金融機関が融資を行う際に重視する項目として「資金使途」が挙げられます。
もちろんほかにも重視する項目はありますが、審査項目のなかでも極めて重要な内容といえるでしょう。本記事では「資金使途」について取り上げています。金融機関の融資担当者がなぜ資金使途にこだわるのか詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
資金使途とは
資金使途とは、金融機関から融資を受けたお金を何の目的で使うのかということです。そして、事業資金の融資であれば、資金使途は大きく分けて「設備資金」と「運転資金」の2つに分けられます。
設備資金とは、事業資金のなかでも機械や土地や建物などの購入資金をいいます。事務所建物の新設なども該当しますので、比較的高額な借り入れが必要となり、借入金額が高額になるほど長期間での借り入れが必要です。
融資する側としては、高額で長期の借り入れほど、貸し倒れリスクを考えます。そのため、設備を新しく導入することによって確実に収益が上がると判断されなければ、融資を受けることは難しいでしょう。
運転資金とは日々の経営を行ううえで必要になる資金をいいます。その借入金額は比較的少額で、短期間の借り入れになるケースが多く見られます。また、運転資金は以下の5つに分けることができます。
・経常運転資金:営業活動を行うための運転資金に充てる資金
・増加運転資金:売上高の増加などによって追加する運転資金
・減少運転資金:売上高が減少することによって固定費の不足分などを補う、つなぎの資金
・季節性運転資金:ボーナス支払いやイベントなど1年のうち特定の時期に発生する運転資金に充てる資金
・設備未払金決済運転資金:導入済みの設備の未払分の支払いにあてる資金
金融機関が融資で資金使途にこだわる理由
金融機関が融資を行うにあたって、資金使途にこだわる理由は、資金使途を明確にすることで、返済の原資やいつまでに返してもらえるかといった期間が判断できるからです。
例えば、資金使途が機械を購入するための設備資金だとします。企業は購入した機械を利用して製品を作り、それを売ることで最終的な利益を生み出します。また、購入した機械は減価償却資産に該当しますので、法定耐用年数に応じた減価償却費を費用として計上できます。
このことから、返済の原資は、機械で作った製品を売ることで得られる収益と、減価償却費を合計した金額になり、返済期間は費用が生み出される法定耐用年数程度と想定できるわけです。
また、母の日のプレゼント用の花を大量に仕入れるための資金が目的であれば、5月の母の日前後に販売し、代金の回収も終わりますので、それが返済の原資となります。融資した金額は極めて短期間で回収できるでしょう。
これらの例からも分かるように、資金使途がはっきりしていると、それによって、「何をもって返済するのか」と「返済までに要する期間」が判断しやすいのです。
金融機関が融資を検討する前向きな資金使途内容とは
金融機関から融資を受けるためには、その資金使途の内容が前向きなものである必要があります。
前向きな資金使途内容としてあげられるのは、
・設備の購入のための資金
・長期運転資金の折り返し融資
・一時的な仕入れの増加に対応するためのつなぎ資金
・従業員に対する賞与の支払いのための資金
・法人税や法人住民税、法人事業税など税金の支払いのための資金
です。
そのほか、新規事業開拓のために新たな人材を雇うための資金なども、前向きな資金使途内容といえるでしょう。
逆に、資金使途が「赤字を補填するため」だと、融資を受けるのは難しいといえます。赤字を補填するための借り入れだと、返済のための原資がありません。そのため、赤字補填で融資を受けるためには、担保の提出や信用保証協会の利用を求められます。さらに事業計画書の提出や赤字を補填した後に黒字化させる方法などの説明が必要です。
また、融資を受けた資金を、報告した資金使途と別の目的で利用することは決してしないようにしてください。別の目的での利用が判明した場合、金融機関からの信用を失うばかりでなく「資金使途違反」に該当し、今後追加融資を受けることが難しくなります。
そのほか、金融機関によっては融資金額の一括返済を求めてくる可能性もあります。虚偽の報告は必ずバレるということを心得ておくとともに、決して申告した資金使途以外の目的で利用しないようにしましょう。
融資で重要性が高い資金繰表
資金使途内容を金融機関に説明するには、資金繰り表が必要不可欠です。もちろん口頭でも説明は可能ですが、書類上でグラフや表を用いて数字をきちんと説明する方が説得力が増し、金融機関側も理解しやすいでしょう。
資金繰り表には、資金使途や必要な資金額、そして、何をもって返済するのかを示す返済原資と返済期間が説明できる内容を記載しておくことが大切です。
おわりに
金融機関から融資を受けるにあたり、資金使途の内容、そして資金繰り表を用いた説明が必要不可欠であることを解説してきました。しかし、資金使途の条件が厳しくない金融商品もあります。
例えば不動産担保ローンであれば、土地や建物を担保として提供するため、金融機関によっては、担保評価を重視し、資金使途に関する自由度が高くなります。
不動産担保ローンとは、不動産を担保として融資を受けるローンで、不動産の担保価値と申込人の返済能力によって融資額が決定します。担保を提供しているため、無担保のローンと比べると金利が低く設定され、また長期での借り入れが可能なため、毎月の返済額および総返済額を抑えることにつながります。
さらに、無担保のローンに比べて融資限度額が大きいため、まとまった資金調達が可能です。
ただし、借り入れの際に諸費用がかかる点や、融資までに日数がかかる点、そして万が一、返済不能の状態に陥った場合は担保として提供した不動産を失う可能性がある点にはご注意ください。
セゾンファンデックスでは、事業者向け不動産担保ローンを提供しており、不動産担保力を重視した銀行とは異なる審査基準で、融資を行っています。
・銀行で融資を受けられず、ほかの融資先を探している
・未払いの税金を払うための資金を調達したい
・起業のための自己資金を長期で借り入れたい
などの悩みを持つ事業者に利用いただくことができ、担保評価にもよりますが、最高5億円までの融資に対応しています。
既に、他の金融機関からの借り入れが多くあっても、返済能力があると判断できれば融資は可能です。その際には、事業計画書を提出いただき、事業の継続性や今後の事業計画から融資が可能かを判断いたします。さらに、追加の運転資金の融資が可能なケースもありますので、お気軽にご相談ください。
セゾンファンデックスの不動産担保ローンは以下の流れでご利用できます。
(1)ご相談・お申し込み:電話もしくはWEBサイトでお申し込みください。
(2)仮審査:最短即日で回答いたします。
(3)本審査:必要な書類を提出いただき、最短3営業日で審査を行います。その後決定した融資条件を提示します。
(4)契約・融資実行:提示した融資条件に納得いただければ、契約に進みます。その後口座に融資額が振り込まれます。申し込みから融資実行まで最短で1週間程度ですので、資金調達をお急ぎの方にもおすすめいたします。
お申し込みやご相談については、WEBサイトでは24時間365日、電話では平日の9時から17時まで受け付けています。不動産担保ローンの商品に興味を持たれた方はぜひお問い合わせください。