「冷蔵庫にもう少しスペースがあったらいいのに」「リビングで冷たい飲み物をすぐに楽しみたい」そんな願いを叶えるのが、セカンド冷蔵庫です。近年、ライフスタイルの変化に伴い、セカンド冷蔵庫を導入する家庭が増えています。しかし、便利だからと安易に購入すると、電気代や設置場所の問題に直面することも。
この記事では、家電ライフスタイルプロデューサーの神原サリーさんにセカンド冷蔵庫について詳しく話を伺い、セカンド冷蔵庫のメリット・デメリットや、あなたの暮らしにぴったりな一台を見つけるための選び方と活用術をご紹介します。
セカンド冷蔵庫とは?

最近よく耳にする「セカンド冷蔵庫」とは、メインの冷蔵庫に加えてもう一台設置する小型の冷蔵庫や冷凍庫のことです。種類はさまざまで、冷蔵専用のものや、冷蔵・冷凍の切り替えができるもの、ミニサイズの2ドア冷凍冷蔵庫などがあります。この数年では、おしゃれなデザインでインテリアに馴染むものや、コンパクトでリビングや寝室に置きやすい製品も登場しています。
セカンド冷蔵庫の共通点は「メインよりも小さなサイズ」であることです。一般的に、70L前後のコンパクトタイプから、一人暮らしに適した150L前後のモデルまで幅広く選択肢があり、ライフスタイルに合わせて自由に選べる点が大きな魅力となっています。冷蔵専用か冷凍機能付きかは利用者のニーズ次第。メーカーによっても対応が分かれており、冷蔵・冷凍・ワインセラー温度など温度帯が切り替えられるタイプも登場しています。
セカンド冷蔵庫が注目されている理由
近年、セカンド冷蔵庫の導入が増えている背景には、いくつかの社会的な変化があります。たとえば、ふるさと納税で届く大量の食材や、ネット通販でのお取り寄せ需要の増加により、一時的に冷蔵庫の中がいっぱいになってしまう家庭が増えています。また、まとめ買いをすることでスーパーへの買い物頻度を減らす家庭も多く、その保存スペースとしてセカンド冷蔵庫が重宝されています。これまでは、「冷蔵庫が手狭になったら大きなものに買い換える」という考え方が主流でしたが、最近では「今の冷蔵庫はまだ使える」「でも少し容量が足りない」という家庭が、コンパクトなセカンド冷蔵庫を“買い増し”するという選択をするケースが増えています。
さらに、冷蔵庫の多様化も後押ししています。従来の家庭用冷蔵庫に加え、一人暮らし向けの小型タイプやデザイン性を重視したモデルなど、用途に応じて選べる選択肢が増えました。実際、各メーカーも“セカンド冷蔵庫”というコンセプトを前面に打ち出した商品を展開しており、家庭内での冷蔵・冷凍ニーズの多様化を反映しているといえるでしょう。
以前は「冷蔵庫はキッチンに置くもの」という固定観念がありましたが、最近ではその枠を超えて、リビングやダイニング、寝室など、使いたい場所に置くスタイルが広がっています。セカンド冷蔵庫は「容量が足りないからもう1台」という目的だけでなく、「使いたい場所に、使いたい用途で」という考えが主流になりつつあります。
セカンド冷蔵庫導入のメリット

「冷蔵庫がもう一台あったら便利かも…」と思ったことはありませんか?セカンド冷蔵庫を取り入れることで、日々の暮らしがぐっと快適に変わります。食材や飲み物の収納力がアップするのはもちろん、動線の見直しや省エネ、家事の時短にもつながるなど、実はメリットがたくさん。ここでは、セカンド冷蔵庫がもたらすさまざまなメリットについてみていきましょう。
使いたい場所に置ける自由さ
ダイニングにもう1台冷蔵庫を設置して、“食卓専用”として活用することで、使い勝手が格段にアップします。牛乳や麦茶、ビールといった飲み物、ドレッシングやわさびなどのチューブタイプの調味料といった、毎回食卓で使うものをひとまとめに収納でき、わざわざメインの冷蔵庫まで取りに行く手間が省けて動線もスムーズに。
さらに、メインの冷蔵庫に余裕が生まれることで、冷気がムラなく行き渡りやすくなり、省エネ効果も期待できます。家族それぞれが自分で必要なものを取り出せるようになるため、食事の準備も効率的に。使いたい場所に、使いたいものを置ける自由さが、日々の暮らしをもっと快適にしてくれます。
朝食セットや小分け食品の管理に
納豆やヨーグルト、小分けゼリーなどの“朝食アイテム”を一か所にまとめて管理できます。トレーでまとめるよりも、セカンド冷蔵庫で分けて収納することで実用性がアップ。朝の忙しい時間帯にもスムーズに準備できます。
来客時やパーティーでのおもてなしにも便利
リビングや応接間にセカンド冷蔵庫を置けば、ゲスト用のドリンクやデザートをストックしておくことが可能に。キッチンに案内することなく、いつでもセルフで取り出してもらえるので、スマートなおもてなしができます。
食品管理のしやすさでフードロス削減
セカンド冷蔵庫があることで食品の分類がしやすくなり、何がどこにあるかが一目瞭然に。「気づいたら賞味期限切れ」という事態も減らせるはずです。結果的に食品ロスの防止にもつながります。
購入コストを抑えられる
最新の大型冷蔵庫はスマート機能や多機能冷凍など魅力も多いけれど、40万円近くするモデルもあり、なかなか手が出ないことも。そんな中で、350L前後のミドルクラス+セカンド冷蔵庫という組み合わせなら、コストを抑えつつ便利さを手に入れられるのが魅力です。
「大きな冷蔵庫を1台」よりも、「用途に応じたちょうどいい冷蔵庫を2台」持つスタイルへ。1台が故障してももう1台で補えるリスク分散効果もあり、安心感があります。近年は350L前後の中型で高性能なモデルも多く、コストパフォーマンスにも優れています。
セカンド冷蔵庫の導入で気をつけたいポイント

コンパクトで便利そうに見えるセカンド冷蔵庫ですが、実は選び方や置き方を間違えると、「こんなはずじゃなかった…」という失敗にもつながります。ここからは、セカンド冷蔵庫を選ぶときに気をつけたいポイントをまとめてご紹介します。購入前のチェックリストとして、ぜひ参考にしてください。
意外な盲点?電気代と省エネ性の誤解
セカンド冷蔵庫はコンパクトなサイズが多いため「電気代もあまりかからだろう」と思いがちですが、実は必ずしもそうではありません。最近の大型冷蔵庫は真空断熱材などの進化により省エネ性能が非常に高くなっています。そのため、たとえサイズがメイン冷蔵庫の1/3だとしても、小型のセカンド冷蔵庫が単純に「電気代3分の1」になるとは限りません。購入前には「年間消費電力量」をしっかり確認し、インバーター搭載モデルなど省エネタイプを選びましょう。
設置スペースでしっかり動作できるか
セカンド冷蔵庫は寝室や書斎など、メイン冷蔵庫とは違う場所に設置することが多くなります。特にダイニングなどに置く場合、ドアの開き方向が設置場所に合っていないと非常に使いにくくなることも。ドアの開きが右開き/左開きどちらかを事前に確認しましょう。左右開き対応のモデルも検討すると安心です。
背面スペースの確保
冷蔵庫はモデルによって背面に通気スペースが必要な場合があります。「壁にピッタリ置きたい」と思っていても、数cmの隙間が必要な場合があり、想定より前に飛び出してしまうことも。設置予定のスペースと冷蔵庫本体のサイズ+必要な隙間を事前にチェックしましょう。
上部スペースの活用には“耐熱仕様”をチェック
セカンド冷蔵庫の上にトースターや電子レンジを置きたいと考える方も多いですが、上部が耐熱仕様でないモデルでは安全に使えません。家電を上に置きたい場合は「上部耐熱仕様」かどうかを必ず確認しましょう。
静音性の確認
セカンド冷蔵庫を寝室やリビングに設置する場合は静音性も重要です。特にホテルなどに設置されているミニ冷蔵庫がうるさいと感じた経験がある方は要注意。商品説明に「静音設計」や「静音○○dB」などの表記があるかをチェックしましょう。
小型モデル(70L程度)は飲み物やスナック用に。中型モデル(130〜180L程度)は、食材や冷凍食品をしっかり保管したい方向け。セカンドといえど、暮らし方によっては“もうひとつの主役”にもなり得ます。
セカンド冷蔵庫のおすすめ活用術

セカンド冷蔵庫の魅力を活かすには、「どこに置くか」も大事なポイントです。ライフスタイルに合わせて置き場所を工夫すると、より快適な暮らしになります。最後に神原さんに、セカンド冷蔵庫のおすすめの活用術を教えていただきます。
ダイニングに設置して「飲み物&調味料専用」に
最も人気の置き方は、ダイニングに置いて、飲み物やドレッシング、調味料専用として使う方法です。食事の都度、冷蔵庫まで何度も行かなくて済み、毎日の動線がぐっとスムーズになります。
リビングに置いて「来客時のサブ冷蔵庫」に
お客様を招く機会が多いご家庭では、リビングに1台置くのもおすすめ。飲み物やデザートを自由に取り出してもらえるので、おもてなしがスマートに。メイン冷蔵庫を気にせず、開放的な使い方ができます。
寝室に置いて「夜の水分補給・自分時間に」
静音性の高いモデルを選べば、寝室にもぴったり。就寝前のリラックスタイムや、夜中の水分補給に便利です。最近は熱中症対策としても注目されています。また、化粧水やスキンケア用品を入れる“美容冷蔵庫”としての使い方も人気です。
セカンド冷蔵庫を選ぶ際には「使う場所に合わせて、それぞれ最適なものを選ぶ」という考え方は、非常に重要です。自分のニーズを明確にし、それに合ったものを選ぶことで、より満足度の高い生活を送ることができるはずです。
まとめ:ライフスタイルに合わせたセカンド冷蔵庫選び

セカンド冷蔵庫は、単に冷蔵庫を増やすということではなく、ご自身のライフスタイルをより豊かにするための賢い選択です。家族構成や食料品の購入頻度、設置場所といった要素を考慮しながら、最適なサイズや機能を持つ一台を選ぶことが大切です。理想のセカンド冷蔵庫との出会いで、より便利で快適な毎日を送りましょう。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。