「大掃除をしなきゃ」と思いながらも年末は忙しく、後回しにしてしまうことも多いのではないでしょうか。計画を立てずにあわてて掃除しようとすると、目についたところから始めがちです。そうすると、あちこち手をつけてしまったり、後からやり残しが見つかったりすることも少なくありません。このコラムでは、掃除の効率が格段にアップする手順やコツをご紹介します。毎年大掃除の順番に悩んでしまう方はぜひ参考にしてください。
- 使用していないものは潔く処分することが大切
- 高いところから低いところ、奥から手前の順番で掃除するのがポイント
- 洗剤をなじませる「放置系掃除」を取り入れて掃除すると時短になる
- 汚れがひどい場所、普段は掃除できない場所はプロに任せるのもおすすめ
大掃除はどこから始める?順番の決め方
大掃除をするのに決まった順番はありませんが、効率良く行うためには工夫が必要です。ここでは、掃除の順番を決める秘訣や手順をご紹介します。
原則、汚れがひどい場所から行う
基本的に、掃除は汚れがひどい場所から行うのがおすすめです。汚れが目立つ場所は掃除しても簡単にきれいにならないため、洗剤などを浸け置きする待ち時間が発生します。汚れがひどい場所から開始すれば、浸け置きをしている間に他の場所を掃除できるため、効率良く掃除ができるでしょう。
汚れやすい場所は家庭によって異なりますが、使用頻度が高い場所や水回りであるケースがほとんどです。キッチンやお風呂、トイレ、洗面所、リビング、玄関、寝室など掃除する場所を一覧にし、汚れがひどい場所から優先順位をつけて作業に取りかかってください。
大掃除の基本的な手順
初めに床や棚の上にあるものを整理整頓します。不要なものはこの機会に処分しましょう。処分するときは、「壊れている」「今すぐ使う予定がない」など基準を設けると分別しやすくなります。
床や棚の上を片づけたら、天井や照明器具、カーテンレールなどのホコリを落とします。上から下に順番にホコリを落としていき、床に落ちたホコリを掃除機で吸い取り、可能であれば拭き掃除まで行ってください。床の掃除は奥から手前に向かって行うと、一度掃除した場所を踏まずに進められ、やり残しも防げます。
大掃除を効率良く行うために欠かせない事前準備
掃除を始めるときは、事前に以下のような準備を整えておくと効率がアップします。
掃除道具はあらかじめ揃えておく
まずは、掃除道具を一式揃えておきましょう。掃除中に必要な道具や洗剤が足りなくなると、掃除を中断することになり効率が悪くなります。
場所ごとに専用の洗剤を用意するのは大変なため、さまざまな汚れに対応できる洗剤を準備するのがおすすめです。
あると便利な道具や洗剤は、以下のとおりです。
【あると便利な道具】
- スプレーボトル
- 雑巾
- ゴム手袋・軍手
- キッチンペーパー
- 食品用ラップフィルム
- スポンジ(メラミンスポンジ)
- 使い古しの歯ブラシ
- バケツ
- ハンディワイパー
【あると便利な洗剤】
- アルカリ性洗剤(重曹やセスキ炭酸ソーダなど)
- 酸性洗剤(クエン酸など)
- 酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)
- 塩素系漂白剤
- 中性洗剤
- 水酸化ナトリウムや次亜塩素酸ナトリウム入りの洗剤
汚れはそれぞれ酸性やアルカリ性の性質を持つため、その性質に合わせて洗剤を選ぶと効果的に汚れが落とせます。さまざまな性質の洗剤を準備しておくと良いでしょう。
チェックリストを作成する
次にチェックリストを作成します。やることをリスト化してから掃除を開始すると、やり残しを防げて効率良く掃除を進めることが可能です。場所ごとに掃除内容や目安時間、必要な道具までメモしておくと、事前に準備しやすくなるでしょう。
例)キッチン掃除のチェックリスト
掃除場所 | 掃除内容 | 所要時間(目安) | 担当 | 必要な道具 |
---|---|---|---|---|
換気扇 | 部品の浸け置き 本体の油汚れを拭き取る | 60分 | 父 | 雑巾・スポンジ 酸素系漂白剤 アルカリ性洗剤(重曹など) |
ガスコンロ | コンロやグリル網の浸け置き コンロ周辺の油汚れの拭き取り | 30分 | 父 | 雑巾 酸素系漂白剤 アルカリ性洗剤(重曹など) |
シンク | 汚れの拭き取り 排水口の掃除 | 30分 | 長女 | スポンジ アルカリ性洗剤(重曹など) |
食器棚 | 中身の整理・処分 汚れの拭き取り | 20分 | 母 | 雑巾 中性洗剤 |
冷蔵庫 | 中身の整理・処分 内部の汚れの拭き取り | 60分 | 母 | 雑巾 酸素系漂白剤 |
電子レンジ | 内部の汚れの拭き取り | 25分 | 母 | 雑巾 アルカリ性洗剤(重曹など) |
人によって得意・不得意があるため、事前に掃除したい場所を相談し、分担しておきましょう。
スケジュールを立てておく
スケジュールは、ゴミの回収日や家族の予定を考慮して立てます。一日のスケジュールを立てる際に意識したいポイントは、「放置系」掃除を行う場所を確認しておくことです。
落とすのに時間がかかる汚れは、洗剤をかけて放置しておくと効率的に汚れを落とせますが、夕方から放置系掃除を始めてしまうと、その日のうちに掃除が終わらない可能性があります。どこに洗剤をなじませておくか事前に把握し、スケジュールを立てましょう。
また予定時間を設定する場合は、時間内に掃除が終わらないとモチベーションが下がってしまう可能性があるため、やや長めに見積もっておくのがおすすめです。
年末の大掃除のコツは段取り良く進めること
年末の大掃除を短時間で終わらせるために、あらかじめ掃除する場所の順番を決めておきましょう。大まかな流れは以下のとおりです。
【おすすめの掃除の流れ】
- 掃除する部屋のホコリを落とす
- 掃除機をかける
- 放置系掃除をする場所に洗剤をなじませておく
- 窓や網戸の掃除をする
- キッチンの掃除をする
- お風呂の掃除をする
- トイレの掃除をする
- 棚や床などの拭き掃除をする
- 玄関の掃除をする
流れに沿って、具体的なコツをご紹介します。
【コツ1】各部屋のホコリを落としてから掃除機をかける
初めに各部屋の天井や照明、カーテンレール、壁、窓枠など上の方からホコリを落とします。また奥の部屋から玄関に向かって掃除していくと、ホコリを効率良く掃き出すことが可能です。
ホコリを落としたら、掃除機で吸い取りましょう。なお掃除機をかけるときには、ホコリが舞わないように窓を閉めて行うのがポイントです。
【コツ2】あらかじめ洗剤をなじませて放置する
続いて、放置系掃除を行う場所に洗剤をなじませます。
【放置系掃除を行う場所とおすすめの洗剤】
場所や汚れの種類 | おすすめの洗剤 | |
---|---|---|
キッチン | 油汚れ(換気扇・コンロ) | アルカリ性洗剤(重曹など) |
五徳や鍋の焦げ付き | 酸素系漂白剤 | |
トイレ | 便器 | 塩素系漂白剤 酸性洗剤(クエン酸) |
浴室 | 浴室全体 | 酸性洗剤(クエン酸など) カビが強い場合は塩素系漂白剤 |
イスや手桶 | 酸素系漂白剤 |
強い油汚れやひどい焦げつきには、重曹やセスキ炭酸ソーダよりもさらに効果的に掃除できる酸素系漂白剤の使用がおすすめです。
酸素系漂白剤は、アルカリ性洗剤の中でも特に強いアルカリ性を持つものです。浴室内に置いているイスや手桶、おもちゃなどの小物類に付着したヌルヌル汚れも、酸素系漂白剤を溶かした残り湯に浸けておくときれいになります。
浴室のカビやトイレの便器の汚れは、塩素系漂白剤を使用するのが手っ取り早い方法です。トイレ掃除で環境に良いものを使用したい場合には、クエン酸を用いるのも良いでしょう。
【コツ3】窓や網戸の掃除
キッチンの換気扇やコンロ、トイレ、浴室などに洗剤をなじませている間に、窓や網戸の掃除を行いましょう。窓ガラス専用のガラスクリーナーは、二度拭きの手間が省けるメリットがあります。網戸は網戸用のワイパーか、ない場合はフローリング用のワイパーを代用して拭き掃除をしてください。
【コツ4】キッチン掃除
洗剤をなじませて放置していたキッチンの換気扇やコンロは、ブラシやスポンジなどを使用して汚れを落とし、水で洗い流しましょう。次に冷蔵庫やシンク、電子レンジなどの掃除をします。排水口などのヌメリ系の汚れは、重曹やクエン酸を使って掃除するのがおすすめです。仕上げに抗菌効果のある除菌スプレーを吹きかけておくと、清潔な環境をキープできます。
【コツ5】お風呂掃除
浴室のカビ取りスプレーをした場所は、水で洗い流すだけできれいになります。排水口などの皮脂汚れには、重曹やクエン酸を使用して掃除してください。
また、次亜塩素酸ナトリウムや水酸化ナトリウム入りの洗剤(パイプクリーナー)は、排水口に絡みついた髪の毛まで溶かしてきれいにしてくれます。
ただし、次亜塩素酸ナトリウムや水酸化ナトリウムには皮膚を溶かす作用があるため、使用する際は必ず手袋を着用しましょう。他の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生する危険性があるため、単体で使用する必要があります。
【コツ6】トイレ掃除
ペーパーホルダーカバーやマットを使用している場合は洗濯してください。便器周りやタンクなどの表面、壁や床は中性洗剤などを使用して拭き掃除をします。
便器内には尿石や黄ばみが付着しやすいですが、塩素系漂白剤をなじませておくことで汚れが落ちやすくなっています。トイレブラシなどでこすれば、簡単にきれいになるでしょう。
シャワーノズルの裏側などは、メラミンスポンジなどを使用して汚れを拭き取ります。洗剤が残っていると便器の劣化につながるため、しっかりと洗い流しましょう。
【コツ7】リビングの床の拭き掃除
リビングなどの床汚れは、足や身体からの皮脂汚れや、料理の油汚れ、湿気によるカビなどが原因です。皮脂汚れや油汚れのうち、付着したばかりの汚れであれば床用洗剤で落とせますが、長期間に渡り蓄積された汚れはなかなか落とせません。その場合は、油汚れに強い洗剤を使用して拭き掃除しましょう。
ただし、アルカリ性洗剤で掃除するとワックスがはがれてしまう可能性があるので、中性洗剤をおすすめします。カビはフローリングによって使えるカビ取り剤が限られているため、専門家に相談したほうが安心です。
また、ワックスの劣化に伴う黒ずみが見られることもあります。黒ずみは、一度ワックスをはがしてかけなおすのがポイントです。狭い範囲ならご自身でワックスはがしと水性ワックスを購入して対処できますが、広範囲の場合は専門家に依頼するのが良いでしょう。
【コツ8】玄関掃除
家の顔ともいわれる玄関は、しっかり掃除すると新年を気持ち良く迎えられます。玄関掃除を始める際は、最初に靴をすべて出し、使っていないものは処分しましょう。長期間使用していない靴にはカビが生えている場合もあり、嫌なニオイの原因になっている可能性があります。
カビや汚れがついた靴は、乾いた布やエタノールなどを使用して手入れしてください。次に、掃除機やほうきでゴミを吸い取り、土間はブラシや洗剤、水などで掃除します。土間を掃除するときは、素材に合わせて洗剤を選びましょう。
下駄箱は、エタノールを含ませた雑巾で拭き掃除するとニオイの対処もできます。水分が残ると湿気がこもり、カビの原因になってしまうため、乾いた雑巾で二度拭きしてください。
【年末の大掃除】時短のための心構え
最後に、年末の大掃除を短時間で終わらせるための心構えをご紹介します。
短時間で終わらせるには完璧を求め過ぎない
掃除を短時間で終わらせるためには、細かい場所はスキップしたり、汚れがひどい場所だけ掃除したりするなど、完璧を求め過ぎずに行いましょう。
キッチンや浴室の換気扇、エアコンなど分解が必要なものは、奥まで掃除が届かず気になる方もいるかもしれませんが、無理に分解しようとすると故障の原因になりかねません。無理に分解せず、どうしてもきれいにしたい場合はプロにお任せしましょう。
1年以上使用していないものは潔く処分
大掃除を効率良く進めるには、ものを減らして家の中をすっきりさせることもポイントです。1年以上使用していないものは潔く処分しましょう。
また、不要なものを家の中にいつまでも残さないために、ゴミの回収日をチェックすることも大切です。特に粗大ゴミはゴミの出し方や日が決められているため、あらかじめ確認しておいてください。
プロのハウスクリーニングにお任せした方が最終的なコスパは良い?
なかなか大掃除をする時間が作れない方や、汚れがひどく自分では掃除しきれないケースもあるかもしれません。そんな場合は、プロにお願いしてみるのはいかがでしょうか。
プロのハウスクリーニングでは、普段は掃除できないところを掃除してもらえたり、一度汚れを取り切りたい場所を本格的に掃除してくれたりします。費用はかかりますが、時間的にも体力的にも余裕が生まれるのがメリットです。
ハウスクリーニングの費用相場は、以下のとおりです。
【ハウスクリーニングの費用相場】
場所 | 費用相場 |
---|---|
浴室 | 11,000~16,000円 |
トイレ | 7,000~10,000円 |
キッチン | 10,000~16,000円 |
換気扇 | 8,000~15,000円 |
エアコン | 8,000~10,000円 |
浴室、換気扇、トイレ、キッチン、洗面所の5ヵ所セット | 28,000~48,000円 |
参照元:くらしのマーケットマガジン【2023年】年末大掃除の基本|効率の良い順番やコツを徹底解説!
一度にたくさんの場所をお願いしようとすると、若干費用が高くなります。ハウスクリーニングの費用を工面するのが難しい場合は、カードローンの利用もおすすめです。
80歳まで申し込みできるセゾンファンデックスの「かんたん安心カードローン」は、急な出費に備えられるサービスです。融資額は5,000,000円までと幅広く、お近くのATMで使いたいときにいつでも現金を引き出せます(※システムメンテナンスやATM設置場所により利用できない時間があります)。
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おわりに
時間を作るのが難しい年末の大掃除は、短時間で済ませたいところです。効率良く大掃除するには手順を立てて取り掛かる必要があります。不要なものをあらかじめ処分したりものを整理したりしてから大掃除を始めましょう。洗剤をなじませておく放置系掃除を取り入れながら順序だてて行うと、より時短になります。大掃除の順番を頭に入れてサッと済ませ、新年をすっきりとした気持ちで迎えてください。