ガソリン価格を始め、物価の高騰が止まらない中、「せめてガソリン代だけでも抑えたい」と感じている方は多いでしょう。実は特別なことをしなくても、日々の運転習慣や車検などのメンテナンスを見直すだけで、車の維持費は大きく変わります。
本記事では、今日からできる「燃費向上する運転のコツ」や「車検・メンテナンス費用をおさえる方法」をわかりやすく解説します。
家計改善のためにもぜひ最後までご覧ください。なお、本文中の試算は年間走行1万km、実燃費15km/L、ガソリン170円/Lを前提にしています。
日常の運転習慣から見直し!燃費向上テクニック
まずは運転の仕方を基本から見直すのが、手軽で効果的。ちょっとしたテクニックを続けるだけで、年間1万円以上の節約が見込めるでしょう。
発進・停止を滑らかにするエコドライブ術

急発進や急ブレーキは燃料の無駄遣いになるだけでなく、ブレーキパッドの摩耗も早めてしまいます。
発進時はアクセルを「ふんわり」と踏み、エンジンの回転数は2,000rpm程度を目安にします。減速時は前方の信号や交通状況を早めに読み取り、早めにアクセルを離してエンジンブレーキを活用しましょう。
「発進は5秒で時速20kmを目安にする」といったエコドライブを実践すると、約10%の燃費改善につながることが環境省のデータ(エコドライブ10のすすめ)で示されています。さらに車間距離に余裕を持ち一定の速度を保つことで、市街地では約2%、郊外では約6%の燃費悪化を防げるとされています。
タイヤ空気圧と荷物の軽量化で燃費UP

空気圧が低いとタイヤの転がり抵抗が増え、燃費が数パーセント悪化します。月1回の点検・補充を習慣にすれば、3%改善できた場合で年間約3,400円の削減が見込めます。
また、トランクに積みっぱなしの荷物を降ろして車重を軽くすると、特に市街地走行で省エネ効果があります。不要な荷物を40kg減らせば約1%(年間約1,000円分)につながります。環境省のデータでも「車両重量が100kg増えると燃費が約3%悪化」とされており、荷物を減らすことが確かな効果につながるとわかります【環境省「エコドライブ10のすすめ」】。
エアコン&アイドリングの賢い使い方

停車中のアイドリングは、10分で約130ccの燃料を消費することがJAFの調査で示されています。ちょっとした待ち時間のアイドリングを控えるだけでも、「10分×200日」の計算なら約26L、金額にして約4,420円の節約につながります。
エアコンについては、乗車直後は窓を開けて熱気を逃がし、車内が冷えてきたら内気循環に切り替えると効率的です。ただし、安全運転が最優先です。フロントガラスの曇りで視界が悪くなったら、迷わずエアコンの設定を上げましょう。
車検・メンテナンス費用を抑える!賢い業者選びと点検
維持費のもう一つの大きな出費が、車検や部品交換などの固定費です。仕組みを理解して業者選びを工夫すれば、数万円の差が生まれることもあります。
ディーラー・整備工場・ユーザー車検を比較
車検についてまず知っておきたいのは、法定費用はどこで受けても同じということです。継続検査手数料(登録車)は2,300円、自賠責保険は普通車24か月で17,650円、軽自動車で17,540円、重量税は車の重量や年数、環境性能によって決まります。
料金差が大きいのは基本料金や整備内容で、小型車の例では、ディーラーが約4万円台、カー用品店は約1万円台と大きな差があります。同じ車検でも、点検の範囲や部品交換の基準、保証内容、代車サービスなどが異なるため、見積書で作業内容と必要性をしっかり確認し、自分の車の状態に合った選択をしましょう。
車の持ち主が運輸支局や軽自動車検査協会などに車を持ち込み点検・検査・手続きを行うユーザー車検は法定費用と最小限の整備で安く済ませられますが、準備や検査場での手続き、安全面の判断をすべて自分で行う必要があるため、上級者向けです。
見積もり比較サイト&部品コスト削減のコツ
車検をする際は、まず3社以上で同条件の見積もりを取り、内訳は必須整備と推奨整備に分けてもらいましょう。
持込部品の可否と保証の扱い、代車や引取納車の有無、事務手数料も事前に確認しておきましょう。部品代は純正品だけでなく、自動車メーカーが外部に製造を委託したOEM品や中古品を新品に近い状態にまで回復・再生させたリビルト品も選択肢に入れられます。ただし、保証条件と保安基準への適合を必ずチェックすることが大切です。タイヤはオンライン購入後に持ち込み取付対応が可能な工場を利用する方法もありますが、製造年月日や性能表示を確認し、迷った時は安全性を最優先に選びましょう。
また繁忙期を外し、早割・平日割を使うと基本料が下がることがあります。
おわりに
節約の第一歩はとてもシンプルです。ふんわり発進と一定速度の維持、無駄なアイドリングの抑制、月1回のタイヤ空気圧点検、この3つを続けるだけで、条件によっては年間1万円以上の節約ができるでしょう。
また車検が近づいたら、法定費用は固定だと理解した上で基本料金を複数社で比較し、持ち込める部品は自分で用意しましょう。こうした小さな積み重ねが、大きな節約となります。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。