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【医師監修】閉経が早い方の特徴は?前兆はあるの?閉経にまつわる疑問を解決 

【医師監修】閉経が早い人の特徴は?前兆はあるの?閉経にまつわる疑問を解決
鈴木 幸雄 医師・医学博士

監修者

医師・医学博士

鈴木 幸雄

産婦人科専門医・指導医、婦人科腫瘍専門医。旭川医科大学医学部卒業。横浜市立大学産婦人科学講座所属。現在、コロンビア大学産婦人科・婦人科腫瘍部門の博士研究員として研究に従事。これまで多くの子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん患者における手術、化学療法を担当。また、公衆衛生、医療政策、医療経営などにおける知見も持つ。女性ヘルスケア専門医、細胞診専門医、腹腔鏡技術認定医でもある。

すべての女性にいつかは訪れる閉経ですが、その時期には個人差があるため、ご自身にいつ閉経が訪れるのか気になる方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、閉経のメカニズムや前兆、閉経が早い方の特徴などとともに、現れやすい症状などをお伝えします。閉経にまつわる疑問にもお答えしますので、ご自身が閉経時期に近い40~50代の方や、閉経後のトラブルを緩和する方法を知りたい方におすすめです。

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閉経とは

女性ホルモン量の変化

閉経とは、卵巣の活動性がだんだんと低下して、月経が二度と起こらない状況のことです。生殖可能年齢である女性の場合、月経はおよそ1ヵ月(28~38日間に1度の周期で起こり、月経初日から約2週間後に排卵します。月経が規則的に起こるには、卵巣からエストロゲンとプロゲステロンと呼ばれるホルモンが充分に分泌されている必要があります。

これらのホルモン分泌が加齢によって大きく減少することが閉経の原因です。閉経は、ホルモン分泌が徐々に減少して月経や排卵の頻度が変動する「閉経期」と呼ばれる期間を経て起こります。

閉経の平均年齢

閉経の平均年齢

日本における閉経の平均年齢はおよそ51~52歳です。閉経時期は個人差もあり、割合は少ないですが40代前半で閉経する方もいれば、56~57歳くらいまで月経がある方もいます。ご自身に閉経がいつ訪れるのか気になる方も多いかと思いますが、事前に閉経時期を知る方法はありません。ただし、月経周期の乱れや無排卵月経の増加などといった身体の変化から、閉経が近付いていることを感じられるケースもあります。

閉経の早い方の特徴は?

一般的に、閉経が訪れる時期には個人差があり、40代前半~50代後半までと幅広いのが特徴です。およそ20年の違いがある閉経が早い方と遅い方には、一体どのような違いがあるのでしょうか。閉経が早くなりやすい方には以下のような特徴が挙げられます。

  • 喫煙習慣がある
  • 不妊体質である

たばこに含まれる「ニコチン」は、卵巣の機能を低下させて女性ホルモンの分泌や活動を妨げる効果を持つ成分です。そのため、日常的にたばこを吸う方は吸わない方よりも閉経が早まる傾向にあります。さらに、子宮内膜症にかかわる不妊を経験している方も閉経が早いといわれています。子宮内膜症は、本来であれば子宮の内側に位置する子宮内膜などが、それ以外の場所にできてしまう病気のことです。

40歳未満で閉経する場合も

40歳未満で閉経する場合も

稀に、一般的な閉経年齢である40代よりも早く閉経に至る方がいます。40歳未満の方の卵巣機能が停止し、無月経となる現象は「早発閉経」と呼ばれます。早発閉経は治療が必要な疾患です。ここでは、早発閉経に至る前段階である、早期卵巣不全の原因や症状、治療方法についてお伝えしましょう。

原因

早発卵巣不全にはさまざまな原因がありますが、発症理由が分からないケースもあります。ここでは、主な原因として挙げられる「自己免疫疾患」「染色体異常」「医原性」についてご紹介しましょう。

自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)

甲状腺炎や重症筋無力症、白斑などといった免疫系の疾患は、早発卵巣不全の原因のひとつです。卵巣などの身体の組織を攻撃してしまう異常な抗体が作られる病気です。

染色体異常

性染色体などの遺伝子異常があると、早発卵巣不全に至る可能性が高いといわれています。性染色体の異常は、「ターナー症候群」や「脆弱X症候群」のほか、Y染色体に関わる疾患などさまざまです。

医原性

病気の治療によって、卵巣の機能が著しく低下するケースもあります。放射線や抗がん剤を使用した治療、卵巣の外科的切除なども早発卵巣不全の原因となります。

症状

早発卵巣不全の症状は、以下のとおりです。

  • 生理不順
  • 無月経
  • 更年期障害に似た症状(ほてり、のぼせ)

早発閉経の定義は40歳未満の人で無月経の状態が1年以上続いた場合とされています。排卵が起きないため、妊娠を希望している際には不妊治療が難しい状態です。また、月経がなく不妊であるだけでなく、エストロゲンの分泌が早期に低下したことで将来的に以下のようなさまざまな不調が生じる可能性があります。

  • 骨粗しょう症
  • 動脈硬化症
  • 腟萎縮
  • 気分障害
  • パーキンソン病
  • 認知症

通常より10年近く前からエストロゲンが不足すると上記の疾患の発症リスクが高まると考えられており、早発卵巣不全とその後の早発閉経は医師による診断と治療が必要な病気とされています。

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治療法

40歳未満で無月経が続いているときや更年期障害のような症状が見られる場合には、早発卵巣不全の可能性があるため医療機関の受診が必要です。早発卵巣不全の治療方法は妊娠を希望する場合と希望しない場合で異なり、それぞれ以下のような治療を行います。

妊娠を希望する場合

早発卵巣不全の方の場合、排卵が起こっていないため自然に妊娠する可能性はありません。また、体外受精などの不妊治療による妊娠もあまり期待できないとされています。早発卵巣不全の方が妊娠を希望する場合は、ホルモン補充療法によって卵胞の発育を刺激するなどといった治療を行うのが一般的です。早発卵巣不全の原因が自己免疫疾患である方の場合には、プレドニゾロンを投与する「副腎皮質ステロイド療法」を行うこともあります。

妊娠を希望しない場合

早発卵巣不全による影響は、無月経のための不妊だけではありません。将来的に骨粗しょう症や動脈硬化症などのリスクが高まることを予防するため、妊娠を希望しない場合でも医療機関での治療が必要です。一般的には、プロゲステロンとエストロゲンを含む経口避妊薬である「混合型経口避妊薬」を使用して治療を行います。毎日高用量のエストロゲンを投与したうえでプロゲスチンを月に12~14日間投与する「周期的ホルモン療法」も早発卵巣不全の一般的な治療方法です。

子宮を摘出している方の場合は、エストロゲンのみの治療を行います。また、染色体異常により男性型のY染色体を持っている方は、卵巣がんの発症リスクが高いため卵巣の摘出が必要です。卵巣摘出後であっても、エストロゲンの早期欠乏による影響を防ぐために、閉経の平均年齢に達するまではホルモン療法などが推奨されています。

閉経の前兆

閉経の前兆

閉経前の身体には、さまざまな変化が現れます。閉経時期を事前に知ることはできませんが、前兆を把握すればおおよその閉経時期が予測できるようになるでしょう。ここでは、閉経の前兆として知られる症状をお伝えします。

月経周期が短くなる

閉経の前後10年くらいの期間を「更年期」と呼びます。更年期に入ると、月経周期が短くなるなどの症状が現れるのが特徴です。閉経が近付いて卵巣の機能が低下すると、脳は減少した女性ホルモンの分泌を促すために「卵巣刺激ホルモン」を分泌します。

機能が低下している卵巣に強引に刺激を与えた影響で、月経の間隔が狭まるというのが更年期における月経周期の乱れのメカニズムです。

少量の生理が8日以上続くことがある

卵巣の機能低下によってホルモンバランスが崩れると、月経周期の長さに関係なく、少量の月経が8日以上ダラダラと続く場合があります。症状には個人差があり、長い人は2週間から1ヵ月もの間続きます。

あまりに長く続く出血は、閉経の前兆以外に子宮体がんや子宮筋腫などの疾患も原因として考えられるため、一度医療機関を受診するのがおすすめです。

月経周期が長くなる

月経周期が短くなったり、量が不安定になったりといった症状を経て、次第に月経周期が長くなっていくのが閉経前の前兆として多いパターンです。25~38日の周期で訪れていた月経が、2~3ヵ月に1度のペースに減り、その後徐々に無くなっていきます。閉経は、最終の月経から1年が経過したときに診断されます。

月経の変化は、閉経に限らずさまざまな疾患によって起こる可能性もあるため、ご自身で判断せずにきちんと婦人科で診てもらうことが大切です。

閉経後の症状

閉経を迎えたあとは、人によってさまざまな症状が出る可能性があります。ここでは、閉経後に現れる主な症状についてご紹介しましょう。

腟が乾燥し弾力を失う

女性ホルモンであるエストロゲンには、腟の粘膜に潤いを与えて厚く丈夫に保つ役割があります。閉経によって女性ホルモンが分泌されなくなると、腟の粘膜が薄くなって乾燥し、弾力を失うのが特徴です。

腟の粘膜が乾燥・萎縮すると「萎縮性膣炎」と呼ばれる炎症を引き起こすリスクもあります。外陰部がヒリヒリと痛むときやしみる場合、出血や性交痛などがある際には、すぐに婦人科を受診しましょう。

尿道が短くなる

尿道の粘膜が薄くなったり、尿道が短くなったりするのも閉経後に起こりがちな症状のひとつです。尿道の変化によって体内に微生物が入りやすくなり、尿路感染症を引き起こしやすくなるケースもあるため注意が必要です。排尿時に灼熱感を覚える尿路感染症のリスクが高まるだけでなく、排尿時痛や頻尿、残尿感、尿意切迫感などといった不快な症状を訴える方もいます。

閉経後のホルモン分泌低下によって引き起こされる生殖器や尿路の変化と機能障害は、総称して「閉経後性器尿路症候群(GSM)」と呼ばれています。

皮膚の乾燥や弾力が失われる

皮膚の乾燥や弾力が失われる

閉経後は、加齢とエストロゲンの減少による肌トラブルにも注意しましょう。皮膚の乾燥や不快感、ハリ・ツヤの減少などを感じやすくなるためです。また、皮膚の粘膜や角質層が薄くなることにより、肌のバリア機能が低下して敏感肌になる方もいます。

今まで普通に使っていた化粧品や衣類でも、かゆみやチクチクとした不快感を訴えるようになるケースもあるため、適切なスキンケアで対処しましょう。

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骨粗しょう症になることも

人は、骨に体内のほとんどのカルシウムを溜めており、女性の体内にあるカルシウムが骨から引き出されないようにしているのがエストロゲンです。閉経によってエストロゲンの分泌が減っていくと、骨からどんどんカルシウムが引き出されていき、骨が弱くなっていきます。

骨がスカスカになって弱まり、骨折しやすくなった状況は「骨粗しょう症」と呼ばれます。骨粗しょう症は明確な自覚症状がなく、骨折して病院に行き、検査して初めて判明するケースが多い病気です。

閉経にまつわる疑問

近年インターネット上でさまざまな情報が手に入るため「これって実際どうなの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。ここでは、閉経に関する下記の疑問にお答えしましょう。

初潮が早いと閉経が早くなる?

初潮が早いと閉経も早いのではないかと考える方もいらっしゃいますが、その2つに因果関係はまだ結論がでていません。初潮が早く閉経が遅い方もいれば、遅めの初潮で早く閉経を迎える方もいます。

閉経が遅いと寿命が長い?

閉経が遅い方は、閉経が早い方に比べて寿命が長いという話をご存じでしょうか。2016年、カリフォルニア大学の研究グループは「閉経の遅い女性が90歳まで長生きする可能性は、閉経が早い女性よりも高い」という調査結果を発表しています。

閉経の時期を予測できる?

閉経時期を事前に知ることは困難ですが、間接的に閉経時期を予測することは可能です。血液検査でエストロゲンや卵胞刺激ホルモンの数値を確認すれば、今ご自身が更年期に該当するのかを知ることができるからです。エストロゲンの数値が低いことと併せて、卵胞刺激ホルモンが高値であるほどに閉経が近い状況であると判定されます。

早発閉経を防ぐために取り組みたいこと 

早発閉経を防ぐために取り組みたいこと 

早発卵巣不全、また結果として起こる早発閉経の多くが原因不明であり、予防する方法はないとされています。しかし、予防が難しくても、早発閉経の前兆にいち早く気付き、対処することで閉経に伴うリスクに備えることは可能です。閉経による症状を軽減させたり、将来的な合併症のリスクを下げたりするには、閉経前から健康的な生活を送る必要があります。とくに、卵巣機能の低下を引き起こす可能性がある喫煙を避けることが大切です。

また、アメリカの研究グループによる調査で、カルシウムやビタミンDの摂取量が多い方は、少ない方に比べて早発閉経のリスクが低いことがわかっています。この2つの栄養素は、卵巣の老化や女性ホルモンの分泌と結び付きがあると考えられており、毎日の食事でバランス良く摂取することが推奨されています。

初発症状である月経不順の段階から病院の診断を受けられれば閉経前の早期診断につながるため、身体の変化を感じたら、自己判断で放置せずに婦人科にかかることが重要です。

閉経後のトラブルを防ぐには

閉経後のホルモンバランスの乱れによって起こる身体の不調は、日々の生活習慣を見直すことで予防できます。ここでは、閉経後のトラブルを防ぐ4つの方法をお伝えしましょう。

バランスの良い食事

バランスの良い食事

1日3食バランスの良い食事を心掛けることで自律神経の乱れを防ぎ、更年期症状の軽減につながります。主食、主菜、副菜を意識した和定食のようなメニューがおすすめです。

質の良い睡眠

閉経後のトラブルを防ぐには、毎日7~8時間の良質な睡眠を取ることも重要です。就寝の2~3時間前には夕食と入浴を済ませ、遅くても12時までには寝るようにしましょう。

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身体を動かす

運動による血行改善や代謝の向上は、ホルモンバランスを整えることに有効です。ストレッチやヨガ、水泳、ウォーキングなどの運動習慣を身に付けると良いでしょう。

湯船に浸かり身体を温める

肉体的、精神的ストレスを減らすことも更年期症状の緩和に結び付くため、毎日の入浴はシャワーで済ませず、湯船に浸かって身体を温めるのがおすすめです。

おわりに 

閉経は、時期が来れば誰にでも訪れる自然現象です。事前に閉経時期を予測したり早発閉経を予防したりすることが難しくても、規則正しい健康的な生活を送ることで閉経後のリスクを抑えることはできます。

早発閉経は合併症につながる可能性もあるため、妊娠の希望有無に関わらず、身体の変化を感じた際は早めに婦人科を受診しましょう。閉経に関する適切な知識を身に付け、ご自身で判断せずに医療機関を受診することが大切です。

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