早期退職をし、老後をゆっくり過ごしたいと思う方も多いのではないでしょうか。しかし、資金面で不安になることもあるでしょう。このコラムでは、老後をより楽しむためのセミリタイアの資金や資産について紹介します。
セミリタイアとは?アーリーリタイアとFIREとの違い
セミリタイアという言葉を聞いたことがあっても、どのような意味か知らない方もいるかもしれません。まずは、セミリタイアが指す意味と、セミリタイアに似たアーリーリタイアや最近、少し耳にすることが増えたFIREについて解説していきます。
セミリタイアとは
セミリタイアとは、労働時間を減らし趣味など自分の時間を充分に確保するライフスタイルのことです。具体的なセミリタイア条件は決まっていませんが、主に以下のような例が挙げられます。
- 定年前の退職
- 生活のための労働からの脱却
- 趣味や自分の時間を楽しむことを優先
また、セミリタイアと似た言葉に「アーリーリタイア」という言葉があります。アーリーリタイアは早期退職のことで、リタイア後も自分のペースで働くことを視野に入れているセミリタイアとは異なります。そのため、リタイア後は働かなくても良い充分なお金の用意が必要となるでしょう。
FIREとは
最近では「FIRE」というリタイアの種類も耳にするようになりました。FIREとは、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字をとったもので、経済的に自立をし、早期退職を目指すというものです。
セミリタイアと似ていますが、アーリーリタイアと同じく早期退職を目的としているため、リタイア前に余裕を持った資金を用意しておく必要があるでしょう。
セミリタイアを計画する上で備えておくこと
セミリタイアを計画するのであれば、正しい知識としっかりとした計画が必要不可欠です。ここでは、セミリタイアを目指したときに準備しておきたいことを4つ紹介します。
何歳でリタイアを目指すのかを明確にする
セミリタイアは生活のための労働から離れ、ご自身の時間を楽しむことを目的とした生き方です。セミリタイア後は時間の自由も生まれ、好きなことをして過ごしていきます。そのため、ご自身は何歳でセミリタイアを目指すのかを明確にしておく必要があります。
なぜならば、30代と50代、60代では残された時間が大きく違うからです。残された時間が長いほど、貯蓄やセミリタイア後の収入源を備えておく必要があります。一方、50代や60代でのセミリタイアは、若い世代と比べ残された時間が短いため比較的実現しやすいためしっかりと計画すると良いでしょう。
必要な生活費を算出し計画的に蓄える
セミリタイアする前に、セミリタイア後に必要な家賃や食費、保険料など、最低限必要なお金を算出しておきましょう。ちなみに、総務省統計局が公表している2021年5月分の家計調査 (2人以上の世帯対象)では、月の支出が281,063円でした。
これらの毎月の支出はセミリタイア後もかかるため、最低限の生活費は貯蓄しておく必要があります。また、病気やケガなどの不測の事態に、いざというときに生活に困らないように備えておく貯蓄のことを「生活防衛資金」といったりもします。
一般的に生活防衛資金は、生活費の3ヵ月分程度が目安といわれています。そのため、平均30万円の3ヵ月分になる90万円は必要です。
その他にも、子どもがいる家庭では教育費など、ゆくゆくかかってくるお金なども踏まえる必要があります。セミリタイア後は収入も減少するため、余裕を持って貯蓄できてからセミリタイアすると安心でしょう。
また、家計調査の支出では娯楽費なども含まれているため、支出を減らしたいのであれば、生活を今より小さくしておく必要もあるでしょう。家の住み替えや電力会社、スマホキャリアの見直しも有効です。
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リタイア後の収入想定
セミリタイアはアーリーリタイアやFIREと異なり、リタイア後もなんらかの形で収入を得ることが前提の考え方です。ここでは、リタイア後の収入に想定されるものを解説していきます。
1)アルバイト
会社員として働いてきた方は、セミリタイア後はアルバイトなど短時間の労働をすることも少なくありません。今までは生活のためにしていた仕事から離れて、ご自身が好きだと思える業種にチャレンジして短時間や週3日程度働く方も多いようです。
時給1,000円の仕事を1日3時間、週3日働くと、月で約3.6万円になります。セミリタイア後に安定した収入が欲しい方はアルバイトをするのも良いかもしれませんね。
また役立つ資格を取得しておくことで、時給の良い仕事を見つけることができるかもしれません。例えば、業種によっては、法律等で職場に必ず一定数の有資格者を置かなければならないというルールがあります。有資格者には、衛生管理者、建物取引士、貸金業取扱主任者などが該当します。セミリタイアしたい方にとって、有資格者となれる資格は役立つかもしれせん。
2)自分の特技を活かてフリーランス
最近では、年代関係なくセミリタイア後にご自身の特技を活かし、フリーランスとして活動している方も増えてきました。ブログなどで発信するほか、YouTubeなど動画サイトによる配信も急増中です。
フリーランスとして活動していくメリットは、前職の経験や私生活、趣味を最大限に活かすことができるからです。難関資格を持っている方であれば試験合格の手引きを発信したり、ゲームやアウトドア、旅行などの趣味の発信をしたりすることもできます。
いずれもご自身の好きなことを活かしていくため、楽しんで収入を得られるのが魅力です。ただし、収入に直結しない可能性があることも想定しておく必要があります。
3)資産運用
セミリタイア後の収入として、アルバイトや趣味でフリーランスとして稼ぐほかに、資産運用をし、運用益を収入とする方法があります。セミリタイア後の収入源の確保するために資産運用を始めることがおすすめです。
セミリタイア後のための資産運用方法として人気なのが、「不動産投資」、「iDeCo」、「投資信託」です。いずれも長期で運用するのに適しており、株式投資やFX、暗号資産(仮想通貨)より比較的小さなリスクなのが魅力でしょう。
お金の基礎知識を身に付ける
セミリタイアを考えていても踏み切れない理由の大半は、「お金の不安」でしょう。漠然としたお金の不安は知識不足から来ているのかもしれません。セミリタイアを検討するのであれば、最低限お金の知識は身につけておく必要があります。今では本やWEBサイトから手軽に情報が得られるため、一度調べてみるのがおすすめです。
専門家から詳しい話が聞きたい方は「セゾンマネースクール」を受講してみても良いでしょう。セゾンマネースクールでは会場に行って受講するほか、WEBでの受講も可能です。
しかしなかには「セミナーに行くだけの知識がない」「内容についていけるか不安だ…」「受講するとなにか加入しなければいけなくなりそう」という方もいるでしょう。しかし、セゾンマネースクールの内容は初心者でもわかるやさしい言葉を使い丁寧に説明してくれます。
ご自身のペースで受講しお金の知識を身につけることができるでしょう。セミリタイアを目指すのであれば、正しいお金の知識や思考を持っておくことは大切です。
セミリタイア時に必要な資産の計算方法
セミリタイアをする前には、必要な資産を貯蓄しておく必要があります。ここでは、さまざまな資産の計算方法から3つの運用方法に絞りました。セミリタイアまでに1,000万円を用意することを想定し、どれくらいの資産が必要なのかを計算していきましょう。
貯蓄のみの場合
貯蓄のみで蓄える場合、金利が重要になるでしょう。現在の大手銀行の普通預金金利は0.001%が一般的です。この場合、100万円の預金に対し100円の利息しかつかない計算になります。また、預金の利息には一律20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、地方税5%)の税金がかかるため、実際に受け取れるのは8円程度になるでしょう。
これらを踏まえると、1,000万円を用意しようとした場合、1,000万円そのまま必要になります。貯蓄のみでセミリタイア後の資産を用意しようとするのは、ほぼ利息が付かないことを知っておきましょう。
将来のライフプランを立てたい場合は…
ライフプランを立ててみたいと思われた方は、まずはオンラインFPショップ「セゾンのマネナビ」を活用するのがおすすめです。
資産形成や老後資金の悩みなど、幅広いお金の悩みについて相談が可能です。相談内容に応じて、その分野に強いファイナンシャルプランナーの指名もできます。
何度相談しても無料ですし、自身の家計の状況を客観的に確認してもらうこともできるので、まずは気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
3%の利率で運用した場合
先ほど紹介したように、セミリタイアの資産を用意するためには資産運用も必要です。実際、セミリタイアしている方の多くは、勤めている期間中に貯蓄だけではなく資産運用して利息を得ています。またセミリタイア後の収入としても資産運用を継続している方が多いでしょう。
資産運用では、預金金利の0.001%より高い利回りが期待できるのも特徴です。ここでは3%の利率で運用していった結果を見ていきましょう。
1,000万円を目標にし、毎月3万円を年利3%で積み立てた場合、約20年3ヵ月で到達します(※金融庁の資産運用シミュレーションによる)。このときの1,000万円の内訳は、元金は729万円、運用益は約272.3万円です。貯蓄のみだと1,000万円の元金が必要ですが、資産運用をするとお金を効率的に増やすことができるのがわかりますね。
もちろん、毎月の積立額を増やすともっと早くセミリタイアが叶うでしょう。また投資信託などの運用益は預金利息と同様税金がかかりますが、「つみたてNISA」や「iDeCo」を利用して運用した場合、非課税になります。
そのため、約272.3万円の運用益が丸ごと手元に入るのです。また、iDeCoに関しては掛金も税制控除の対象になるため、節税効果にも期待できるでしょう。ただし受け取り時には税金(年金として受け取り:雑所得、一時金として受け取り:退職所得)がかかるため注意が必要です
5%の利率で運用した場合
3%より高い利回りを期待できる投資先も存在します。 次に、年利5%で運用した場合を検証してみましょう。先ほど同様、1,000万円を最終目標に毎月3万円を年利5%で運用していくと、約17年6ヵ月で達成します。
このときの内訳は、元金630万円、運用益は約374.1万円です。年利が高いほど元金が少なく、高い運用益が得られることがわかります。
積み立てることで、複利の効果が得られることがポイントです。詳しくは次章で解説していきます。
セミリタイア後の不労所得確保
セミリタイアを目指した場合、資産を作るうえでもセミリタイア後の収入を確保するうえでも不労所得の存在は欠かせません。不労所得の代表的なものは、資産運用です。ここでは、資産運用の種類と特徴のほか、おすすめの運用方法も紹介します。
投資信託
投資信託とは、その名のとおり「信じて託す投資」方法です。運用するのはプロの投資家のため、初心者の方でも始めやすい投資方法です。投資信託は、証券会社のほか銀行や郵便局でも取り扱いのある投資方法です。
しかし、銀行や郵便局の窓口で購入できる投資信託の数は少なく、運用にかかる手数料も高く設定されていることが多いので注意が必要でしょう。取り扱いの数が多い方が自分に合った商品を選びやすく、いくつかの商品を組み合わせることもできるのでおすすめです。
また、運用にかかる手数料もチェックしておくと良いでしょう。手数料は運用してくれているプロに支払うお給料のようなものです。そのため、どの投資信託を選んでも必ずかかってくる必要経費ですが、できることなら安い方が良いですよね。
最近では店頭ではなくスマホで取引できるものや、クレジットカード決済ができるものも増えています。お気に入りを見つけてみるのもいかがでしょうか。
つみたてNISA
つみたてNISAとは、最大20年間、年に40万円までの運用益等が非課税になるというものです。つみたてNISAで選べる投資信託は、政府の基準を満たした安全なものに限られているのが魅力でしょう。いずれも長期分散つみたて投資に向いており、資産運用をスタートさせるのにぴったりです。
iDeCo
iDeCoは、個人型確定拠出年金のことで、その名とおり将来年金として受け取れるお金を運用して増やしていくものです。iDeCoで運用する元金は所得控除になり、運用で得られた利益は非課税で丸ごと受け取れるほか、受け取りの際にかかってくる税金も優遇されます。
通常の基礎年金や厚生年金は、運用先をご自身で選べないのに対し、iDeCoは自分で投資先や積立金額を選択できるのがメリットです。運営管理機関手数料は、運営する会社によって金額が異なります。無条件でずっと無料となる先を選ぶのも良いでしょう。
最後に、現在(※2021年8月現在)iDeCoに加入できるのは、20歳以上60歳未満の方ですが、2022年5月以降は上限年齢が5年延び、65歳未満になります。
不動産投資
不動産投資とは、現物不動産を購入し、他の方に貸し出すことで家賃収入を得る運用方法です。投資用の不動産を購入する必要がありますが、人気のエリアや良い物件を購入することで、安定的な家賃収入が見込めるかもしれません。
不動産クラウドファンディング
不動産クラウドファンディングは、公募して集めたお金を元に不動産を購入し運営、そこから得られた収益を投資家へ還元するというものです。魅力は現物不動産を購入する必要がなく、1万円という少額からスタートできることです。
おわりに
ご自身のこれからの人生を考えたとき、セミリタイアをして無理なく楽しく暮らしたいと思う方は少なくありません。そのためには、必要なお金を貯蓄だけでなく運用で作っていくことも重要です。投資信託やiDeCoなど自分に合った資産運用を行うことで、ご自身に合ったセミリタイアが実現させていきましょう。