個人賠償責任保険とは、日常生活で他人の身体や財物に対して損害を与えてしまった際に[1] [2] 、補償してくれる保険です。しかし、実際にどの範囲なら補償が受けられるか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、個人賠償責任保険の補償範囲と対象外となるケースや、個人賠償責任保険に加入する際に注意しておきたい点について解説します。個人賠償責任保険の加入を検討中の方や、すでに加入済みでこの先も継続するか悩まれている方はぜひ参考にしてください。
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個人賠償責任保険は必要ない?概要や加入しないリスクを解説

さまざまな保険が存在するなかで「個人賠償責任保険は本当に必要なのか」と、疑問を抱く方もいるでしょう。まずは、個人賠償責任保険とはどのような保険なのかを解説します。加入しないリスクも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
個人賠償責任保険は不慮の事故に対する保険
個人賠償責任保険とは、日常生活で他人への傷害や他者の所有物を壊してしまったときなど、法律上の賠償責任を負った際、本人とその家族を補償する保険です。簡単に説明すると、他人にケガを負わせてしまったり、他人の物を壊してしまったりした際に役立ちます。
なお、他人の「身体」や「物」に損害を与えた場合が補償対象であり、プライバシーの侵害や名誉毀損は補償の対象外です。
参考:日本損害保険協会|個人賠償責任保険
個人賠償責任保険に加入しないリスク
個人賠償責任保険は、身近で起こりうる事故に備えることができます。
特に注意したいのが、自転車による事故です。内閣府の発表によると、令和4年度の自転車関連事故は年間で7,107件起きています。単純計算で、1日に約19件も自転車による事故が起きていることになります。
なお、令和に入ってからの事故件数は以下のとおりです。
- 令和元年:8,283件
- 令和2年:7,273件
- 令和3年:7,333件
- 令和4年:7,107件
個人賠償責任保険は、自転車での賠償に備えることができます。過去には、小学生が起こした事故で9,520万円の賠償責任を負うことになった事例(神戸地裁平成25年7月4日)もあるため、家族で備えておくとよいでしょう。
参考:内閣府|特集: 自転車の安全利用の促進について
参考:兵庫県|自転車事故による高額賠償事例
個人賠償責任保険と傷害保険との違い
個人賠償責任保険と似たような保険に「傷害保険」があります。どちらも日常生活におけるリスクに備える保険ですが、補償内容が異なります。
「個人賠償責任保険」は、他人をケガさせてしまったり、他人の所有物を壊してしまったりした場合に備える保険です。しかし、ご自身のケガや死亡は補償の対象に入りません。一方「傷害保険」は、ご自身がケガをした場合に備えられます。
補償の対象が大きく異なるため、傷害保険と個人賠償責任保険を組み合わせたパッケージ商品を提供している保険会社もあります。ご自身のケガなども補償してもらいたい場合は、このようなパッケージタイプの保険商品も検討してみるのもおすすめです。
個人賠償責任保険の3つの加入方法

実際に個人賠償責任保険に加入したいと思ったら、どうすれば良いでしょうか。加入方法は大きく分けて以下の3つです。「気付かないうちに個人賠償責任保険に加入済だった!」というケースもありますので、加入を検討される方はしっかり確認しておきましょう。
他の保険の特約として加入
個人賠償責任保険は、火災保険・傷害保険・自動車保険などの特約(オプション)として加入できる場合が多いです。このため個人賠償責任保険のことを「個人賠償責任特約」と呼ぶこともあります。
クレジットカード会員向け保険に加入
クレジットカード会社では、カード会員向けにお手頃な保険料で個人賠償責任保険に加入できるプランを提供している会社もあります。クレジットカードをお持ちの場合は、発行先がそういったプランを提供しているか、確認してみましょう。
株式会社クレディセゾンが発行している各種セゾンカードでは、月々300円で個人賠償責任保険に加入が可能です。補償限度額は1億円で、いざというときに便利な弁護士相談サービスも付帯されています。現在セゾンカードを利用されている方や、個人賠償責任保険への加入を考えている方は検討してみましょう。
※お客さまがお持ちのカードの種類によっては加入できないカードもあります。
セゾンカード会員向けの限定プラン「Super Value Plus」については以下を参考にしてください。
自転車事故向け保険に付帯
自転車安全整備店で、点検整備(有料)をするともらえる「TSマーク」は「賠償責任補償」と「傷害補償」がセットになっています。ただし、自転車に乗っている際に起きた事故だけが対象になるため、注意が必要です。
せっかく個人賠償責任保険に加入するなら、日常生活のトラブルもサポートしてもらえると、より安心でしょう。
SOMPOダイレクト損害保険株式会社の「自転車トラブル安心保険」は、月々400円から申し込める自転車保険です。自転車事故が起きた際の契約者本人のケガや相手への損害賠償だけでなく、日常の交通事故もサポートします。個人賠償責任保険の限度額も2億円と手厚いため、通勤・通学で自転車を利用する方は、こちらの保険もおすすめです。
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個人賠償責任保険の補償範囲とは?

ここからは、個人賠償責任保険の補償範囲について解説します。
個人賠償責任保険の補償対象となる事故
まずは、個人賠償責任保険の 補償対象となる事故について説明しましょう。補償の対象になるかどうか は、「 被保険者に法律上の賠償責任が発生するか否か」がポイントとなります。
- ひとりで転んでケガをした
- 被保険者には責任のない事故
このようなケースは、補償の対象外です。また、被保険者の故意によるものは補償されません。わざと損害を与えた場合は、保険金は支給されません。ただし「幼児がわざと物を投げて壊した」といったようなケースは、幼児自身は、責任能力を持たないと判断されることもあります。この場合保護者(監督義務者)に法律上の賠償責任が生じるケースがあります。
家族も被保険者の対象
個人賠償責任保険は、保険加入者(被保険者)だけでなく、その家族も対象になります。ただし、家族の誰が加入するかによって対象者が変わりますので、主な被保険者を誰にするかが重要になるでしょう。一般的な個人賠償責任保険で、補償の対象となる家族の範囲は以下のとおりです。
<補償の対象者の範囲>
- 被保険者本人
- 被保険者本人の配偶者
- 被保険者本人、または配偶者の同居の親族
- 被保険者本人、または配偶者の別居の未婚の子
祖父母、息子夫婦、孫2人(うち1人は地方で大学進学)の3世代家族のケースで考えてみましょう。息子が被保険者本人になった場合、同居の祖父母や孫はもちろん、地方でひとり暮らしをしている大学生の孫までが対象になります。
一方、祖父が被保険者本人の場合、地方でひとり暮らしをしている大学生の孫は補償の対象外です。
被保険者本人である父親が、単身赴任になった場合はどうなるでしょうか。
「配偶者の同居の親族」・「本人の別居の未婚の子」との条件があるため、補償となる家族に変更はありません。
とはいえ、個人賠償責任保険の補償の対象範囲は、保険会社によって異なります。補償の対象範囲について、ご自身での判断が難しい場合は、契約を申し込む前に保険会社へ問い合わせて確認しましょう。
個人賠償責任保険の保険金が支払われない5つのケース

日常で起こりうるさまざまなトラブルから守ってくれる個人賠償責任保険ですが、保険金が支払われないケースもあります。「保険金が支払われると思ったら、対象外だった!」と後悔しないためにも、保険金が支払われないケースについてもチェックしておきましょう。
仕事中の事故
就業中に起きた事故は、個人賠償責任保険の補償対象外です。アルバイト中に、高額な食器を不注意により落とし、破損してしまった場合などは、補償されませんので注意しましょう。
同居家族同士の事故
小さな子どもがいるご家庭で特に覚えておきたいのが、同居する家族間で起きた事故は、個人賠償責任保険で補償されないということです。例えば、自宅のリビングで走り回った子どもが祖父に衝突してケガをさせてしまった場合の治療費は、保険適用の対象外となります。
スポーツ中の事故
スポーツ中に起きた事故は、法律上の賠償責任を負うケースであれば保険金が支払われますが、補償の対象外となる可能性もあります。スポーツの試合中の激しい接触によるケガは、たとえ相手から治療費などの賠償を求められたとしても、ルールから著しくはずれた危険な行為をしたのでなければ、違法性がなく損害賠償責任を負わないため保険金の支払いは行わないと判断する保険会社もあるようです。
借りたものを破損
他者から借りたものを破損してしまった場合は、個人賠償責任保険の補償対象外となる場合があります。壊したものは他者の所有物であっても、借用している間の管理責任は被保険者にあると判断されるためです。
故意にケガをさせる・物を壊す
個人賠償責任保険の補償対象は、過失事故の場合に限られます。そのため、故意の暴力やケンカによるケガや物損は補償されないことも覚えておきましょう。
個人賠償責任保険の加入で注意したい3つのこと

個人賠償責任保険に加入する際は、注意すべき点がいくつかあります。知らないまま契約すると、保険料を重複して払ったり、特約が消滅してしまったりする恐れがあります。
個人賠償責任保険の加入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
重複して加入していないかを確認する
個人賠償責任保険は、火災保険の特約や、クレジットカードのオプションとして加入していることもあるため、重複してしまうこともあります。「複数の保険会社から補償が受けられるならより安心!」と思えるかもしれませんが、実際に受けられる保険金の総額に変わりはありません。
すでに個人賠償責任保険に重複して加入してしまっていた場合は保険料節約のためにも、補償額や補償範囲、補償対象、免責事項などを吟味し、より良い個人賠償責任保険を選択しましょう。
主契約を解約すると特約が消滅する
重複する保険を整理する際に、気を付けたいのが主契約の解約です。個人賠償責任保険を火災保険や自動車保険などの特約で加入している場合、主契約を解約すれば、当然ながら特約である個人賠償責任保険も解約されてしまいます。
保険料などの固定費節約のため、諸々の契約を解約していったら個人賠償責任保険に未加入になってしまった、ということのないよう注意しましょう。
示談交渉サービスが付いているかを確かめる
加入できる個人賠償責任保険や加入済みの個人賠償責任保険が複数ある場合、優先の目安となるのが「示談交渉サービスの有無」でしょう。示談交渉サービスとは、相手方との交渉を被保険者に代わり、保険会社が行うサービスのことです。
示談交渉を自ら行うのは心情的にも負担が掛かることも多いでしょう。個人賠償責任保険を比較する際は、示談交渉サービスが付いているものを検討してみるのもおすすめです。
個人賠償責任保険に関するよくある質問

こちらでは、個人賠償責任保険に関する疑問について回答します。「加入を検討しているけど、わからない部分があって不安」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
個人賠償責任保険の保険金額はいくら必要?1億円では足りない?
個人賠償責任保険の保険金額は、提供している保険会社やプランによって異なります。一般的には、1〜3億円で設定されているケースが多いです。
個人賠償責任保険の保険金額で悩んだ際には、過去の賠償事例を参考にするとよいでしょう。過去の判例から、事故の状況によって賠償金額が大きく変わるということがわかります。以下の表は、自転車事故での賠償金が高額になった加害事故をまとめたものです。
賠償金額 | 事故の概要 |
---|---|
9,330万円 | 男子高校生が夜間、イヤホンで音楽を聞きながら無灯火で自転車を運転中に、パトカーの追跡を受けて逃走し、職務質問中の警察官(25歳)と衝突。警察官は、頭蓋骨骨折等で約2か月後に死亡。 (高松高等裁判所、2020年7月22日判決) |
9,266万円 | 男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失等)が残った。 (東京地方裁判所、2008年6月5日判決) |
6,779万円 | 男性が夕方、ペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさず走行し交差点に進入、横断歩道を横断中の女性(38歳)と衝突。女性は脳挫傷等で3日後に死亡。 (東京地方裁判所、2003年9月30日判決) |
出典:一般社団法人 日本損害保険協会|自転車事故と保険
これらの事例から、個人賠償責任保険の保険金額は1億円程度がひとつの目安と考えられることがわかります。
個人賠償責任保険の月々の保険料の相場は?
個人賠償責任保険に加入しておけば、いざというときには安心できます。とはいえ、家計への負担が大きすぎると、契約を続けるのは難しいでしょう。保険会社や補償限度額によって異なりますが、個人賠償責任保険の保険料は、掛け捨てで月々数百円程度です。年間でも3,000円〜10,000円程度が相場です。
個人賠償責任保険は単体で加入できるのか?
個人賠償責任保険は、単体で加入できないケースがほとんどです。なぜなら、個人賠償責任保険単体では保険会社としての収益を見込みにくいためです。そのため、自動車の任意保険や家の火災保険の特約として付帯するか、クレジットカードのオプションとして加入することになります。
個人賠償責任保険は、単体での加入が難しいため、重複しているケースが少なくありません。重複していても実際に受け取れる保険金は増額されないので、無駄のないよう補償内容を確認しましょう。
海外で起きた事故は個人賠償責任保険の対象になる?
個人賠償責任保険の中には、国内で起きた事故のみが補償対象で、国外で発生した事故は補償対象外になるものがあります。出張・旅行など海外渡航の機会が多い方は、国外で起きた事故も補償対象となる個人賠償責任保険を選びましょう。
日本に比べて訴訟が多い海外では、滞在中のトラブルで思わぬ高額賠償金を負わされることがあるからです。なお、ゴールドカードやプラチナカードに付帯されている海外旅行傷害保険には、賠償責任も補償されている場合があります。
海外旅行に行く際には、お持ちのゴールドカード、プラチナカードの海外旅行傷害保険の内容を確認してみましょう。また、旅行代金などを対象のクレジットカードで支払った場合に適用される保険、いわゆる「利用付帯」になっている場合もありますので、あわせて確認してみてください。
セゾンカードの旅行傷害保険の内容の確認はこちらからできます。
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おわりに
個人賠償責任保険は、他者へのケガや他者の所有物を壊してしまったときなど日常生活の思わぬ事故を幅広くサポートしてくれます。単独で加入するケースは少なく、火災保険や自動車保険などの特約、クレジットカードの付帯特典として加入することが多いようです。個人賠償責任保険への加入を検討する際は、気付かぬうちに補償が重複していないか、逆に保険やクレジットカードの契約を整理しているうちに補償がなくなってしまっていないか、注意しましょう。
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