50代は多くの人にとって変化の多い時期。「子どもの成長」「親や実家の心配」「健康や老後への不安」など、前もって考えなくてはならないことがたくさんあります。でも、日常生活に流され、なかなかじっくり考えられない、できれば考えたくない現実。
しかし、なんとなく過ごしていると、なんとなくの後半人生を迎えることになってしまいます。気力も体力もある今こそ、まずは人生の棚卸しをして、「これからどのように過ごすか」という課題に真剣に向き合い、快適な毎日を手に入れていただきたいと思います。そのためにはまず家全体のお片付けがおすすめ。とはいえ、家全体ともなると膨大すぎて何から始めたらいいのか分からない。では、プロに依頼するとしたらどうなるの?という方のために、『美的収納』という片付け術に出会ったことで、人生をより一層輝かせた方々に登場していただきます。
今回は美的収納のお片付け講座を受講されたRさまに、家を片付けたらどのような変化があったのかをお聞きしました。
1. 子どもが増えるたびに広い家に引っ越していた
湯淺―美的収納のお片付け講座を受講されたきっかけを教えて下さい。
R様―「片付けたい」と強く思ったのは3人目の子どもが生まれて1年ほどしてからです。それまで家族とともに増える荷物に合わせて、1LDK→2LDK→3LDKと住み替えてきましたが、広い家に引っ越したにもかかわらず、片付かずにいつも雑然としている我が家に嫌気がさしていたのです。
湯淺―お子さんが3人いらして、ただでさえ大変なのに、家が散らかっていると何をするにも時間が掛かり、失敗も増える。がっかりするような、泣きたくなるような気持ち、よく分かります。
R様―小さな子が3人いればリビングは子どもの玩具で溢れかえり、スタイリッシュな空間からはほど遠くなるのは当たり前のことかもしれませんが。
湯淺―スタイリッシュなどという言葉すら思い出せない日々になりがちですよね。
R様―朝、上の2人を幼稚園に送り届けて、日中は下の子とずっと家にこもりっきり。結局1日中、何もできないモヤモヤが溜まっていたのかもしれません。
湯淺―私も経験がありますが、人生の主役がすり替わってしまうような感覚ですよね。モヤモヤするのは当然だと思います。
R様―どうせ家にいるのなら、「世界一幸せを感じる空間で過ごしたい」いえ、当時はそこまでたいそうな事は考えてもいませんでしたが、「今よりも少しだけ心地良い空間で暮らしたい」そんな想いでお片付けセミナーを受講しようと検索したら、偶然、いや運命的に出会ったのが美的収納でした。
湯淺―たまたま直近に、ご自宅の割と近くで開催していたのが美的収納のセミナーだったのですよね。まさに運命でしたね。
R様―そのセミナーでは、なぜ我が家が散らかっているのかがよく分かりました。
湯淺―散らかりの原因が分かる、あの作業ですね!
R様―はい。なので、今度はどう片付けたら良いのか知りたくて、半年間で自宅を片付けるセミナーに迷わず申し込むことにしました。
2. 何でも自分でやる子に育つ
湯淺―講座を経て、便利になったことはありますか。
R様―教えていただいた衣類を吊るす収納に挑戦したら上の男の子2人の服が衣替えなしに、狭いクローゼットに収まったことが感動的でした。
湯淺―吊るす収納、本当にラクですよね。
R様―はい。洗濯物を畳まなくなっただけで、身も心も楽になりました。
湯淺―数ある家事の中で、洗濯が一番時間の掛かる面倒なものだと私は思っています。
R様―ハンガーに掛けてみて気付いたのは、必要以上に子ども服を所持しているということです。洗い替えを含めて上下4着ほどで事足りるのに、倍以上持っていました。
湯淺―ストイックな気付きでしたね。では、お洋服を手放したのですか?
R様―すぐにたくさんの服を処分したわけではありません。まだ着られる服を処分することに抵抗があったので、量を減らすことはできませんでした。
湯淺―それは安心しました。量が多いからという理由で処分することは、美的収納では推奨していません。
R様―オフシーズンの服は天袋に収納し、しばらくは衣替えを継続しました。なので、本格的な美的収納の吊るす収納の醍醐味を実感できずにいました。しかも弟には兄のお下がりを着せていたので、兄弟がサイズアウトするまで2〜3年掛けて全体量を減らしていきました。
湯淺―お子さんたちの反応はいかがでしたか?
R様―クローゼットに全てを収めることで、今まで洋服を入れていた棚に子どもたちの大好きな玩具を並べられるようになり、子どもたちも大満足の様子でした。
湯淺―まさに美的収納の「分類」が徹底されたのですね。
R様―また、キツキツの引き出しから服を引っ張り出すのではなく、一目瞭然に並んでいる中から着たい服を選べる。しかも、取り出しやすい。結果、何でも自分でやる子に育つ!ということにも役立ったと思います。
3.本当に大事にしていたことが見えてきた
海外生活は荷物を増やさないためにも家具付きの賃貸住宅に
湯淺―美的収納を経て、暮らし方に変化はありましたか。
R様―はい。簡潔にいうと、子どもたちがのびのび育つことを追求していったら、海外で3年間暮らすことになりました。
湯淺―かなり大きな変化ですね
R様―家の中を全て見直して、特に量が多かったのが子どもの絵本や教材だったのです。それをなかなか減らせずに悩んでいた際に、講師の方から「それはご自身が大切にしている部分なので無理に減らさなくても良いのですよ」というアドバイスをいただきました。
湯淺―私はお料理や食べることが好きなので、スパイスの多さに悩んでいる時に同じことをいわれました。
R様―その言葉で、改めて私は子どもの教育を大切に考えているのだということに気付きました。意識すると人生が動き出すもので、私が子どもたち3人を連れて海外留学をするという話が上がりました。
湯淺―そういう流れがあったのですね。
R様―1人で3人の子どもを連れて海外で暮らすのは不安でしたが、子どもたちの英語教育や、スポーツをしながらのびのびと育つことを考え、「やるしかない」と自身に言い聞かせていた気がします。
湯淺―小学生2人と未就学児を抱えての海外暮らしはいかがでしたか?
R様―大変でしたが、結果的に子どもたちと密に過ごせた3年間だったと思います。
湯淺―頼もしいですね。
R様―留学だけでなく、大事なものを選ぶ力が身に付いたことが美的収納で得た大きなものです。昔から整理整頓は好きだったのですが、大切なものを選び取り不要なものを手放すことをしたことはありませんでした。あるものをただ並べるだけ。
湯淺―私も美的収納に出会う前は、収納はただ「ものを収める」ことだと思っていました。
R様―自身で使えるお金とともに物欲が増え、家に入ってくるものが増えたにもかかわらず、不要なものを手放さなければ、散らかるのは必然的なことなのに、それを分かっていませんでした。
湯淺―モノが増えるにつれ、家具などの収納用品も増えてしまいますものね。
R様―たくさんの中から、今の自分に必要なモノを選び取る力。それは、モノだけにとどまらず、やるべきことの取捨選択など人生においても大事な力なので、身に付けることができて良かったです。
湯淺―よく分かります。気の進まないお誘いに顔を出す、というようなことがなくなりますよね。結果、本当にやりたいことに邁進される生徒さんが多いのだと思います。
4. 引っ越しを繰り返しても片付けられるようになった
湯淺―帰国後はまた違うお家に引っ越したのですよね。
R様―はい。残念ながら間取りが違うので、収納の仕組みは1からやり直しです。
湯淺―でも、美的収納のノウハウがあれば大丈夫ですね。
R様―美的収納メソッドを習得して、散らからない仕組みづくりができるようになったことは引っ越しの多い私にとって大きな心の支えになりました。
湯淺―私も時間に余裕のある方には、講座でメソッドを身に付けることをおすすめしています。
R様―また、子どもたちの成長に合わせて収納プランを変えていくことは、引っ越しをしなくても必要なことだと思います。
湯淺―ライフスタイルの変化に合わせて収納を変えていくことができる。
R様―まさに一生ものの技を身に付けさせていただきました。
湯淺―片付けが苦手だと思い込んでいる方こそ、学んで欲しいですよね。
R様―片付けの方法は誰からも教えてもらっていないからこそ、多くの方が躓くポイントです。私は美的収納メソッドを習得することで救われましたが、片付け方を知らなくて悩んでいる方、ご自身を責めている方は多いと思います。
湯淺―それは本当にもったいない。
R様―美的収納は、家庭科の一部に加えていただきたいメソッドだと思います。
湯淺―私も本当にそう思います。散らからなければ、悩まずに済みますものね。今回は素敵なお話しをありがとうございました。
(聞き手:美的収納プランナー 湯淺真理子)
5.今回の美的収納 3つのポイント
① 広い空間に引っ越してもスッキリ片付くとは限らない
② モノをとことん厳選していくと、大事にしたいコトを選び取る力も身につく
③メソッドを習得すればライフスタイルの変化に合った収納プランが作れるようになる
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詳細は美的収納プランナー協会 HP(担当:湯淺)まで