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【会計処理】ファクタリングは仕訳や勘定科目でどうなる?

【会計処理】ファクタリングは仕訳や勘定科目でどうなる?
セゾンのくらし大研究 編集部

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通常の掛取引の仕訳

掛取引とは、一定期間内にやり取りした取引金額の総額を一定の時期にまとめて精算する取引方法です。例えば、8月中に仕入れた原材料の代金は9月末までに支払うという場合です。

頻繁に取引を行っても精算を1度にまとめられる便利さから、現在多くの業界において掛取引が行われています。特に月末締めの翌月末払いというように、当月分の代金を翌月末にまとめて支払うという掛取引が多くなっています。

掛取引によって生じる代金を受け取る権利を売掛金といいます。売掛金は後日支払いを受け現金となるため、お金が発生する権利として資産となります。貸借対照表上においては売掛金として資産の部に属することになります。勘定科目はそのまま売掛金となります。

対して買掛金は後日代金の支払義務を負うものになります。貸借対照表上においては買掛金として負債の部に属します。勘定科目はそのまま、買掛金となります。

では、実際に売掛金について発生から支払いを受けたときまで、どのように仕訳をしていくのか確認していきましょう。10,000円の売掛金について、預金口座にお金が振り込まれる形で支払いを受けるという事例で解説します。資産として扱われる売掛金は基本的に2段階に分けて仕訳をします。1回目は売掛金が発生したときです。具体的には下記のように仕訳けします。

借方金額貸方金額
売掛金10,000円売上10,000円

2回目は実際に代金の支払いを受けた際に行います。代金の支払いを受けたということは売掛金が減って預金口座内の現金が増えた(売掛金が預金口座内の現金に変わった)と言い換えられるため、次のように仕訳をします。

借方金額貸方金額
普通預金10,000円売掛金10,000円

続いて買掛金の仕訳についても確認していきましょう。10,000円分の仕入れによって発生した買掛金を後日現金で支払ったという例で説明します。買掛金も売掛金のように2回に分けて仕訳をします。

1回目は仕入れをした際に行います。仕入れをして資産が増え、その分買掛金が増えて負債も増えたため、次のように仕訳をします。

借方金額貸方金額
仕入10,000円買掛金10,000円

2回目においては実際に仕入れによって発生した買掛金を現金で支払った際に行います。買掛金という負債が減り、現金という資産が減ったため、次のように仕訳をします。

借方金額貸方金額
買掛金10,000円現金10,000円

このように、掛取引における勘定科目の設定や仕訳の方法については特段難しいものではありません。

ファクタリングの仕訳

ファクタリングの仕訳

ファクタリングとは、売掛金の早期現金化によって行う資金調達の1つです。法律的には債権の売買による債権譲渡になります。一般的にはファクタリング会社と呼ばれるファクタリングを行っている企業に対して売掛金債権を売却する方法で行われることがほとんどです。

売掛金を早期に現金化できるというメリットを得られる反面、売却した売掛金から一定の手数料等が差し引かれた金額が支払われるため、本来よりも手元に残るお金が少なくなってしまうというデメリットがあります。

このように、ファクタリングは売掛金や買掛金とは異なる性質を有している以上、仕訳を同じようにするわけにはいきません。ファクタリングの仕訳について次のような条件で解説します。

・売掛金の額は10,000円
・手数料の額は500円
・ファクタリングによる入金は後日振り込みにて行われる
・一般的なファクタリング(2社間ファクタリング)

すると、仕訳については売掛金発生時、ファクタリング契約時、ファクタリングによるお金の入金時の3段階に分けて実施するため下記のようになります。

まず、最初に売掛金の発生するタイミングで下記のように仕訳をします。

借方金額貸方金額
売掛金10,000円売上10,000円

その後、ファクタリング契約を結んだ段階で次のように仕訳をします。

借方金額貸方金額
未収金10,000円売掛金10,000円

このように、ファクタリング契約によって売掛金が未収金に変化します。未収金とは、資産を売却したがお金は後日振り込まれるときに使うものです。売掛金という資産をファクタリング契約締結時にファクタリング会社に移転しているが、代金の受取はまだなので、未収金という勘定科目を使用して仕訳します。

最後に、実際にファクタリングのお金が振り込まれたときに、未収金が預金口座の中のお金に代わるので、下記のような仕訳をします。

借方金額貸方金額
普通預金売上債権売却損9,500円500円未収金10,000円

考え方は実にシンプルで、未収金に変わった10,000円の売掛金が9,500円の預金口座内のお金と500円のファクタリング会社への手数料に変わったという考え方になります。ファクタリング会社への手数料は売掛金の売却に伴う損失部分であるため、売上債権売却損という勘定科目にて、いわば経費扱いとして計上していきます。

なお、もしファクタリング契約を結び、即日入金がされるのであれば、一旦未収金にする仕訳は不要であり、下記の1回の仕訳で完了できます。

借方金額貸方金額
普通預金売上債権売却損9,500円売掛金10,000円

売上債権売却損がない場合

ファクタリング会社への手数料を売上債権売却損という勘定科目で仕訳をしようとしても、会計ソフトによってはそのような勘定科目が存在しないということもあり得ます。そういった場合は雑損失や支払手数料、繰越利益剰余金、割引料といった勘定科目でも代用可能です。

これらはいずれも本業たる事業から発生した損失を計上するときに使えるものであるため、根本的な性質が売上債権売却損と大きく変わるところはないからです。

しかし、その時々で都度勘定科目を変えてしまうのは好ましくありません。また、現在自社内で一定のルールに基づき勘定科目を設定している場合はそのルールに則って勘定科目を設定し、仕訳をする必要があります。

そうしないと、社内の帳簿付けが統一されず、万が一税務調査などが行われた際「なぜそうしたのか」と指摘が入る可能性もあるからです。

なお、売上債権売却損を利用すると、ファクタリングをしたということが勘定科目から簡単に分かってしまいます。そのため、きちんと社内でルールを定めて仕訳ができるのであれば、売上債権売却損を利用せず雑損失や支払手数料などを使用することも良いでしょう。

ファクタリングの仕訳での注意点

ファクタリングの仕訳での注意点

ファクタリングの仕訳において絶対に注意しておかなければならない点が3点あります。まず1つ目は、ファクタリング取引の課税区分は非課税であるという点です。ファクタリングは法律上債権譲渡に該当するため、非課税取引となります。

つまり、ファクタリング取引によって受け取ったお金には消費税がかからないということです。間違ってもファクタリング会社への手数料を消費税で仕訳してしまわないようにしましょう。

2つ目の注意点は、実際にファクタリング取引を行ってからお金が支払われるまでの間に決算期をまたぐ場合です。そういった場合、まだファクタリングによってお金が入金がされてなくとも原則として現金化前の金額を基にして法人税など各種税金を支払う必要があります。

最後に3つ目は、仕訳ルールを統一させることです。先ほども説明したように、ファクタリング取引の手数料は売上債権売却損だけでなく、雑損失や支払手数料などさまざまな勘定科目を設定して仕訳することが可能です。

だからといって毎回違う勘定科目で仕訳をしていると帳簿付けが正しくならない原因となったり、税務署から指摘を受けることにもなりかねません。ファクタリングの仕訳を行う際は、これら3つの点について充分に注意しておく必要があります。

おわりに

ファクタリングは急な資金繰りにも対応できる優れた資金調達の手法です。ファクタリングの会計処理について理解しておけば、いざという時に資金繰りを円滑なものとすることができます。

ファクタリングをお考えの場合は、ぜひ一度セゾンファンデックスにご相談いただくことをおすすめいたします。セゾンファンデックスのファクタリングなら、請求データを送るだけで簡単に実行できる「今スグまとめ払い」をはじめ企業のニーズに応じたファクタリングを行うことができます。

また、セゾンファンデックスでは、ファクタリングについての相談も承っています。ファクタリングを利用したいと考えている企業様だけでなく、ファクタリングについて気になっている、あるいはファクタリングを利用すべきか悩んでいるといった企業は、セゾンファンデックスまでお気軽にご相談ください。

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