除方法が分からない」「どんな洗剤を使えば良い?」という方も多いでしょう。キッチンの油汚れは、重曹・クエン酸・セスキ炭酸ソーダなど誰でも手に入る身近なアイテムを使って落とすことが可能です。
今回はキッチンの頑固な油汚れの落とし方について、場所別に解説していきます。
油汚れを掃除する際に準備するものは?
まずは、キッチンの油汚れ掃除に役立つ便利アイテムをご紹介しましょう。
家にあるものでOK!油汚れを落とす4つのアイテム
油汚れを落とす力がある4種類の洗浄剤について、それぞれの特徴や用途も含めて説明します。
クエン酸
クエン酸は水に溶けやすく、お酢や梅干しにも含まれている酸性の洗浄剤です。水アカや石けんカス、尿汚れなどアルカリ性の汚れに効果を発揮します。
油汚れを落とすにはクエン酸だけだと効果があまりありませんが、重曹と混ぜ合わせて発生する炭酸泡を利用すれば効果が高まります。この炭酸泡には高い洗浄力があります。またクエン酸は、無臭で殺菌効果があるため、電子レンジやコンロなどの消臭殺菌もでき便利です。
重曹
重曹は炭酸水素ナトリウムの白い粉末です。弱アルカリ性の重曹には、研磨作用や消臭効果、発砲・膨張作用があり、家中の掃除に欠かせない洗浄剤として活用されています。
また無害な重曹は食用にも利用され、お菓子作りに使われるベーキングパウダーの主成分として有名です。
重曹の洗浄効果は、油汚れなど酸性の汚れに働きます。油汚れは重曹を直接かけて起こる中和反応により汚れを分解したり、こすったりすることでスッキリ落とすことが可能です。
重曹は粒子がやわらかいため、こすっても素材に傷が付きにくく、クレンザー代わりに安心して使用できます。
小麦粉
小麦粉は小麦の胚乳を使って作られた粉末です。胚乳に含まれるたんぱく質(グルテン)には油を吸収する性質があり、換気扇の油汚れにも活用できます。
油汚れが気になる部分に小麦粉をふりかけてしばらく置くと、小麦粉が油分を吸収して固まります。乾いた布などでこすれば、汚れごと一気に落とすことが可能です。
また、小麦粉には研磨作用もあります。酢と一緒に混ぜ合わせて使うと、水アカが付いたシンクや頑固な黄ばみ汚れの付いたトイレ掃除などにも効果的です。
取り外しにくい場所などを掃除するときは、水と小麦粉を混ぜ合わせてペースト状にしてから汚れに塗ってふき取ると良いでしょう。
セスキ炭酸ソーダ
セスキ炭酸ソーダは、炭酸ソーダと重曹を混ぜ合わせたアルカリ性の洗浄剤です。油汚れや食べこぼしなど酸性の汚れに強く、しつこい油汚れにも対応可能な洗剤同等の高い洗浄力を持っています。
基本的な活用方法は、汚れに粉末をふりかける方法や、セスキ炭酸ソーダを溶かした水を汚れに噴霧したり、漬け置きしたりする方法です。
天然由来のセスキ炭酸ソーダは、環境や人体にも優しく、赤ちゃんやペットが一緒に暮らすご家庭でも安心して使うことができます。
あると安心!便利グッズ
これまで重曹やクエン酸などの掃除アイテムを説明しましたが、一緒に使うと便利なグッズ3点を簡単に紹介しましょう。
1つ目は「ラップ」です。油汚れの上に重曹ペーストをのせ、丸めたラップで円を描くように磨けば汚れを落とすことができます。
2つ目は「歯ブラシ」です。ガスコンロの五徳や排気カバーなど細かいパーツがある場合は、重曹などの洗浄剤に漬け置きした後、歯ブラシやスポンジなどでこすり洗うと良いでしょう。
3つ目は「メラミンスポンジ」です。高い研磨性があるメラミンスポンジは、水を含ませ軽くこするだけで汚れが落とせます。頑固な油汚れには、重曹やセスキ炭酸ソーダと併用して使うと、より強力に落とすことが可能な便利アイテムです。
まずは軽い汚れから!油汚れを一瞬で落とす方法
キッチンの油汚れを掃除するにはどのような手順を踏めば良いか悩む方もいるでしょう。まずは簡単にできる軽い油汚れの落とし方について紹介します。軽い油汚れは、以下の3アイテムを使って掃除をしましょう。
- 食器用中性洗剤
- 重曹スプレー
- お湯
キッチンに付くほとんどの汚れは、「食器用中性洗剤」を使って落とすことができます。汚れが軽い場合は、食器用中性洗剤を含ませたスポンジや布で汚れを拭き取り、仕上げに残った洗剤を乾いた布でキレイに拭き取りましょう。
食器用中性洗剤の次に試してほしいのが「重曹スプレー」です。重曹スプレーは、小さじ1杯の重曹を100mlの水でしっかり混ぜて溶かして作った重曹水をスプレーボトルに入れて使用します。
作る量は分量を倍にすれば多めに作ることも可能ですが、重曹スプレーは劣化しやすいため必要最小限にして早めに使い切りましょう。
作った重曹スプレーは、気になる油汚れ全体に吹きかけて約5~10分放置します。重曹の成分によって油が分解したら、歯ブラシやスポンジなどを使って汚れを落としましょう。
最後に、冷えて固まった油汚れには「お湯」を使うと効果的です。油は熱を加えると溶ける性質があり、落としやすくなります。40~50度くらいのお湯に漬け置きし、油が溶けてから汚れを拭き取ってみましょう。
調理で使ったフライパンなどに付いた軽い汚れは、まず余計な油をキッチンペーパーや布で拭き取ってからお湯を使うと落としやすくなります。
上記を試しても落ちなかった油汚れについては、次に紹介する頑固な汚れの落とし方を参考にしてみてください。
時間が経った頑固な油汚れを落とす方法
では、簡単に落とせなかった汚れや時間が経った頑固な油汚れの落とし方など、キッチン内の各場所に適した掃除方法について紹介します。
コンロのお掃除
ガスコンロの汚れは、調理の最中に飛び散る油や吹きこぼれた煮汁、調味料などが原因です。これらの汚れは、こまめに掃除をしないと油が付着し、酸化して頑固な油汚れに変化していきます。
酸性である頑固な油汚れは、アルカリ性の重曹で分解して落とすことが可能です。重曹以外にもセスキ炭酸ソーダを使用しても良いでしょう。
重曹を使ってガスコンロを掃除するには、重曹スプレーで使用した重曹水に漬け置くか、重曹大さじ2杯に水大さじ1杯を加えて練った重曹ペーストを塗ります。
ガスコンロの五徳に付いた頑固な油汚れは以下の手順で落とします。
- 汚れがひどい箇所に重曹ペーストを塗る
- 30分ほど放置してからキッチンペーパーなどで拭き取る
もっと細かい部分の汚れも落としたいときは、鍋で加熱し50度前後になった温かい重曹水の中に漬け込んでおくのがおすすめです。付着した油汚れが浮いてきたのを確認したら、歯ブラシや雑巾などを使って磨くと頑固な油汚れも落とすことができるでしょう。
魚焼きグリルのお掃除
魚焼きグリルに付着した頑固な汚れの原因は、焦げ付きと油汚れであることがほとんどです。魚焼きグリルの掃除には「セスキ炭酸ソーダ」や「重曹」を使うことをおすすめします。
まずは、受け皿に付いた頑固な油汚れの落とし方を紹介しましょう。
- 約40度のお湯1Lにセスキ炭酸ソーダを大さじ1杯加える
- 30分~1時間ほど漬けおきし、スポンジやメラミンスポンジでこする
- しっかりと洗い流し、乾燥させる
次に、グリル庫内の頑固な油汚れの落とし方を紹介します。
グリル庫内の掃除には「セスキ炭酸ソーダスプレー」を使うと便利です。作り方は、500mlの水に小さじ1杯分のセスキ炭酸ソーダを溶かしたものをスプレーボトルに移して完成します。
手順は以下のとおりです。
- グリル庫内にセスキ炭酸ソーダスプレーを吹きかける
- その上にキッチンペーパーを貼り付け、ラップで覆う
- 30分ほど放置し、ラップを剥がして汚れを拭き取る
- 布巾などで庫内を水拭きする
排水口のお掃除
排水口の詰まりは、パイプ内に蓄積した食材のカスや油汚れが原因です。排水口が詰まるとシンク内に汚水が溜まったり、悪臭を発生したりするため取り除く必要があります。
ここでは、身近にある「重曹」と「クエン酸」を使い、排水口の詰まりを解消させる方法を紹介しましょう。排水口の掃除は毎日行うのが効果的ですが、なかなか忙しくて難しいという方におすすめです。週2~3回くらいを目標に以下の手順を実施すると良いでしょう。
- 排水口のフタとゴミ受けを外す
- カップ半分の重曹を排水口全体にふりかける
- 約1カップのお湯に大さじ2杯のクエン酸を溶かし排水口に流す
- 重曹とクエン酸が反応し発砲したら10分間放置する
- その間に1で外した排水口のフタとゴミ受けに重曹をふりかけて歯ブラシでこする
- 排水口に1カップのお湯を流し、再び10分間放置する
- 最後の仕上げに大量の水を勢い良く流し込む
レンジフード・換気扇のお掃除
レンジフードや換気扇の汚れは、調理中の油を含んだ蒸気による油汚れやほこりの付着が原因です。放置したままの汚れはベトベト汚れに変わり、換気扇の働きを弱めるだけでなく故障につながる場合もあります。
ここでは、「重曹」と「セスキ炭酸ソーダスプレー」を使ってレンジフードや換気扇を掃除する方法について紹介しましょう。
まずは、換気扇フィルターの掃除方法を紹介します。
- 汚れたフィルターを広げた新聞紙の上に置く
- 重曹をふりかけ3時間程度放置する
- 汚れをキッチンペーパーなどで拭き取る
- 歯ブラシなどで細かい汚れをかき出す
- スポンジを使いながらお湯で洗い流す
- 布巾で水を拭き取る
次に、レンジフードの掃除方法について紹介します。レンジフードの掃除にはマイクロファイバークロスを使用し、セスキ炭酸ソーダスプレーをかけて拭くのがおすすめです。
それでも落ちない頑固な汚れに対しては、以下の方法を試してみましょう。
- キッチンペーパーをかけた上からセスキ炭酸ソーダスプレーを吹きかける
- 5分ほど放置したら乾いたマイクロファイバークロスで拭く
電子レンジのお掃除
電子レンジの庫内に付着する汚れは、食品に含まれるたんぱく質や油分などが主な原因です。これらの汚れは、何度も電子レンジ庫内で温められるとこびり付き、取りにくくなります。
さらには細菌が発生し悪臭を放つだけでなく、電子レンジの加熱効率を低下させ故障させる場合もあります。ここでは、油汚れと焦げに強い「重曹」や「クエン酸」を使った掃除方法をご紹介します。
- 水200mlに重曹小さじ1〜2杯を入れた耐熱容器を電子レンジに入れる
- 電子レンジで2〜3分加熱後、扉を開けずに60分ほど放置する
- 冷えた重曹水を含ませたキッチンペーパーや布巾で庫内を拭き上げる
水アカ汚れも落としたい方は、クエン酸を使った掃除方法がおすすめです。
- 水100mlにクエン酸小さじ2杯を入れた耐熱容器を電子レンジに入れる
- 電子レンジで3分加熱後、扉を開けずに10分ほど放置する
- キッチンペーパーや布巾で庫内を拭き上げる
油汚れを掃除する際の注意点
ここでは、これまで紹介した掃除を行う際の注意点をお伝えします。
換気を忘れずに行う
基本的に重曹やクエン酸、セスキ炭酸ソーダなどは人体に無害といわれています。重曹にクエン酸を合わせると発泡して気体が発生しますが、二酸化炭素なので身体に害はありません。
しかし、クエン酸は塩素系漂白剤を混ぜると有害なガスが発生するため非常に危険です。このため、安心な素材であっても念のため掃除する際は換気を行いましょう。
手荒れ防止のためにゴム手袋を付ける
重曹やクエン酸、セスキ炭酸ソーダなど安心・安全といわれる天然素材であっても手荒れする可能性があるため、使用するときはゴム手袋の着用がおすすめです。
アルカリ性である重曹やセスキ炭酸ソーダは、たんぱく質を分解する働きを持っています。この働きは汚れだけでなく、指先のたんぱく質も落としてしまうので注意が必要です。
また、クエン酸も濃度が高いと手荒れの原因になるため気を付けましょう。
掃除したい場所の素材によって使う洗剤やグッズを変える
今回紹介した洗剤には、それぞれ相性の悪い素材があります。アルカリ性である重曹とセスキ炭酸ソーダは、銅やアルミ、漆などに使用すると変色などのリスクがあるため注意が必要です。
また、クエン酸はコンクリートや鉄、大理石などに使用すると劣化や錆びが生じる可能性があります。洗剤を使うときは、掃除したい場所に使われている素材を確認してから行ってください。
また、便利グッズで紹介したメラミンスポンジですが、傷ができる可能性があるため、光沢のあるステンレスやホーローのシンクには使わないよう注意しましょう。
どうしても落ちない汚れは専門会社へ依頼しよう
ここまで、身近にあるものを使ったキッチンの油汚れの落とし方を紹介してきましたが、どうしても落ちない頑固な汚れは専門会社へ依頼するのもおすすめです。専門会社に依頼するメリットについて説明します。
家事の時短につながる
「この汚れにはどの洗剤が有効なの?」「いくらやっても落ちない!」手強い汚れに立ち向かうのは、時間も労力も掛かります。
専門会社に掃除を依頼すれば、掃除に使うはずだった時間の有効活用が可能です。浮いた時間を利用して他の家事ができるので、家事の時短につながるでしょう。
部品を分解して隅々までしっかり洗浄してもらえる
専門会社はクリーニングのプロなので、依頼すると普段のお手入れでは気付かない部分まで洗浄してもらえます。換気扇やレンジフードなどは部品を分解し、内部に潜む汚れまで徹底的に磨き上げることが可能です。
キレイになった換気扇やレンジフードは油汚れがしっかり除去されるだけでなく、換気効率の向上や火災予防につながります。
間違った方法で掃除をしてしまう心配がない
キッチンの頑固な油汚れや焦げ付きをキレイにしたいけれど、ご自身では汚れを落としきれない、また、掃除が苦手という方もいるでしょう。
「ひどい汚れを見せるのは恥ずかしい…」そう思って専門会社に依頼するのをためらっていませんか。ご自身で間違った方法を選択すると、逆に悪化させる可能性があります。
そうならないためにも、知識・経験豊富で安心して任せられる専門会社を選ぶのは良い選択といえるでしょう。
くらしのセゾンでは、レンジフードクリーニングやキッチンクリーニング、浴室クリーニングなど、住まいのさまざまな場所をキレイにするハウスクリーニングを提供しています。
お掃除のプロが徹底的にキレイにし、清潔で快適な環境を保つことができます。また、気になる箇所をまとめて掃除するお得なセットプランもあります。キッチンの汚れが気になっている方や頑固な汚れにお困りの方はぜひ一度お問い合わせください。
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おわりに
キッチンの頑固な油汚れを落とすには、その汚れにあった洗剤を選ぶ必要があります。今回紹介した掃除アイテムは、100円ショップにも売っている身近なものばかりです。
キッチンに気になる油汚れがある方は、ぜひこのコラムを参考に試してみてください。ご自身では難しいと思っていた方や、試してみてもどうしても落ちない汚れは、知識や経験豊富なクリーニング専門会社に依頼するのもおすすめです。