家を手に入れる方法はさまざまですが「あえて築古物件を買い自分好みにリフォームする」という人は一定数います。そのためには資金が必要ですが、自分ですぐに用意できない場合はローンを組まなくてはいけません。リフォーム資金を借りるためのローンはリフォームローンと言いますが、実は方法次第では永住権がない外国人でも組むことができます。この記事では具体的な対処法や必要書類について解説します。
(本記事は2024年7月29日時点の情報です)
- リフォームローンとは、リフォーム資金の調達を目的にしたローンである
- 永住権がない外国人でもリフォームローンを組むことはできるが、日本の金融機関を使う場合配偶者に申し込んでもらったり、頭金を増やしたりなどの工夫が必要
- 母国の金融機関の日本支店でリフォームローンの扱いがあればご相談すると良い
- 永住権がない外国人でも利用できるリフォームローンを扱う金融機関も候補に入れることも検討
リフォームローンの基礎知識
最初に、リフォームローンについて基礎知識を解説します。リフォームローンとは名前のとおり、リフォームをするために資金を融資してもらうことを前提にしたローンのことです。すでに住んでいる家のリフォームをする場合だけでなく、これから築古物件を購入してリフォームをして住みたい場合でも利用できます。
住宅ローンとの相違点
リフォームローンと住宅ローンの違いも理解しておきましょう。住宅ローンは住宅を購入する際に組めるローンです。ただし、実際は住宅ローンでも資金使途にリフォームが対応していることもあります。住宅ローンとは違い、無担保で利用できるとしている金融機関も多くなっています。
また、大きな差として「リフォームローンのほうが金利は高く、借入年数が短い」ことが挙げられます。返済の負担が大きくなりがちであるため、契約時に綿密に計画を立てることが重要です。
ただし、リフォームローンは住宅ローンと比べ、少額からでも借りられるというメリットがあるので、必要な金額が少ない場合はリフォームローンを組むと良いでしょう。なお、具体的な借入条件は個々の金融機関によって差があるため、事前に確認していただくのをおすすめいたします。
リフォームローンの種類
リフォームローンは、主に「無担保型」と「有担保型」の2種類に分類されます。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
無担保型リフォームローン
- 特徴:担保や保証人が不要
- 借入可能金額:通常10万円~1,500万円程度
- 金利:年1%~5%台(有担保型より高め)
- 借入期間:最長10~20年程度
- メリット:手続きが比較的簡単で審査が早い
- デメリット:金利が高く、借入可能額が限られる
有担保型リフォームローン
- 特徴:不動産(自宅や土地)を担保として設定
- 借入可能金額:1,000万円~5,000万円程度(物件評価額による)
- 金利:年0.5%~3%台(無担保型より低め)
- 借入期間:最長35年程度
- メリット:低金利で大型のリフォームにも対応可能
- デメリット:審査に時間がかかり、担保物件を失うリスクがある
無担保型は比較的少額の借入や急ぎのリフォームに適しており、有担保型は大規模なリフォームや長期的な返済計画に向いています。自身の状況や計画しているリフォームの規模に応じて、適切なタイプを選択することが重要です。
なお、金融機関によっては、これらの中間的な商品や、特殊な条件のローンを提供している場合もあるので、複数の選択肢を比較検討することをおすすめします。
永住権のない外国人はリフォームローンを組みにくい
実際のところ、永住権がない外国人がリフォームローンを組むハードルは高くなっています。契約に当たって永住権の所有を条件にしている金融機関が多いためです。
永住権のない外国人がリフォームローンを組むための対処法
永住権のない外国人がリフォームローンを組むためには、方法を考えなくてはいけません。ここでは考えられる方法として以下の4つを解説します。
- 日本支店がある母国の金融機関でリフォームローンを組む
- 配偶者(日本人)に申し込んでもらう
- 頭金の金額を増やす
- 永住権を条件にしていない金融機関を利用する
日本支店がある母国の金融機関でリフォームローンを組む
1つ目の方法が「日本支店がある母国の金融機関でリフォームローンを組む」ことです。
日本支店がある金融機関なら、永住権がなくてもリフォームローンを組める場合があります。帰国し、母国に生活の拠点を移した場合でも返済を継続できるため、日本の金融機関でリフォームローンを申し込む場合に比べ審査通過可能性が高いのがメリットです。
ただし、母国の金利が急騰した場合、返済額も大幅に増えることになるので、変動リスクに注意する必要があります。
配偶者(日本人)に申し込んでもらう
2つ目が「配偶者(日本人)に申し込んでもらう」ことです。
リフォームローンを組む際、日本人の配偶者がいる場合は、その協力を得ることで申し込みの可能性が広がります。主に以下の2つの方法が考えられます。
1.配偶者(日本人)に申し込んでもらう
この方法では、日本人の配偶者を主たる借入人としてリフォームローンを申し込みます。この場合、以下の点に注意が必要です。
– 配偶者が金融機関の条件を満たしている必要があります(例:安定した収入がある、健康状態に問題がないなど)。
– ローンの返済責任は主に配偶者にあるため、夫婦間で十分な話し合いが必要です。
– 物件の名義や、ローン返済が滞った場合の対応などについても事前に合意しておくことが重要です。
2.日本人の配偶者を連帯保証人にする
外国人本人がローンの主借入人となり、日本人の配偶者を連帯保証人とする方法も考えられます。この場合の特徴は以下の通りです。
– ローン名義は外国人本人となるため、自身の信用力を築くことができます。
– ただし、日本人の配偶者を主借入人にする場合に比べて金利が高くなる可能性があります。
– 連帯保証人である配偶者も返済の責任を負うことになるため、この点についても十分な理解と合意が必要です。
いずれの方法を選択する場合も、夫婦間で十分なコミュニケーションを取り、互いの権利と責任について明確に理解しておくことが重要です。
金融機関によって提供される条件や選択肢が異なる場合もあるため、複数の金融機関に相談し、自分たちの状況に最も適した方法を選ぶことが賢明です。必要に応じて、弁護士や金融アドバイザーなどの専門家にも相談することをおすすめします。
頭金の金額を増やす
3つ目の方法は「頭金の金額を増やす」ことです。
頭金を多く用意しておくと、自己資金が充分にある(=返済能力の有無)と判断され永住権のない外国人でも審査に通るケースがあります。この方法にはそれ以外にも、返済期間や返済総額を減らせるメリットがあるので前向きに検討する価値はあるでしょう。ただし、人によっては頭金の用意に時間がかかり、現実的ではないこともあるので注意が必要です。
永住権を条件にしていない金融機関を利用する
4つ目の方法は「永住権を条件にしていない金融機関を利用する」ことです。永住権のない外国人でも利用できるローンを展開している金融機関もあるので、一度相談してみましょう。
セゾンファンデックスでも、永住権のない外国人の方でもご利用いただけるリフォームローンをご用意しております。仮審査結果を最短即日で回答など、スピーディな審査を行っているので、お急ぎの場合でもまずはご相談ください。
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リフォームローンの審査項目や必要書類をチェック
リフォームローンは他のローンと同様、審査に通過しないと契約できません。事前に審査項目としてチェックされる内容や必要書類について理解し、抜け・もれのないよう準備しましょう。
【共通】リフォームローンで審査される内容
リフォームローンで審査される項目は以下のとおりです。これらの項目を複数組み合わせて審査を行い、一定水準以上の支払能力を有しているか判断する流れです。
- 年齢
- 健康状態
- 年収
- 勤務先
- 雇用形態
- 勤続年数
- 返済負担率
- 他社借入件数
- 借入総額
【外国人】永住権以外でよくある条件
外国人の場合、永住権の有無以外にも以下の条件がチェックされるので、証明できる書類があれば事前に用意しておくと良いでしょう。例えば、日本語能力試験に合格しているなら、合格証書を出せるようにしておくと「ある程度の日本語能力はある」という証明になります。
- 日本在住期間
- 勤務年数
- 日本語による意思疎通が可能か
- 保証会社による保証の有無
【共通】リフォームローンの申し込みに必要な書類
リフォームローンの申し込みにあたって必要になる書類の例を紹介します。ただし、実際に揃えるべき書類は金融機関によって差があるため事前に確認したうえで用意しましょう。
- 本人確認書類(運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど)
- 年収を確認できる書類(源泉徴収票・確定申告書など)
- リフォーム費用の見積書
- 工事負債契約書
- 重要事項説明書
【外国人】在留カードまたは特別永住者証明書が必要
前述したように、日本人の場合は本人確認書類として運転免許証やパスポート、マイナンバーカードを使います。しかし、外国人の場合在留カードまたは特別永住者証明書が求められるので用意しましょう。これにより有効な在留資格を有しているかも確認するためです。
築古物件購入からリフォームローン利用までのステップ
築古物件を購入してリフォームを行う際の一般的な流れは以下のとおりです。外国人の方々に特に注意していただきたい点も含めて、各ステップを詳しく解説します。
1. 物件を探す
– 不動産業者を選ぶ際は、外国語対応可能な業者を選ぶと良いでしょう。
– 物件の耐震性や築年数、周辺環境などを十分に確認してください。
– 注意点:日本の不動産取引では、重要事項説明書の内容を理解することが重要です。必要に応じて通訳を依頼しましょう。
2. リフォームを依頼する
– 複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
– リフォーム内容や予算、工期などを明確に伝えましょう。
– 注意点:契約書は必ず日本語版と母国語版の両方を用意してもらい、内容を十分に理解してから署名してください。
3. リフォームローンを申し込む
– 永住権の有無によって選択肢が変わるため、事前に複数の金融機関に相談することをおすすめします。
– 必要書類(在留カード、収入証明書など)を準備しましょう。
– 注意点:審査には時間がかかる場合があるため、余裕を持ってスケジュールを立てましょう。
4. 物件購入の申し込みをする
– 購入申込書に必要事項を記入します。
– 手付金の支払いが必要な場合があります。
– 注意点:契約条件(特約事項など)を十分に理解してから申し込みましょう。不明点は必ず確認してください。
5. 物件の契約・決済を済ませる
– 売買契約書の内容を確認し、署名・捺印します。
– 残金の支払いと引き換えに、所有権が移転します。
– 注意点:日本の不動産取引では印鑑が重要です。印鑑証明書の準備も忘れずに。また、不動産取得税や登録免許税などの諸費用も考慮に入れましょう。
6. リフォーム工事に入る
– 工事開始前に近隣への挨拶や工事内容の説明を行います。
– 工事中は定期的に進捗状況を確認しましょう。
– 注意点:工事中の騒音や振動に関する日本の規制を理解し、遵守することが重要です。
7. 完了検査と引き渡し
– 工事完了後、予定通りの仕上がりになっているか確認します。
– 必要に応じて修正を依頼し、満足のいく状態になってから引き渡しを受けます。
– 注意点:瑕疵担保責任や保証内容について十分に理解しておきましょう。
各ステップにおいて、言語の壁や文化の違いから生じる誤解を避けるため、不明点はその都度確認することが重要です。また、法的な手続きや契約に関しては、必要に応じて弁護士や行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。
特に重要な点について、ここではさらに踏み込んで解説します。
リフォームローン手続きの具体的な流れ
リフォームローンの申し込みから融資までの基本的な流れは以下のとおりです。ただし、契約をオンライン・対面・郵送のどの方法で行うかなど、細かい部分は金融機関によって差があるので都度確認しましょう。
- 仮審査を申し込む
- 仮審査の結果が通知される
- 正式審査を申し込む
- 正式審査の結果が通知される
- 契約手続きに進む
- 融資が実行される
- 所定の期日、金額で返済を続ける
【番外編】永住許可の取得方法
外国人が日本の金融機関でリフォームローンや住宅ローンを契約したい場合、日本の永住権を持つことが条件となるケースは非常に多くなっています。ここでは、最新の情報に基づいて永住許可の取得方法について説明します。
出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和5年12月1日改訂)」によれば、永住許可を得るためには次の3つの条件を満たさなくてはいけません。
- 素行が善良であること
- 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
- その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
これらの基本条件に加えて、以下の点も考慮されます:
- 日本での在留期間:原則として10年以上の在留期間が必要(ただし、高度人材や日本人の配偶者などは短縮される場合があります)
- 納税状況:所得税・住民税等の納付状況
- 社会保険加入状況:健康保険・年金等への加入と保険料の納付状況
- 日本語能力:日常生活に支障のない程度の日本語能力(N4レベル以上が目安)
一方、次の条件のいずれかに当てはまる場合は、申請をしても審査に通らない可能性があるので注意してください。
- 世帯収入が低い
- 税金・社会保険料の滞納歴がある
- 犯罪歴や重大な交通違反歴がある
- 海外出張が頻繁にある、駐在期間が長い
- 扶養人数が多い
なお、外国人が日本の永住許可を得るためには、在留資格を「永住者」に変更するための手続き(永住許可申請)をしなくてはいけません。また、審査期間は個々の事例により差がありますが、4ヵ月~1年程度かかります。
実際に永住権の取得を目指す場合は、申請手続きは複雑なため、永住ビザの申請に強い弁護士や行政書士などの専門家に相談しましょう。
申請から許可までの流れ
- 必要書類の準備(在留カード、パスポート、納税証明書、在職証明書など)
- 最寄りの出入国在留管理局に申請書類を提出
- 審査(通常4ヶ月~1年程度)
- 結果通知
最新の詳細情報や個別のケースについては、出入国在留管理庁の公式ウェブサイトを確認するか、直接お問い合わせください。
(注:この情報は2024年7月29日時点のものです。法律や規則の変更に応じて、最新の情報をご確認することをおすすめします)
おわりに
外国人であっても、適切な方法を選択すれば日本でリフォームローンを組むことは可能です。ただし、永住権を持つことを条件とする金融機関が多いため、永住権がない場合は選択肢が限られることがあります。そのような状況下で、セゾンファンデックスのリフォームローンは外国人にとって特に魅力的な選択肢となり得ます。
- 永住権不要: セゾンファンデックスは、永住権を持たない外国人でもリフォームローンの利用を可能にしています。これは多くの日本の金融機関では珍しい特徴です。
- スピーディーな審査: 最短即日で仮審査結果を回答するなど、迅速な審査プロセスを提供しています。これは、時間的制約のある外国人にとって大きなメリットとなります。
- 柔軟な条件: 他の金融機関では審査が通りにくい場合でも、借入の機会が広がる可能性があります。
どのローン商品を選択する場合も、契約内容をよく理解し、自身の経済状況と将来計画を十分に考慮することが重要です。セゾンファンデックスのリフォームローンが自身のニーズに合っているか、詳細な条件や金利などを確認し、必要に応じて他の選択肢と比較検討することをおすすめします。
また金融商品の条件や法規制は変更される可能性があるため、必ず最新の情報をご確認ください。