更新日
公開日

分散投資は意味ない?メリットやデメリット・効果的な運用のコツを解説

分散投資は意味ない?メリットやデメリット・効果的な運用のコツを解説
セゾンのくらし大研究 編集部

執筆者

セゾンのくらし大研究 編集部

豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

「分散投資には意味がない」と分散投資の有効性に疑問を唱える人もいますが、分散投資には、「リスクを軽減できる」「売却時期を気にしない」などのメリットもあります。

この記事では、投資初心者の方向けに分散投資とはどのような投資方法なのか、分散投資に関するメリットとデメリット、効果的な運用のコツなどを解説します。

この記事を読んでわかること
  • 分散投資は、時間をかけてリスクを抑えながら確実に増やしたい方に向いている投資方法
  • 分散投資は短期的に大きな利益が見込める投資方法ではない
  • 分散投資は長期的に行い、投資商品を定期的に見直すことが大切
  • 新NISAで運用すれば税金が非課税になる

分散投資とは?

分散投資とは?

分散投資とは、性質が異なる複数の商品に資産を分散して運用することで、リスクを抑えた安定したリターンを目指す投資方法です。

地域を分散する

一つの国や地域に集中して投資を行うと、対象の国やその通貨、地域の経済状況などによる景気悪化などによって、大きな損失を受ける恐れがあります。複数の国や地域を組み合わせることで、対象の国やその通貨、景気動向の値動きのリスクを軽減することが可能です。

海外の政策金利は日本より高いため、日本国内と先進国(米国、ユーロ圏など)や新興国(東南アジア、ブラジルなど)のように、海外を含めて複数の地域や通貨の金融商品をバランスよく分散投資するのが良いでしょう。

対象を分散する

同一の投資商品のみではなく、種類の異なる商品を複数組み合わせて投資することで、異なる値動きの組み合わせとなり、価格変動を小さくできることが商品を分散する目的です。

投資対象には、以下があります。

  • 株式
  • 投資信託
  • 不動産
  • 債券
  • 仮想通貨
  • 貴金属 など

例えば、株式と債券は一般的に異なる値動きをするので、それぞれの価格変動リスクを軽減することができます。また、複数の金融商品や銘柄に分散させることで、損失を最小限に抑えることもできるでしょう。

タイミングを分散する

手元の資金を1回のタイミングでまとめて購入するのではなく、少しずつ複数回に分けて投資をすることで、高値のときには少なく買い、安値のときには多く買います。これにより価格変動のリスクを低減させることが可能です。

「つみたて投資枠(新NISA)」のように、複数のタイミングで購入することで平均購入単価が抑えられ、利益が出しやすくなります。

分散投資のメリット

分散投資のメリット

分散投資のメリットは、特定のリスクや市場の変動に依存せずにリスクを軽減できることです。

投資には「卵を一つのかごに盛るな」という格言があります。一つの商品にまとめて一度に投資するのではなく、複数の商品に分けて投資することがリスクの分散につながるという意味です。

複数の投資対象に複数のタイミングに分けて投資することで、短期的な波や市場の変動に左右されず、投資先の価格変動リスクを抑えられるので、投資全体の安定性を高めながら長期的に資産運用を行うことが可能です。

投資リスクを軽減できる

投資にはリスクが付き物です。複数の商品に資産を分散することで、一つの商品で損失が発生してしまっても他の商品でカバーできれば、資産運用に伴うリスクを低減させることができます。

性質が異なる商品や値動きの異なる商品に分散投資することで、平均の値動きの幅が小さくなり、リスクを低減できるでしょう。

また、投資商品以外にも、投資地域やタイミングなどを分散し、長期的な視点で投資に取り組むことで、相場がどのように変動しても総資産を守りながら運用できるのが分散投資のメリットです。

長期的に安定した資産運用ができる

分散投資をする際は、長期投資を前提に安定した資産運用を行うことができます。

短期的な価格変動や売却時期を気にすると、いつ売却すればいいかわからず不安定な投資状況に陥りかねません。この点、分散投資なら長期的な視点で知識や経験を取得しながら資産運用ができます。

また、長期的に投資することで、得られた利益を元本に組み入れる「複利」の効果が発生するので、お金が増えやすくなります。そのため、分散投資はサラリーマンの方や主婦の方も気軽に投資を始めやすい投資方法といえるでしょう。

分散投資のデメリット 

分散投資のデメリット 

分散投資は、時間をかけてリスクを抑えながら確実に増やしたい方に向いている投資方法です。

ただし、すぐに利益が出るわけではないため、一部の方からは「やめとけ」「必要ない」「儲からない」など否定的な意見が出ることもあります。ここでは、分散投資のデメリットを見ていきましょう。

投資先が複数になり管理が大変になる

分散投資では、投資対象を複数の資産に分散するため、バランスを維持する必要があります。市場の動きや投資先ごとのリスクの変動に応じて、複数の投資先管理も必要です。取引手数料や管理費用も増加します。

また、株式で分散投資を行う場合、複数銘柄を保有することになるので、それぞれの値動きを把握する手間が増加し、適切な売却のタイミングを逃してしまう可能性があります。管理の手間が増加しすぎないよう、適度な分散と継続的な管理やリバランスが必要です。

短期で大きなリターンは見込めない

分散投資は、比較的安定した性質を持ち、市場の変動に対する抵抗力を高められる投資方法です。反面、長期的な収益を安定的に積み重ねるための堅実な戦略とされているため、短期的に大きな利益が見込める投資方法ではありません。

分散投資は、リスクを分散して管理しつつ、長期間運用することで利益を最適化することを目指しています。

リスクの最小化とリターンの最大化のバランスをとりながら、市場の短期的な変動に左右されず、複利効果で長期的な安定性を追求することが可能ですが、特定の分野や資産クラスに集中していないため、大きな利益が見込める投資方法ではありません。

分散投資で効果的に運用するには

分散投資で効果的に運用するには

分散投資で効果的に運用するためには、さまざまな商品を適切に組み合わせてリスクを管理し、市場の短期的な変動に左右されず長期的な視点で資産を運用することが大切です。

定期的に組み合わせを見直し、本来の資産配分に応じてリバランスを行う必要があります。市場の変動や投資先のパフォーマンスを評価し、必要に応じて調整を行和なければなりません。

ポートフォリオを組む

分散投資を行う際の投資における商品の組み合わせを、「ポートフォリオ」と呼びます。

金融商品の3要素(安定性、流動性、収益性)を踏まえて、複数の商品に投資する額や割合を決めることで、リスクを抑えつつ期待する運用成果に近づけることも可能です。

一つの商品にだけ投資をすることで生まれる価格変動リスクを分散し、価格変動が少ない商品を意識することもできるでしょう。

中長期的な運用が必要だと理解する

投資期間を長くする投資手法である中長期投資を行うことも、リスク軽減策のひとつです。短期間で売買する場合、大きな利益を得ることもあれば、大きな損失を被ることもあります。

この点、分散投資では、中長期的な運用をコツコツと実践することでこれらのリスクを軽減し、効果的に資産を増やすことが大切です。

また、長期的に保有することで、運用で得た利益を元本に加えて再投資することが可能です。利益が投資に回り、さらに利益を生む複利効果が働きやすくなるでしょう。

投資商品は定期的に見直す

ポートフォリオは、相場や自身の環境にあわせて見直すことが大切です。

投資目標やリスク許容度は、変化することが良くあります。現在の状況に合致した資産形成の目的や目標金額を明確にし、商品と投資額の調整を定期的に見直して修正することで、市場の変化や新しい資産クラスの出現などの環境変化にも対応した最適な運用ができるようになるでしょう。

また、資産の割合が変化した場合は、リバランスを行うことで、本来の投資目標に合わせた資産配分を維持することができます。

分散投資が初めての方には投資信託がおすすめ

分散投資が初めての方には投資信託がおすすめ

大きな利益を狙うのではなく、投資のリスクを抑えながら安定した利益を目指すためには、異なる地域や資産に投資を分散させることが大切です。

しかし、どの商品をどのように組み合わせたら良いのか、悩む方も多いかもしれません。そんな分散投資のお悩みにおすすめなのが、「投資信託」です。

投資信託とは

投資信託とは 投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品のことです。

専門家が運用し、複数の銘柄や投資先がセットになっているためバランス良く分散投資できるので、利益が得られやすいのが特徴です。証券会社によっては、1万円などの低額から始めることもできます。

ひとつの投資信託商品に絞るだけで複数の銘柄に投資できるので、自動的に分散投資ができます。

新NISAで運用すれば非課税に

通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。

この点、「新NISA」の場合、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかかりません。

国が投資を促進するために用意している税制優遇制度「つみたて投資枠」は、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。

2024年1月、NISA制度の抜本的拡充・恒久化が図られ、非課税保有期間が無期限化されました。

多くの証券会社で100円から投資ができるため、手元にまとまった資金も必要ありません。商品は一定の要件を満たす「長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託」に限定されています。

おわりに

投資にはリスクがありますが、分散投資により「長期・積立・分散」を実践し、長期的にリスクを抑えた資産運用が可能です。積み立てで買えば、自分の買値が平準化されるので、相場の変動を気にせず投資が続けられるでしょう。

投資信託など、分散投資を気軽に始められるつみたて投資枠(新NISA)などの投資商品もありますので、長期投資と分散投資でリスクを抑えつつ、中長期的にじっくり資産を増やせる商品に投資してみてはいかがでしょうか。

よく読まれている記事

みんなに記事をシェアする