家計のやりくりがうまくいかず赤字になってしまうこともあり得ます。短期的なものならともかく、赤字が慢性的に続いているなら、家計の見直しが必要です。固定費を節約できれば、黒字になるケースも珍しくありません。しかし「固定費の節約って具体的に何をすれば良いの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、家計のやりくりにお悩みの方に向けて、固定費の節約について詳しく解説します。
(本記事は2023年12月27日時点の情報です)
- 家計の負担を減らすには固定費の節約が有効
- 固定費を節約するなら、いくらかかっているかを把握したうえで目標を決め、優先順位をつけて取り組むことが大切
- 生活の質を落とし過ぎる節約はストレスが溜まるので、「無理なく、できる範囲」で行う
- 固定費の支払いは、払い忘れを防げるうえにポイントも貯められるクレジットカード払いがおすすめ
家計の負担を減らししたいときは固定費を節約しよう
家計の負担を減らしたいときは、固定費を節約するのが効果的です。固定費の見直しのポイントを解説する前に、そもそも固定費がどのような費用なのか解説します。
家計の支出は「固定費」と「変動費」に分けられる
固定費と対になるのが変動費です。変動費は毎月発生額が変わるため、正確には予測できません。ある程度発生額が予測できる固定費を節約したほうが、家計における負担も軽減できます。
固定費とは
固定費とは「毎月一定額(もしくはそれに近い額)が発生する費用のこと」です。
変動費とは
変動費とは「毎月発生する額が変動する費用のこと」です。
代表的な固定費一覧
家計における固定費の例は以下のとおりです。
家賃 | マンション、アパートの家賃 |
住宅ローン | 毎月の返済額 |
通信費 | 携帯電話、固定電話、インターネット回線の月額利用料 |
水道光熱費 | 水道代、ガス代、電気代 |
各種保険料 | 生命保険、医療保険、火災保険などの保険料 |
車の維持費 | 駐車場代、自動車保険の保険料、自動車税など |
諸会費 | サブスクリプションサービスの月会費など |
教育費 | 塾や習い事の月会費など |
固定費を節約する際のポイント
固定費を節約するにしても、漫然とやっていては意味がありません。知らないうちにやってはいけない節約をしていることも考えられます。ここでは、固定費を節約する際のポイントを見ていきましょう。
固定費がいくらかかっているか把握する
最初に、そもそも固定費がいくらかかっているのか把握する必要があります。まずは1ヵ月間、家計簿をつけるのがおすすめです。記録を取れれば良いので、家計簿の形式は問いません。手書きのノート型のものやスマホアプリ、Excelなどの表計算ソフトでの記録など自分が使いやすいものを選びましょう。
家計簿をつけることで、家計を「見える化」でき、必要なものとそうでないものがわかってきます。
目標を決める
節約をする前には、具体的な目標を決めましょう。節約をしようとする際に陥りがちなミスのひとつが、手あたり次第に固定費を削減してかえって出費が増えてしまうことです。例えば、携帯電話のプランを月額基本利用料が安いものに変えても、使い方に見合っていなければかえってお金がかかります。
まず「毎月〇〇円節約したい」などの具体的な数値を定め、そこから減らせる部分を探っていくのが望ましいでしょう。
節約の難易度ごとに優先順位をつける
節約する目標が決まったら、削減の難易度に応じて優先順位を付けてください。難易度が低く、節約額が多そうなところから見直していくのがポイントです。
節約の対象 | 難易度 |
住宅費 | 高:ローン組み換えは長期目線で。借り換えは審査の結果NGが出ることもあるので要注意 |
教育費 | 高:削減しにくい。子どもの意向も聞きながら対応を |
通信費 | 中:契約プランを変更する際はシミュレーション必須 |
車関係費(ローン・駐車場代) | 中:大きな買い物なのでよく考えて対応を |
サブスクリプションサービス料 | 低:すぐに効果を出せるのでおすすめ |
水道光熱費 | 低:電気・ガス会社を変更する際はシミュレーション必須 |
生活の質を落としすぎない
無駄な費用を削減するのは重要ですが、やり過ぎは禁物です。行き過ぎた節約により生活の質を落とし過ぎると、家族のストレスも溜まります。固定費の削減は「無理なく、できる範囲で」行うのを前提にしましょう。
固定費の節約方法【住居費】
ここからは、費用ごとに具体的な節約方法について解説します。住居費を節約するために、以下の方法を実践してみましょう。
引っ越しや交渉で家賃を下げる
一般的に、賃貸物件の場合は、家賃は収入の3分の1が目安といわれています。これより高い家賃を払っているなら、引き下げられないか検討してみましょう。
ひとつの方法が、引っ越しです。引っ越し代や初期費用はかかりますが、長く住む予定があるなら節約効果も見込めます。譲れない条件と妥協できる条件を洗い出し、その中で収入に見合った家賃の物件を探してみるのがおすすめです。
事情があってどうしても引っ越したくない場合は、家賃を引き下げてもらえないか交渉してみましょう。経年劣化で老朽化している部分があるなど、ご自身にとって有利な部分があるなら試す価値はあります。
住宅ローンを繰上げ返済する
住宅ローン返済中なら、繰上げ返済すると節約効果が見込めます。ここで注意したいのは、繰上げ返済の方法です。繰上げ返済には返済期間を短縮する「期間短縮型」と、毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」があります。
固定費の節約という意味では、期間短縮型がおすすめです。余分な利息を減らせます。ただし、月々の支払いが負担に感じている場合は返済額軽減型を利用しても良いでしょう。
駐車場を見直す
自宅に駐車スペースがなく、駐車場を借りている場合は変更も検討しましょう。最寄り駅から少し離れているなど、条件が不利になる場所であれば安く借りられる可能性もあります。駐車場までの移動に支障がない程度に範囲を広げて探してみてください。
固定費の節約方法【水道光熱費】
次に、水道光熱費を減らすための具体的な方法について解説します。
電気・ガス・水道の使用量を減らす
電気・ガス・水道の使用量を減らすのは、非常にわかりやすい節約方法のひとつです。「使っていない部屋の電気は消す」「お風呂の残り湯を使って洗濯をする」「節水シャワーヘッドを使う」など、使う量を減らす方法はいろいろあります。
「塵も積もれば山となる」という言葉もあるように、毎日の積み重ねが大幅な固定費の節約につながるので、家族の協力も仰ぎましょう。ただし、あくまでストレスが溜まらない範囲で続けることが重要です。
省エネ家電に買い替える
10年以上使っている家電がある場合は、思い切って最新の省エネ家電に買い替えましょう。電気の消費量が少ないうえに、便利な機能が備わっているので生活の質も向上します。
電気料金のプランや会社を変える
電気料金のプランや会社を変えることも、節約につながります。例えば、共働きで昼間はほとんど誰もいないという家庭の場合、夜の時間帯の電気使用量が高いほどお得になるプランを契約することで、電気代を節約できる可能性があるでしょう。
また、2023年現在電気料金は自由化されているため、好きな電力会社を選んで構いません。各電力会社がそれぞれ独自性を持つプランを打ち出しているため、生活スタイルに合った料金プランを選べば、無理なく固定費の削減ができます。電気料金の見直しを検討中なら、以下からご自身に合った電力会社・プランを見直せるのでぜひ利用してみてください。
固定費の節約方法【通信費】
通信費の見直しは、一度行えば長期的な節約につながるのでおすすめです。具体的な方法として、以下の2つをご紹介します。
携帯電話やネット回線のプランを切り替える
携帯電話やネット回線のプランを切り替えることで、節約につながります。切り替えに先立ち、使い方や使用量とプランが合っているかを確認することが重要です。
例えば、普段は無料コミュニケーションアプリでやり取りをしていて、音声通話はほとんど使わないという場合を考えてみましょう。このような場合、音声通話が安くなるプランよりは、データ通信が安くなるプランを使ったほうが節約につながる可能性が高いです。
事前にシミュレーションを行い、プランの変更を検討することをおすすめします。また、使っていないオプションは解約するのも忘れずに行いましょう。
契約を見直す
契約自体を見直すことも、節約という意味では重要です。具体例として、スマホを格安SIMにする、インターネット代がより安いサービスと契約することなどが挙げられます。
ただし、プランの切り替えと同様、使い方に見合っていなければかえって高くなる可能性もあるので要注意です。事前にシミュレーションを行い、本当に安くなるのか、どれだけ安くなるのかを調べておきましょう。
固定費の節約方法【保険】
保険に加入してからあまりに時間が経っているなら、節約の意味でも一度見直してみるのがおすすめです。ここでは、具体的な見直し方法を解説します。
保障内容の重複を確認し、より安い保険があれば切り替える
複数の保険に加入している場合、保障内容が重複していないか注意が必要です。
例えば、生命保険に医療特約をつけているにもかかわらず、医療保険に重複して加入していたときは、医療特約を外すことを検討しましょう。また、自分が求める必要十分な保障が受けられるのが前提とはなりますが、保険商品の切り替えによっても保険料は節約できる可能性があります。
クレディセゾンでは、ファイナンシャルプランナーに無料で相談ができるオンラインFPショップ「セゾンのマネナビ」を提供しています。資産形成や老後資金の悩みなど、幅広いお金の悩みについて相談が可能です。相談内容に応じて、その分野に強いファイナンシャルプランナーの指名もできます。
保険の見直しはもちろん、自身の家計の状況を客観的に確認してもらうこともできるので、まずは気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
自動車保険を見直す
任意の自動車保険を見直すのも、節約においては重要です。代理店型保険に比べ、ダイレクト型保険は保険料も安く抑えられていることが多いので、切り替えにより節約ができます。
ただし、年齢や等級によってはこの限りではないため、事前にシミュレーションを行い、どちらにすべきかを検討しましょう。また、同じ保険会社を使う場合でも、車両保険の内容や年齢条件を見直すことで、保険料を節約する余地があります。
固定費の節約方法【その他】
これまでに触れてこなかった他の固定費についても、節約方法をご紹介します。
教育費を見直す
子どもの習い事や学費などの教育費は、収入の10%が理想とされているので、この水準を大幅に上回るなら見直しを検討しましょう。
ここで重要なのは、親の希望を優先させるのではなく「続けることが子ども自身のためになるか」を考えることです。特に、子どもが続けたいと思っていない習い事は、思い切って止めてみましょう。
車を手放す
「基本的に休日しか乗らない」など車の使用頻度が少ないなら、思い切って車を手放すのも節約には有効です。必要なときだけカーシェアリングやレンタカーなどのサービスを利用すれば、車にかかる維持費が大幅に減らせます。
新聞や固定電話を見直す
新聞や固定電話を解約すると、大幅な節約効果が見込めます。現代はWEBサイト経由でさまざまなニュースが配信されており、必ずしも新聞がなくても最新の情報を仕入れることが可能です。仕事で使うなど、どうしても必要な理由がない限りは解約することも検討しましょう。
また、日中は家にいることが少なく、固定電話を使う頻度が低いなら、解約すると節約につながります。念のために固定電話を置きたいのであれば、光IP電話(ひかり電話)への乗り換えも有効です。
固定電話の場合、基本料金が最低でも1,500円以上(NTT東日本の場合)かかりますが、ひかり電話の場合はインターネット回線に550円(税込、NTT東日本・フレッツ光の場合)上乗せすれば利用できます。
サブスクを見直す
音楽・動画の配信サービスに代表される月額制サービス=サブスクは、一つひとつの金額は決して高くなくても、複数契約していればまとまった金額になります。契約しているサブスクをリストアップし、使用頻度や類似のサービスの有無を基準にし、解約するかどうか判断しましょう。
固定費の支払いはカードがおすすめ
固定費を節約するためには、支払い方にも注目する必要があります。可能であれば、クレジットカード払いにしましょう。仮に1,000円(税込)で1ポイント付与されるカードの場合、毎月2万円の固定費を払っていれば20ポイント得ることが可能です。1ポイント=5円と考えた場合、200円の節約になります。
SAISON CARD Digitalは年会費永年無料でご利用いただけます。ご利用金額1,000円(税込)につき永久不滅ポイントが1ポイント付与されます。お申し込みから最短5分で手続きが完了し、クレディセゾンの公式アプリ「セゾンPortal」上にカード番号が表示されたら、すぐに利用できます。
家計用のクレジットカードを作りたいとお考えでしたら、ぜひご検討ください。
また、すぐにまとまったお金が必要になった場合に便利なのがカードローンです。クレディセゾンでは「MONEY CARD(マネーカード)」というカードローンの取り扱いがあります。パソコン、スマートフォンから24時間お申し込みができ、審査に通りカードを受け取れば、最短数十秒で指定の口座に振り込みが可能です。いざというときのために、ぜひご検討ください。
おわりに
固定費の節約は重要ですが、やみくもに手を付けてしまうと生活の満足度が下がってしまいます。ストレスを溜めないよう、できる範囲で節約効果が高いものから順番に手を付けていきましょう。
また、必ず支払わなければいけない固定費はクレジットカード払いにするのがおすすめです。払い忘れが防げるうえ、ポイントにより節約にも役立ちます。「どうすれば生活の質を下げず、効果的な節約ができるか」をご家族で話し合い、協力しながら実践してみてください。