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カレーだけじゃない!毎日の料理で楽しむスパイスの使い方をプロが伝授

カレーだけじゃない!毎日の料理で楽しむスパイスの使い方をプロが伝授
山本 由里子 (スパイス料理家)

監修者

スパイス料理家

山本 由里子

「Leiクッキング株式会社」代表。
「旬と、基本の調味料。そこに少しのスパイスを」をテーマに、日常の食卓を豊かに彩る料理家。
カレーだけにとどまらない、スパイスの“暮らしの調味料”としての魅力を発信している。家庭料理の中で無理なく楽しめる使い方を提案し、料理初心者から主婦層、企業・自治体の食育事業まで幅広く活動。
レシピ開発や商品監修、イベント、料理教室の運営などを通して、「スパイスで食卓をもっと自由に」を伝えている。
季節の食材と香りを生かしたレシピにはファンも多く、メディア出演や教育機関での講演も行っている。

「スパイスに興味はあるけれど、難しそう」「カレー以外でどう使えばいいの?」そんな風に思ったことはありませんか?

実はスパイスは、ほんの少し取り入れるだけで、いつもの料理をぐっとおいしく変えてくれる万能アイテムです。香りで食欲をそそったり、彩りを加えたり、素材の味を引き立てたりと、使い方次第で料理の幅が大きく広がります。

しかも、スーパーで手に入る身近なスパイスもたくさんあるので、初心者でも気軽に挑戦できます。本記事では、毎日の料理に役立つスパイスの基本的な使い方や、取り入れやすい活用アイデアを、スパイス料理家として活動する山本由里子さんにわかりやすく紹介していただきました。

スパイスってなに?まずは基本を知ろう

スパイスってなに?まずは基本を知ろう

カレーだけでなく、実は毎日の食卓にも取り入れられるスパイス。

香りづけや風味づけ、食欲を引き出すなど、役割はさまざまです。

まずは「スパイスとは何か」という基本を知ることで、より気軽に楽しめるようになります。

調味料との違いって?塩や醤油との役割の違い

塩や醤油は味を決めるものですが、スパイスは「香り」「色」「辛み」をプラスする役割があります。料理に「ちょっとしたアクセント」を加えるのが特徴です。

また、オイスターソースなどの特別な調味料を使わなくても、塩・味噌・醤油といった基本の調味料にスパイスを少し加えるだけで、驚くほど味の幅が広がるのだそう。

スパイスは“料理を助けてくれる存在”です。特別な調味料を増やさなくても、基本の味付けに香りや刺激を加えるだけで、毎日の食卓に変化を出せます。

つまり、調味料が“味の土台”を作るものだとすれば、スパイスはその上に“風味や個性を重ねるもの”。香りをひとさじ、色をひとふり加えるだけで、シンプルな料理もぐっと豊かになります。

スーパーで手に入りやすい「身近なスパイス」

スパイスといっても専門店に買いに行く必要は無く、今はスーパーでも十分に種類がそろっています

まずは、ブラックペッパー・クミン・ナツメグ・ターメリックなど、定番のスパイスから始めるのがおすすめ。どれも料理の香りづけやアクセントに使いやすく、クセが強すぎないので初心者にも安心です。

最近は100円ショップでミニサイズのスパイスが手に入るので、最初は小さなボトルで試してみると負担が少ないですね。使い切れない心配もなく、気軽にトライできますよ。

香り・色・辛み…スパイスの役割を知ろう

スパイスには「香りで食欲をそそる」「色で料理を鮮やかにする」「味にアクセントを加える」といった役割があります。これを知ると、使い方のイメージが広がります。

少し赤みを加えるだけで料理が華やかになったり、黄色が入ると温かみのある印象になります。また、香りでリラックスしたり、味のアクセントを加えたりと、食卓を五感で楽しむための小さな工夫がスパイスなのです。

スパイスを長持ちさせる保存のコツ 

スパイスは“香りが命”。長く使うためには、保存環境がとても大切です。そして、まずNGの保管場所として挙げられるのが冷蔵庫」。

どんなに暑い季節でも、常温・日陰・乾燥した場所が基本。冷蔵庫に入れると、出し入れの温度差で湿気が発生し、粉が固まったりカビの原因になります。

さらに、「光」も大敵です。太陽光だけでなく、照明の光でもスパイスは劣化します。引き出しや戸棚の中に置くのが理想です。

また、香りが飛んでいないか、見た目にカビがないか。この2つをチェックして問題がなければ、まだ使えるサイン。逆に「嗅いでも香りがよくわからない」と感じたら、それはもう“使い切り時”。

特にパウダータイプは香りが飛びやすいため、小さめサイズを早めに使い切るのがベストです。

初心者でも使いやすい!基本のスパイスと活用法

初心者でも使いやすい!基本のスパイスと活用法

難しそうに思えるスパイスも、実は少量から気軽に使えるものばかり。

ここでは、家庭に常備しておくと便利な基本のスパイスと、その手軽な使い方を紹介します。

常備しておきたい4種類のスパイス

スパイスの最初の一歩は、使い切りやすく日本の家庭料理とも相性がいい以下の4種類が山本さんのおすすめです。

  • ナツメグ(パウダー)
    クリームシチューやマッシュポテトなど“乳製品・いも類”のコクをそっと底上げします。香りが強いので耳かき1杯(4人分)から始めてみましょう。入れすぎは風味が支配的になりやすく、安全面でも微量運用が原則です。
  • コリアンダー(パウダー)
    爽やかな柑橘系の香りが特長。塩と混ぜて「コリアンダー塩」にすれば天ぷらとの相性が抜群です。
  • クミン(ホール)
    油で温めてから使うのがコツ。肉じゃがの肉を炒める時や、野菜炒めの最初に小さじ2を油で軽く弾かせてから材料を入れると一気に香り高くなります。
  • 黒こしょう(ホール)
    ミルの細挽きよりすり鉢で軽く砕くと、辛味だけでなくフルーティな香りが立って“仕上げのひと振り”で料理が引き締まります。どれもスーパーで手に入る定番なので、小瓶やミニサイズから気軽に試せます。

毎日の料理に取り入れる簡単な工夫とは

基本の味付け(塩・味噌・醤油)はそのままに、最後の工程で“香りを足す”のが失敗しない近道です。

加熱の前半に入れると香りが飛びやすいので、スープやシチュー、炒め物は仕上げに少量から。黒こしょうはすり鉢でサッと砕いて盛り付け直前に。クミンは調理の最初に油で温めてから具材を入れると香りが程よく全体に回ります。

専門的な合わせ調味料を増やさなくても、基本の調味料+スパイスで十分。つまり“味の骨格”は変えず、香り・色・辛みをひとさじ重ねるだけで、いつもの献立が新鮮になります。

まずは1回の食事で1種だけ使うところから始め、家族の好みに合わせて少しずつ頻度を増やしていきましょう。

失敗しない分量と組み合わせのコツ

香りの強さはスパイスやメーカーで差があるため、最少量から段階的に。パウダーは耳かき1杯(≒小さじ1/8)を目安にスタートし、味見しながら微調整します。

いきなり小さじ1を入れるのはNG。“香りを感じるか感じないか”程度がちょうどいいです。

また、強い個性を持つスパイスは2種以上を合わせるとマイルドにまとまります。

単品だと主張が強くなりがちなシナモンやクローブ、クミンパウダーも、他のスパイスとブレンドすると香りが“平均化”して食欲をそそる方向に。

ミックススパイス(チリパウダー、五香粉など)を使う場合も同様に少量から。メーカーによって香りの出方が違うため、最初は控えめに試すのが安全です。

初心者でも簡単!料理での使い方アイデア

初心者でも簡単!料理での使い方アイデア

スパイスは難しく考えず、いつもの料理に少し足すだけでも風味が変わります。

ここでは、スープや炒め物など、日常のメニューで試しやすい使い方を紹介します。

いつものスープにひとふりするだけ

スパイスは、実はスープや汁物に取り入れるのがいちばん簡単。山本さんは「スープは“香り足し”の入り口にぴったりなんです」と話します。

たとえばクリームスープやシチューなどには、ナツメグを耳かき1杯(4人分)程度加えるだけで、風味がぐっと上がります。

香りそのものは強く出ないのですが、お店で食べるようなちょっとプロっぽい仕上がりになります。

また、和の汁物にもスパイスが大活躍。黒こしょう(ホール)を鰹だしと一緒に煮出して味噌汁にするのがおすすめです。

黒こしょうは出汁と一緒に煮出したあと、食べる前に取り除くのがポイント。噛んでしまうと辛みが強いので注意が必要ですが、大人の方には“ピリッとした香り”がアクセントになります。

炒め物や下味に混ぜて風味アップ

炒め物や下味づけにスパイスを使うと、香りを手軽に楽しめるおすすめの取り入れ方になります。

例えば青魚。下味をつけるときにクミンシードを一緒に混ぜて焼くだけで、アジアン風の焼き魚になります。

香りが加わることで臭みがやわらぎ、食欲もわきやすくなります。さらに、唐揚げなどの下味にスパイスを入れるのもおすすめです。

ミックススパイスを少し加えると、香りの変化が楽しめます。4人分で小さじ1/4くらいから様子を見ながら使ってみてくださいね。

スパイスの香りは加熱でほどよく飛ぶため、主張しすぎず、いつもの味に“ほんのり変化”をつけてくれます。

鍋料理に加えてマンネリ解消

スパイスは炒め物やスープだけでなく、鍋料理にも相性抜群。

たとえば鶏肉の塩鍋。出汁をとるときに、陳皮(みかんの皮)と黒こしょう(ホール)を一緒に入れてみてください。

鶏ガラスープの素を使わなくても、香りがほのかに立って、やさしいけれど満足感のある味になります。

陳皮は爽やかな香りが特長で、鶏や白菜・大根などの“白い野菜”と特に好相性。4人分ならみかん1/2個分の皮が目安です。乾燥した陳皮はそのままホールで入れてOK。苦いので食べずに取り除いてくださいね。

また、パウダータイプの陳皮を使うなら、食べるときにポン酢に少し混ぜると、香りが立って爽やかな後味になるのでおすすめです。

飲み物で楽しむスパイスの取り入れ方

飲み物で楽しむスパイスの取り入れ方

スパイスは料理だけでなく、飲み物にも手軽に取り入れられます。ミルクティーやホットワインなどに加えるだけで、香りや温かみがぐっと深まります。寒い季節にぴったりな、身体も心も温まるスパイスドリンクを紹介します。

カルダモン香る「スパイスミルクティー」

寒い季節にぴったりなのが、カルダモンを使った「スパイスミルクティー」カルダモンは“スパイスの女王”と呼ばれるほど香りが豊かで、ミルクの臭みを消して旨味を引き立ててくれる名脇役。

ホールのカルダモンを使う場合は、緑の皮にハサミで切り込みを入れ、中の種の香りをしっかり引き出します。

少量で十分香りが立つためコスパもよく、さらに生の生姜をひとかけ砕いて加えると、身体を芯から温める効果も。はちみつ(または砂糖)でしっかり甘さを引き立てるのがおすすめです。 カルダモンとミルク、はちみつ。この3つだけで、香り高く贅沢な一杯に仕上がります。

シナモンとクローブの「スパイスホットドリンク」

お酒好きの方には、シナモンとクローブを使った「ホットワイン」もおすすめ

4人分でシナモンスティック1/2本、クローブ5個を目安に、赤ワインにりんごの角切りと少しの生姜を加えて煮出すと、ふんわりとした甘みとスパイスの香りが広がります。スパイスを加えることで、ワインの渋みがやわらぎ、飲みやすくなるのも魅力。

りんごの果実感とスパイスの温もりが合わさり、心も身体もほっとする冬の定番ドリンクに。ポリフェノールも取れて、美容にもおすすめです。

また、余ったシナモンパウダーは、ココアに少し混ぜて“スパイスココア”にするのも良いでしょう。
上から振りかけるよりも、ココアパウダーにあらかじめ混ぜ込んでおくと、香りがやさしく広がり、贅沢な味わいになります。

まとめ: “少量”から広がる、いつもの料理の新しい発見

まとめ: “少量”から広がる、いつもの料理の新しい発見

スパイスをほんの少し加えるだけで、「なんだか料理上手になった気がする」——そんな嬉しい変化を感じられるのも、スパイスの魅力です。

使いすぎなければ、どんな家庭料理にも合うのがスパイスの魅力です。この香りが好きだな、この料理に合いそうだなと思ったら、まずは少量から試してみて欲しいです。

特別なメニューを作らなくても大丈夫。いつものお味噌汁、炒め物、スープに少しスパイスを加えるだけで、香りや彩りが加わり、食卓がぐっと華やかになります。

家族に“いつもと違うね”と言われると、それが次へのモチベーションにも繋がります。忙しい日々でも、スパイスを少量取り入れるだけで、料理がちょっと楽しく、自分らしく変わっていく。そんな日常の小さな変化を楽しんでみてください。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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