自宅で過ごす時間が増え、風水が最近注目されています。テレワークをするうえでも、寝室とワークスペースが同室でも良いだろうかと悩んでいる方が増えています。また、これから引っ越しするに当たり、せっかくなら仕事運が上がる部屋に住みたいという方もおられるでしょう。
このコラムでは風水の基本として、方角の調べ方から、間取りの見方、方角ごとにどのような部屋が適しているか、方角によりどのような影響が出るか、などを紹介していきます。
1.風水と方角の関係とは
風水には、中国古来のものと、家相など日本独自の考え方を元にした日本系の風水がありますが、いずれにも共通するのが陰陽理論です。この陰陽理論とは、例えば昼が陽で夜が陰、男性が陽で女性が陰など、すべてのものが対極となる二つに分かれるという考えです。
これとともに風水では、五行という「木・火・土・金・水」の五つの要素で万物が分かれる、という思想が基にあります。方角は十二支を用いた12方位やさらに増やした24方位で見ることになりますが、それら十二支などもそれぞれ陰陽と五行で分別されています。その組み合わせなどで影響するもの、吉凶を判断していきます。
日本の風水で使用される方位は、8方位のもの。それらは十二支で構成されており、北は子、東が卯、南が午、西が酉であり、その4方位の間にある北東は丑寅、南東が辰巳、南西が未申、北西が戌亥で構成されます。
2.方角が持つ意味や相性の良い色を知ろう
2-1.北
北は子の方位であり、風水で北は水の気を持ちます。「水に流す」という言葉があるとおり、悪いものを流し正常化するという働きがある他、冷やすという性質が働きます。例えば水の気が良い方向に働くと、悪い流れが改善に向かうとか、冷静さを取り戻すということになります。
そうした北が働く運としては、貯蓄や財産などの財運や金運、男女の愛情などの恋愛運などが挙げられます。
・ラッキーカラー:白、ピンク
2-2.北東
北東は丑寅の方位であり、風水では土の気を持ちます。この場所は新しい気を生み、それが流れ始める場として捉えられています。変化や引っ越しの象意、不動産運、金運というものにこの方位の影響が出ます。
この影響がプラスに出る場合は、自発的に動いたり闘争心が湧いたりなどしますが、マイナスに出ると、ワガママ、イライラなどの状態が出てくるでしょう。
・ラッキーカラー:黄色、白、青
2-3.東
東は卯の方位であり、風水では木の気を持ちます。木の気には、草木が生い茂るイメージのように、成長する、拡大するという意が働きます。
チャレンジ意欲が湧く、元気になるなどの健康運に影響が出る他、人の成長や発展の意が生じるため、仕事運にも影響します。逆にマイナスに出る場合には、過労や投げやり、せっかちなどの状態が生まれ、物事の進捗が停滞することにつながっていくことになるでしょう。
・ラッキーカラー:赤、ピンク、青、白
2-4.南東
南東は、辰巳の方位であり、出会いや人との縁など対人運、結婚など恋愛運に影響が出る方位です。
この方位を活かすことで良縁を引き寄せて、そこから発展させることができるでしょう。人間関係の広がりから仕事運が上昇し、結婚の安定から家庭運の上昇にもつながってくるなど、大事な方位の一つです。逆にマイナスに働くと、意固地になるとか批判するなど、やはり人間関係における面で悪い影響が働きます。
・ラッキーカラー:ピンク、オレンジ、赤、緑
2-5.南
南は午の方位であり、風水では南は火の気を持ちます。火の気には燃やして悪い気を払う効果があり、人気運や芸術面に影響を与えます。
火の気が良い方向に出ると、情熱の炎が一気に燃えあがるような爆発力や瞬発力が働く反面、逆に出ると感情のコントロールを失うといった影響がでるでしょう。
・ラッキーカラー:緑、金
2-6.南西
南西は未申の方位であり、風水では土の気を持ちます。土の気には、安定、不動という効果があり、調和や安定が図れることで家庭運の安泰や土そのもののイメージにある不動産の運などに影響が出るでしょう。
この方位は家相では裏鬼門、大凶方位とも呼ばれます。南西は安定の意のある方位ではありますが、出入り口となる玄関はその意に反し流れが生まれる場所ですので避けたいところです。
・ラッキーカラー:茶、黄色、緑
2-7.西
西は酉の方位であり、金運を司る金の気が流れていて、まさに金運に影響を及ぼす位置です。
この位置がプラスに働くと、豊かさや楽しみが得られるようになり、恋愛運や対人運アップにもつながります。逆に働くと、気力の低迷や浪費などの影響が出てくるため、そうした不調が急にあった場合はこの場所を見直すと良いでしょう。
・ラッキーカラー:ピンク、黄色、金
2-8.北西
北西は戌亥の方位であり、風水ではこの方位は重要視されています。北西は、出世や勝負事に影響する位置であり、一言でいうならば仕事運にかかわる位置です。また、北西は「主人の方位」とも呼ばれ、家族や組織にも影響してくるので、この場が荒れていると事業がうまくいかなくなったり、企業内で争いごとなどの不和が生じたりするでしょう。
・ラッキーカラー:緑、茶、金、ベージュ、白
2-9.中央
中央の位置は、これまでの結果を表し今後の土台を作る場所と風水では考えられています。また、北東から家の中心を通り南西に抜ける鬼門線の通り道であり、玄関から家の中心を通りそのまま対角に抜ける良い気が流れるゾーンにも当たるため、中央は運気に強い影響を与える格上の位置ともいわれています。
・ラッキーカラー:紫、黄色
3.方角の調べ方や間取りの見方を知ろう
3-1.方角を調べるには?
風水においての方角を調べる前に、それぞれの角度が異なることを知っておきましょう。日本の風水は、8方位を使うと先に伝えましたが、干支の数で12分割すると一つの干支を30度となります。このうち東西南北を指す干支の子・卯・午・酉がそれぞれ30度、北東、南東、南西、北西を指す丑寅・辰巳・未申・戌亥が60度に分かれます。
方角は、方位磁針を使って調べられますが、最近ではスマートフォンなどのアプリを利用して調べることも可能です。不動産会社のアプリによっては、間取りを撮影すると方位を簡単に出せるものもありますので、ぜひ探してみてください。
3-2.間取り図から調べるには?
間取り図を使って各部屋の方位を調べる際には、まず中心点を探します。これは間取り図の角から対角線を結び、交わった所が中心点です。
ただし、すべての部屋がきれいな四角形ということはないはずです。例えば、欠けといって四角形の一部が欠けているものや、張りといって四角形の一部が出っ張っているものがあるでしょう。欠けている場合はその欠けている部分を補って、張りがある場合はその部分を省いて、中心点を求めます。
中心点を求めたらそこに方位磁針を置き、間取り図に方位を書き込んでいくと良いでしょう。家相などでは、欠けの場所が主人にとって相性の弱い方位にあると良くないと見る場合もあり、専門家の鑑定を受ける場合は正確に欠けの場所や張りの場所の方位を伝えることが大切です。
4.<方角別>おすすめの部屋とは
4-1.玄関は北以外?
風水で玄関の場所として良いとされるのは、南東と南です。玄関は気の入り口であり、風水の基となる陰陽思想から、陽の位置に玄関があった方が良いとされるためです。ちなみに陽の方位は東と南であり、陰の方位は西と北です。
また、陽の位置でなくとも、陽を表す明るい、暖かいといった場所は候補に挙がります。賃貸物件や中古物件などであらかじめ玄関が決まった場所にあり、それが陽の位置にないからだめということではありません。そういった場合は照明を明るくするとか、インテリアなどで開運効果の改善を図ることもできますから心配しないでください。
4-2.寝室は東・西・南東・北西
寝室は、寝ている間に気の状態を整える大事な場所と考えられています。そんな寝室に適している方角は、東、西、南東、北西です。
寝室の場所によって運気に働く影響が変わってきますし、若い方と年配の方とでも合う方位、合わない方位がありますので、寝室編の詳細は風水で寝室を整えれば運気アップ?!枕の位置や置くと良いモノとはでご確認ください。
寝室はキッチンやトイレと異なり、わりと変更しやすい場所です。仕事の不調が長く続くといった場合には、思い切って寝室を変えてみるのもおすすめです。
4-3.キッチンは東
キッチンは、東がおすすめです。一方、鬼門や裏鬼門と呼ばれる北東や南西は敬遠されます。また、西日が差す西のキッチンは食べ物を腐らせやすいという理由で風水に関係なく避けられます。
キッチンは火の気と水の気という真逆の性質の気が同居する場であり、運気が不安定になりがちです。窓があり風通しが良い場所がおすすめです。光が差し込む方が陽の気を溜めやすいので、カーテンなどを設置する場合にはレースカーテンなどにしましょう。
4-4.トイレは北・鬼門・裏鬼門以外
トイレは北・鬼門・裏鬼門以外が良いでしょう。北は水の気を持つ場所であり、マイナスに働くと冷えるという意味合いがあります。トイレ自体も水の気が溜まる場であり、北にあるとその水の気を強めますし、その気の影響で健康面への害が出ます。
また、トイレは気がこもりやすい場であり、鬼門や裏鬼門に当たる北東や南西に置くのもおすすめできません。
できればそうした場所以外で換気がしっかり利く場所なら良いですし、窓などで空気を入れ替えられる場所ならなおさら良いでしょう。トイレに小物などのインテリアを置くのはあまりおすすめしません。これはほこりが溜まりやすく、インテリア自体に嫌な臭いがつくことで、逆に開運効果を下げることにもなるからです。
4-5.書斎は南西以外
テレワークが増えた最近は、書斎など自宅のワークスペースが注目されています。そうしたワークスペースには、南西以外の場所を選びましょう。南西は奥さんの方位と考えられていて、ワークスペースには不向きであるためです。
また、仕事するのと寝るのを同じ部屋にするケースもあるでしょう。しかし、風水上では、寝室とワークスペースを一緒にするというのはタブーであり、基本的には別にした方が良いです。(あくまで家の主である場合)
5.風水ではNG!間取りや置物で注意したいこと
5-1.階段を家の中心に設置
階段を家の中心に設置するのは、風水上では避けるべきNG事項です。これは玄関から入ってきた気が家の中全体に行きわたる前に2階に逃げてしまうため、1階に悪い気がこもり滞留スペースを生む原因にもつながります。
また、こうしたケースの場合、1階と2階とで上下関係を生むようなトラブルが生じやすく、家庭運を崩す結果につながってしまいかねません。
5-2.変形した間取り
風水では、変形した間取りもおすすめできないNG事項です。これは玄関から入ってくる良い気は対面にぶつかることで四散して家中に広がっていくのですが、でこぼこしたような特殊な変形をしていると、うまく気が流れなかったり、悪い気が滞留するデッドスペースが生まれたりします。
デザイナーズマンションなどでたまに特殊な間取りを見かけますが、おしゃれを取るか、開運を取るか、一方に目をつむるケースも出てくるでしょう。短期的に住むのなら影響は軽微となりますが、長期で住むことを念頭に置いた場合は慎重に考えましょう。
5-3.ドライフラワーを置く
風水では、ドライフラワーやハーバリウムなどもおすすめできないNG事項です。これは枯れたものには陰の気がこもるとされるためです。
しかし、どの部屋でもNG、といった極端な考えは避けるべきでしょう。玄関は気の入り口であることから避けるべきですが、西日が入る部屋などでは運気上昇するケースもあるためです。
また、大きな物ほど影響が大きくなるため、ドライフラワーの小物アイテムならそこまで気にする必要はないでしょう。
5-4.壊れた物を放置
風水は、古い物や壊れた物を放置していると、運気が下降するという考えがあります。また、壊れたままの状態を保つという行為が運気自体にも悪い影響を与え、運気の停滞を招くことになるでしょう。
壊れた物は放置せずに片づける、処分するが基本であり、捨てることで運気が上向くと思って積極的に処分していきましょう。
5-5.トイレに本を置く
トイレに本を置くのも、風水ではNG事項です。風水の基本は、そのものが直接関係のない場所には置かないことです。本やカレンダーなどはトイレの中に溜まる悪い気を吸収しやすいです。
また、本やカレンダーをトイレに置くと、そこにほこりが溜まることで運気ダウンにもつながります。特にトイレに起因する運気の不調は女性に出やすく、健康運への影響が出ますので注意しましょう。
おわりに
風水では、玄関・キッチン・トイレは重要な役割を持つと考えられており、その方位の取り方一つで大きな影響がでます。しかし、賃貸物件などでは場所をいじれないといったケースもあります。引っ越しをしてから何か不調に感じる場合には、家の中に何か問題があるのかもしれません。そうした場合には、このコラムを参考に一度風水のチェックリストを作って、不調の原因を突き止めてみるのも良いでしょう。