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自分を生きるために「自分を活かす」

自分を生きるために「自分を活かす」
斉藤 恵一 セルフマネジメントプロデューサー

執筆者

セルフマネジメントプロデューサー/日本心理学協会 認定心理士

斉藤恵一

大学時代に歌舞伎町のホストの世界に飛び込むも半年間売り上げゼロ。そこから心理学を学びセルフブランディングに取り組み、約6年間売上げNO.1となる。現在は企業向けのコンサルティングやメンタリング、人材育成に取り組む一方、「ナカイの窓」や「ダウンタウンDX」等テレビ出演及び書籍やコラムの執筆等で活動中。

人にはそれぞれの才能があります。この事実を何の抵抗もなく受け入れられる方と、そうでない方に分かれるかもしれません。「これといってなんの取り柄もない自分の中にも本当に才能なんてあるのだろうか?」と思われる方も多いのかもしれません。しかし、ここで断言したいことは、人は誰もが何かしらの才能を持っていて、そこに気付ける方とまだ気付いていない方がいるだけだということです。 

まだ見つけられていない方というのは、「自分の中に才能などはない」という大前提があったり、または「才能=一番」でなければならないという誤解が原因であることが多いです。 

例えば、学生の頃であれば国語が得意な方もいれば、体育が得意な方もいたと思います。音楽が得意な方もいれば、絵を描くことが得意な方もいました。もしかしたら一番ではないかもしれませんが、「好きなこと」や「得意なこと」はあったのではないでしょうか? 

要はその「好き」や「得意」を、誰に、どこで、いつ、どのように、貢献していくのかという「活かし方」が価値となっていくわけです。自分の中にある才能に気付き、活かしてみると、これからの人生の質が大きく変わり始めます。今からでも遅くありません。自分を活かしてみませんか? 

自分の中にある才能とは何なのか? 

自分の中にある才能とは何なのか?

自分は何が得意なのか?何が好きなのか?どんなことに向いているのだろうか?自分らしさって何なのだろうか?  

誰もが一度は考えることだと思いますが、皆さんの中にはそれが見つからずに、もう諦めてしまった方もいるのかもしれません。長い間「自分は何者なのか?何ができるのか?自分らしさとはなんなのか?」と自問自答してきたけれども、その答えが見つからぬまま、今に至っている方もいらっしゃると思いますが、それは決して珍しいことではありません。 

「本当の自分」は、実はちゃんと自分の才能のことをわかっています。小さい頃、遊んでいた時は何をしている時が楽しかったのか?どんな事にワクワクして時間を忘れるほど没頭していたのか? 

素直な気持ちで自分と向き合うことで、実は自分の中にある天才性を見つけることができます。ただ、いつの間にか、いろいろな常識や思い込みを刷り込まれ、ワクワクする気持ちに素直になれなかったり、忘れてしまっただけなのです。 
 
「好きだけど…」「得意だけど…」「決して特別ではないし…」「一番でもないし…」「もっとすごい人はたくさんいるし…」と考えてしまい、才能を無かったことにしてしまっているだけなのです。 

「こんな事に価値などあるのだろうか?」「それはお金にならない」「必要としてくれる人がいるのか」などいろいろと制限をつけて考えるから、自分の感情に素直になれなくなっていくのです。 

どうすれば自分の中の才能を発揮することができるのでしょうか?

まず、あなたは何かの天才になろうとする必要はありません。なぜならあなたは既に天才だからです。ただ、あなたは自分の中の才能にまだ気付いていないだけ、もしくはその活かし方を知らないだけなのです。 

残念ながら多くの方は自らに制限をかけるような嘘(思い込み)を信じてしまう傾向があります。「自分にはこれだけしかできない」「そんなことはできない」「自分にはそんな才能はない」ということを信じています。現実はあなたが信じたとおりとなっていくため、「ない」と思えば「なく」なり、「ある」と思えば「ある」。これが真実です。 

人は生まれてから今日までの間に経験してきたことによってでき上がった「思い込み」という「色眼鏡」をかけて生きています。「自分には才能はない」という思い込みのある方は「私はダメな人間」「私には才能がない」ということを前提に生きていくため、自分の中にある才能に気付くことができないのです。 

人間は誰もが完璧ではありません。 

おでん

既に大成功を収めている才能あふれる天才でも、得意なこともあれば、苦手なこともあるものです。 

そもそも人間は誰もが完璧ではありません。得意なものと不得意のものがあるから人間なのに、完璧を求めてしまい、今の自分に足りないところが目につき、そんな自分を責めて、その結果、自信を失っていくという「負」のスパイラルにハマってしまう方があまりにも多いと感じます。 

大切なことは「自分の中に天才性がある」ということをまずは信じることです。「ある」と信じることで、まだ見つかっていない「才能」を見つけ出すことができるわけです。そのためには自分の原点を見つめて、自分は何者なのかを理解することから始めると良いでしょう。 

自分が「大根」であることに気付かずに「きんぴらごぼう」になろうとすると、自分の存在意義を見失ってしまいますが、自分が「大根」であるならば、それを知り、受け入れ、「おでん」になろうとすることが自分を活かす生き方なのです。自分を活かした生き方をすることで周りも幸せを感じることができ、周りが喜んでいる姿を見て、自分もまた嬉しくなります。そして、何よりも「自信」を得ることができます。そして、「自信」を得ることで自分の可能性に期待するモードに突入していきますので、今まで見付けることができなかった、あなたの中にある才能がどんどん見つかるようになっていくわけです。 

努力は必ず報われるのは嘘? 

努力は嘘をつかないといいますが、半分当たっていて、半分間違っていると思います。厳密にいえば、自分らしい、自分がやるべき努力は嘘をつかないということではないでしょうか。 

誰もが得意なことをしている時は「自信」が生まれ、不得意なことをしている時は「自信がない」。自信と結果の因果関係は想像に難しくないと思います。だからこそ、自分を知り、自分が提供できる価値を知り、自分の強みが活きるポジションニングで、その価値を求めている方に対して、その価値を繰り返し伝えていくことが、結果的に自分も他人も幸せにする方法です。 

芸人である明石家さんまさんがこのようなことを言っています。 

「努力は報われると思う人はだめですね。努力を努力だと思っている人は大体間違い。好きだからやってるだけよ、で終わっといた方がええねん。これが報われるんだと思うと良くない。こんだけ努力しているのになんでってなると腹が立つやろ。人は見返りを求めると、ろくなことないからね。見返り無しでできる人が一番素敵な人やね。」 

これは、当時AKB48在籍時の高橋みなみさんが2011年に行われた第3回選抜総選挙のスピーチで「努力は必ず報われると人生をもって証明する」と言ったのを受けて、さんまさんがラジオ番組でこの言葉に対する否定的な思いを明かしたものです。 

また、元陸上選手の為末大さんは13年10月、「努力で成功できるか」というテーマで連続ツイートを展開して話題となりました。 

「成功をある程度成功率が高いものにおくのであれば、努力すれば夢は叶うと思う。でも五輪選手になるとか、かなり少ない席の話であれば誰でもできるわけではなくて、才能と、環境がまず重要だと思う」 

「人生の前半は努力すれば夢は叶うでいいと思う。でもどこかのタイミングでそれを客観視しないと人生が辛い。努力すれば夢は叶う→叶っていない現在の自分→原因は自分の努力不足。努力原理主義を抜けられなかった人は、こんな自分を許せなくて何かを呪って生きていく」 

どちらも、まさしく自分を活かす「自活」であるかどうかが成功や幸せにつながっていくという考え方からくるものです。 

「努力は無駄だ!」「努力は意味がない」と言いたい訳では決してありません。むしろ若いうちは一見無駄だと思える努力でも体験や経験のために買ってでもすることも必要かもしれません。しかし、自分らしくない努力は結果につながらないことが多く、頑張ったのに結果につながらなかったという経験が自己肯定感を下げてしまうことにつながるため、まず自分を知り、受け入れること。そして自分が活きる活動とは何か?自分らしい、使命を感じること、やっていて楽しいという快楽を感じることができるかどうかの方がこれからの人生には遥かに重要なのではないでしょうか。

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