4人家族の生活費はどのくらいかかるのか、気になる方は少なくないでしょう。今回のコラムでは、子どもの成長とともに変わる生活費の見直しから節約ポイントまでをまとめています。
- 家族4人の生活費はどのくらいかかるのか
- 家族4人の生活費を節約するためにはどうすればよいか
- 生活費を節約するポイントはなにか
4人家族における生活費の平均額や見直しポイントなどを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
4人家族の生活費は平均約32万円
無駄な支出を減らすためには、家計管理は大切です。4人家族の生活費1ヵ月分の平均値を参考に、毎月の収支を把握することからはじめましょう。
4人家族の生活費(消費支出)の内訳
内訳総支出(消費支出) | 金額323,324円 |
---|---|
住居費 | 15,208円 |
水道・光熱費 | 25,655円 |
家具・家事用具費 | 12,327円 |
食費 | 90,712円 |
被服費 | 12,592円 |
保健医療費 | 13,065円 |
交通費・通信費 | 46,226円 |
教育費 | 26,979円 |
教養娯楽費 | 32,503円 |
その他 | 48,057円 |
なお、住居費は賃貸住宅で家賃を支払っている家庭が対象です。住宅ローンを組んでいる家庭の住居費が統計上0円と計上されているため、実際の住居費はもっと多いと予想されます。
※生活費(消費支出)とこの表の合計額には若干誤差が発生します。
参照元:政府統計の総合窓口
これから「家計調査(家計収支編)令和5年(2023年)」を参考に、4人家族の生活費について詳しく説明します。
住居費
同調査によると、4人家族の住居費は15,208円でした。家計調査での住居費は、賃貸住宅で支払っている家賃の金額です。住宅ローンを組んでいる家庭は0円になるため、実際の住居費よりも少ない結果となっています。なお、令和4年度の住宅ローン月額平均は145,000円でした。
住居費は簡単に節約できる項目ではありません。しかし明らかに今の家賃が手取り月収の3分の1を超えているなど、支出の割合として高すぎると感じているのであれば、引っ越しも検討してみましょう。一時的に費用はかかりますが、長い目で見ると住居費の節約につながるケースは多々あります。
また住宅ローンを組んでいる方であれば、借り換えによって適用金利を引き下げられた場合、毎月の支払額や総返済額を減らせる可能性があります。申し込み前に借り換えシミュレーションを利用して、実際に費用を抑えられるかどうか確認してみてください。
水道・光熱費
4人家族の水道・光熱費の内訳は、以下のとおりです。
- 電気代:13,532円
- ガス代:5,284円
- 上下水道代:6,042円
- その他光熱費:797円
水道・光熱費の合計金額は25,655円で、全体の約8%を占めています。
なお、その他光熱費には灯油代が含まれます。日本の北部地方では速暖性の高い灯油を利用した暖房器具を使うケースが多いため、その他光熱費も高い傾向です。
水道・光熱費は、毎日の生活で節約を意識することで削減可能です。例えば以下の項目を意識するだけで、少しずつではありますが費用を抑えられます。
- 人のいない部屋の電気を消す
- 使っていない電化製品のコンセントは抜く
- 歯磨き中は水を止める
- 洗い物は細い水流でする
また6~9月や12~3月はエアコンを使用するため、電気代が増える傾向があります。しかしエアコンの使用でかかる電気代は、工夫次第で大きく削減可能です。
- なるべくひとつの部屋で生活する(家族の状況に合わせて無理のない範囲で)
- カーテンを閉めて冷暖房効果を高める
- サーキュレーターや扇風機を使用して空気を循環させる
ただし、節約を気にしすぎて体調を崩してしまっては本末転倒ですので、無理のない範囲で取り組みましょう。
家具・家事用品費
4人家族の家具・家事用品費は12,327円で、全体の約4%を占めます。
家事用の消耗品はなくなるたびに買いに行くのではなく、特売日やセール日などにまとめ買いしましょう。その結果、年間を通して支出を抑えられる可能性があります。
また、冷蔵庫や洗濯機などの白物家電は高価格のものが多いため、買い替えで出費がかさみがちです。買い替え時期が近づいてきたら、毎月少しずつでも購入資金を積み立てておくと、急な出費にも対応できるでしょう。
食費
4人家族の食費は90,712円で、生活費の中では最も支出が高くなっています。食べ盛りの子どもがいたり、共働きで仕事が忙しかったりする4人家族は、外食やスーパーの惣菜に頼る場面も少なくありません。その結果、想像以上に食費がかかるケースも多々あります。
毎月の食費を減らすためには、家にある食材の管理が大切です。賞味期限切れで食材を無駄にしないように、計画的に購入しましょう。
被服費
4人家族の被服費は12,592円で、家族別の内訳は以下のとおりです。
- 男性用:1,748円
- 女性用:2,656円
- 子ども用:932円
この結果から、男性や子どもよりも女性の方が洋服にお金をかけていることが伺えます。
また、子どもの衣料は成長とともに買い替えが必要になるため、おさがりや古着などで費用を抑える工夫が重要です。なるべく長く着られるように、大きめのサイズを購入することも被服費の節約に効果があるでしょう。
保健医療費
4人家族の保健医療費は13,065円で、1人あたり約3,200円です。保健医療費は、健康維持や疾病治療、身体矯正などのために必要な支出になります。
普段は健康上の問題がない方であっても、突然のケガや病気などで高額な医療費を負担することになるケースがあります。急な出費に備えるために、毎月決まった金額を医療費として貯金しておくのがおすすめです。
また日頃からの健康管理は大切です。なるべく病院にかからないように、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠など日頃の生活を改善し、医療費削減に努めましょう。
また万一の事態に備えて医療保険に加入しておくことも選択肢のひとつです。入院や手術などの費用を賄えるうえ、年末調整の際に保険料の一部を所得から控除できます。ただし、闇雲に加入するとかえって家計を圧迫するおそれがあるため、必要最低限に絞りましょう。
交通費・通信費
4人家族の交通費・通信費は46,226円です。交通費・通信費は、人の移動や物の運送、情報伝達などに必要な支出になります。
通信費は節約可能な項目のひとつです。夫婦の携帯電話代は、プランの見直しや格安SIMへの変更で削減可能です。
また、子どもの成長につれて携帯電話を持たせるケースが増えてきます。子どもがゲームやインターネットなどでスマートフォンを使いすぎると、データ通信量が増えて料金が高くなる可能性があります。そのため、使用時間やデータ通信量を制限する設定を行うことで、通信費の節約につながります。
携帯電話代の見直しは、気軽にできて効果の高い節約方法です。とはいえ、見直しの際には、単に料金だけではなく通信速度やサービスについてもしっかり検討しましょう。
教育費
4人家族の教育費は26,979円です。子どもの教育費は、多額の資金が必要です。
小学校の公立と私立を例にあげると、学習費総額で公立は321,281円に対し、私立は1,598,691円と約120万円の差が出ることが分かります。また、文部科学省「教育費の負担」より、大学卒業するまでにかかる教育費は国立・公立学校で約800万円、私立学校で約2,200万円になります。
このように、教育費は経済的な不安要因の1つです。今後必要になる教育費は子どもが小さいうちから計画的に貯めましょう。
教養娯楽費
4人家族の教養娯楽費は32,503円です。教養娯楽費は、教養や娯楽はもちろん、趣味や旅行などに必要な商品とサービスへの支出です。主に宿泊料やパック旅行費、教育用月謝、諸会費、テレビ、新聞などが含まれます。
趣味や旅行の費用を減らすのは簡単ですが、充実した毎日を過ごすために必要なお金ともいえます。あまりに切り詰めてしまうと毎日がつまらなくなってしまいます。
無理のない範囲で娯楽の費用を設定しましょう。
その他
4人家族のその他消費支出は48,057円です。その他の支出は、消費支出のうちどこにも分類されない財とサービスへの支出になります。
その他支出の具体的な内訳は以下のとおりです。
- 諸雑費:26,717円
- 理美容サービス:3,276円
- 理美容用品:5,791円
- 身の回り用品:2,322円
- たばこ:1,012円
- その他諸雑費:14,315円
教養娯楽費と同様にその他支出も節約できる項目が多いです。しかし節約しすぎてつまらない毎日を送らないよう、費用を設定しましょう。
参照元:政府統計の総合窓口
子どもの年齢別生活費シミュレーション
4人家族でも家庭により年齢構成は異なります。ここからは、2人の子どもを年齢別にシミュレーションし、生活費の違いを見ていきましょう。
2人とも幼児の場合
子どもが5歳と3歳の幼児の場合、生活費は約279,000円です。子どもが幼いうちは食べ盛りの年齢と比べて、食費がかかりません。そのなかで節約できる項目として、被服費があげられます。被服費は上の子のおさがりで対応すると削減可能です。
2人とも小学生の場合
子どもが9歳と7歳の小学生の場合、生活費は約360,000円です。小学生が2人になると食費が約80,000円と多くなります。また小学生になると給食費や教材費、学校行事費などが必要になります。生活費は多めに見積もり、毎月貯金することを目標にしましょう。
長子が中学生の場合
子どもが13歳の中学生と11歳の小学生の場合、生活費は約393,000円です。2人の子どもが小学生と中学生になると、食費は大人3人分と子ども1人分が必要になります。また、中学生は学習塾や家庭教師等で勉強する機会も増えてくるので、教育費が小学生よりも高くなります。
長子が高校生の場合
子どもが17歳の高校生と15歳の中学生の場合、生活費は約399,000円です。2人の子どもが中学生と高校生で、食費は大人4人分必要になります。なお、2人の子どもを私立に通わせた場合、国公立に比べて授業料の負担が大きくなるので注意しておきましょう。
また大学生を含む家庭であれば、学費や仕送りなど大学生活に必要な費用がさらに増えてきます。
4人家族の生活費を節約する方法8選
節約のために生活費を見直す場合、どこから手をつければ良いのか悩んでしまいがちです。生活費を見直すときは、まず毎月の固定費をチェックしてみましょう。ここでは、4人家族で節約するためのコツをご紹介します。
1.電力会社やガス会社を見直す
生活費を見直しやすいのが、電気やガスなどの光熱費です。
2016年より電力・ガスの自由化が進み、契約者が供給会社を選べるようになりました。そのため、現在よりも単価が安い会社と契約すると光熱費の節約が可能です。さらに電気とガスのセットプランや、夜間の使用量が多い家庭に適したプランなどを利用することで、料金が今より安くなる可能性もあります。
2.通信費を見直す
日常生活に欠かせないスマートフォンは、ひとり1台が当たり前の時代になりました。固定費に含まれる通信費の負担も、家計を圧迫する要因のひとつです。スマートフォンを大手キャリアで契約している家庭であれば、格安SIMに変えることで毎月の通信費を削減できる可能性があります。
ただし格安SIMに変えると、各キャリアに付いていたメールアドレスは使用できなくなります。また格安SIMの会社は実店舗がないケースが多く、対面での対応がむずかしいというデメリットもあります。格安SIM会社を利用する際は、料金以外の要素も含めて総合的に判断してみてください。
3.食費を見直す
食費は買い物方法を見直すだけでも削減可能です。
例えば以下の方法は食費削減に効果的です。
- 1回の買い物でまとめ買いしてスーパーに行く回数を減らす
- 1週間の献立を決めてから買い物に行く
- 1週間分の食費を決めておく
買い物に頻繁に行くと、必要以上のものを購入してしまいがちで、結果的に無駄な出費につながります。買い物回数を減らして余計な支出を抑えましょう。
4.家賃が安い物件に引っ越す
賃貸住宅に住む家庭で、生活費全体の大きな割合を占めるのが家賃です。現在の収入に対して家賃が高いと感じているのであれば、引っ越しも検討してみましょう。
引っ越しは専門会社へ依頼する費用や新しい物件の契約手数料などがかかるため、一時的に支出は増えてしまいます。しかし今後の家賃や共益費を抑えられるため、節約効果は大きいです。。
賃貸物件の契約更新は通常1〜2年ごとに行われます。この更新時期は、自身の住環境を見直す良い機会です。もし家賃負担が重いと感じているなら、この時期に合わせて引っ越しを検討するのもよいでしょう
5.持ち家に住んでいる方は住宅ローンを見直す
住宅ローンを契約している方は、借り換えで毎月の支払い額を抑えられる可能性があります。住宅ローン金利が高い時期に契約している方は特に、借り換えによる節約効果が大きいです。
住宅ローンの借り換えを検討する際は「クレディセゾンの借り換えシミュレーション」がおすすめです。住宅ローンの借り換えは面倒な手続きが多いため、後回しにしてしまう方も多いでしょう。しかしクレディセゾンは、WEB上で簡単に支払い金額のシミュレーションが可能です。シミュレーションだけなら料金は無料なので、返済額を減らせる可能性があるか知りたい方は、利用を検討してみてください。
また、お客様の希望やニーズに合わせた最適な住宅ローンを提案できる住宅ローンの相談窓口では、住宅ローンの借り換えについて無料相談を実施しています。シミュレーション結果に興味を持った方は、気軽に相談してみてください。
6.交際費を見直す
何気ない飲み会の会費といった交際費も、家計には大きな負担になります。必要性のない飲み会や会合などへの参加は控え、生活スタイルを見直すことも重要です。
7.加入している保険を見直す
もしもの備えとして加入する保険ですが、保障内容を厚くし過ぎて保険料の支払いが高くなっては意味がありません。ライフステージの変化とともに必要な保障内容は変わるので、定期的に見直してみましょう。
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8.クレジットカードなどのポイントを活用する
毎日の生活に必要な食品や日用品、衣類や娯楽費を
クレジットカードで支払うと、ポイントが貯まり次回の買い物で利用できます。貯めたポイントで別のお買い物ができると考えると、家計にとって大きな節約になるでしょう。
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4人家族の生活費を節約するポイント5選
生活費の節約は、家計を良好にするために大切です。ただし、必要以上に切りつめすぎると、節約疲れで息切れしてしまいます。無理なく節約を続けるためのポイントを5つまとめました。
1.目標を決める
節約のモチベーション維持に効果的なのが、目標を決めておくことです。例えば「子どもの大学入学のために300万円貯金する」「毎月50,000円は専用口座に入れる」といった具体的な数字を決めることで節約を続けやすくなります。
何のための節約かわからなくならないように、しっかり目標を立てましょう。
2.生活の質を落としすぎない
節約のために生活費を抑えすぎると、生活の質が落ちてしまう恐れがあります。節約は無駄を省くことが大切です。必要なものまで節約してしまうと、普段の生活に支障をきたすだけではなく、精神面でも悪い影響を与えかねません。
ときには家族で外食に行ったり、近場でドライブを楽しんだりするなど、プチ贅沢をしながら節約を続けることが大切です。
3.将来のために必要な費用は確保する
生活費を節約するには、今の暮らしに必要な支出を明確にし、無駄を少なくすることが大切です。子どもの教育費や自分のキャリアアップ、老後のための費用など、将来につながるものはしっかりと予算を確保しておきましょう。
そのために貯金するのもひとつの方法ですが、お金を運用して増やすことも検討してみてください。
将来ゆとりのある暮らしをしていくために、今から必要な費用を積み立てておきましょう。
4.貯蓄や投資に回すお金は先に確保しておく
毎月の給与をもらった時点で、貯蓄に回すお金を確保しておきましょう。
「貯蓄は1ヵ月の収入から費用を差し引いた残りでするもの」と考える方は少なくありません。しかしこの方法では、費用が多い月は貯蓄ができなかったり少なかったりするため、安定してお金を貯めるのは難しいです。
毎月安定して貯蓄するには、先に貯蓄分を確保しておくことが大切です。この方法は貯蓄後の残ったお金でやりくりするため、決められた費用で生活するクセをつけられます。
ただし貯蓄額の設定が多すぎると、残りのお金で生活するのが難しくなるので注意が必要です。無理なく達成できる目標額や期限を決めたうえで、毎月確実に貯蓄を増やしていきましょう。
5.家計簿ツールを使用して管理する
毎月の家計管理は可視化して把握することが大切です。家計簿ツールを利用して、どの項目がどのくらい費用がかかっているのか、しっかりチェックしましょう。
自分ではわかっているつもりでも、はっきりしない支出は意外と多いです。また自分で思っている以上にお金をかけているケースも少なくありません。そのため目にみえるように支出を管理することが大切です。
最近はスマホアプリで簡単に家計管理できるものも多数あります。家計管理は継続が重要であるため、無料かつ機能がシンプルで使いやすいアプリがおすすめです。手軽に家計管理できるようになるので、気になる方は使用を検討してみてください。
生活費を見直したい方はお金のプロに相談!オンラインFPショップ「セゾンのマネナビ」がおすすめ
4人家族の生活費と節約のポイントを解説しました。生活費は、子どもの成長とともに大きく変化します。家計のやりくりを上手にするには、支出の管理が大切です。無理のない範囲で節約し目標を定め、将来のために必要な費用を貯めておきましょう。
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※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。