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写真の撮り方|おしゃれな構図の知識

写真の撮り方|おしゃれな構図の知識
早坂 華乃 ブランディングフォトグラファー

執筆者

ブランディングフォトグラファー

早坂 華乃

1枚のプロフィール写真で女性起業家を次のステージへ導く、ブランディングが得意なフォトグラファー。ただ綺麗な写真ではなく、集客目線で撮影する「ブランディング撮影」で、広告費0円で満席更新中。主催するフォトグラファー養成講座では、プロ希望者デビュー率100%を誇る。2022年『ブランディング撮影の教科書』出版

今やスマホで気軽に写真が撮れる時代。せっかくなら素敵な1枚を撮りたいですよね。

旅先で感動した景色、、、可愛いカフェで食べたケーキ、、、撮りたいなって思ったものが、綺麗に撮れた時、とっても嬉しくなると思います。逆にうまく撮れなかった時は、「どうしてうまく撮れないのかな」「自分にはセンスがないのかな」と落ち込むことがあるかもしれません。

写真にセンスがなくても大丈夫です!今回はちょっとした工夫で写真が見違える、構図の秘密をお伝えしますね。

1.センスがないとおしゃれな写真は撮れない?

「私はセンスがないからおしゃれな写真なんて無理無理!」「インスタ映えって流行ったけど、センスないからハードル高過ぎる!」

そんな風に思っている方には、朗報です。実は生まれ持ってセンスがある人というのはほんの一握りの方だけです。少数派なんです。

私も今でこそ、「センスがいいですね」と撮影した写真を褒められますが、もともと生まれ持ったセンスがあるわけではありませんでした。では、なぜ今褒められる写真が撮れるようになったかというと、努力してセンスを身に付けたからなんです。

そう!センスは誰でもポイントさえ押さえたら身に着けられるものなんです。ではどうやって身に付けたら良いのでしょうか?センスを身に付ける方法は色々ありますが、今日はその中で1番簡単な「構図」に当てはめるという手法をお伝えしたいと思います。

2.構図って何?

そもそも「構図」とは一体なんでしょうか?写真の構図とは、簡単に説明すると「フレームの中にどのように被写体(主役となる対象物)を配置するか」を意味します。つまり、構図を考えるという事は、写真全体の中で被写体をどこに置くかを考えることになります。

ご自身で1から考えるとなるとハードルが高いように感じてしまいますが、構図には、いくつか有効な「型」があります。その「型」とは、多くの人がみて、「素敵だな」「おしゃれだな」「バランスがいいな」と感じられるようになっているんですね。

そのため、その型に当てはめることで、多くの人みて、「素敵だな」「おしゃれだな」と思えるような写真に近付けられるというわけなんです。そんな魔法があるなら、ぜひともマスターしたいですよね。ここでは、特に使う頻度の高い3つの構図を中心に紹介していきます。

3.基本の構図  

3-1.三分割構図

まず、基本中の基本といえるのが三分割構図です。写真と縦と横それぞれ3つに分割し、その線が交わる4つのいずれかの「交点」に主役を配置するという構図になります。

三分割構図
三分割構図

文章だと分かりにくいですが、図を見ると一目瞭然、分かりやすいと思います。交点は全部で4つありますが、主役をどの交点においても問題ありません。

この構図は、余白が生まれ、おしゃれなバランスに見えることや、その余白に文字を入れやすいことから、世の中で1番多く利用されている構図ともいえます。外出先で、電車のつり革やポスターを少し意識して見てみてください。三分割構図を使ったものが結構多く見つかると思います。

人物をこの構図に当てはめる時は、人物の顔が向いている方向にスペースを空けるようにすると自然な印象になります。逆に顔と反対側にスペースがあると違和感を生じます。

人物から物まで汎用性が高い構図

ただし、あえて違和感を狙うのであれば、その構図もありです。ここで重要なのは、特に写真に正解・不正解というものはありません。どちらを選んでも、自分自身が表現したいものが表現できればOKです。この構図は人物から物まで汎用性が高いので、ぜひ覚えておきましょう。


3-2.日の丸構図 (素人構図)

次にご紹介するのは日の丸構図です。日の丸構図は、フレームの真ん中に主役を配置する構図です。

日の丸構図 (素人構図)
日の丸構図 (素人構図)

多くの方が、主役を真ん中に配置しようとしますよね。だからこそ、この構図は別名「素人構図」とも呼ばれています。

ただ、この構図を使って「素人感」を出さないようにするには2つのポイントがあります。

ひとつ目のポイントは、主役は真ん中に大きく配置することです。主役が小さいといまいち主役が伝わりづらい写真になってしまうので注意です。日の丸構図で撮るときは、主役は大きく真ん中にどーん!とくるようにしましょう。

2つ目のポイントは背景をすっきりとさせることです。背景がごちゃごちゃしていると、主役が引き立ちません、主役が引き立ちインパクトを与えるようにするためには、背景をすっきりシンプルにまとめるのがポイントになります。

日の丸構図は、シンプルですが、「シンプルイズベスト」といわれるように、1番インパクトがある構図になります。ここぞ!と伝えたい時は、この構図を選択できるといいですね。

お子様がいらっしゃる方は、お子様のはじける笑顔なども、この構図で撮るのがおすすめです。

3-3.C字構図

料理を撮るのによく使われるのがこの構図です。丸いお皿の全体を写すのではなく、少し寄って、お皿の一部だけフレームにいれるようにします。すると、Cの字のように見えることから、「C字構図」と呼ばれています。

この構図は、お皿の一部をあえてカットすることで、料理自体に目がいきやすくなる効果があります。とても簡単なのでぜひお試しください。

3-4.その他の構図

その他、画面に斜めのラインを意識して配置する「対角線構図」、画面に三角のラインが来るように配置する「三角構図」「水平構図」など、沢山の種類があります。

対角線構図
対角線構図
三角構図
三角構図
水平構図
水平構図

少し構図に慣れたら、その他の構図を調べてチャレンジするのもいいでしょう。構図にはたくさん種類がありますので、まずは、ここで最初にご紹介した3つ(三分割構図、日の丸構図、C字構図 )をマスターしてみましょう。

4.構図は組み合わせられる?

実は構図は組み合わせが可能です。例えば料理を撮る際は、日の丸構図で大きく真ん中にいれつつ、C字構図でお皿の一部をフレームアウトして切り取ることもできます。

日の丸構図+C字構図
日の丸構図+C字構図

また構図は組み合わせることで無限大に広がっていきます。少し構図に慣れてきましたら、ぜひ組み合わせにもチャレンジしてみてください。

ちなみに「プロカメラマンでも構図を意識して撮影されるのですか?」と質問されることがありますが、もちろんプロなので構図の知識は感覚として身に付いています。ただしあえて、撮影する際に、構図を気にするということはあまりありません。(個人差はあると思いますが)すでに感覚として身に付いているので、それを「自然に活かしている」といえばいいでしょうか。でも、プロカメラマンではない人にとって、構図はなじみが浅いものなので、撮る際に意識することがとても大切です。

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おわりに

今回は、ちょっと意識するだけで写真ががらりと変わる、構図の事をお伝えしました。写真を撮ってもセンスがないと落ち込んでしまう方にとっては、構図の知識があることで、センスが良い印象の写真を撮ることができるようになるので、構図は救世主ともいえるでしょう。ただしここでひとつお伝えしたい事があります。

構図は万能ですべてではありません。あまり構図にこだわりすぎると、構図に当てはめることでしか写真を撮れなくなってしまいます。

子どもにカメラを渡すとそれはそれは自由な感性で写真を撮ってくれます。その中であっと驚くような芸術的な写真が撮れていることも意外に多くあります。

それは、もう自由に表現しているからにほかなりません。構図は、簡単にセンスが良い写真を撮れるようになるマジックですが、同時に自由に撮る感性を時に押さえ込んでしまう障害になってしまうこともあるでしょう。構図は、知識として持っておき、うまくバランスが取れない、フレームするのに迷う、という時思いだして使ってもらえるようにして、自分の自由に切り取りたい感性も大切にしながら写真を撮っていってほしいと思います。

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