当たり前のように毎日使うオイル。使わない日はないのではないでしょうか。炒め物やフライ、肉や魚を焼いたり、サラダにかけるドレッシング、パンに塗るバターなど、オイルを使った料理は思った以上に多くはありませんか。オイルはそれぞれ風味も違えば、香りも味わいも個性的でオイルは美味しいですよね。今回は、調味料ソムリエのMICHIKOさんに、美味しいオリーブオイルを選ぶポイントを解説していただき、合わせておすすめの商品をご紹介します。ぜひ、参考にしてください。
1.オリーブオイルには色々な種類がある?
オリーブオイルは、果実から得らえる自然の恵み「植物油の女王」と呼ばれています。スパゲッティをはじめとする地中海料理によく用いられます。主に、「エキストラバージンオリーブオイル」と「ピュアオリーブオイル」の2つがあります。
1-1.エキストラバージンオリーブオイル
オリーブの実をつぶしペースト状にして搾っただけの、いわばオリーブのフレッシュジュースのようなものです。果実を低温圧搾しただけのもので「一番搾り」の最高ランクとされ、イタリア料理に欠かせない油です。酸度の低さとフレッシュな香りが特徴で、幅広い料理に豊かな風味を添えます。生食が好まれており、テーブルオイルとして、食べる直前にかけると香りやコクのある味わいがプラスされて、新しい美味しさに出会えます。また、加熱すればコクがアップします。
納豆や卵かけご飯、冷奴に。パンやサラダ、マリネに。アイスやスイーツに。料理の仕上げに。アヒージョに最適です。
1-2.ピュアオリーブオイル
エキストラバージンオリーブオイルと精製したオリーブ油をブレンドしたものです。エキストラバージンオリーブオイルに比べると味や香りが控えめで、マイルドな風味です。炒める・焼く・揚げるなどの加熱料理の油として好まれていますが、生食に使えば、素材の風味を引き立ててくれます。
サラダやカルパッチョに。パスタや野菜炒めの油に。焼肉や焼魚に。唐揚げやフライに。オリーブオイルはどんな料理にもあうものなので、こだわらずに風味と味を味わってください。また、醤油や味噌等の和食の味わいとも相性のよく、旨みやコクがプラスされます。
1-3.オリーブオイルは生産地や品種などで異なるのが魅力
オリーブの木は常緑高木。葉は小さくかたく、スペインやイタリアなどの地中海地域で多く栽培されています。最近はチリ産も増えてきました。生産地や品種、栽培方法、収穫時期、搾油方法などによって、味や香り、色合いが微妙に異なるのが魅力です。オリーブオイルは、ワインと同じように伝統的に数種類のオリーブの果肉から搾られた油をブレンドしているので、それぞれ特徴のある味・香り・色となっています。ご自身の好きなオリーブオイルを探すのも楽しいですね。
2.カラダのなかでのオリーブオイルの大切な働きとは?
オリーブオイルはオレイン酸を70~80%含んでいます。オレイン酸には生活習慣病の予防に効果が期待されています。抗酸化作用を持つオレイン酸やビタミンE、ポリフェノールを含み、悪玉コレステロールを低下させ、善玉コレステロールを増やしたり、中性脂肪の増加を抑えたり、美容やダイエットに効果的だといわれています。
オリーブオイルの緑色は、クロロフィルというポリフェノールです。これは緑の野菜にも含まれていて、体内の毒素をデトックスする働きがあります。また、比較的に熱や酸化にも安定性があるので、オリーブオイルを食べると健康に良いといわれています。
大さじ1杯のオイルで、お通じが良くなることもあるとか、ヨーグルトや納豆、味噌汁やスープなどに加えてみましょう。
3.調味料ソムリエプロがおすすめ「オリーブオイル」3選
(1)「島のささやき ガーリックオイル」(金両株式会社・香川県)
調味料選手権2013「野菜を食べよう!サラダ部門・最優秀賞」を受賞したオリーブオイル。「島のささやき ガーリックオイル」は、小豆島で1880年創業の老舗醤油蔵 金両株式会社が作る人気商品です。現在も国産原料を使い、昔ながらの伝統的製法で2~3年かけてじっくり杉桶で熟成させて醤油を作っています。
小豆島と言えばオリーブ、「島のささやき ガーリックオイル」は、オリーブオイルに香川県産のニンニクをコトコトと煮込んで作られています。ニンニクは料理に風味や香りをつけて美味しくしてくれたり、栄養も豊富で、毎日でも活用したい野菜のひとつですが、強烈な臭いのために敬遠する人も多いはず! このガーリックオイルはニンニクを食べた時のような臭いが残らないという特徴があります。ニンニクを刻んだり、オイルで香りを出すためにじっくり炒めたりする手間も省けて、一石二鳥ですね。また、油と一緒に加熱することで、ニンニクのもつパワーを効率よく摂取できるといわれています。朝から、人と会う前にも、ガーリックオイルの食事を楽しむことができます。
いつもの肉野菜炒めやパスタを炒める時に、ステーキや魚のグリルに、海老やマッシュ―ルームを加えてサッとアヒージョに、ガーリックトーストも手間要らず。毎日の生活に取り入れて、美味しく、楽しく、簡単に、プロの味を味わってください。
「島のささやき ガーリックオイル」を使ったおすすめレシピ「サラダチキンを使ったミモザソースサラダ」
プリプリチキン、ガーリック風味の簡単サラダチキンをご自宅で。サラダチキンがあれば、パンにもご飯にもおかずにも!
・サラダチキン
- 【材料】(2人分)
- 鶏むね肉:1枚(200g)、ガーリックオイル:大さじ1、塩、胡椒:各少々
- 【作り方】
- 1)鶏むね肉は常温に戻しておきます。ジッパー付きの袋等に、塩と胡椒を鶏むね肉とガーリックオイルを加えて、空気を抜きながら封をします。
- 2)沸騰したたっぷりの湯の中に1)を入れて再び沸騰すれば、蓋をして火を止めます。
- 3)湯が冷めるまでそのまま置きます。(1時間以上おいて、中に火が通っているか確認しましょう)保存は冷蔵庫に入れましょう。
・ミモザソースサラダ
- 【材料】(2人分)
- ミモザソース:ゆで卵(粗く刻む):2個、イタリアンパセリ(みじん切り):大さじ1、ガーリックオイル:大さじ②レモン汁:大さじ1、塩、胡椒:各少々
- お好みのサラダ類:レッドキドニー煮豆:50g、アスパラガス:1束、スナップエンドウ:8本
- 【作り方】
- 1)アスパラガスは根元の堅い部分を折り、スナップエンドウは筋をとり、塩(分量外)を少々加えた湯で柔らかくなるまで茹で、冷水にとって水気をきる。それぞれ食べやすい大きさに切ります。
- 2)ミモザソースの材料をすべて加えて混ぜ合わせます。
- 3)1)を器に盛り、②をかけます。
(2)「9Herb&spice Olive Oil」(株式会社FOOD BRAND PROJECT・ 神奈川県)
調味料選手権2021「おうちリッチ賞」を受賞。地中海の太陽の恵みをたっぷり受けたEXヴァージンオイルに9種類のハーブとスパイスを漬け込んでいます。キッチンに並べておきたいアートのような美しさと、香り豊かな美味しい料理に仕上がります。
「9Herb&spice Olive Oil」のご購入はこちら
(3)「サンチャゴ オリーブオイル」(株式会社ケータック・プランナーズ・東京都)
調味料選手権2012「サラダ部門」で入賞。アンデス山脈のふもとで育ったオリーブを収穫後すぐに搾油するため酸度が低く、フルーティな香りとスパイシーな刺激、バランスの良いEXヴァージンオリーブオイルです。
4.オリーブオイルと地中海式食事法とは?
地中海沿岸地方では、他の地域と比べるとがんや心疾患が少ない地域です。この地方で代々受け継がれてきたオリーブオイルを中心とした伝統的な食生活が生活習慣病を予防するといわれています。地中海式食事法とは、食生活も含めた生活習慣のことです。ポイントは、以下のとおりです。
・オリーブオイルをたくさん摂る。調理用のオイル、食卓で料理にそのままかける調味料として、毎日摂り入れます。
・穀類やイモ類を毎日食べる。米を中心に糖質や食物繊維を豊富に含んだ穀類や豆類をオリーブオイルで炒めたり、そのままかけたりして食べます。
・野菜やキノコ類、豆類や海藻などをたっぷり食べる。ビタミンやミネラル、食物繊維の宝庫です。炒めたり、煮込んだりしましょう。
・魚介類も日常的に食べる。特に背の青い魚を摂るようにしましょう。オリーブオイルでグリルしたり、パスタと合わせてもOK。
・肉類は、鶏肉や赤身を中心に食べる。脂身はできるだけ避けて、グリルやロースト、茹でるなど脂を落とす工夫をします。
・果物や乳製品も食べる。新鮮な果物にはビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富です。チーズやヨーグルトにはカルシウムやタンパク質が豊富に含まれています。
・時には赤ワインも一緒に。赤ワインには抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれています。適量飲むことは、リラックス、食欲も増して、食事を美味しく楽しめます。
・毎日の適度な運動をする。毎日お日様を浴びて、散歩など軽い運動をしましょう。
古くからオリーブオイルは食べるだけでなく、美容にも用いられてきました。かの古代エジプトの女王クレオパトラは、肌に塗ったり、入浴剤としてバスタブに入れたりと美肌も保つために愛用していたそうです。「オリーブオイル」を使いこなして、美味しさと健康と美を手に入れよう。