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年収1,000万円の税金はいくら?損しないための税金対策

年収1,000万円の税金はいくら?損しないための税金対策
セゾンのくらし大研究 編集部

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年収1,000万円、多くの方が憧れる金額ですが、はたして税金をいくら納める必要があるのでしょうか。この記事では、年収1,000万円の実態から、どのような税金が引かれ、どのように節税できるのかを詳しく解説します。

最後に、節税の最適な方法として不動産投資の重要性にも触れています。知識を身につけ、無駄な税金を避け、賢く節税する方法を学びましょう。

この記事を読んでわかること
  • 年収1,000万円は一般的な生活を送るうえでの余裕は確保されるでしょうが、それに伴う支出も増える傾向にある
  • 国の制度を利用した節税方法がいくつもある
  • 収益不動産に投資し、減価償却費を効率的に活用することで大きな節税効果が期待できる

年収1,000万円の実態とは?

年収1,000万円の実態とは?

「年収1,000万円」と聞くと、多くの方が高収入と捉えるかもしれません。しかし、その実態は一体どうなのでしょうか。この章では、年収1,000万円の真実に迫ります。

年収1,000万円の人の割合

国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」(2023年発表)によれば、2022年に給与を受け取っている5,078万人中、年収1,000万円以上の方は全体の5.4%に当たります。これは、約18人中1人が年収1,000万円を上回っていることを示しています。

最も多い年収の範囲は300万円超400万円以下で、これに比べて年収1,000万円以上を得ているのは一部の人々であることが伺えます。

手取りは700万円から800万円くらい

年収1,000万円の場合、手取りは約700万円~800万円となります。この額は、税金や社会保険料が天引きされたもの。例えば、30歳の独身者でボーナスなしの場合、月の手取りは約66万円です。

しかし具体的な手取りは、保険の種類や扶養家族の数によって変わります。年収1,000万円でも、税金や保険料の支出があるため、実際の生活の質を考慮することが重要です。

扶養家族の数が多いほど手取り額は増加

手取りの金額は、独身者と家族持ちとで異なります。扶養家族の数が多いと手取り額が増えるのは、所得控除が扶養親族の数で所得税や住民税が計算されるためです。

しかし、扶養親族が多いからと言って、必ずしも手取りが増えるわけではなく、所得、年収、社会保険の扶養範囲なども影響します。

年収1,000万円の生活レベル

年収1,000万円の生活レベル

年収1,000万円の実際の生活レベルは、住む地域や家族構成、生活スタイルなど、多くの要因が影響するため一概には言えません。高収入だからといって、全ての欲しいものを手に入れられるわけではないのが現実。ここでは、年収1,000万円の生活レベルについて探ります。

家賃・住宅ローン

年収1,000万円は、快適な生活を実現する十分な収入と言えます。家賃の適正な支出は年収の20~25%とされ、この基準で考えると月の家賃は約16~20万円が妥当です。都心の高級物件は選べないかもしれませんが、良質な住まいは選べます。

また、この収入を基に考えると、住宅ローンで5,000万円程度の物件の購入も考えられます。ただ、家賃やローンは固定費となるので、収入の変動にも対応できるよう無理なく選択することが大切です。

教育費

子どもの教育費は、その成長とともに増加するもので、特に収入が多い家庭では、教育にかかる費用も高まる傾向があります。子どもの教育費は、幼稚園から高校までの教育に数百万円から数千万円を投じることが一般的。

大学進学を希望する場合、さらなる費用が発生します。高収入の家庭は教育支援制度の対象外になることもあるので、計画的な資金運用が必要です。

また、年収1,000万円の家庭では、私立学校や習い事が増えることが多いため、高収入でも教育費の増加は無視できません。しっかりとした計画と節約が必要です。

娯楽費

高収入の方は、生活費や住居費の他に、趣味やレジャーにもお金を費やすことが一般的です。この収入レベルでは、高級車の購入も考慮できますが、維持費も考慮する必要があります。娯楽は生活の質を高める要因として重要ですが、全体のバランスを鑑み、効果的な使い方を心がけましょう。

年収1,000万円からどんな税金が引かれる?

年収1,000万円からどんな税金が引かれる?

年収1,000万円の方は、多額の税金や社会保険料の支払いが必要です。具体的には、どのような項目にどれほどの金額を支払っているのでしょうか。

所得税

収入には「年収」と「手取り」の2つの概念があります。年収は基本給や賞与を合計したもので、手取りは税金や保険料を差し引いた実際の受け取り額を指します。この税金の中に「所得税」という項目が含まれます。

所得税は、総支給額から各種の控除を引いた後の金額に、所定の税率を適用して計算されるもの。控除には、基礎控除や配偶者控除などがあり、その額は家族構成や収入に応じて異なります。また、所得税は累進課税制度を採用しており、所得が増加すると税率も高くなります。

具体的には、課税所得が195万円以下の場合、税率は5%。900万円を超えると33%、4,000万円を超えると45%となります。ただし、この高い税率は超えた部分のみに適用されるため、税金が急激に増加することはありません。

住民税

住民税は、毎年1月1日に登録している住所の都道府県や市町村へ支払う税金のこと。年収1,000万円の場合、所得税だけでなく住民税も大きな負担となります。この税金は、課税所得の10%が基本となり、その上で一律5,000円の均等割が追加されます。

社会保険

給与を受け取る方は、税金の他にも社会保険料を支払う必要があります。これには、健康保険料や厚生年金保険料などが含まれます。健康保険に加入・利用するためには、従業員と勤務先が共同で健康保険料を支払う必要があります。

同様に、厚生年金保険料も両者が半々で負担します。これらの保険料を合計した社会保険料は、全体の給与からおおよそ15%を占めることが一般的です。

雇用保険

雇用保険に一定期間加入すると、仕事を失った際に失業給付が受けられます。雇用保険料の率は業種により異なるものの、一般的に、労働者が支払う部分は「給与×0.3%」とされています。計算時には、通勤手当なども給与として考慮される点を忘れないようにしましょう。

年収1,000万円の人に節税はなぜ必要?

年収1,000万円の人に節税はなぜ必要?

年収1,000万円の方も、日本の累進課税制度の影響で高い税金が待ち構えています。所得が増えると税率も上がり、実際の手取りは思ったより少なくなることが珍しくありません。だからこそ節税の知識は、資産を賢く守るための重要なツールとなります。

所得税の税率が上がる

所得税は、年収からの大きな引き去りとなる項目の一つです。年収1,000万円を超えると、特に所得税の税率の高さに注意が必要です。所得税は「累進課税制度」を採用しており、所得が増えるごとに税率も増加します。

課税される所得金額税率控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円

参考:国税庁|No.2260 所得税の税率

所得が695万円を超えると23%、900万円を超えると33%に増えます。ただ、900万円を超えた部分だけが高い税率になる点を理解しておくことが大切です。

多くの年収1,000万円のサラリーマンは、所得695万円~900万円の範囲で23%の税率が適用されることが一般的。さらに、所得には「住民税」という税金もかかります。これは所得の額に関係なく、一律10%で課税される税金です。

そのため、所得税の23%と住民税の10%を合わせると、合計33%の税金がかかることになります。

保育料や児童手当の制限

高収入の家庭は、公的な支援や手当の制限が増えることが多いです。年収1,000万円の子育て家庭は、保育料や児童手当の制限が厳しくなることが一般的。

多くの自治体で、所得が上がると保育料も増え、年収1,000万円を超えると、月5万円以上の保育料がかかることも珍しくありません。児童手当の支給額は、子どもの数や家庭の所得によって変動します。

以下は、所得制限の一例です。

  • 扶養親族1人: 所得上限896万円、収入目安1,124万円
  • 扶養親族2人: 所得上限934万円、収入目安1,162万円
  • 扶養親族3人: 所得上限972万円、収入目安1,200万円

これらの所得を超えると、児童手当は受け取れません。児童手当は、中学卒業までの子どもに対して毎月1万円から1.5万円が支給されるので、この手当が受け取れないと、年間で大きな損失に。年収が1,000万円を超える家庭は、公的サポートの制限や手当の減少を考慮に入れる必要があるのです。

年収1,000万円の人がすべき節税方法

年収1,000万円の人がすべき節税方法

年収1,000万円の方は多くの経済的な利益を享受していますが、それに伴う税金の負担も大きくなりがちです。国の制度を利用した節税方法について理解しておけば、法律の範囲内で税金を最適化することが可能です。ここでは、年収1,000万円の方がすべき節税方法について紹介します。

配偶者控除・扶養控除

所得税の「配偶者控除」は、生計を共にする配偶者がいて、その所得が一定以下の場合に受けられる控除です。一方、「扶養控除」は、配偶者以外の親族を養っている場合に適用され、親族の年齢や所得が条件となります。これらの控除を利用することで、税金の負担を軽減できます。

生命保険料控除・地震保険料控除

生命保険料、介護医療保険料、および個人年金保険料の支払いにより、最大12万円の所得控除が受けられます。これは対象となる商品のみが所得から控除可能です。

また、地震保険料にも控除制度があり、所得税で5万円まで、住民税で保険料の半額(最大2万5,000円)まで控除ができます。5万円以下の保険料は所得税で全額控除可能。この制度を活用すると、税負担を軽減できます。

医療費控除・セルフメディケーション税制

医療費控除は、年間の医療費から一定額を所得から控除する制度のこと。一方、セルフメディケーション税制は、健康維持や疾病予防のための医薬品購入費から一定額を控除する制度です。ただし、両方の控除を同時には受けられません。

住宅ローン控除

住宅ローン控除は、マイホーム購入のためのローンを組んだ方向けの税金軽減制度です。年末のローン残高の0.7%を10年間、所得税や住民税から控除でき、最大で455万円までの控除が可能です。初年度は確定申告が必要で、2年目以降は年末調整で手続きができます。

特別支出控除

特別支出控除は所得税の制度で、給与所得者が特定の支出をした際、その支出が一定の基準額を超えた部分を所得から差し引くことができます。この控除の対象となる特定支出には、通勤費や転居費、研修費、資格取得費、帰宅旅費などが含まれます。この制度を利用するには、確定申告が必要です。

ふるさと納税

ふるさと納税は、任意の自治体に寄付をする制度で、寄付金の2,000円を超える部分が所得税や住民税から控除されます。寄付先の自治体は自由に選べ、多くの自治体が返礼品を提供しています。

特に、給与所得者で寄付先が5自治体以下の場合、ワンストップ特例制度を利用して確定申告なしで控除を受けることが可能です。この制度を利用すると、住民税の控除は翌年の6月以降に適用されます。

iDeCo

iDeCoは国の私的個人年金制度で、自分で金額を拠出して運用し、60歳から資産を受け取れます。掛金は所得控除対象、運用益は非課税という税制優遇があります。さらに、受け取り時にも一定の控除が受けられます。しかし、60歳まで原則引き出しはできません。

NISA・つみたてNISA

NISAは投資の非課税制度で、一般NISA、つみたてNISAが存在します。一般NISAは年間120万円までの投資が5年間非課税、つみたてNISAは年間40万円までの投資が20年間非課税となります。

2024年からは新しいNISAが導入され、非課税枠が大幅に拡大されました。この制度を利用すると、運用益が非課税となるため、節税効果が期待できます。

【個人事業主】青色事業専従者給与と専従者控除

青色申告を選択し、事業に関与する配偶者や親族に給与を支払っている場合、特定の条件下で「青色事業専従者給与の特例」という制度を利用できます。この制度を活用すると、配偶者に対しては最大86万円、それ以外の親族には最大50万円の給与を必要経費として控除できるのです。

【個人事業主】国民年金基金

国民年金基金は、自営業者や国民年金の第1号被保険者向けの公的年金制度で、国民年金に加えて加入することで老後の所得保障を強化することが目的の制度です。この制度は、国民年金法に基づき、多様なニーズに対応してより充実した老後生活をサポートするためのものです。

【個人事業主】小規模企業共済

小規模企業共済は、個人事業主や小規模事業者のための退職金制度です。自分で月1,000円から7万円までの掛金を積み立て、全額を所得控除できます。廃業や退職時には、基本的に元本以上の金額が受け取れます。ただし、20年未満での任意解約は元本割れのリスクがあるので、慎重な判断が必要です。

年収1,000万円の人がすべき節税方法

年収1,000万円の人がすべき節税方法

年収1,000万円の方にとって、節税のひとつの答えが「不動産投資」にあります。しかし、リスクも伴うため、専門家のアドバイスが欠かせません。この章で、不動産投資を活用した節税のポイントを解説します。

不動産投資で節税効果が望める

収益不動産を活用すると、税金対策が実現できます。主な理由は「減価償却費」を使い、実際の支出はなくても経費として計上できるからです。

例えば、土地8,000万円、建物2,000万円の新築マンションを購入し、減価償却期間が4年の場合は、年に500万円を4年間経費計上できます。この方法は、実際の現金出費なしに所得を減少させ、税金を節約する効果があります。

課税所得が900万円を超えてから

課税所得が900万円以上の方にとって、不動産投資は節税の大きなチャンスとなります。不動産投資を行うことで、不動産からの利益がマイナスとなった場合、その赤字を給与所得との損益通算に活用することが可能です。

さらに、不動産投資の魅力として、物件の減価償却を経費として計上できる点が挙げられます。これにより、年間の所得が減少し、結果として節税効果が生まれます。具体的には、減価償却額に対する所得税や住民税の節税が実現されるのです。

所得税の税率は、課税所得が増加するにつれて上昇します。例として、給与所得が500万円の場合は税率20%、900万円を超えると税率は33%になり、さらに住民税10%が加算されます。このため、高所得者ほど、減価償却による節税の恩恵を受けることができます。

総じて、給与所得が900万円以上の方は、不動産投資による節税のメリットを十分に享受できると考えられます。

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おわりに 

年収1,000万円の方の手取りは700万円から800万円で、扶養家族の数で変わります。主な支出は家賃や教育費、そして税金が大きな負担となります。節税の必要性は所得税率の上昇にあります。課税所得が900万円超の場合、不動産投資が節税の手段として効果的です。その際は専門家の意見を求めましょう。

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