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【医師監修】40代の生理がこない原因とは?閉経や病気の可能性について解説

【医師監修】40代の生理がこない原因とは?閉経や病気の可能性について解説
鈴木 幸雄 医師・医学博士

監修者

医師・医学博士

鈴木 幸雄

産婦人科専門医・指導医、婦人科腫瘍専門医。旭川医科大学医学部卒業。横浜市立大学産婦人科学講座所属。現在、コロンビア大学産婦人科・婦人科腫瘍部門の博士研究員として研究に従事。これまで多くの子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん患者における手術、化学療法を担当。また、公衆衛生、医療政策、医療経営などにおける知見も持つ。女性ヘルスケア専門医、細胞診専門医、腹腔鏡技術認定医でもある。

40代になってから経血の量や生理周期などが変化したと感じる方はいませんか?閉経や更年期が近付く40代になると、生理の変化が起きやすくなります。そこで今回は、周囲に相談しづらい40代の生理の悩みについてご紹介します。生理がこない原因や閉経を見極めるポイントを詳しくお伝えしていきますので、「最近生理周期が乱れているな」「経血の量が今までと違うな」と感じている方はぜひ参考にしてみてください。

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生理の仕組み

1.生理の仕組み

生理とは、要らなくなった子宮内膜の排出で起こる現象です。女性の身体は、左右どちらかの卵巣で月に1個ずつ新しい命のもとになる卵子を排出し、卵管の中で精子を待ちます。同じ時期に子宮では、受精卵を受け止められるように子宮内膜が厚くなり始めるのです。ところが、卵子が受精しなかった場合は子宮内膜が不要になり、身体の外に排出されます。これが生理の仕組みです。

生理の仕組み

生理は、2種類の女性ホルモンの影響で起こります。生理終了後から排卵までは、子宮内膜を厚くする「エストロゲン」という卵胞ホルモンが多く分泌。排卵後から生理までは「プロゲステロン」という黄体ホルモンが多く分泌され、より子宮内膜が厚くなることで身体が妊娠に備えた状態になります。

生理がこなくて不安!考えられる原因とは?

生理がこなくて不安!考えられる原因とは?

生理がこなくて不安になった経験はありませんか。ここでは、生理がこない時に考えられる原因につて紹介していきましょう。

生理不順

予定どおりに生理がこない原因として多いのが生理不順です。正常であればおよそ25〜38日の周期で生理がやってきますが、周期の日数が毎月大きく変動する場合や、正常周期よりも周期の日数が長かったり短かったりする場合を「生理不順」と呼んでいます。

生理周期は個人差が大きく、前後することもよくありますが、数ヵ月間生理がこなかったり、予定よりもかなり早く生理がきたりする場合は、一度きちんと検査を受けた方が良いでしょう。生理不順は、ホルモン療法や低用量ピルの内服で改善が期待できます。

無月経

無月経とは、閉経や妊娠以外が原因で生理がこない状態のことです。無月経には「原発性無月経」と「継発性無月経」の2種類があります。原発性無月経は18歳を過ぎても生理がこない状態で、原因としては先天異常や遺伝性疾患などの病気の可能性も考えられます。

継発性無月経は3ヵ月以上生理が止まっている状態で、婦人系の病気でよく見られる症状のひとつです。原因としては、ホルモンバランスの乱れや過剰な運動、ダイエットなどが挙げられます。

過度なストレス

妊娠や閉経ではないのに生理がこない場合は、過度なストレスが原因になっている可能性もあるでしょう。生理に深く関わっているエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンは、過度なストレスを感じることでバランスを崩し、生理を止めることもあります。

また40代以降は、子どもの巣立ちや夫の退職、親の介護など心理的・身体的なストレスを受けやすい年齢でもあるため、注意が必要です。バランスの良い食事や睡眠不足の解消など、ストレスを溜めないよう心掛けるようにしましょう。

過度なダイエット

生理がこない原因のひとつに、過度なダイエットも挙げられます。1ヵ月に体重を3kg以上落とすような過度なダイエットを続けていると、卵巣に充分な栄養が届かなくなったり、ホルモンバランスが崩れたりする恐れがあり、その結果生理がこなくなってしまう可能性があります。

さらに、過度なダイエットによって身体が危険を感じた場合、脳が「今妊娠すると危険だ」と判断し生理が止まる可能性もあるのです。ダイエットによって生理が止まってしまった場合は、ダイエット方法を見直しましょう。

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甲状腺の病気

甲状腺の病気

生理がこない時は、甲状腺の病気が隠れている場合もあります。甲状腺は、血圧や体温を上げて甲状腺ホルモンを分泌する、喉仏(のどぼとけ)の下にある臓器です。甲状腺機能低下症などによって甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、脳の視床下部が下垂体へTSH放出ホルモンを送ります。TSH放出ホルモンが増えると妊娠を抑制するプロラクチンも増え、その結果卵胞が成長せずに生理がこない恐れがあるのです。

低用量ピルの服用

低用量ピルの服用も、生理がこない原因のひとつです。低用量ピルは、エストロゲンの分泌を抑え排卵を止める作用があるため、子宮内膜が厚くならずに生理がこなくなる可能性があります。

治療などで低用量ピルを服用している場合は生理がこなくても心配いりませんが、ピルを服用していても妊娠する場合があるので、妊娠の可能性がある時は妊娠検査をすると良いでしょう。

更年期

40代以降で生理がこない場合は、更年期が原因の可能性もあります。一般的に更年期は40代半ば〜50代半ばあたりの期間です。更年期に入ると卵巣の機能が衰えるため、生理と深く関わっていたエストロゲンとプロゲステロンの分泌が不安定になります。その結果、生理周期のバラつきや大量出血、無排卵月経などさまざまな変化が起こる可能性もあるのです。

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40代の生理ってどんな感じ?

40代の生理ってどんな感じ?

40代の生理はどのような状態なのか、以下で見ていきましょう。

生理の回数が減る

40代になると、女性ホルモンの分泌量が急激に減ることに伴い、生理の回数が減ることがあります。毎月決まってきていた生理が、2〜3ヵ月に一度になり半年に一度になって、やがて閉経となるでしょう。

不正出血することもある

40代になると、生理期間ではないのに不正出血を起こすことがあります。更年期に入ると、安定して女性ホルモンが分泌されなくなることや、排卵が起こらない周期が増加することによって不正出血する恐れがあるのです。

生理不順から閉経へ

更年期になると、排卵がうまく行われなくなったり、生理周期が不安定になったりすることから生理不順になる可能性もあります。初期の更年期には7日間以上周期の延長があり、閉経の1〜3年前には生理周期が60日以上になることもあります。

例えば、通常28日周期できていた生理が36日周期になったり、次の生理で21日周期に短くなったりなど周期の変動が続く場合があります。生理不順のまま生理が終わりそのまま閉経になったり、突然ぴたりと閉経したりするなど、タイミングは人によってさまざまです。

女性ホルモン量の変化

閉経を見極めるポイント

40代以降、なかなか生理がこなくなってきた場合、どのように閉経を見極めたら良いのでしょうか。以下では、閉経を見極めるポイントを紹介していきます。

どのくらい生理がこないと閉経?

一般的に、40代以上で1年間生理がこなかった場合、閉経と診断されます。子宮を摘出してしまった場合などで生理によって判断できない時や、症状では判断できない時は、血液検査を用いてホルモンの値で判断することもあります。

閉経の平均年齢は?

閉経の平均年齢は、約51~52歳です。しかし、個人差もあり、40代前半や50代後半で閉経する方もいます。さらに喫煙習慣がある方は、早い段階で閉経する可能性が高いです。

閉経で見られる症状は?

閉経に伴い、さまざまな症状に悩まされる方もいます。最初に現れる症状は生理不順でしょう。多くの場合は生理が頻回になってその後減少します。さらに、生理が止まる前から平均で7年近く続く、「ホットフラッシュ」という症状を経験する方も多いでしょう。

ホットフラッシュとは、暑さを感じひどく汗をかいたり、顔が紅潮したりする現象です。加えて閉経の前後には、乳房の圧痛や集中力低下、神経過敏、睡眠障害などさまざまな症状が現れる可能性があります。

生理がこない時の受診の目安

もし妊娠の可能性がある場合は、生理予定日を1週間経過した時点で、妊娠検査薬を用いて検査してください。妊娠の可能性があるかないかがはっきりとしてから病院を受診しましょう。妊娠の可能性がない場合、60日間生理がこなかったら病院を受診しましょう。また、腹痛や下腹部痛がある場合、子宮筋腫や子宮内膜症などになっている可能性もあるため、速やかに病院を受診することが大切です。

生理がこなくて受診した場合の診察内容や費用は?

生理がこなくて受診した場合の診察内容や費用は?

生理がこなくて受診した場合、排卵の有無を判断するため基礎体温をチェックします。受診前に、毎日の基礎体温を記録したものを持参すると診断がスムーズに進むでしょう。さらに、採血をしてさまざまなホルモンの値をチェックしたり、子宮や卵巣の状態をチェックするために経腟超音波をしたりすることもあります。

生理がこなくて受診した際、問診や採血、超音波検査、薬剤の処方によって、トータルでおよそ10,000円前後の費用がかかることを念頭においておきましょう。

生理がこない時に自分でできる対処法

生理がこない時は、まず今すぐ自分でできる対処法を行うのが有効です。以下で8つの対処法を見ていきましょう。

ストレスを溜めない

生理がこない時は、ストレスが過度に溜まっていないかチェックしてみましょう。ストレスが過度に過度に溜まっていると自律神経が乱れ、同時にホルモンバランスまでも乱れやすくなり、生理がこなくなってしまいます。

そのため、生理がこない時はストレスの原因になりやすい不安や怒りなどを解消することが大切です。また、仕事が忙しくなったり環境が変化したりすることなどが生理の遅れを招くこともあります。

充分な睡眠をとる

生理がこない時は、7〜8時間の充分な睡眠を取りましょう。睡眠不足や質の悪い睡眠は、女性ホルモンの分泌に影響するからです。21時以降は激しい運動を避けストレッチやヨガでリラックスし、スマートフォンの使用やテレビを見ることを控えることで、副交感神経を優位にして睡眠の質を上げられるでしょう。

バランスの良い食事

食生活を改善しバランスの良い食事を摂ることも、生理がこない時におすすめです。食事の際は、ひとつの食材を食べ続けるのではなく、青魚・海藻類・野菜・芋類・ナッツ類などさまざまな食品を摂取するように心掛けつつ、カロリーを摂りすぎないように注意しましょう。

さらに、30代後半からはエストロゲンが低下し始めるため、エストロゲンに似た働きのイソフラボンを多く含んでいる大豆製品を積極的に摂取するのもおすすめです。

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漢方を服用する

生理不順は冷えや貧血、むくみなどが原因で起こることが多いため、それらを解消できる漢方を利用するのがおすすめです。例えば、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」「四物血行散(しもつけっこうさん)」「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などの漢方が生理不順に有効とされています。

禁煙する

普段から喫煙しており生理がこないとお困りの方は、喫煙習慣を見直してみましょう。タバコに含まれるニコチンは卵巣にとっては有害であるため、女性ホルモンの代謝が阻害され、卵胞の質や数の低下に大きく影響するとされています。そのため、禁煙をして卵巣がいきいきと働けるような環境を作りましょう。

身体を温める

生理がこない時は、身体を温めることも有効です。お風呂に入る時は温度を38〜40度に設定して、ゆっくり身体を温めてください。また、子宮のある下腹部あたりにカイロを貼ったり腹巻きをしたりして身体を温める方法もおすすめです。

さらに、軽いストレッチを行って身体を温めることで、骨盤内の血流を促進させることができます。生理不順の方は、夏でもなるべく冷たい飲み物を飲んだり強い冷房に当たったりなどの身体を冷やす行動は避けましょう。

ツボを押す

生理不順には、ツボを押すことも効果的です。身体にあるツボを刺激することで血流が良くなり、身体を温めることにつながります。例えば、親指と人差し指の間にある「合谷(ごうこく)」や足の裏にある「湧泉(ゆうせん)」などがおすすめです。特に湧泉は、生理周期を整えるツボとされています。

合谷

さらに、足の内側にあるくるぶしから指4本分上のところある「三陰交(さんいんこう)」、へそから指3本分下にある「石門(せきもん)」、石門からさらに指1本分下にある「関元(かんげん)」などが生理不順におすすめのツボです。

三陰交
石門
開元

リラックスして過ごす

ホルモンバランスを安定させるために、リラックスして過ごすことも生理不順に有効とされています。緊張状態が続くとホルモンの分泌がうまく行えず、その結果生理不順が起きてしまう可能性があるのです。忙しい毎日の中で、アロマを入れたお風呂にゆっくり浸かったりハーブティを飲んだりなど、ご自身が落ち着ける好きなことをしてリラックスしましょう。

おわりに

40代後半になると更年期や閉経が近付き、生理不順になりやすくなります。ストレスを溜め込み過ぎず身体を冷やさないようにして、うまく自分の体調と付き合っていくようにしましょう。もし生理不順と併せて腹痛などのいつもと違う身体の不調を感じた場合は、子宮や卵巣などの大きな病気が隠れている可能性もあるので、早めの病院受診を心掛けるようにましょう。また、いつもと違う症状が現れた際に気付きやすいように、普段から生理周期を把握したり基礎体温を記録したりすることを習慣付けるのもおすすめです。

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