり、家族の人数が減ったりと、1回の食事で作る味噌汁の量が少なくなりがちです。そんな中で、一人分の味噌汁を作るのは手間がかかると感じる方も多いのではないでしょうか。その点、味噌玉ならお湯を注ぐだけで、すぐに一人分の味噌汁が完成します。忙しい朝やランチタイム、ちょっと汁物が欲しいときにとても便利です。
基本の「味噌玉」を作ってみよう!

基本の味噌玉は、味噌と顆粒出汁を混ぜ、お好みの乾燥具材を加えるだけで誰でも簡単に作れます。顆粒出汁の代わりに鰹節を加えることで、より風味豊かな味噌玉に仕上がります。シンプルな材料でもしっかりとした味わいが楽しめるので、初心者の方にもおすすめです。自分好みの具材をプラスして、オリジナル味噌玉作りにチャレンジしてみましょう!
<材料> 1人分
- 味噌 20g
- 出汁粉(顆粒出汁でも可) 小さじ1/2
- お好みの乾燥具材 5g程度
味噌に出汁粉と具材を合わせ、1食分ずつ丸めてラップで包むだけで完成です。
お子さんにも喜ばれる味噌玉を作りたいなら、揚げ玉をプラスするのがおすすめ。コクが加わり、より食べやすい味に仕上がります。さらに、最近では星型やハート型のお麩が販売されており、これらを加えると見た目もかわいく、気分も上がります。具材の量に厳密な決まりはありませんが、目安としては「団子状にまとまる程度」がベスト。好みに合わせて、具材の量を調整しながら作ってみてくださいね。まずは乾物を中心にした基本の味噌玉から。そこから少しずつアレンジを加え、自分だけのオリジナル味噌玉を見つけるのも楽しいですよ。
好きな具材でアレンジ自在!毎日飽きない味噌玉レシピ

味噌玉の魅力は、基本のレシピをベースに、自分好みの具材を自由に組み合わせられること。定番のわかめやネギはもちろん、ちょっと意外な組み合わせも試してみませんか?和風、洋風、中華風など、アイデア次第で無限に広がる味噌玉の世界。毎日飽きずに楽しめる、とっておきのレシピをご紹介します。
①和風味噌玉
◆材料(5人分)
- 味噌100g
- 顆粒和風出汁の素 小さじ1
- 高野豆腐10g
- 乾燥ねぎ 大さじ1
- 柚子こしょう 小さじ1
- とろろ昆布 5g
<作り方>
- 高野豆腐は荒く刻む。
- とろろ昆布以外の材料を混ぜ合わせ、5等分にし、それぞれを丸める。とろろ昆布をまとわせる。
②中華味噌玉
◆材料(5人分)
- 味噌 100g
- 顆粒和風出汁の素 小さじ1
- ごま油 小さじ1
- 塩昆布 10g
- 乾燥ねぎ 大さじ1
- 干し椎茸 5g
- 干しにんじん 5g
<作り方>
- 干し椎茸、干しにんじんは荒く刻む。
- 干し椎茸と干しにんじん以外の材料を混ぜ合わせ、5等分にし、それぞれを丸める。干し椎茸と干しにんじんをまとわせる。
③イタリアン味噌玉
◆材料(5人分)
- 味噌 100g
- 顆粒和風出汁の素 小さじ1
- オリーブオイル 小さじ1
- 粉チーズ 大さじ1
- オニオンフライ 大さじ1
- 鮭フレーク 大さじ2
- 花麩 5個
<作り方>
- 鮭フレークと花麩以外の材料を混ぜ合わせ、5等分にし、それぞれを丸める。
- 鮭フレークを全体にまとわせ、花麩を飾る。
上記の3つは実際にひかり味噌社内で試して人気の高かったレシピです。この他にも、スパイスのナツメグを加えるのもおすすめです。ナツメグを入れると、いつもの味噌汁が一気にエキゾチックな風味に変わります。ナツメグといえばハンバーグのイメージが強いですが、意外にも味噌汁との相性も良く、新しい味わいが楽しめます。スパイス類は普段あまり活用する機会が少ないこともありますが、味噌玉にいろいろ試してみるのも面白いですよ。
味噌玉をもっと美味しく!おすすめ&NG具材と保存方法

味噌玉は具材選びの自由度が高く、アレンジの幅も広いのが魅力です。しかし、どんな具材でもOKというわけではなく、選び方にはちょっとしたコツがあります。
まずは乾物から始めよう
味噌玉作りが初めての方におすすめなのは、乾物を使ったシンプルなレシピです。乾物は保存がしやすく、失敗が少ないのがポイントです。
乾燥わかめや海苔、切干大根(細かく刻むとより食べやすく◎)、高野豆腐(小さくカットされたもの)などは水分が少ないため、長期保存にも向いています。まずは乾物中心のシンプルな味噌玉から始めると良いでしょう。
味噌玉に向かない具材とは?
一方で、豆腐などの水分が多い食材や、じゃがいもやさつまいもなど、加熱が必要な根菜類、お肉や魚類は味噌玉には不向きのため注意が必要です。根菜類など生で食べられない具材を使いたい場合は、事前に加熱しておくのが安心です。
冷凍・冷蔵?保存方法と日持ちのコツ
市販の一般的な即席味噌汁には、常温で保存させるためにアルコールが加えられています。また、味噌に含まれる酵素によって、鰹節などのうま味成分を分解してしまうことがないよう工夫されています。
しかし、家庭で作る味噌玉ではその工夫が難しいため、冷凍保存がオススメです。冷凍しても味噌は凍ることはありません。味噌玉の保存には、冷凍保存が基本となり、1ヵ月以内の消費が目安です。
すぐに使い切れる少量であれば冷蔵保存で1週間以内に食べきるようにしましょう。できるだけ作りたての美味しさを保つために、作りすぎには注意し、計画的に消費するのがポイントです。
味噌玉の保存には、ラップで1個ずつ包む方法が手軽でおすすめです。空気に触れにくくなり、乾燥や酸化を防ぎやすくなります。味噌は酸素が苦手。なるべく空気に触れないように密閉するのが保存のコツです。また、水分の多い具材を使うと、冷蔵保存の場合は水分が染み出して傷みやすくなることがあります。水分が出やすい具材を使う場合は、冷凍保存がより安心です。
まとめ:味噌玉で、もっと手軽に、もっと美味しく
味噌玉作りに挑戦するなら、まずは基本のレシピから始めるのがおすすめです。特に、初めての方は、乾物を活用すると手軽で安心です。乾燥わかめや切り干し大根、干ししいたけなどは保存が効き、手軽に美味しい味噌玉が作れます。お気に入りの一品が見つかれば、日々の食卓がさらに楽しくなります。
さまざまな食材を組み合わせながら、自分好みの味噌玉を見つけるのも楽しみ方のひとつです。また、味噌玉作りは子供の食育にもぴったりです。自分で具材を選び、形を整えて作った味噌汁を味わうことは食への関心を高める良いきっかけになります。ぜひ、ご家族で味噌玉づくりに挑戦してみてください。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。