リースバックは自宅を売却して資金を調達できる方法で、「短期間で資金が調達できる」ことや「売却後も自宅に住み続けられる」ことなどの特徴があります。この特徴を生かし、相続税対策として活用されることもあり、近年注目されている資金調達の方法です。
- 「リースバックによる相続税対策は有効?」
- 「リースバックの相続税対策のメリットが知りたい」
本コラムでは、そんなリースバックの相続税対策について詳細に解説していきます。相続税対策として、リースバックを検討している方は、参考にしてみてください。
相続税はいくらかかる?
家などの財産を所有している被相続人が亡くなられると、相続税が課税されます。このため、持ち家に住んでいる方にとって理解しておかなくてはならない税金の一つです。
何も相続税に対して対策をしていないと、多額の相続税を支払う可能性があるため、注意しなければいけません。相続対象となる不動産をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも相続税とは?
相続税は被相続人が亡くなられた際に、被相続人の財産を相続人が受け継いだ際にかかる税金です。例えば、ご自身が保有している現金や不動産などの財産を、子ども達に相続する際に相続税が課税されます。
ただし、相続税には基礎控除額があり、相続金額が基礎控除額を超えない限り課税されません。なお、相続税にかかる財産は、以下になります。(参考:国税庁)
金融財産 | 現金、預貯金、株式など |
不動産 | 不動産(所有権、借地権、地上権 他)など |
その他 | 自動車、特許権、宝石、著作権、ゴルフ会員権など |
法定相続分
法定相続分は、法律によって相続できる遺産の割合が決まっており、相続人の人数や順位によって変わってきます。具体的には、以下です。
シチュエーション | 法定相続分の割合 |
配偶者と子どもが相続人である場合 | 配偶者1/2 ども(2人以上のときは全員で)1/2 |
配偶者と直系尊属が相続人である場合 | 配偶者2/3 直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3 |
配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合 | 配偶者3/4 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4 |
なお、法定相続人は以下のように順位が決まっているため、上の順位の方がいる場合には下の順位の方は相続人になることができません。
- 常に相続人:配偶者
- 第1順位:子や孫(直系卑属)
- 第2順位:父母や祖父母(直系尊属)
- 第3順位:兄弟姉妹
例えば、配偶者と子どもが生きているケースでは、両親は相続人にならないので、覚えておきましょう。なお、法定相続分は法律で定められた、相続財産の分配の基準となっており、遺言等により、変更することもできます。
相続税の税率
相続税の税率は、以下の表になります。下記のように、課税される金額によって税率が異なります。このため、課税額が多い方で、財産を多く残したい方は相続税対策が有効です。 (参考:国税庁 )
課税される金額 | 税率 | 控除額 |
1000万円以下 | 10% | 控除なし |
1000万円〜3000万円以下 | 15% | 50万円 |
3000万円〜5000万円以下 | 20% | 200万円 |
5000万円〜1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円〜2億円以下 | 40% | 1700万円 |
2億円〜3億円以下 | 45% | 2700万円 |
3億円〜6億円以下 | 50% | 4200万円 |
6億円以下 | 55% | 7200万円 |
相続税の計算
相続税を計算するための計算式は、以下になります。
- 基礎控除額=3,000万円+600万円×法的相続人の数
ここでは、2つのパターンの相続税のシミュレーションを行なっていきます。次のような仮の条件で、現金を相続する場合(事例1)のシミュレーションです。
- 【事例1】
- 法定相続人:1人
- 相続財産は現金:11,000万円
- 基礎控除額:3,000万円+600万円×1人(法定相続人の数)=3,600万円
- 相続税が課税される金額:11,000万円(相続財産)-3,600万円=7,400万円
- 相続税額:7,400万円×30%(税率)-700万円(控除額)=1,520万円
つまり、現金のみで相続する場合(事例1)では「1,520万円」の相続税を納める必要があります。では、以下の条件で不動産を相続する場合のシミュレーション(事例2)を見ていきましょう。
- 【事例2】
- 法定相続人:1人
- 建物:3,000万円(固定資産税評価額)
- 土地の相続評価額:2,500万円
- 小規模宅地等の特例を適用しない
- 基礎控除額:3,000万円+600万円×1(相続人)=3,600万円
- 相続税の課税額:3,000万円(固定資産税評価額)+2,500万円(土地の相続税評価額)-3,600万円=1,900万円
- 相続税額:1,900万円×15%(税率)-50万円(控除額)=235万円
不動産のみで相続する場合(事例2)は、235万円の相続税を支払う必要があります。
リースバックが相続税対策になる理由
リースバックは自宅を売却して資金を調達しながら、自宅に住み続けられる資金調達の方法であるため、うまく活用すれば相続税対策を行うことができます。
しかし、自宅を売却すると聞くと、「逆に相続税が高くなるのでは?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。上記のシミュレーションを見ても分かるように、一般的には現金よりも不動産を保有している方が相続税対策になるケースが多いためです。
たしかに、一般的には現金より不動産を所有している方が、相続税対策になります。現金よりも不動産の方が、相続税評価が減額されるためです。
ただ、見方を変えてみると、不動産価格の評価は、相続時に計算されるため、そのときの不動産価格市場に影響をうけ評価されます。不動産の価値は、相続時まで、価値は分からないし、不動産の価値を下げることも、持主である被相続人はどうすることもできません。
リースバックを利用し現金化を行い、その現金を老後資金として使いきってしまうとしたら、相続税がかかる財産はないという状況を生み出すこともできます。現金は不動産とは異なり、「相続時までに使い切る」ことができます。次の世代に遺す必要がないのであれば、現金化して使い切るという相続税対策を行うのもありでしょう。
相続税対策としてリースバックを行うメリット
相続税対策としてリースバックを行なう場合のその他のメリットについて詳しく見ていきましょう。
生前に不動産を現金化することで納税資金を用意しておける
リースバックを行うことで生前に不動産を現金化できることがメリットです。仮に不動産を所有したまま亡くなった場合、被相続人が相続税を払う必要があり、急に現金を用意できず迷惑をかける可能性もあります。
生前にリースバックを行い現金化しておくことで、相続する対象が現金となるため、必要があれば、そのなかから相続税を支払うことができます。また、リースバックで不動産を売却することで、固定資産税がかからなくなるため、自宅に住みながら余計な経費を削減することも可能です。
現金化できるため相続財産を公平に分けられる
リースバックを行うことで自宅などの不動産を現金化することで、相続人が複数いる場合でも、相続財産を公平に分けることができることもメリットといえるでしょう。
仮に不動産を相続する場合には、「誰がその不動産を相続するか」や、「相続した相続人がいくらの代償金を支払うか」など、不動産を公平に相続できないことで起こるトラブルになるケースが多いです。こういったトラブルを未然に防ぐためにも、リースバックを活用して不動産を現金化するのも良いでしょう。
リースバックで相続税対策を行ううえでの注意点
相続税対策でリースバックを行う際は、事前にリースバックを行うことを相続人に相談しておきましょう。相続人によっては不動産が自身のものになると思っているケースがあり、トラブルになるケースがあるためです。リースバックを行うことをあらかじめ相談しておくことで、将来的なトラブルを防ぐことが可能です。
おわりに
このコラムではリースバックの相続税対策や相続税について詳細に解説してきました。相続税対策としてリースバックを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ちなみに、リースバックを検討している方におすすめしたいのがセゾンのリースバックです。信頼性が高いだけでなく、リースバックの売却金額などもお客様のについて相談できるなど、他の業者にないメリットが数多くあります。
リースバックを検討している方は、ぜひ一度セゾンファンデックスを検討してみてください。