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二番抵当不動産担保ローンの審査は甘い?審査に通りやすくするためのポイント

二番抵当不動産担保ローンの審査は甘い?審査に通りやすくするためのポイント
セゾンのくらし大研究 編集部

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不動産を所有していても、新たな資金調達に悩むことは少なくありません。そんな時、既存の住宅ローンがあっても追加の借入れを可能にする選択肢として、「二番抵当不動産担保ローン」があります。

本記事では、資金調達の新たな可能性を探る皆様に向けて、二番抵当不動産担保ローンの基礎知識から審査のポイント、利用する際の注意点まで、専門家の視点から分かりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 二番抵当不動産担保ローンとは何か、どのような場合に利用されるのか
  • 二番抵当不動産担保ローンの審査基準と、審査に通りやすくするためのポイント
  • 二番抵当で不動産担保ローンを組む際の注意点(金利が高い、借入上限額が低いなど)
  • 闇金業者や特殊詐欺に関する注意事項
  • ノンバンク系金融機関の二番抵当不動産担保ローンの特徴
  • 不動産担保ローンを組む際に必要な書類や手続きの流れ
事業者向け不動産担保ローン
事業者向け不動産担保ローン

ローン審査の誤解を解く:全ての金融機関に審査基準があります

【要注意】審査が甘いローンはない!

「無担保、低金利、保証人不要で融資可能」などと書かれたハガキやSMSが突然届いたことがある方もいるかもしれません。

審査を行った結果、あるいは商品内容として、無担保や低金利、保証人不要となることはあります。しかし、審査が甘いローン商品はまずありません。貸金業規制法に基づき、国(財務局)や都道府県の登録を受けた金融機関であれば、どのようなローンであっても一定の審査基準があります。

どんなローンであっても審査がある

ローン商品には一定の審査基準が設けられていますが、これは不動産担保ローンでも同様です。もちろん、金融機関によって独自の判断基準がありますので、寛容に対応してくれる可能性はあります。

しかし、二番抵当での不動産担保ローンに限定すると、メガバンクなどは他の金融機関からの借入がないことを条件としているか、そもそも二番抵当では融資していません。二番抵当での不動産担保ローンでの融資が可能な金融機関はノンバンク系であることが多いです。

ローンの審査基準の例は以下のとおりです。

  • 勤務先:一般的に勤務先の会社規模が大きいほど審査に有利        
  • 勤務形態:正社員が審査に有利                        
  • 勤続年数:勤続年数は長いほど有利
  • 年収:必要とされる年収の水準はローンの種類によって異なる
  • 健康状態:ローンの種類によっては生命保険への加入が必要となることもある
  • 所有資産:住居が持ち家か賃貸かなども審査の参考とする
  • 返済負担率:年収に対する年間返済額の割合、20~25%以内であれば無理なく返済が可能
  • 信用情報:クレジットカードの返済遅延や滞納があると審査に不利                          

甘い言葉を謳う闇金業者には要注意

「無担保、低金利、保証人不要で融資可能」「100%審査に通る」「ブラックリストに載っていても大丈夫」など、審査が甘いことを謳う貸金業者には十分注意が必要です。これらは違法な金融業者(いわゆる闇金)の可能性が高く、金融庁も「ヤミ金融対策法のポイント」(PDF)の中で注意を呼びかけています。

闇金は様々な手口で金銭を騙し取ろうとします。例えば、他社への紹介を装って紹介料をだまし取る「紹介屋」、勝手に口座に振り込んで高金利を請求する「押し貸し」などがあります。

二番抵当不動産担保ローンを検討する際は、必ず正規の金融機関を利用し、怪しい勧誘には応じないようにしましょう。

二番抵当で組む不動産担保ローンとは?

不動産担保ローンは、不動産を担保として借入を行うローンです。

担保とは、返済ができなかった場合に備えて差し出す資産のことです。そのため、不動産を担保とする場合、その不動産の価値が高ければ高いほど多額の借入が可能となります。ただし、返済が滞ると対象の不動産を失う可能性があるため、十分な注意が必要です。

不動産を購入すると、その不動産を自由に使用・処分できる「所有権」を得ることになります。この所有権を公的に示すためには、法務局で「所有権保存登記」または「所有権移転登記」を行う必要があります。

一方、不動産を担保として提供する際には、「抵当権設定登記」を行い、当該不動産が担保に入っていることを公的に示すことが求められます。

所有権は共用は可能ですが、重複することはありません。これに対し、抵当権は複数設定することが可能であり、複数設定する場合は、取引の安全性を確保するために抵当権者の優先順位を決定しておく必要があります。優先順位は高い順に、一番抵当、二番抵当、三番抵当といった形で設定します。

「二番抵当」で組む不動産担保ローンとは、既に他の住宅ローンを利用している方が、新たな住宅ローンを受ける際に利用されるものです。すでに対象不動産に一番抵当が設定されている状態で、新たに不動産担保ローンを組む場合、このローンは二番抵当となります。

二番抵当で不動産担保ローンを組むのはどんなとき?

二番抵当で不動産担保ローンを組むのは、主に住宅ローン返済中であるにもかかわらず追加で資金が必要になったときです。以下のような具体的なケースが考えられます。

事業資金の調達

個人事業主や中小企業経営者が事業拡大や運転資金として活用する場合があります。例えば、新規事業立ち上げ、設備投資、在庫仕入れなどの資金需要に対応できます。

リフォーム・増改築資金

住宅ローンで購入した家屋の大規模リフォームや増改築を行う際の資金として利用できます。バリアフリー化、省エネ改修、間取り変更などが該当します。

教育資金

子どもの進学や留学に伴う学費、生活費などのまとまった教育資金の調達に活用できます。

自動車購入やその他の高額商品の購入

新車購入や高額な耐久消費財(例:ボート、キャンピングカーなど)を購入する際の資金として利用することができます。

債務の一本化(借り換え)

複数のローンやクレジットカードの債務を一本化して返済を楽にしたい場合に活用できます。金利が低くなる可能性もあります。

急な出費や緊急時の資金需要

予期せぬ医療費や災害復旧費用など、突発的な出費に対応するための資金として利用できます。

投資資金

不動産投資や株式投資など、新たな資産運用のための資金として活用する場合もあります。

これらの事例のように、二番抵当不動産担保ローンは様々な資金需要に対応できる柔軟性があります。ただし、追加の債務を負うことになるため、返済計画を慎重に立てる必要があります。また、金利や借入条件が一般的な住宅ローンよりも厳しくなる傾向があるため、他の資金調達方法と比較検討することをおすすめします。

二番抵当不動産担保ローンの審査に通りやすくするポイント

二番抵当不動産担保ローンの審査に通りやすくするポイント

二番抵当不動産担保ローンは、既に住宅ローンを組んでいる不動産を担保に追加融資を受けるローンです。審査に通りやすくするためには、ローンの内容を理解し、借入時期や金額、金融機関を適切に選択することが重要です。

審査に通りやすくするためのポイントは以下の通りです。

  • 不動産価格が希望金額を上回っていること
  • 住宅ローンの残額が担保価格を下回っていること
  • ノンバンク系の不動産担保ローンの審査を受けること
  • 信用情報に問題がないこと

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

不動産価格が希望金額を上回っていること

不動産担保ローンは、対象不動産の評価額に応じて借入可能額が決まります。評価額が高ければ借入可能額も大きくなりますが、希望金額と同額になることはまずありません。

借入可能額の目安は、以下の計算式で求められます。

不動産担保ローン借入可能額=物件の評価額×担保掛目(60~80%)

担保掛目とは、将来担保権を実行した場合に処分可能な価値を想定するために掛ける一定の比率です。

希望金額よりも担保価格の方が高い方が、返済不能時の担保物件売却による回収が見込め、融資の可能性が高まります。

住宅ローンの残額が担保価格を下回っていること

二番抵当不動産担保ローンの借入可能額は、不動産担保ローン借入可能額から住宅ローンの残高を差し引いた金額となります。

不動産担保ローン借入可能額− 住宅ローン残高=二番抵当不動産担保ローン借入可能額

住宅ローンの残高が担保価格を上回っていると、返済可能性がないとみなされ、融資は受けられません。住宅ローンの残高が少ないほど、借入の可能性は高まります。

ノンバンク系の不動産担保ローンの審査を受けること

金融機関には銀行や信用金庫、ノンバンク系など種類があり、銀行は銀行法、信用金庫は信用金庫法、ノンバンク系は貸金業法といった具合に、根拠法が異なります。

信用度が高いとされる銀行だけでなく、どの金融機関も法律を遵守して経営されていますが、業務内容や審査基準には違いがあります。中でも審査基準については、銀行よりもノンバンク系の方が一般的に緩いとされており、二番抵当での不動産担保ローンについても比較的寛容に対応してくれる可能性があります。

二番抵当での不動産担保ローンをお考えの場合は、銀行や信用金庫だけでなく、ノンバンク系の金融機関も候補に入れることで、融資を受けられる可能性が広がります。

信用情報に問題がないこと

ローン審査では信用情報が重視されます。金融機関は、信用情報機関に信用情報を照会します。

3ヶ月以上の延滞、携帯端末の分割払いの未払い、債務整理などの情報は、信用情報に登録されます。また、短期間に複数のキャッシングやクレジットカードへの申し込みをした場合も、登録される可能性があります。信用情報に傷があると審査に不利に働くため注意が必要です。

信用情報に不安がある場合は、信用情報機関に問い合わせて確認することができます。

二番抵当で不動産担保ローンを組むときの注意点

二番抵当で不動産担保ローンを組むときの注意点

不動産担保ローンは二番抵当でも条件が整えば可能ですが、一番抵当が条件のローンも存在するため、すべての金融機関で利用できるわけではありません。特に二番抵当が可能なローンは、ノンバンク系で見られることが多いです。二番抵当でローンを組む際の注意点は以下の通りです。

  • 金利が高い傾向がある
  • 借入上限額が低くなる
  • 返済の負担が増える
  • 融資に時間がかかる
  • 不動産を失う可能性がある

金利が高い傾向がある

二番抵当は、一番抵当に比べて金利が高くなる傾向があります。これは、万が一、ローン返済が滞った場合、担保不動産が売却されても、先に返済を受ける権利を持つ一番抵当の金融機関への弁済が優先されるためです。二番抵当の金融機関は、貸し倒れのリスクが大きくなるため、その分高い金利を設定しています。

借入上限額が低くなる

二番抵当の場合、借入上限額は一番抵当の場合よりも低くなる傾向があります。これは、すでに一番抵当のローンが存在するため、その残債務額を差し引いた金額が担保として評価されるためです。

返済の負担が増える

二番抵当で不動産担保ローンを組むと、既存のローンに加えて新たなローンの返済が必要となり、返済の負担が増加します。返済期間を長く設定することも可能ですが、その分総返済額が増えるため、注意が必要です。

融資に時間がかかる

不動産担保ローンは、二番抵当であるかどうかに関わらず、融資までに時間がかかる傾向があります。これは、不動産の価値評価や抵当権設定の登記手続きなどに時間がかかるためです。

また、必要書類や提出書類も多いので、スムーズに進めるためにもしっかり準備しておきましょう。状況により変わるので参考ではありますが、必要書類や提出書類の例をご紹介します。

個人名義で申し込む場合・本人確認書類(運転免許証など顔写真付の身分証明書)
・収入を確認できる書類(確定申告書2-3期分、源泉徴収票など)
・住民票
・納税証明書(住民税・固定資産税など)
・(個人事業主の方)事業計画書
法人名義で申し込む場合・代表者の本人確認ができる書類(運転免許証など顔写真付の身分証明書)
・決算書(2-3期分)
・商業登記簿謄本
・納税証明書(法人事業税・法人税など)
・事業計画書
共通・担保となる不動産に関する書類
 公図、地積測量図、建物図面、登記済権利証(登記識別情報)など
不動産担保ローンの審査時に必要な書類の参考例

不動産を失う可能性がある

二番抵当の場合でも、ローン返済が滞ると、最終的に担保不動産が競売にかけられ、所有権を失う可能性があります。これは一番抵当と同様です。

二番抵当の不動産担保ローンは、資金調達の手段として有効ですが、上記のようなリスクを理解した上で、慎重に利用する必要があります。

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おわりに

二番抵当不動産担保ローンは、追加の資金調達手段として有効な選択肢である一方、慎重な検討が必要な金融商品でもあります。

本記事で解説したように、審査基準や借入条件、そして潜在的なリスクを十分に理解することが重要です。ご自身の財務状況や将来の返済計画を綿密に検討し、必要に応じて金融の専門家にも相談しながら、賢明な判断を心がけましょう。

二番抵当不動産担保ローンは、適切に活用すれば事業拡大や生活の質の向上につながる可能性を秘めています。しかし、同時に大切な資産を守るという観点も忘れてはなりません。

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