最近、自宅を活用して老後資金に備える手法として「リースバック」が注目されています。ただ、リースバックという言葉だけは、知っているけれど、具体的にどういった商品なのかご存じでない方も多いのではないでしょうか。
- リースバックはどのような時に有効なの?
- 自分自身に最適なリースバックが知りたい
- リースバックの活用事例が知りたい
このコラムではリースバックの活用事例とうまく活用するためのポイントについて解説していきます。リースバックの特徴を理解し、リースバックを有効活用していきましょう。
リースバックの活用事例7選
リースバックは一般的な不動産売却の方法と異なる特徴を持っているため、さまざまな場面で有効活用できる資金調達の方法です。
リースバックの活用事例を知っておくことで、ご自身がそのような状況下になっても冷静に対応できるでしょう。ここではリースバックの特徴を活かした活用事例を7つご紹介していきます。
セゾンのリースバックの説明動画です。(音声が出ます。音量調整にご注意ください。)
活用事例:有料老人ホームへの入居
有料老人ホームの入居費用のために、リースバックを利用した活用事例を紹介します。Aさんは75歳になり体も動きづらくなったことで、子ども達にご自身の面倒で迷惑をかけたくないと思い、有料老人ホームへの入居を検討されたそうです。
気に入った老人ホームを見つけたのですが、入居費が想定よりも高かったため、入居費用の調達に自宅の売却を考えました。
しかし、人気の老人ホームであり、入居できる日程が分からないために、通常売買では、引っ越しが必要になる可能性があるなど不都合なことが多く、悩んでいました。
そんなタイミングで紹介されたのがリースバックでした。
リースバックを利用することで自宅を所有から賃借へ切り替えることができ、面倒な一時的な引っ越しをする必要がなくなり、住み慣れた自宅で老人ホームの入居日まで過ごされていた事例です。
活用事例:住宅ローンの負担を軽減
住宅ローンの返済が厳しい状況になり、負担を軽減するためにリースバックを活用して住宅ローンを完済した事例を紹介します。Bさんは転職で収入が減り、月15万円の住宅ローンの返済が大きな負担になっていたそうです。
当初は貯蓄を崩しながら返済されていましたが、それも厳しくなり、自宅の売却を検討されました。
しかし、お子様が小学生であり、「引っ越ししたくない」と奥様が主張されたため、何か良い方法がないかと探しておられたところ、リースバックを知り利用されたそうです。
リースバックを利用することで引っ越しをせずに済み、調達した資金で住宅ローンも完済でき月々の負担が減り、満足されていたという事例です。
活用事例:相続財産の整理
相続財産を整理して相続しやすいようにするためにリースバックを活用した事例を紹介します。Cさんは4年前に旦那様に先立たれ自宅を相続されました。
しかし、ご自身もご年齢が80歳と高齢であったため、二次相続のことを考えるようになったそうです。
Cさんはお子様が2人いらっしゃるため、子ども達に平等に相続をさせたいと考え、自宅を売却して現金化することにされました。
しかし、通常の売却方法では売却後に引っ越しが必要になるため、住み慣れた家を離れずに現金化できるリースバックを選択されました。
自宅に住み続けながら家を現金化できたため、相続財産の整理がしやすくなり、不安も解消されたという事例です。
活用事例:自宅の住み替え
住み替えのためにリースバックを利用することで、引っ越し費用を抑えた事例を紹介します。Dさんは定年退職後、当時の自宅が狭いと感じていたため、郊外に新しい自宅を購入することになりました。
しかし、退職金だけでは家の購入資金が足りないため、自宅を売却して住み替えることを考えました。
当初は自宅を売却して、家が建つまで一時的な住居に引っ越すことを考えていましたが、手間もかかるうえに不便だと感じて、引っ越しの必要がないリースバックの利用を決めたそうです。
リースバックを利用することで、家が建つまで焦ることなく待つことができスムーズに住み替えができたという事例です。
活用事例:事業用資金の確保
設備投資費用の返済のために、リースバックを活用した事例を紹介します。Eさんは、2年前に銀行から融資を受けて設備投資をされました。
しかし、売上の40%を超える取引先が倒産し、売上が大幅に減少し、銀行の融資の返済が厳しい状況になったそうです。
このままでは返済ができずに破産するという事態に陥り、資金を工面するために奔走していましたが、資金を工面できずに途方にくれていました。
そんなタイミングに、友人から教えてもらったのがリースバックだったそうです。
事務所が入っているビルをリースバックで売却して、資金を調達し設備投資費用を完済。今は取引先も増えて売上も回復しているので、ビルの買い戻しを目指しておられるという事例です。
活用事例:老後の生活を充実させるための資金
老後にゆとりある生活を送るためにリースバックを活用した事例を紹介します。Fさんは65歳で定年退職後、夫婦での海外旅行や趣味の釣りなど、第二の人生である老後を楽しむつもりでした。
しかし、退職金を住宅ローンの返済などに充てるとそれほど余裕がなく、老後を思い切り楽しむには少し資金が心許ない状況だったそうです。
そこで、老後の資金を確保するために自宅の売却を検討されていたのですが、長年住んだマイホームで生活したいという思いが強くあり、別の方法を探されていました。
そんなタイミングで、リースバックを知り、引っ越しをせずに資金が調達できるということで、利用を決められたそうです。今はリースバックで調達した資金を使って、夫婦での旅行と趣味の釣りを楽しんでおられるという事例です。
活用事例:競売になるのを防ぐために活用
住宅ローンを滞納してしまい、競売になる前にリースバックで自宅を売却した事例を紹介します。Gさんは奥様が病気になり介護が必要になったため、拘束時間が長い営業職から短時間勤務が可能な事務職に職種を変更されました。
職種変更によって営業手当やインセンティブなどもなくなり、収入は激減。住宅ローンを組んだ当初は営業のインセンティブもあって収入も良く、月20万円の支払予定で組んでいたため、返済が非常に厳しくなりました。
その後、住宅ローンを返済できなくなり、滞納してしまい「競売開始の通知書」が送られてくる事態にまで発展。
不動産の売却を検討しましたが、開始期間までそこまで日数がないため、断念されました。そこで、短期間で売却ができるリースバックを選択されたのです。
査定結果も住宅ローンの残債額よりも高く、3週間ほどで現金化できることがわかり、すぐに契約されました。リースバックで得た売却金で住宅ローンを完済した事例です。
リースバックをうまく活用するためのポイント
ここまで紹介してきた事例のように、リースバックはさまざまな場面で利用できます。しかし、ご自身に合った形で利用するためには、「どのような目的でいくら必要なのか」を明確にしておくことが非常に重要です。
目的や必要な資金を明確にしておかないと、ご自身にとって最適なリースバックを見極めることができずに失敗してしまいます。
例えば、老人ホームへの入居や、住み替えなど将来的に引っ越しが決まっている場合には、買取価格が高いリースバックを選ぶのが良いでしょう。
一方で、老後資金の備えや、住宅ローンの負担軽減などでリースバックを利用し長く住み続ける場合、家賃を抑えたリースバックを選ぶのが良いでしょう。
このように、目的や必要な資金を明確にすることで、リースバックの適切な活用方法や条件などが変わるため、リースバックを検討しているなら目的と必要な資金を明確にするようにしましょう。
おわりに
リースバックは紹介したように、さまざまな場面で利用できる資金調達の方法です。利用する場面によっては、通常売買よりもリースバックの方が最適な場面も多いです。
このコラムを参考にぜひ、リースバックを検討してみてください。