不動産担保ローンを検討する際、銀行だけでなくノンバンクも選択肢に上がることがあります。しかし、銀行とノンバンクでは、審査基準や金利、融資までのスピードなど、様々な違いがあります。
この記事では、ノンバンクで不動産担保ローンを利用するメリット・デメリットを、銀行と比較しながらわかりやすく解説します。
不動産担保ローンを検討していて、銀行以外に選択肢がないか悩んでいる方は必見です。この記事を読めば、ノンバンク系不動産担保ローンのメリット・デメリットや、信頼できる業者選びのポイントが分かり、自分に最適な選択ができるようになります。
そもそもノンバンクとは?
ノンバンクとは、銀行のように預金業務を取り扱わず、お金を貸すなどの「与信業務」を中心とする金融機関のことです。簡単に言うと、お金を預けることはできず、貸すことに特化している金融機関です。
ノンバンクと銀行の違い
ノンバンクと銀行では、適用される法律や登録している団体が異なります。
項目 | 銀行 | ノンバンク |
---|---|---|
適用される法律 | 銀行法 | 貸金業法 |
所属団体 | 全国銀行協会 | 日本貸金業協会 |
審査 | 保証会社が審査を行うケースが多い | 独自の基準で審査 |
銀行では保証会社が融資の審査を行うケースが多いのですが、ノンバンクでは独自の基準で審査を行うため、一般的にノンバンクの方が融資を受けやすいと言われています。
ノンバンクが受ける規制
ノンバンク業界では、過去に過剰貸付などの問題が発生したことを受け、現在では「貸金業法」など、様々な法律による規制が設けられています。これは、利用者を保護し、より安心してノンバンクを利用できるようにするためのものです。
中でも、「総量規制」は、個人が借りられるお金に制限を設けた重要な法律です。ただし、この規制は法人や個人事業主には適用されません。
不動産担保ローンを扱うノンバンクの大手
現在、不動産担保ローンを取り扱っているノンバンクの大手は下記になります。
- セゾンファンデックス(クレディセゾンのグループ企業)
- 三井トラスト・ローン&ファイナンス(三井住友信託銀行100%出資)
- SBIエステートファイナンス(SBIグループの100%子会社)
- アサックス(東証スタンダード8772)
ノンバンクで不動産担保ローンを借りると考えると、心配になる方がいるかも知れませんが、貸金業法をはじめとする諸法令に基づいてノンバンクも経営しているため、過度に心配する必要はありません。
ノンバンクで不動産担保ローンを利用するメリット
不動産担保ローンをノンバンクで利用することには多くのメリットがあります。中でも特に大きなメリットを7点ご紹介します。
- 銀行より審査が甘いことがある
- 担保不動産の評価額が高い傾向がある
- 申込年齢や完済年齢の制限が緩い
- 抵当権設定順位の条件が柔軟
- 審査から融資実行までが速い
- 提出書類が銀行より少なめ
- 借入金の利用用途の自由度が高い
銀行より審査が甘いことがある
不動産担保ローンに限った話ではありませんが、ノンバンクはローンの審査について銀行とは異なる独自の基準を用いて実施しています。
一般的に、銀行における不動産担保ローンの審査基準とノンバンクにおける審査基準を比較すると、ノンバンクの方が柔軟な傾向にあります。
不動産担保ローンを銀行で受けようとして審査に通らなかった方でも、ノンバンクに申し込んだところ審査を通過したという話も珍しくありません。
銀行でのローンの審査通過に自信のない方や、すでに審査落ちしてしまった方にとって、ノンバンクで不動産担保ローンを利用することは大きなメリットと言えるでしょう。
担保不動産の評価額が高い傾向がある
ノンバンクは、不動産担保ローンにおいて担保となる不動産の評価を銀行よりも高く設定する傾向にあります。
銀行は路線価という国税庁が発表する土地の価格を基準に評価するのに対し、ノンバンクは実勢価格に近い価格で評価することが多いためです。銀行とノンバンクでは評価額に2倍以上の差が付くこともあります。
申込年齢や完済年齢の制限が緩い
ノンバンクは、銀行よりも不動産担保ローンの申込年齢や完済年齢といった事項の制限が緩やかです。一般的な銀行では、不動産担保ローンの申込年齢を20歳から75歳、完済年齢を85歳未満と定めています。
一方、ノンバンクでは申込年齢の制限がそもそも存在しないことも多く、年金生活者でも申し込み可能な会社もあります。
抵当権設定順位の条件が柔軟
ノンバンクは、銀行よりも抵当権の順位について柔軟に対応してくれるケースがあります。抵当権の順位とは、担保となっている不動産から優先的にお金の返済を受けられる順位のことです。
不動産担保ローンを組む場合、銀行かノンバンクかに関わらず、担保とする不動産に抵当権を設定します。銀行は基本的にこの抵当権の順位を1位とすることを条件としています。
しかし、ノンバンクであれば、1位ではなく2位でも可能な場合があります。
審査から融資実行までが銀行より速い
銀行から不動産担保ローンで融資を受ける場合、保証協会の保証を受けることが条件となります。
保証協会とは、万が一、ローンの返済が不可能になってしまった場合に、借入人に代わって銀行に返済をする機関のことです。
保証協会の保証を受ける場合、銀行の審査を経て、さらに保証協会の審査が入るため、2つの審査を経ることになります。そのため、実際にお金を借り入れできるまでに時間がかかってしまいます。
一方、ノンバンクでは申し込みや審査など、すべて自社内で行うため、保証協会など第三者が関与しません。そのため、審査に時間がかからず、借り入れまで速やかに進みます。スピード重視で不動産担保ローンを希望するのであれば、ノンバンクの方が断然有利です。
提出書類が銀行より少なめ
不動産担保ローンを銀行で利用しようとすると、多くの書類が必要になります。一方、ノンバンクの不動産担保ローンは、必要となる書類が身分証明書、源泉徴収票、固定資産税の納税証明書などで済む場合が多く、提出書類の収集にかかる手間と時間を最小限に抑えられます。
銀行の不動産担保ローンのように、一度書類を提出した後に追加で書類の提出を求められることも少ないです。
借入金の利用用途の自由度が高い
不動産担保ローンを銀行で利用すると、借入金の利用用途について一定の制限がされていることがあります。例えば、事業資金には使用できないなどです。しかし、ノンバンクの不動産担保ローンであれば、借入金の使い道は自由なことが多いです。
ノンバンクで不動産担保ローンを利用するデメリット
不動産担保ローンをノンバンクで利用することは、メリットだけでなくデメリットも存在します。代表的なデメリットは以下の2点です。
金利が銀行より高い
不動産担保ローンには金利があり、元本に加えて金利も返済していくことになります。一般的な銀行の不動産担保ローンの金利は3.0%~6.0%程度なのに対し、ノンバンクでは4.0%~15.0%となります。
この数字だけ見ると、一般的な銀行の不動産担保ローンと比べるとノンバンクの不動産担保ローンは金利が高く感じるかもしれません。
しかし、カードローンや消費者金融の金利に比べると低い数値であるため、過敏になるほどでもないでしょう。
自宅を担保にした場合、総量規制により年収の1/3までしか借りられない
不動産担保ローンをノンバンクで利用する場合は、貸金業法上の総量規制に気を付ける必要があります。特に、自宅を担保にする際は要注意です。総量規制とは、個人の借入総額が原則として年収の1/3までに制限される規制のことです。
例えば、年収600万円の方であれば、原則として200万円までしか借り入れができません。高額な不動産を担保にすれば、それだけ多くのお金を借り入れられるというわけではありません。また、総量規制の対象となるのは不動産担保ローンだけでなく、カードローンなど他の借入も含まれます。
そのため、自宅を担保にした不動産担保ローンをノンバンクで利用する場合は、自身の年収や借入状況を整理し、総量規制の範囲内であるか確認する必要があります。
信頼できるノンバンク選びの6つのポイント
低金利な不動産担保ローンは、まとまった資金調達を検討する際に魅力的な選択肢となります。しかし、いざ利用しようとすると、ノンバンク系でも様々な金融機関が融資を行っており、どこを選べば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、数ある選択肢の中から、より信頼できるノンバンクを見極めるための6つのポイントをご紹介いたします。
1. 貸金業登録の確認は必須
ノンバンクから融資を受ける際には、まず第一に 貸金業登録 を確認しましょう。貸金業を営むには、各都道府県または国の財務局へ登録することが法律で義務付けられています。
しかし、中にはこの貸金業登録を行っていない、怪しい企業が存在します。このような違法な業者から融資を受けてしまうと、詐欺被害に遭ったり、法外な金利で無理矢理契約させられたりするなど、犯罪に巻き込まれる恐れがあります。
安心して融資を受けるためにも、金融庁のウェブサイトにある「登録貸金業者情報検索サービス」を利用しましょう。会社名や登録番号の一部を入力するだけで、簡単に登録状況を確認できます。登録番号は「(00000)第0枝番号」といった形式で表示されます。
この番号が確認できない業者からは、絶対に融資を受けてはいけません。
2. 金利の透明性を見極める
不動産担保ローンの利用を検討する際、 金利 は最も重要な要素の一つと言えるでしょう。金利は、ローン商品ごとに設定されており、借入額や返済期間、担保評価額などによって異なります。
特に注目すべきは「実質年率」です。実質年率は、金利だけでなく、融資手数料や保証料など、ローン利用にかかる全ての費用を金利に換算したものであり、ローンの総費用を把握する上で重要な指標となります。
信頼できるノンバンクは、金利の表示においても透明性を重視しており、ウェブサイト上には、実質年率を明記し、具体的な利率の範囲(例:年率4.5%~15.0%)を提示しているはずです。
3. 返済シミュレーションで返済計画を立てる
返済シミュレーションは、借入前に月々の返済額を把握し、無理のない返済計画を立てるために有効なツールです。信頼できるノンバンクでは、ウェブサイト上で 返済シミュレーション を無料で提供していることが一般的です。
シミュレーションでは、借入希望額や返済期間、金利などの条件を入力することで、月々の返済額や総返済額を簡単に試算することができます。複数の条件で試算することで、より具体的な返済イメージを掴むことができるでしょう。
4. 担保評価の方法と基準を確認する
不動産担保ローンは、不動産を担保として提供することで融資を受ける仕組みです。そのため、担保となる不動産がどれくらいの価値があると評価されるのかは、融資額や金利に大きく影響します。
ノンバンクによって 担保評価の方法や基準 は異なり、一般的には「路線価」や「固定資産税評価額」などを参考に評価額を算出します。信頼できるノンバンクは、評価方法や基準を明確に開示しており、顧客が納得できる評価額を提示してくれます。
5. 顧客サポート体制の充実度をチェック
不動産担保ローンは、高額な融資となるケースが多いため、契約内容や返済計画など、疑問点や不安点が出てくることも少なくありません。そのため、 顧客サポート体制 の充実度は、ノンバンク選びの重要なポイントとなります。
信頼できるノンバンクは、顧客からの問い合わせに対応できるよう、相談窓口を設置しています。相談窓口の営業時間はもちろんのこと、電話、メール、チャットなど、どのような方法で問い合わせできるのかも事前に確認しておきましょう。
6. 口コミや評判で企業姿勢を見極める
インターネット上には、様々なノンバンクに関する情報が掲載されています。中でも、実際にそのノンバンクを利用した経験者の 口コミや評判 は、企業姿勢やサービスの質を知る上で貴重な情報源となります。
第三者の口コミサイトや、SNSでの企業アカウントの対応などを確認することで、顧客対応の丁寧さや、トラブル発生時の対応など、よりリアルな情報収集が可能となるでしょう。
これらのポイントを参考に、複数のノンバンクを比較検討し、信頼できるパートナーを選び、安全で納得のいく不動産担保ローンの利用を実現しましょう。
不動産担保ローンは、安心と信頼のセゾンファンデックスへ
ノンバンクの不動産担保ローンは、銀行よりも審査が柔軟で借りやすいというメリットがありますが、その反面、返済計画をしっかり立てないと返済が難しくなるリスクも抱えています。
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