日常的に使用するシャワーですが、シャワーヘッドの掃除をしたことがない方も多いのではないでしょうか。シャワーヘッドは使用頻度が高いため、実は汚れが溜まりやすい所です。特に水の吹き出し口は目につきにくいため、汚れを見逃すケースも多くあります。このコラムではシャワーヘッドの詳しい掃除方法をご紹介します。汚れの度合いによって異なる掃除方法や掃除頻度、できるだけ汚れを軽減するための対策などもまとめました。
シャワーヘッドは意外と汚れが溜まりやすい!
シャワーヘッドには、水の吹き出し口となる小さな穴がたくさんあります。水が出てくる方向がおかしい、水圧が弱いなどと感じた場合は汚れている可能性があるため、シャワーヘッドをひっくり返してチェックしてみましょう。シャワーヘッドだけでなく、ホースとシャワーヘッドのつなぎ目も汚れやすい部分です。あまり目につかないため、実は汚れを見落としているケースがあります。
シャワーヘッドの汚れはそのほとんどが水垢
シャワーヘッドの汚れの代表的な原因のひとつが、白っぽい色をした水垢です。シャワーヘッドは直接水が吹き出す部分のため、水垢が付きやすい所になります。
水垢は、シャワー使用後、シャワーヘッドの残った水に含まれるケイ素や炭酸カルシウムなどのミネラルがこびり付くことによって発生する汚れです。水は蒸発するとシャワーヘッドからなくなりますが、ミネラルは蒸発せずシャワーヘッドに残り、放置すると凝固します。
水垢ができると、その部分に水滴が溜まりやすくなり、余計に汚れの範囲が広がる可能性やカビの発生にもつながるため、放置するのは好ましくありません。ときに、水垢によって吹き出し口が目詰まりし、水が出にくくなるトラブルも起こります。
シャンプーや石鹸カスも原因のひとつ
シャワーを使用する代表例といえば、シャンプーやボディーソープなどを流す場合でしょう。その際、勢い良く出るシャワーの水によって、泡や石鹸カスなどがシャワーヘッドに飛び散ります。
この飛び散ったシャンプーの泡や石鹸カスが汚れの原因となるのです。シャワーヘッドに付いた泡や石鹸カスを放置していると、時間の経過とともに水分だけが蒸発して、シャンプーや石鹸の成分だけが残り、固形化することでシャワーヘッドが汚れてしまいます。
湿気が多いバスルームならではのカビ
シャワーが設置されている場所といえば、バスルームが一般的です。バスルームは、お湯をためる湯船や蛇口などの水が出る設備が集約されています。
そのため、湿気が多くカビの餌が豊富にあり、バスルーム全体がカビの発生しやすい場所です。バスルームのカビというと床や壁をイメージしがちですが、シャワーヘッドにもカビは発生します。
また、先述したシャンプーの泡や石鹸カスなどもカビの餌です。カビはこれらを餌にして発生、繁殖し、すぐに汚れの範囲が広がってしまうため注意しましょう。
日々蓄積される皮脂
体や頭などをシャワーで洗った際には、泡や石鹸カスなどを含んだ水だけでなく、体から分泌される皮脂も一緒にシャワーヘッドに飛び散ってしまいます。皮脂は油分とたんぱく質が混ざってできているため、付着すると簡単に除去できない厄介な汚れです。
シャワーヘッドの手軽な掃除方法から解説
シャワーヘッドの汚れを放置した場合、衛生面や健康面への影響が考えられるため要注意です。また、汚れによって水圧が弱くなるとシャワーの使用時間が長くなり、水道代やガス代が多く掛かることもあります。こういったマイナス要因を少しでも軽減するため、シャワーヘッドの掃除方法を把握しておきましょう。
シャワーヘッドの掃除方法には、汚れ具合や汚れの種類に合わせていろいろな掃除方法があります。まずは、比較的汚れが少ない場合に試したい、簡単にできる掃除方法をご紹介しましょう。
準備するアイテム
- バスルーム専用の中性洗剤
- スポンジ
- 歯ブラシ
- ゴム手袋
シャワーの使用年数が短い、頻繁にシャワーヘッドを掃除している場合など、比較的汚れが少ないケースでは、中性洗剤を使ったこすり洗いのみできれいになることがほとんどです。手荒れ予防や衛生面を考慮して、ゴム手袋も用意しましょう。具体的なシャワーヘッドの洗い方は以下のとおりです。
掃除方法
用意したスポンジにバスルーム専用の中性洗剤を適量取り、シャワーヘッドの汚れている部分をこすりましょう。水の吹き出し口に汚れが溜まっている際には、使い古した歯ブラシを使うと、掃除しやすいので試してみてください。吹き出し口と一緒に、ホースやシャワーヘッドとホースとのつなぎ目、止水栓などもこすり洗いしておくとより衛生的です。
同じシャワーヘッドを長年使用し続けている場合には、内部にも汚れが溜まっていることがあります。シャワーヘッドの説明書を参考に、分解してきれいにすることも可能です。
しかし、分解して掃除を行った場合、元通りに戻せない、部品を紛失したなど、シャワーヘッドの故障につながりかねないトラブルの発生が否めないため、あまりおすすめできません。どうしてもシャワーヘッド内部が気になる場合は、プロにお願いするのが良いでしょう。
シャワーヘッド汚れがしつこい場合の掃除方法
中性洗剤を使ったこすり洗いで落ちなかったしつこい汚れには、クエン酸を使った掃除方法がおすすめです。クエン酸は、ミネラルが凝固してできた水垢汚れを落とすのに有効的な掃除アイテムのひとつです。
もしクエン酸がすぐに手に入らなかった場合は、穀物酢で代用できます。寿司酢や黒酢などは砂糖が含まれているため、べたつきの原因となるので使用しないよう気を付けましょう。酢を使う際は、においがキツイため、充分に換気しながらの掃除をおすすめします。
【つけ置き洗い編】掃除方法
まずは、クエン酸を使ったつけ置き洗いの掃除方法をご紹介しましょう。
準備するアイテム
- クエン酸
- 洗面器
- 歯ブラシ
- スポンジ
- ゴム手袋
クエン酸はスーパーやドラッグストアなど、身近なお店で購入可能です。100円ショップにもあるため、チェックしてみてください。洗面器は、シャワーヘッドがすっぽり入るサイズを用意しましょう。
掃除方法
- 洗面器にクエン酸水を作ります。1リットルのぬるま湯に対して、大さじ1杯のクエン酸が目安です。
- クエン酸水にシャワーヘッドを2~3時間程度つけます。
- 使い古しの歯ブラシなどを使用し、シャワーヘッド汚れをこすって洗いましょう。
- シャワーヘッド全体をスポンジで洗い、しっかりすすいで完了です。
クエン酸水にシャワーヘッドをつけることで、水垢が柔らかくなり、目詰まりした吹き出し口などをきれいにできます。2~3時間程度のつけ置きで汚れが落ちにくかった場合は、もう少し長くつけておくと良いでしょう。歯ブラシでこすり洗いする際は、吹き出し口の穴が傷付かないよう注意しながら優しく洗うのがコツです。また、クエン酸の代わりに酢を使う際は、酢1:水5の割合を目安にしてください。
【パック編】掃除方法
クエン酸を使ったつけ置き洗いで水垢がきれいにならない場合は、パック式の掃除方法がおすすめです。
準備するアイテム
- スプレーボトル
- クエン酸
- キッチンペーパー
- ラップ
- 輪ゴム
- 歯ブラシ
- ゴム手袋
クエン酸がしっかり汚れに密着するよう、フェイスパックのような要領で掃除する方法です。先述したクエン酸同様、ドラックストアや100円ショップなどで手軽に手に入る道具ばかりとなっています。
掃除方法
- スプレーボトルに100mlの水を入れ、小さじ1杯のクエン酸を溶かし、クエン酸水を作ります。
- クエン酸水をシャワーヘッドにたっぷり吹き付けましょう。
- クエン酸水を吹きつけたシャワーヘッドにキッチンペーパーを巻き付けます。
- キッチンペーパーの上から、再度クエン酸水を吹き付けましょう。
- キッチンペーパーを巻いた上にラップを巻き、輪ゴムでとめてズレないようにします。
- 一晩放置し、翌日に使い古した歯ブラシなどを使用してこすり洗いし、完了です。
キッチンペーパーの上からさらにラップを巻くことで、クエン酸水の蒸発を防止し、しっかり汚れにアプローチします。放置時間が長いですが、手順自体は単純なので実践しやすいでしょう。シャワーヘッド以外にも頑固な水垢汚れがある際に、一緒にパックをして掃除をするのもおすすめです。クエン酸の代わりに酢を使う場合は、酢1:水2の割合でスプレーを作りましょう。
落ちづらい皮脂汚れをきれいにする掃除方法
中性洗剤でのこすり洗いやクエン酸での掃除でも落ちなかった汚れは、皮脂汚れである可能性が高いです。皮脂汚れは基本的に酸性の汚れのため、クエン酸など同じ酸性の洗剤では落とすことができません。
そこで重宝するのが、アルカリ性洗剤です。酸性と反対のアルカリ性であれば、皮脂汚れを落とすことができます。具体的にどのようなアルカリ性洗剤を使って、どのような手順で汚れをきれいにするのか、チェックしていきましょう。
準備するアイテム
- セスキ炭酸ソーダ
- 洗面器
- 歯ブラシ
- ゴム手袋
セスキ炭酸ソーダは、皮脂などの酸性汚れをきれいにするのに効果的なアルカリ性洗剤です。こちらもドラッグストアや100円ショップなどで購入できる、身近な商品です。セスキ炭酸ソーダには、皮脂や油を乳化させ、たんぱく質を分解する特徴があります。
入浴剤によく使われる成分で肌荒れなどの心配は少ないですが、衛生面を考慮してゴム手袋を用意すると良いでしょう。
掃除方法
- セスキ炭酸ソーダと水を洗面器に入れ溶かします。1リットルの水に対して、小さじ2杯のセスキ炭酸ソーダが目安です。
- セスキ炭酸ソーダを入れた水にシャワーヘッドを1~3時間程度つけ置きしましょう。
- 使い古した歯ブラシでこすり洗いします。
- 仕上げにしっかりすすいで完了です。
セスキ炭酸ソーダは、手垢や血液などの汚れにも効果的なことで知られています。シャワーヘッドだけでなく、油が飛び散りやすいキッチンやドアノブなど、さまざまな場所の掃除に活用できるため、ストックしておくと便利です。
内部までしっかり掃除したい場合はプロにお任せ!
クエン酸やセスキ炭酸ソーダなどを使っても、満足いく掃除ができない、忙しくて掃除する時間が確保できない場合などは、プロにお願いすると良いでしょう。プロであれば、頑固な汚れはもちろん、素人では目が行き届かない細かな部分まできれいに掃除してくれます。
また、シャワーヘッドだけでなく、バスルーム全体の掃除をしてもらうことも可能なため、より衛生的です。シャワーヘッドを含むバスルーム全体の掃除を請け負う主なサービスとしては、ハウスクリーニングや家事代行サービスが挙げられます。
くらしのセゾンが提供する「浴室クリーニング」がおすすめです。シャワーヘッドはもちろん、浴槽・壁面・ドア・排水口・水洗器具など浴室全体をお掃除するサービスです。気になるカビ、水アカも徹底的にきれいにします。オプション人気No.1の「鏡水アカ除去」はこすっても取れない鏡のウロコを取り除き、磨き上げます。「鏡が新品のようにピカピカになった」と感動いただくことも多々ある満足度の高いメニューです。
土日も追加料金なしで頼める点も人気の理由のひとつです。快適な入浴環境を整える浴室クリーニングをぜひ一度お試しください。
シャワーヘッドの汚れを軽減するには?
シャワーヘッドの汚れは、日々のちょっとした工夫で軽減できます。ご紹介する汚れ軽減対策法を実践しつつ、定期的な掃除も行いましょう。シャワーヘッドの理想的な掃除頻度は3ヵ月に1回程度です。定期的に掃除することで、日々気持ち良くシャワーが使えるでしょう。
シャワー使用後はできるだけ水気を切る
シャワー使用後には、シャワーヘッドに水滴が付いています。この水滴を放置すると水垢となってシャワーヘッドが汚れやすくなるため、シャワー使用後はしっかり水気を取り除きましょう。
具体的には、シャワーの水を止めた後、シャワーヘッドを振って水気を飛ばし、その後タオルで拭き取る方法です。水気を残さないことで、水道水に含まれるミネラルの蓄積を予防し、水垢の発生を軽減できます。
湿気をできるだけ取り除く
バスルーム全体に漂う湿気は、カビが発生する大きな原因です。湿気をできるだけ取り除くことでカビ予防になり、その結果シャワーヘッドのカビ汚れも軽減できるでしょう。バスルーム使用後は、換気扇を回す、タオルで浴室の壁を拭くなどして湿気を減らす努力をし、シャワーヘッドを含むバスルーム全体の汚れを予防してみてください。
高い位置にシャワーを置く
高い位置は、低い位置に比べて湿気が溜まりにくいため、シャワーヘッドは高い場所にあるフックにかけるのがおすすめです。高い位置にフックがない場合には、ご自身で取り付けるのも汚れ対策として効果的な方法です。
ホームセンターなどに吸盤で取り付け可能なシャワーフックもあるため、チェックしてみると良いでしょう。
おわりに
普段から頻繁に使用するシャワーヘッドは、水垢や皮脂汚れなどが溜まりやすい所です。また、湿気が多いバスルームに設置されているため、カビの発生も懸念されます。定期的なお手入れと汚れを防止する対策を日常的に取り入れ、清潔なシャワーヘッドを維持しましょう。ご自身での掃除が難しい場合にはプロにお願いするのもおすすめです。きれいな状態がキープできるよう、汚れに合わせた掃除方法や汚れ対策を実践してみてください。