「FX口座が凍結されて入金やトレードができなくなった」「違反行為した記憶がないのにFX口座が凍結されて困っている」「FX口座の凍結って解除できるの？」といった悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。FX口座が凍結されると、入金やトレードなどができなくなります。
しかし、FX口座が凍結されたからといって慌てる必要はありません。入金されている資金を出金することはできるようです。さらに、凍結理由によってはFX口座の凍結解除ができる可能性はあります。
このコラムでは、FX口座が凍結される3つの理由と凍結解除する方法を紹介していきます。FX口座が凍結されて困っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
１．FX口座が凍結される３つの理由
FX口座が理由なく凍結されることはめったにありませんので、ほとんどの場合はご自身の行動に理由があります。ここでは、FX口座が凍結される理由を解説していきます。
1-1.一定期間口座で取引が行われていない
FX口座の中にお金が入っていたとしても、開設した口座で一定期間取引がないままだとFX提供会社に休眠認定されます。この理由による凍結は、複数のFX口座を開設している方に多いです。
複数開設しているFX口座中で、使わない口座が出てしまってそのまま休眠状態にされます。休眠状態の口座を解除する手間は少しかかりますが、悪意ある第三者に口座を利用される事態を未然に防げる役割があります。そのためトレーダーにとって、悪いことばかりではないといえるでしょう。
1-2.FX提供会社が定めている規約に違反する
FX口座が凍結される主な理由は、FX提供会社の規約に違反している場合がほとんどです。たとえば、スキャルピングや虚偽申請といったFX提供会社が禁止にしていることをすると、規約違反となりFX口座が凍結されます。FX提供会社によって規約の内容は異なるため、事前に規約を確認しましょう。
1-3.FX口座名義人の死亡をFX提供会社が確認する
銀行口座と同じように、FX口座の名義人が亡くなったことを取引しているFX提供会社が知った時に凍結されます。FX提供会社は、基本的にFX口座名義人の親族から死亡連絡を受けない限り知る方法はありません。FX提供会社がFX口座を凍結したあと、口座閉鎖依頼書や口座開設申込書などの必要書類が届き相続の手続きを進めます。
相続手続き完了後は、FX提供会社のほうで口座は解約されて利用できなくなります。遺産相続を漏れなく終わらせるためには必要なことですので、忘れずに行いましょう。
２．FX口座が凍結される２つの禁止行為
FX口座凍結のリスクが高い行為は、禁止と知らずにやっている場合があるかもしれません。知らなかったことで不利益にならないよう、禁止行為の内容を把握しておきましょう。
2-1.スキャルピングなどの禁止取引
スキャルピングは、FXの代表的な取引手段の一つであり、FX口座が凍結される一番の原因になっています。スキャルピングとは、数秒、数分単位で一日に何度も取引を繰り返して、小さな利益を生み出し続けていく投資方法です。
スキャルピングのように短い時間での売買は、FX提供会社によっては禁止しているところがあります。知らずに行うと禁止行為に該当して、FX口座が凍結されるので注意しましょう。
禁止されている理由としては、大量の取引が原因でサーバーに負担がかかって、システムダウンする恐れがあるからです。FX取引を開始する前に、FX提供会社の利用規約で禁止行為を確認しておきましょう。
2-2.虚偽の申請
身内など本人以外の情報をFX口座開設時に申請すると、虚偽申請となります。虚偽申請は規約違反に含まれているため、仮にFX口座が開設できたとしても、不正が判明した瞬間に口座凍結されます。虚偽申請の例として、未成年がFXを始めるために親の名義を使用したケースなどです。
３．FX口座の凍結解除方法
万が一口座が凍結されたときに備えて、解除方法を知っておきましょう。ここでは、FX口座が凍結された理由ごとに解除方法を解説していきます。
3-1.規約違反して口座を凍結された場合
FX提供会社が定める規約に違反してFX口座が凍結された場合、基本的に凍結解除できる可能性はほとんどありません。規約違反したことに心当たりがない場合は、FX提供会社のサポートセンターに連絡しましょう。
3-2.一定期間取引を行っていないため口座を休眠された場合
休眠口座の解除方法は、以下のいずれかをすることで簡単に解除できるので、気付いたらすぐに行いましょう。
- 取引を再開する
- 口座に追加入金する
- サポートセンターに連絡する
FX提供会社によっては、本人確認書類の再提出などが求められる場合があります。仮に、もう使わないFX口座だった場合は、残しておいてもまた忘れて休眠認定される可能性があります。その場合は、解約してしまっても良いかもしれません。
４．FX口座を凍結されないための３つの対策
ここでは、FX口座を凍結させないための対策を解説していきます。
4-1.金融ライセンスを取得しているFX提供会社を選択する
金融庁からライセンスを取得しているFX提供会社なのか確認しましょう。金融庁のホームページでは、このように注意喚起されています。
「ＦＸ取引は、金融商品取引法上のデリバティブ取引に該当します。日本に居住する投資者に対してＦＸ取引を業として行うには、金融商品取引業の登録が必要です。たとえ海外で金融商品取引のライセンスを持つ業者であっても、日本で登録を受けずに日本に居住する者に対して金融商品取引を業として行うことは禁止されています。」
「無登録業者と取引した場合は、トラブルが生じても無登録業者への追及は極めて困難です。取引を始める前に、取引の相手が金融商品取引法の登録を受けている業者であることを必ず確認してください。」
もちろん、金融ライセンスを取得しているからといって、そのすべてが安心して取引できるわけではありません。しかし、悪質なFX提供会社にお金をたくさん入れている口座の凍結や、出金拒否されるリスクを避けるため、口座開設前のライセンス確認は必須と言えるでしょう。
4-2.取引を開始する前にFX提供会社の規約を確認する
FXの取引を開始する前に、規約はきちんと確認しておきましょう。FX口座が凍結される一番の原因は、トレーダーがスキャルピングなどのトレード手法が禁止行為に該当していると認識していないからです。
FX提供会社の規約に従い、ルールを遵守して取引を行えば凍結されるリスクは下げられます。仮に、スキャルピングをしたい方は、規約を確認したうえで禁止行為に指定されていないFX提供会社を利用しましょう。
4-3.使っていないFX口座は解約しておく
FXの取引で使わなくなった口座は、忘れないうちに解約しておきましょう。取引せずにFX口座を放置していると、FX提供会社によって休眠認定されます。また、管理していないFX口座が、気づかないうちに第三者に悪用されて犯罪に巻き込まれる可能性もゼロではありません。
５．FX口座のお金も相続の対象になる
相続の対象になる財産は、現金や銀行預金、不動産など様々であり、FXのようなデジタル遺産も含まれます。しかし、FXなどのデジタル遺産を何も考えずに相続すると、場合によっては相続人が莫大な負債を負担する可能性があります。
たとえば、預金や不動産などの財産よりFXでの損失額が大きければ、遺産を引き継ぐメリットがないため、相続放棄を検討する必要があるでしょう。相続人にも取引していることは分かるようにしておきましょう。
おわりに
FX口座が凍結される理由は、一定期間口座で取引していない場合や違反行為をした場合がほとんどです。理由なくFX口座が凍結されることは多くありません。しかし、違反となる取引行為をした場合は、口座凍結を解除できる可能性はほとんどありません。
ただし、FX口座のお金も遺産相続の対象となります。FXに詳しくない相続人が手続きを行うことにも備えておきましょう。
