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代償分割による不動産の遺産分割|代償金の支払いはどうする?

代償分割による不動産の遺産分割。どうする?代償金の支払い
セゾンのくらし大研究 編集部

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土地や家屋など分けにくい不動産を相続する場合、特定の相続人に不動産を相続させる代わりに、他の相続人に対して金銭などを渡す「代償分割」という方法があります。公平に遺産分割ができる一方、金銭的な余裕がないと代償金の支払いができない可能性があります。

代償分割は、公平に遺産分割するための方法です。しかし、公平に遺産分割するための方法は、代償分割だけではありません。以下では、公平に遺産分割するための方法をご紹介します。

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相続時に代償分割が利用される場合

相続時に代償分割が利用される場合

国税庁の「令和2年分相続税の申告事績の概要」によると、令和2年に相続税の申告がされた相続において、相続財産の金額の構成比は、不動産40%(土地34.7%、家屋5.3%)、有価証券14.8%、現金・預貯金33.9%、その他11.3%となっています。

相続が発生した場合、遺言によって、あるいは相続人による遺産分割協議によって、どの相続人がどの相続財産を、どのように相続するのかを決める必要があります。この時、必ずしも法定相続分で分割する必要はありません。

相続にあたって一番の問題は、「公平に相続できるかどうか」ということでしょう。

遺産分割は、全員が納得する形で行われるべきなのは言うまでもありません。しかし、財産の内容によってはうまく分割することができず、トラブルになることもあります。不動産は分割しにくい財産の代表的なものです。

分割しにくい財産でも、現金化できれば問題にはなりません。現金化した後に代金を公平に分割すれば良いからです。しかし、その財産が現金化しにくいのであれば、別の方法を考えなければいけません。そのような時に利用されるのが「代償分割」です。

参照元:国税庁「令和2年分相続税の申告事績の概要」

代償分割のメリット・デメリット

代償分割のメリット・デメリット

代償分割は、特定の相続人が相続分を超える財産を相続し、超過した部分について、その相続人が他の相続人に対し、金銭などの対価を支払う債務(義務)を負うことをいいます。当然のことながら、代償分割にはメリットとデメリットがあります。

代償分割のメリット

代償分割のメリットは、以下のとおりです。

・公平な遺産分割を行える
・スムーズな遺産分割を行える
・相続税の節税になる可能性がある

代償分割は、アンバランスな遺産分割を、金銭などでバランスを取ることが目的です。これにより、公平な遺産分割を行うことができます。

例えば、相続財産として不動産が4,000万円、現金・預貯金が1,000万円である場合、相続人が2人であれば、2,500万円ずつ分けるのが公平だとします。これを、1人が不動産(4,000万円)、別の1人が現金・預貯金(1,000万円)を相続したら、不公平となります。

代償分割では、この不公平さをなくすため、不動産を相続した方が別の方に対して1,500万円を支払うことにします。すると、お互いにバランスが取れ、公平な遺産分割ができたということになります。

分割がしにくいまたは現金化しにくい相続財産について、そのままの状態で相続手続きを進めるため、スムーズに遺産分割を行えるのもメリットです。

例えば、相続人の1人が被相続人と同居しており、相続後も引き続き居住したい場合、その不動産を居住している相続人の名義にすることができます。これを共同名義などにしてしまうと、権利関係が複雑になってしまいます。代償分割を利用すれば、このような事態を避けることができます。

相続した不動産に引き続き相続人が住み続ける場合、「小規模宅地等の特例」の適用を受けることで、相続税を節税できる可能性があります。

相続した不動産が、被相続人が生前自宅として利用していた不動産であって、同居していた親族が相続後も引き続き自宅として住み続ける場合、その敷地は「特定居住用宅地等」に該当し、330㎡以下の部分に対し、80%の評価減となります。これにより、相続財産の評価額が下がり、相続税の節税につながります。

参照元:国税庁「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」

代償分割のデメリット

代償分割のデメリットは、以下のとおりです。

・代償金のための資金が必要となる
・代償金の算定が問題となる
・所得税が課税される可能性がある

代償金は、それを支払う相続人の固有の財産から支払うことになります。とはいえ、代償金の金額は少なくありません。代償金を支払うためには、あらかじめ相応の資金を用意しておく必要があります。

代償分割は、公平に遺産分割をするためのものですが、代償金をいくら支払うのかについては、当事者間の話し合いで決めることになります。

不動産の場合、「相続税評価額」や「代償分割時の時価」といった評価額がありますが、評価方法によりこの評価額が異なることもあります。このため、代償金の額について、なかなか折り合いがつかないこともあります。

代償金は、現金である必要はありません。不動産などの財産を充てることもできます(代償財産といいます)。しかし、代償財産が相続人固有の不動産の場合は、所得税が課税される場合があります。

代償財産を与える方から受け取る方へ、資産の譲渡があったとされるからです。この時の時価と取得価格の差がプラスの時は譲渡所得となり、これに対し所得税が課税されることになります。なお、代償財産を受け取った方は、この時の時価により、当該不動産を取得したものとされます。

代償金を調達する方法

代償金を調達する方法

代償金を調達する方法は、以下のようなものがあります。

・生命保険金
・有担保ローン
・リースバック

一般に、代償金は生命保険金で準備するものとされています。しかし、さまざまな事情により準備ができない場合もあります。また、生命保険金だけでは代償金全額を準備することができない可能性もあります。

代償金を借り入れるという選択肢もあります。この場合、不動産を担保とした有担保ローン(不動産担保ローン)の利用が考えられます。融資額は不動産の評価額によって異なります。

金利は住宅ローンに比べると高めに設定されています。融資の返済が滞った場合には、不動産を失う可能性があるので注意が必要です。

リースバックを利用することも考えられます。リースバックとは、自宅を売却して現金化し、売却後も自宅に住み続けることができる仕組みです。簡単にいえば、自宅を売却し、その後、自宅を賃借するというものです。

リースバックには、自宅を売却することで、代償金を調達できる、固定資産税などの維持費が不要になる、といったメリットがあります。売却するといっても、将来的に自宅を再度購入することも可能ですので、自宅を完全に手放すというものではありません。

また、融資ではないので、審査も必要ありません(不動産の査定はあります)。注意点としては、売却後は自宅の名義が変わることと、家賃が発生することです。

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代償分割以外で公平に遺産を相続するには

代償分割以外で公平に遺産を相続するには

公平に遺産を分割する方法は、代償分割以外にもあります。一旦、不動産を分割して相続し、共有名義とした後、一方が他方の共有持分を買い取るという方法(親族間売買)です。

この方法は、代償分割とは形式が異なりますが、買い取る方に相応の資金が必要であるという点では同じです。この方法で問題となるのは、この取引が親族間での売買となるため、銀行で融資を受けるのが難しいということです。

融資をしてくれるところもあります。銀行ではないところ、ノンバンクです。例えば、セゾンファンデックスの遺産分割ローンは、銀行などの金融機関が取り扱わない親族間売買にも対応しています。

一般に、金融機関が融資を行うかどうかを判断するのは、個人の属性によるところが大きいです。属性とは、信用情報(過去の返済履歴など)、収入、勤務先、勤続年数など、個人に関する情報です。担保はそれを補完する材料と位置付けられます。

セゾンファンデックスの遺産分割ローンは、個人の属性だけではなく、不動産の担保力(資産価値)を重視するという特徴があります。このため、勤続年数が短い方、契約社員・派遣社員の方、自営業の方、永住権を持っていない外国人の方でも、融資を受けられる可能性があります。

担保設定できる不動産も幅広く、共有名義の不動産、賃貸アパート、駐車場でも担保設定ができます。築古物件や借地権付き建物など、一般には対応が難しいとされている不動産でも対応しています。

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おわりに

本記事では、公平に遺産分割するための方法を2つ紹介しました。

1つ目の方法は代償分割です。遺産分割は、土地や家屋など分けにくい不動産を相続する場合、特定の相続人に不動産を相続させる代わりに、他の相続人に対して金銭などを渡すという方法です。

公平に遺産分割ができるというメリットがありますが、金銭的な余裕がないと、代償金の支払いができない可能性があるというデメリットがあります。資金調達方法として、生命保険、有担保ローン、リースバックを紹介しました。

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2つ目の方法は親族間売買です。親族間売買は、不動産を共有名義にし、その持ち分を買い取るという方法です。代償分割同様、公平に遺産分割ができるというメリットがありますが、金銭的な余裕がないと支払いができない可能性があるというデメリットがあります。

資金調達方法として、セゾンファンデックスの遺産分割ローンを紹介しました。

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相続で1番の問題は、どのように遺産を分割するかです。公平に遺産分割ができるよう、本記事が参考になれば幸いです。

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