50代に入ったら生命保険の見直しが必要です。50代は子どもの独立や老後資金の備えなどライフスタイルが変わる節目にあたります。必要に応じて適切な保険に変えましょう。
このコラムでは50代の生命保険見直しについて詳しくご紹介します。
50代が生命保険の見直しを考えるきっかけ
50代は生命保険の見直しが必要になる年代です。40代に比べて病気のリスクが高くなり、持病を持つ方の割合も増えてきます。50代は子どもが独立する時期でもあり、不要になる保障もあるでしょう。その代わりに老後の備えが必要になります。
ここでは、50代が生命保険の見直しを考える3つのきっかけについて見てみましょう。
病気のリスクの高まり
50代は病気やケガのリスクが格段に高まる年代です。50代の死因の1位はがんで、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病を患う割合も40代に比べて大きく増加します。高まる病気のリスクに備えるため、保険の内容もがんや生活習慣病への保障を手厚くしていかなければなりません。
特に身内にがんに罹った方がいる場合など、がんの罹患リスクが高いと考えられるときは、がん保険の必要性も高いでしょう。がんは長期的な治療が必要で、再発の可能性も高い病気です。治療には高額な費用がかかる場合もあります。
保険を新たに契約する場合は健康状態の告知義務があり、年齢が高くなるほど保険料も上がります。そのため、見直しはできるだけ早めに行うことが大切です。
・50代に多い病気とは
50代は高血圧症や脳卒中など生活習慣病が急増する年代です。女性の場合は、50歳前後になると女性ホルモンの影響により高血圧の症状が出やすくなります。
がんの罹患率は男女とも年齢が上がるごとに上昇し、特に50代あたりから急激に増える傾向です。
男性の場合は40代以上で胃や大腸、肝臓などの消化器系のがんが5割以上を占めるようになり、50代になるとその割合が広がります。高齢者に多い前立腺がんも、50代から増え始めます。
女性は40代で乳がんがピークを迎え、50代でも罹患率が高い傾向です。50代ではさらに子宮がんの割合も増えてきます。
このような病気のリスクが増大する50代は、万全な備えが必要になります。
参考:国立がん研究センター「がんの統計2021」
子どもの独立
50代は子どもが独立する時期です。子どもが成長するまでは養育費や教育費を考え、死亡保障を充実させなければなりませんが、独立によりその必要もなくなります。
死亡保障をそのままにしておくと高い保険料を支払うことになるため、早めの見直しが必要です。死亡保障を減額した分は、自身の健康リスクに対する保障に重点を置くと良いでしょう。
老後の備え
死亡保障の必要性は減るものの、老後を目前とする50代は生活資金の確保を考えなければなりません。近年は人生100年時代と呼ばれるように、医療技術の進化で寿命は延びる可能性があります。
100歳まで生きることを想定した老後対策が必要になるのです。貯蓄型の終身医療保険や個人年金保険など、死亡保障を見直した分も老後に向けた資産形成が求められます。
そもそも50代に生命保険は必要?
生命保険の見直しを検討する際は、そもそも50代に生命保険は必要なのか疑問に思うかもしれません。ある程度の貯蓄があり扶養家族がいないのであれば、生命保険は不要とも考えられるでしょう。
しかし、50代は病気のリスクが格段に高まることを考えると、万が一の備えは必要です。
50代には生命保険が必要か、加入率を見ながら考えてみましょう。
50代の生命保険加入率
令和3年度における50代の生命保険加入率は、8割を超えています。がんや生活習慣病の罹患率が50代を境に急増することを受けて、多くの方が将来のリスクに備えていることが分かります。
保険に加入していない場合、どのくらいの支出が必要になるのか見てみましょう。
まず、病気になった場合を想定してみます。入院経験がある方の、直近の入院における入院日数は平均で15.7日というデータがあります。入院時の自己負担費用の平均は20.8万円で、入院時に逸失収入(仕事を休んで受け取れなかった収入)があったという方は、50代で23.5%です。逸失収入の平均は19,500円で、入院平均日数約15日間で換算すると29万5,000円です。
そのため、病気で入院した場合、入院時の自己負担額と逸失収入の合計で50万円ほどを支払わなければなりません。
病気ががんの場合には先進医療を受ける可能性もあり、その場合はさらに高額な費用になることもあるでしょう。医療保険(がん保険)に加入していれば、これらの支出の一部または全部を賄えることになります。
死亡した場合は葬儀費用が必要です。葬儀代や返礼品、墓・仏壇の購入費などをトータルすると、200万円ほどの金額がかかります。
また、無職の夫婦が老後の20〜30年間を年金だけで生活する場合、生活資金は約2,000万円不足するとされています。生命保険に加入しない場合は、万が一のために必要な貯蓄を2,000万円以上備えなければならないことになります。
保険料を見直す方法
生命保険の保険料を見直す場合、解約のほかに「減額」「払済保険」「延長保険」という方法があります。
減額は、保険の一部を解約して保険金を減らす方法です。保険金の給付を減らすことで保険料を抑えることができ、解約返戻金が戻る場合もあります。子どもの独立で高い死亡保障が不要になったときに便利な方法です。
払済保険とは、保険料の払い込みを取りやめ、解約返戻金で保障を継続する方法です。利用できるのは、解約返戻金がある積立型の保険に限られます。保険料の支払いが難しくなったとき、保険を解約せずに保障を継続できるのがメリットです。保険料の払い込みを取りやめた時点での解約返戻金をもとに、保険期間をそのままにした保障額の少ない保険(同じ種類の保険)に変更し、保険料を支払う必要なく保障が続けられます。
延長保険とは、保険料の払い込みを行わず、解約返戻金をもとに保険金額が同じ定期保険へ切り替える方法です。払済保険とは、以下の2点が異なります。
- 保険金額が同じ保険に変わる
- 保険期間が短くなる
どちらも、予定利率の高い保険を解約することなく保障を継続できるのが特徴です。保険料の負担がなくなるのも助かります。ただし、どちらに変更する場合も付加していた特約がなくなるため、注意してください。
50代の生命保険見直し【男性編】
50代の生命保険見直しは、男性と女性で見直すポイントが異なります。男性の場合、まず必要な保障額はいくらかを考え、死亡保障を減額することから始めましょう。
また、男性は50代からがんの罹患率が急増するため、がんを含めた医療保険を手厚くする必要があります。
ここでは、50代男性の生命保険見直しについて見ていきましょう。
死亡保障を減らす
50代男性で子どもがいる場合、万が一のことがあった場合に備えて高額な死亡保障の保険に加入している方も多いでしょう。
しかし、子どもが大きくなって独立すればそれほど高額な保障は必要なくなります。見直しで減額することにより保険料を抑えることができ、その分は今後必要になる医療保険や老後の資金づくりに回すことができます。
がんに備える
男性は50代からがんの罹患率が急増します。40代までは死亡保障を手厚くするために医療保険の内容には充分な保障がかけられなかった場合でも、50代からは充実した内容に変えることが必要です。
がん治療を対象にしたがん保険であれば、がんと診断されたときに「がん診断一時金」としてまとまった金額を受け取ることができ、高額な先端医療の給付金を受けることも可能です。がんの罹患が不安な方は、がん保険で万全の備えをすると良いでしょう。
終身死亡保険から定期死亡保険に変更する
死亡保障について保険料の負担を減らしたい場合、終身死亡保険から定期死亡保険に変更する方法もあります。終身死亡保険は一生涯にわたり保障が継続する保険で、定期死亡保険は保険期間が一定期間もしくは一定の年齢までと決まっている保険です。
終身死亡保険は保険と貯蓄の両方の機能を備えており、掛け捨ての定期保険より保険料は高めに設定されています。保険料の安い定期死亡保険であれば、最低限の死亡保障を確保しながら医療保険の充実にお金を回すことができます。
定期死亡保険の加入を検討している方は、ネット保険を検討してみてはいかがでしょうか。手頃な保険料で死亡保障と高度障害状態に備えられます。死亡保障に特化しているため、配当や解約返戻金がありません。
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なお、上記に記載のとおり、終身死亡保険には万が一の場合の死亡保障に貯蓄機能も備わっており、貯蓄機能も求めたいという方には、終身死亡保険としてオリックス生命保険株式会社の終身保険ライズがおすすめです。死亡保障が不要になった場合には保険契約を解約して解約払戻金を活用することもできます。※低解約払戻期間中に解約した場合の主契約の解約払戻金は、抑制されています(低解約払戻期間は保険料払込期間と同一です)。
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50代の生命保険見直し【女性編】
夫婦の場合、妻は世帯主である夫の保険を優先し、自分の保険は保障が不十分な可能性があります。子どもたちが独立して夫婦だけの生活になったら、夫婦同等の保険へ変えることが必要になるでしょう。
また、男性よりも平均寿命が長い女性は、一人になったときにも備えて一生涯の保障が続く保険に変えることも必要です。
50代の生命保険見直しについて、ご紹介します。
夫婦同等の保険に変える
夫婦の場合、世帯主である夫中心の保険にしているケースも少なくありません。子どもが小さいころはそれで良くても、死亡保障の必要性が減少したら妻の保険も見直す必要があります。
女性の50代も男性と同様、がんなどの罹患率が急増する時期です。乳がんのピークは40代ですが、その後60代まで罹患率が高めの状態が続きます。健康リスクが高まるため、いざという時に備えた充実した医療保険への見直しが必要になるでしょう。
医療保険を終身型に変える
女性は男性よりも平均寿命が長く、一人残されたときのことを考え、医療保険も一生涯続く終身型に変えることが必要です。終身型の医療保険は保険料が生涯変わらないため、高齢になっても同じ保険料で保障を受けることができます。
女性向けの医療保険を選ぶ際は、対象となる疾病の範囲も確認しておきましょう。女性特有のがんや病気が含まれているかどうかも重要なチェックポイントです。
ライフステージ別・生命保険の見直し方
50代でもライフステージはさまざまで、状況により生命保険の見直し方は変わります。独身と夫婦では備えるべき保障が変わり、夫婦でも子どもが独立していない場合は保障内容が違ってきます。また、自営業の場合は病気やケガで収入が途絶えたときの備えも必要です。
ライフステージ別に、生命保険の見直し方についてご紹介します。
独身の場合
独身の場合は扶養家族がいないため、死亡保障は葬儀代などに備えられれば充分な場合が多いでしょう。ただし、両親と生活をしている場合、あるいは介護を行っている場合は、死亡保障を手厚くすることも必要です。
特に備えたいのは、今後リスクが高まるがんなどの疾病に備える保険です。一生涯続く医療保険やがん保険などが該当します。
また、病気への備えだけでなく、老後の資産形成も考えなければなりません。貯蓄機能がある終身死亡保険や個人年金保険なども活用していくと良いでしょう。
夫婦で子どもが独立していない場合
夫婦でまだ子どもが独立していない場合、両親に万が一のことがあったときに備え、生活費や教育費の確保のために死亡保険を充実させておく必要があります。
50代の場合は子どもも大きくなり、大学に進学している場合も多いと思います。授業料がかかり、親元から離れて通学している場合は仕送りの負担もあるでしょう。両親に万が一の場合の備えは、充分なものを用意しなければなりません。
同時に自身の健康リスクに備えるため、医療保険・がん保険もより保障が手厚いものに見直す必要があります。
保険料の支払いに余裕がある場合は老後の生活も考え、個人年金保険なども検討してみるとよいでしょう。
夫婦で子どもが独立している場合
子どもが独立している場合、死亡保険の必要性は減少します。給付金の減額を検討し、抑えられた保険料は夫婦の医療保険や老後の資産形成に回すと良いでしょう。
高齢になるほど病気のリスクは高まり、一方で収入は少なくなる傾向です。健康保険で自己負担は少なくなるものの、少しでも老後の負担を少なくするには医療保険が欠かせません。医療保険が活躍する場面が増えることを考え、病気やケガの保障を一生涯にわたり受けられる終身保険の用意が必要です。
保障内容は入院、手術の給付金に加え、先進医療特約を付加して高額な治療費をカバーしておくと良いでしょう。健康状態により、がんや高血圧・糖尿病などのリスクに備える特約も検討してください。
資産形成に役立つ保険は個人年金保険のほか、株式や債券などで保険料を運用する変額保険があります。運用の実績により保険金や解約返戻金が増減する保険です。一般の投資商品と異なり死亡保障が付き、万が一の場合は基本保険金と運用で得られた保険金を受け取れます。運用で実績が上がっている場合にはその分の変動保険金が受け取れ、マイナスになっていた場合でも基本保険金は保証される保険です。
自営業の場合
自営業の場合は会社員と比べ、より充実した保障を備えなければなりません。会社員が加入している社会保険では、病気やケガで長期間仕事ができない場合に「傷病手当金」が保障され、最長で1年6ヵ月給料の約3分の2が支給されます。しかし、自営業の方が加入する国民健康保険ではこのような保障がありません。
そのため、自営業では終身医療保険のほかに、就業不能保険の備えも必要です。就業不能保険は、病気やケガで働けなくなる期間が長引く場合に保障を受けられる保険で、給与のように毎月保険金を受け取ることができます。保険料は年収ごとに金額を設定し、長期間の保障を受けられるのが特徴です。
自営業は老後の備えも万全にする必要があります。会社員は退職時に退職金としてまとまったお金を手に入れることもできますが、自営業にはそれがありません。老後に受け取る年金額も、会社員の厚生年金と自営業の国民年金では金額に開きがあります。
個人年金保険や変額保険に加入するなど、国民年金にプラスする老後資金づくりを早めに始めておくと良いでしょう。
50代で保険料を見直す際の注意点
50代で保険料を見直す場合、いくつか注意したい点があります。まず、保険の契約は年齢が上がるほど保険料が高くなるのが一般的です。これまでの保険を解約して新たに契約する場合は、保険料が高くなることを把握しておきましょう。契約を解約または変更する際に不安があるときは、相談することが大切です。
保険料の見直しの際に注意したいことをご紹介します。
新規加入すると保険料が高くなる
一般的に保険契約は、年齢が上がるほど保険料も高くなります。50代で保険料を見直す際、これまでの保険を解約して新規に申し込むと高い保険料を負担することになりかねません。解約を考える前に、現在加入中の保険をそのままにして見直しができないかを考える必要があります。
解約せずに見直す方法のひとつに、契約転換制度があります。現在の契約の積立部分や積立配当金を新しい契約の一部にあてる方法です。新規加入する場合と比べて保険料が安くなり、保障内容や保障期間の総合的な見直しができます。
解約や変更前には相談も必要
生命保険の見直しで解約や変更が必要と判断したとき、少しでも不安がある場合は必ず保険会社に相談してから行いましょう。別の解決方法があるかもしれません。解約や変更をしてから後悔することのないようにしてください。
また、新しい保険に加入する場合には加入の審査があり、必ず契約できるとは限りません。これまでの保険を解約して新しい保険に加入できなかった場合、保障されない期間が生じてしまいます。新規契約に加入できるか決まるまで、解約はしないようにしましょう。
おわりに
50代は子どもが独立する時期で、生命保険の見直しが必要になります。死亡保障を減額する一方、高まる病気のリスクに備えなければなりません。近付く老後の備えも考えなければならないでしょう。
生命保険を見直す内容は、ライフステージごとに異なります。独身や夫婦、自営業など、それぞれに必要な保障を考え、万全に備えることが大切です。
見直しの際は解約や変更で損をすることのないよう、保険会社とも相談しながら慎重に進めてください。